劇場アニメ『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師』土井半助/天鬼役・関俊彦インタビュー|天鬼を演じるにあたって
2013年に刊行された『小説 落第忍者乱太郎 ドクタケ忍者隊 最強の軍師』(原作・イラスト:尼子騒兵衛先生/小説:阪口和久先生/朝日新聞出版刊)の劇場アニメ『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師』が2024年12月20日(金)より全国公開。
アニメイトタイムズでは映画公開を記念して土井半助/天鬼役・関俊彦にインタビューを実施しました。土井半助と天鬼の演じ分けで心がけたこと、土井先生ときり丸にスポットが当たっている本作の魅力などをたっぷりと伺いました。
改めて土井先生がみんなと繋がっていると感じられた
──はじめに、『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師』の劇場化が決定した際のお気持ちや準備されたことをお聞かせください。
土井半助/天鬼役・関俊彦さん(以下、関):劇場版は2011年の『劇場版アニメ 忍たま乱太郎 忍術学園 全員出動!の段』ぶりということで、これを機会に前作の2作を改めて観てみたのですが、やっぱり『忍たま乱太郎』の劇場版はとてもクオリティが高く迫力のある映画だなと感じました。そしてまさか、劇場版を再びできるとは思っていなかったので、とにかく「え?」という気持ちでした。
しかも、『忍たま』ファンのコアな方たちからは大変支持されている小説の劇場版ということで、そういった部分でも気持ちが上がりましたね。内容も土井先生ときり丸をかなり取り上げてくれているということで、本当に「これはえらいことになったぞ」と思ったのが最初でした。
──今回の映画ではこれまでと異なりシリアスさが含まれておりますが、アフレコの台本を読まれた際の印象はいかがでしたか?
関:まずは阪口先生の小説『小説 落第忍者乱太郎 ドクタケ忍者隊 最強の軍師』を読みました。最初は原作小説があるということを知らなかったのですが、『忍たま乱太郎』という作品が漫画でもアニメでもなく小説という字で表現されると果たしてどんなふうになるのだろうと、興味津々で読みました。本当にキャラクターの描写が私たちが『忍たま』でやっていたキャラクター通りというか、むしろそこを掘り下げた阪口先生の『忍たま乱太郎』という元の作品に対するリスペクトと愛情がひしひしと感じられましたし、するっと一気に読ませていただきました。
阪口先生は「ミュージカル 忍たま乱太郎」の舞台脚本も手がけてらっしゃるので、この方の『忍たま』愛は強いなという印象を持ちました。
そういった阪口先生の小説を元にアフレコ台本ができたわけですけれども、ぱっと見、カット割の多さからしてもアクションシーンの作画がどんなふうになっていくのかという部分が楽しみでしたし、リハーサルビデオを見ていない状態ではシリアス部分含む人物の表情や描写をどんなふうに映像化するのかがとても楽しみだったので、台本をいただいた際は早くリハーサルビデオが見たいなと思いました。
──アフレコの際には藤森雅也監督や尼子騒兵衛先生とどういったお話をされましたか?
関:藤森監督とご挨拶した際は、前回の映画では、考えられるギャグは全部ぶち込みましたとおっしゃられていたのですが、今回は小説版が元になっているのでキャラクターの心情を考えるとなんでもかんでもギャグをぶち込むというわけにはいきませんから……(笑)。「そのあたりはいつもの『忍たま』とは違いますがよろしくお願いします」というご挨拶がありました。
それでも実際は僕たちや『忍たま』ファンの方々が見てもしっかりと『忍たま』のお約束の笑い事というのでしょうか……(笑)。かなりの数の笑いがしっかり入っています。
おすすめは稗田八方斎とドクタケ忍者隊のとあるシーンです。「うわ~ここまでやるのか!?」と思ってびっくりしましたが、実はシリアスなのですがやっていること自体は馬鹿馬鹿しく……(笑)。そこはすごく笑えました。
あとは、ロール1が終わった後に尼子先生がご挨拶にいらっしゃって、「『忍たま乱太郎』という作品は原作とアニメーションとの齟齬が全くございません」と、「制作スタッフ側も逐一報告してくれる」とユーモアを取り入れつつ笑わせてくれました(笑)。
先生もアフレコ用の収録動画をご覧になっていたようで、この作品のアクションシーンに注目してくださっていました。今回のアクションシーンはすごいと、「アクションシーンを見ながらご飯10杯は食べられます」と尼子先生がおっしゃってスタジオを笑わせてくださいました(笑)。
──(笑)。アフレコの際に印象に残っていたり、おすすめや見どころのシーンがありましたら教えてください。
関:1番の見どころはやっぱりアクションシーンですよね。土井VS諸泉尊奈門、天鬼VS六年生、それから何と言っても本当に山田先生と利吉くんもかっこいい。卒業生の2人もかっこいい。
そしてなにより恐ろしくかっこいいのが雑渡昆奈門ですよね。
今回の作品は、きり丸と土井の過去からの絆がしっかり描かれているというところが一番良いところだと感じています。土井先生が改めて、きり丸・乱太郎・しんべヱ、一年は組のみんな、山田先生と利吉くん、あらゆる登場人物との絆で繋がっていると全編に渡って感じさせてくれました。
そして、クライマックスシーンではもらい泣きしそうになりました。劇場でご覧になられるみなさんもそう想ってくれるのではないかなと思います。
──アフレコ現場の雰囲気もお伺いできればと思います。
関:お馴染みの仲間でやっているので現場の雰囲気は今まで通りでした。ですが、お話にシリアスな部分があるのでそういう意味ではいつもと違った緊張が流れていたのではないかなと思います。少なくとも僕は緊張していました(笑)。
──続いて、話題はガラリと変わるのですが主題歌「勇気100%」のお好きなポイントもお聞かせください。
関:「勇気100%」はこの30年という月日を経て日本中の子供たちに浸透したのではないかなと思っています。
私の娘が幼稚園に行っている頃の運動会で流れていて、すごく嬉しくなったことを今でも覚えていますね。だからこれまで長い間、歌唱するアーティストが変わりながらも歌い継がれているので、「勇気100%」があるからこそ『忍たま乱太郎』は時間の流れを感じさせずに見てもらえるものなんじゃないかなと思っています。
「勇気100%」が流れてきた途端、例えば今、第1話を見ても30年の時間の流れを感じさせないと思うんです。そういう素晴らしさがこの曲にはありますね。