求めるのは「教養ある」観光客 チェコ首都、夜のパブ巡りツアー禁止
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【10月15日 AFP】チェコの首都プラハの市議会は14日、旅行代理店が主催する夜間のパブ巡りツアーを禁止した。「より教養のある」観光客をターゲットにするためとしている。
人口約130万人のプラハは長い間、英国人観光客を中心に、男性ばかりの騒がしいパーティーに集う人々や、パブをはしごする人々の間で人気を集めてきた。
プラハのズデニェク・フジブ(Zdenek Hrib)副市長は14日の記者会見で、「午後10時から午前6時の間、ガイド付きのツアーは開催できなくなる」と説明した。
もう一人の副市長、イジー・ポスピシル(Jiri Pospisil)氏は、プラハ市は「より教養があり、裕福な観光客を求めている。酔っ払うためだけに訪れる短期滞在者は求めていない」と述べた。
チェコ・ホテル飲食業組合の会長は、市の決定を歓迎。「ビールを求めて歴史地区を訪れる観光客は、地元住民だけではなく他の観光客にとっても問題だった」「この措置によって、われわれの業界の売り上げに悪影響が出るとは思わない。パブに行くこと自体は禁止されないが、夜間のパブ巡りのツアーは、私たちに必要のないものだ」との見解を示した。
チェコは長年、外国人のビール愛好家に支えられ、世界一アルコール消費量が多い国となっている。
チェコのビール消費量は、2020年の新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)以降、着実に減少しているにもかかわらず、2023年は新生児も数に含めた全国民で1人当たり平均128リットルだった。
一部の飲食店では、水よりもビールの方が安い。国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)の世界遺産に登録されているプラハ歴史地区の多くのパブは、地元産のラガービールを1パイント(約500ミリリットル)3ドル(約450円)未満で提供している。(c)AFP