【5月23日 AFP】世界保健機関(WHO)は23日に開かれた年次総会で、台湾の参加に関する協議を拒否した。台湾の参加をめぐっては、複数の国が強く要請していたが、中国からこれに反対する圧力がかかっていた。

 台湾は近年、中国からの反発を受け、WHO総会へ参加できていない。米国のアントニー・ブリンケン(Antony Blinken)国務長官は先週、「新型コロナウイルスをはじめ、衛生面での脅威との闘いが続く中、総会から台湾を排除することは不当であり、公衆衛生分野での包括的な国際協力を損ねるものだ」と発言していた。

 第75回WHO年次総会の開会直後、加盟194か国のうち、ベリーズ、エスワティニ、ハイチ、ツバルなど13か国の代表が、台湾に常任オブサーバーの地位を与えることを総会の議題に加えるよう提案していた。

 人口2300万人の台湾における新型コロナウイルスによる死者は1300人超にとどまっており、提案ではコロナ危機で台湾が見せた「類いまれな」対応を評価する声が強調された。

 年次総会委員会は22日、この提案について非公開の場で協議し、翌23日朝に、総会に対しこの問題を議題として提起しないことを提案した。

 中国の陳旭(Chen Xu)代表は総会での演説で、提案は「政治的操作」であり、台湾の真の目的は新型ウイルスのパンデミック(世界的大流行)を利用して独立を目指すことにあると指摘した。

 これに対しエスワティニの代表は、「台湾のWHO総会参加は保健問題であって政治問題ではない」と反論した。(c)AFP