主にプロダクトマネージャーなどのビジネスサイドの人向けにソフトウエア開発の本質やエンジニアの考え方や価値観のインプットを手助けするための本だと感じた
一方で、エンジニアにとっても学ぶべきことや著者の価値観は為になる
【ソフトウエア開発は製造業と同じだという錯覚】
こう思ってしまう主要因はエンジニアはプログラミング言語で物を作るのが生業だという先入観によるもの
実務の大半は研究者のような振る舞いに時間を費やしていることが多い
優れたエンジニアほど、現実世界を理解しようとし、事業が実現しようとしているビジョンや会社のミッションに考えを巡らせる
その機能がなぜ必要か?事業にとってどういう意味があるのかを整理した上で、最適な設計を考え始める
設計は一度に仕上がるのではなく、レゴのように試行錯誤しながら組み上げていくため、研究開発の要素が強い
【人を増やすと見えないコストが膨らむ】
エンジニアを本書では設計者として捉えており、この設計者が複数人いたら生産性にどう影響するかの具体例として、コミュニケーションが挙げられていた
エンジニアが複数いた場合、各自自分のアイディアを共有し相互理解のプロセスが行われる
2人や3人でも異なるアイディアに対する相互理解はそれなりに時間がかかるのは想像に難くない
それが、5人、6人と増えていくと合意形成は難しくなり、生産性に影響するのは理解しやすい
単に設計といっても、システムのドメイン知識や技術的な教育というメンバー間でも理解度に差があるのが当たり前なので、人が増えることでより難易度が上がっていく
【ソフトウェア開発の進め方や考え方】
・最初からずっとシンプルに作り続ける。一時的な妥協は永遠の負債になる
期日が迫ってきて、妥協しやすいポイントは機能を落とすよりも内部品質を落とすことに倒れることが多い
一見一時的な妥協なので、将来別途時間を取って解消できると思いがちだが、解消されるケースは少ない(そもそも期日が迫って妥協していることから、また期日が迫って妥協する可能性の方が高い)
これが溜まると腫れ物のソースコードができ、エンジニアの開発体験が著しく落ちる
・目の前の生産性を上げるな。生産性を上げる「仕組み」を作れ
ふりかえりをしているところは多いと思うが、そのふりかえりは生産性を上げる「仕組み」づくりに繋がっているかを自問すること
意識付けは仕組みではないということを認識して望むことが大切
・生産性が上がる要因は共通体験であり時間がかかるもの
一人のエース社員がプロダクト開発を引っ張るという時代ではなくなってきている
複数メンバーで如何にアウトプットを出すかの時代
そこには密なコミュニケーションをベースとした開発成功体験が必要で、うまくいくと心理的安全性も上がり生産性の向上に大きく寄与する
それゆえ時間がかかるものである
・一度の完成を目指さない。完成後の姿をイメージする
VUCA時代はPDCAのループを回すことで課題と解答を模索していく働き方が強い
完成させることをゴールにすると、完成後が蔑ろにされ戦い続けることができなくなる
アンチパターンとしては、初期開発後にPJが解散して、再度PJチームが再編されるという進め方
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人が増えても速くならない ~変化を抱擁せよ~ Kindle版
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(概要)
ユーザー数が伸びるにつれて多くの要望が出てきても、新しい機能をスピーディーに追加できなくなってきた。
ちょっとした修正のはずなのに、ものすごく時間がかかる。
――そのようなことが起こる原因は、ソフトウェアが変化に適応できないから。
プログラミングを学んでも理解できないソフトウェアの本質を、プログラマーとして12年、経営者として12年の経験を持つ著者が集大成。
・完成しても終わりではない
・人が増えても速くならない
・たくさん作っても生産性が高いとは言えない
・人に依存せず同じ品質にはできない
・プレッシャーをかけても生産性は上がらない
・見積もりを求めるほど絶望感は増す
・一度に大きく作ると得に見えて損をする
・工程で分担しても効率化につながらない
これからの事業の成長に欠かせない思考法がわかる。
(こんな方におすすめ)
・起業家
・経営者
・事業責任者
・マネージャー
(目次)
1章 完成しても、終わりではない
システムは使い始めてから改善が始まる
なぜ、ソフトウェアなのに固くなってしまうのか
プロジェクトからプロダクトの考え方に変える
2章 人を増やしても速く作れるわけではない
2倍の予算があっても2倍の生産性にはならない
遅れているプロジェクトに人を追加するのはやめて
銀の弾丸はないが"金の弾丸"なら有効なときがある
速く作ることはできないが、速く作れるチームは作れる
チームの哲学や文化が揃っていることが大事
3章 たくさん作っても生産性が高いとは言えない
あらゆる状況を考慮するのに時間がかかる
プログラムは現実の理解の上に成り立つ
影響範囲に気をつけて、重複をなくすことも仕事
同じソフトウェアを複数人で同時改修するのは非効率
生産性は、手を動かした時間で測らない
4章 人に依存せず同じ品質で作ることはできない
ソフトウェアは一品モノ、1つずつ中身が違う
外から見える品質と、見ることのできない品質
エンジニアにしかわからないプログラムの美しさ
クリエイティブな仕事の属人化を解決する
5章 プレッシャーをかけても生産性は上がらない
急がせたところで速く作ることはできない
一時的な妥協は、永遠の負債になる
作れば作るほど、生産性は落ちていく
生産性が上がる仕組みを作ることは投資
楽をするための苦労はいとわない
6章 見積もりは求めるほどに絶望感は増す
