比大統領に詰め寄った香港記者ら、APECでの取材資格はく奪
このニュースをシェア
【10月7日 AFP】アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が開催されるインドネシア・バリ(Bali)島で6日、記者会見を行っていたフィリピンのベニグノ・アキノ(Benigno Aquino)大統領に香港の記者らが詰め寄る騒ぎが起きた。記者らは、香港の人質8人が死亡した2010年のバス乗っ取り事件をめぐり大統領に謝罪を求めた。
記者らは、アキノ大統領に対して香港行政トップの梁振英(Leung Chun-ying)長官と会談し、遺族らに謝罪するよう求めた。フィリピンの首都マニラ(Manila)で2010年に発生した人質事件では外国人観光客が乗ったバスが乗っ取られ、香港からの観光客8人が死亡している。
香港のテレビ「Now TV」が報じた映像には、「香港の人々を無視するのか」と叫びながら詰め寄る記者らと質問に応じようとしないアキノ大統領、さらには「わが国への訪問客に不意打ちをするつもりか」と記者らに迫るAPEC職員の姿が捉えられていた。
この騒動をめぐりAPEC主催国のインドネシア政府は7日、少なくとも関係者9人の取材資格を剥奪したと述べた。記者らが安全を脅かしたためとしており、報道の自由の妨害ではないと主張している。
インドネシア情報通信省高官は、「メディア関係者の行動として不適切と判断した。まるで抗議行動か何かのような非常に感情的な発言だった」と述べ、取材資格の剥奪は「安全上の懸念」が理由とAFPに説明した。記者らはバリ島に留まることは可能だが、APEC会場に立ち入ることはできないという。
アキノ大統領の報道官も、記者らの攻撃的な質問行為は「一線を越えている」と非難した。(c)AFP