【10月30日 AFP】タイで処理するために数百トンの廃棄物を積載して今年7月にアルバニアを出航した船舶が、貨物に有害廃棄物が含まれている可能性があるとの内部告発を受けてタイに受け入れを拒まれ、アルバニア最大の港湾都市ドゥラス(Durres)に29日、帰港した。

 トルコ船籍の「モリーバ(Moliva)」は7月初旬にアルバニアを出港。アルバニア税関当局の当時の書類によると、貨物は「酸化鉄」などの産業廃棄物で、輸出は許可されていた。

 しかし、途上国への有害廃棄物の輸出根絶に取り組むNGO、バーゼル・アクション・ネットワーク(BAN)に寄せられた内部告発によれば、貨物には、保管および輸送に厳格な条件を要する有害廃棄物の電炉ダスト(EAFD)が含まれているとみられている。

 同船はタイ側に受け入れを拒否され、スペイン、ポルトガル、イタリア、トルコに寄港した後、数か月かけてアルバニアに帰港した。

 BANのジム・パケット(Jim Puckett)代表は「われわれの主張が事実であれば、これは国際法で定められた有害廃棄物」だとし、輸出は「犯罪行為」だと主張した。

 ドゥラスの検察は、コンテナに有害廃棄物が含まれているかどうかを判断するため、サンプルを分析するとしている。(c)AFP