深夜にセリーヌ・ディオンの曲を爆音で流し「バトル」、住民大迷惑 NZ
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【10月27日 AFP】ニュージーランドの首都ウェリントン北郊で、「マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン(My Heart Will Go On)」などセリーヌ・ディオン(Celine Dion)の名曲を大音量で延々と深夜まで車から流して競い合う「サイレン・バトル」が行われており、住民を悩ませている。
人口約6万人の小都市ポリルア(Porirua)の住民は、午前2時に睡眠を妨害されれば、たとえ名曲であっても魅力はあせると口をそろえる。
アニタ・ベイカー(Anita Baker)市長は26日、AFPの取材に対し、「頭痛の種だ」と話した。
現地メディアによると、「サイレン・バトル」の参加者は大型のサイレンスピーカーを車や自転車に取り付け、音の大きさを競い合う。太平洋諸島にルーツを持つ参加者が多いという。
バトル参加者は「セリーヌ・ディオンが大好き」で「高音で声量がある」歌声を好むとベイカー氏は語った。
ベイカー氏によると、バトルは早ければ午後7時から始まり、遅い時には午前2時まで続く。駐車場に集まり、エンジンをふかしながら大音量で曲の4分の1ほどだけ流し、警察が来る前に逃げるという。
バトルの開催は不定期で、曜日も決まっていない。
署名サイト「change.org」では、ポリルア市にバトル禁止を求める訴えにこれまでのところ300人近くが署名した。
ベイカー氏は署名運動とは別に、市にはすでに多数の電子メールや苦情が寄せられていると指摘する。
ニュージーランドでは少なくとも7年前から各地でサイレン・バトルが始まった。
ベイカー氏によるとポリルアでは、昨年11月のラグビー・リーグ・ワールドカップ(Rugby League World Cup)でサモアが決勝戦に進むとサポーターが深夜に音楽を流して祝った。それ以来、お祭り状態がずっと続いている。
ベイカー氏はバトルを見学したことがある。人気の理由と楽しさは理解できるが、今後は警察と相談し解決策を模索すると語った。
「騒音のせいで街から引っ越すということはあってはならない。それは容認できない」と強調した。(c)AFP