なぜ、正確な見積もりが出せないのか
見積もりを守るためのバッファの功罪
見積もりと約束が"受発注"の関係を作ってしまう
事業側と開発側が"協働"の関係を築く
「納品」をなくせばうまくいく
7章 一度に大きく作れば得に見えて損をする
プロジェクトが大きくなるとうまくいきにくいのに、なぜプロジェクトは大きくなってしまうのか
ソフトウェア開発はギャンブルのようなもの、大きく賭けると大きく失敗する
小さくすれば不確実さを下げられる
小さく作って、大きく育てられるのがソフトウェア
プロジェクトを小さくするために、作ろうとする機能の範囲を限定する
不確実な未来を、少しずつ確実なものにしていく
8章 工程を分業しても、効率化につながらない
工程を分離しても生産性は上がらない
猫の手を借りても生産性は上がらない
プログラムは最も低い品質に引っ張られる
ソフトウェアの設計はだれのものか
ユーザー数が伸びるにつれて多くの要望が出てきても、新しい機能をスピーディーに追加できなくなってきた。
ちょっとした修正のはずなのに、ものすごく時間がかかる。
――そのようなことが起こる原因は、ソフトウェアが変化に適応できないから。
プログラミングを学んでも理解できないソフトウェアの本質を、プログラマーとして12年、経営者として12年の経験を持つ著者が集大成。
・完成しても終わりではない
・人が増えても速くならない
・たくさん作っても生産性が高いとは言えない
・人に依存せず同じ品質にはできない
・プレッシャーをかけても生産性は上がらない
・見積もりを求めるほど絶望感は増す
・一度に大きく作ると得に見えて損をする
・工程で分担しても効率化につながらない
これからの事業の成長に欠かせない思考法がわかる。
(こんな方におすすめ)
・起業家
・経営者
・事業責任者
・マネージャー
(目次)
1章 完成しても、終わりではない
システムは使い始めてから改善が始まる
なぜ、ソフトウェアなのに固くなってしまうのか
プロジェクトからプロダクトの考え方に変える
2章 人を増やしても速く作れるわけではない
2倍の予算があっても2倍の生産性にはならない
遅れているプロジェクトに人を追加するのはやめて
銀の弾丸はないが"金の弾丸"なら有効なときがある
速く作ることはできないが、速く作れるチームは作れる
チームの哲学や文化が揃っていることが大事
3章 たくさん作っても生産性が高いとは言えない
あらゆる状況を考慮するのに時間がかかる
プログラムは現実の理解の上に成り立つ
影響範囲に気をつけて、重複をなくすことも仕事
同じソフトウェアを複数人で同時改修するのは非効率
生産性は、手を動かした時間で測らない
4章 人に依存せず同じ品質で作ることはできない
ソフトウェアは一品モノ、1つずつ中身が違う
外から見える品質と、見ることのできない品質
エンジニアにしかわからないプログラムの美しさ
クリエイティブな仕事の属人化を解決する
5章 プレッシャーをかけても生産性は上がらない
急がせたところで速く作ることはできない
一時的な妥協は、永遠の負債になる
作れば作るほど、生産性は落ちていく
生産性が上がる仕組みを作ることは投資
楽をするための苦労はいとわない
6章 見積もりは求めるほどに絶望感は増す
なぜ、正確な見積もりが出せないのか
見積もりを守るためのバッファの功罪
見積もりと約束が"受発注"の関係を作ってしまう
事業側と開発側が"協働"の関係を築く
「納品」をなくせばうまくいく
7章 一度に大きく作れば得に見えて損をする
プロジェクトが大きくなるとうまくいきにくいのに、なぜプロジェクトは大きくなってしまうのか
ソフトウェア開発はギャンブルのようなもの、大きく賭けると大きく失敗する
小さくすれば不確実さを下げられる
小さく作って、大きく育てられるのがソフトウェア
プロジェクトを小さくするために、作ろうとする機能の範囲を限定する
不確実な未来を、少しずつ確実なものにしていく
8章 工程を分業しても、効率化につながらない
工程を分離しても生産性は上がらない
猫の手を借りても生産性は上がらない
プログラムは最も低い品質に引っ張られる
ソフトウェアの設計はだれのものか
- 言語日本語
- 出版社技術評論社
- 発売日2023/6/10
- ファイルサイズ2530 KB
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商品の説明
著者について
倉貫義人(くらぬき よしひと)
株式会社ソニックガーデンの創業者で代表取締役社長。1974年生まれ。京都府出身。
小学生からプログラミングを始め、天職と思える仕事に就こうと大手システム会社に入社するも、プログラマ軽視の風潮に挫折。転職も考えたが、会社を変えるためにアジャイル開発を日本に普及させる活動を個人的に開始。会社では、研究開発部門の立ち上げ、社内SNSの企画と開発、オープンソース化をおこない、自ら起業すべく社内ベンチャーを立ち上げるまでに至る。
しかし、経営の経験などなかったために当初は大苦戦。徹底的に管理する方法で新規事業はうまくいかないと反省。徐々に管理をなくしていくことで成果をあげる。最終的には事業を軌道に乗せて、その社内ベンチャーをマネジメント・バイ・アウト(経営者による買収)することで独立を果たして、株式会社ソニックガーデンを設立。
ソニックガーデンでは、月額定額&成果契約の顧問サービス提供する新しい受託開発のビジネスモデル「納品のない受託開発」を展開。その斬新なビジネスモデルは、船井財団「グレートカンパニーアワード」にてユニークビジネスモデル賞を受賞。
会社経営においても、全社員リモートワーク、本社オフィスの撤廃、管理のない会社経営などさまざまな先進的な取り組みを実践。2018年には「働きがいのある会社ランキング」に初参加5位入賞と、「第3回ホワイト企業アワード」イクボス部門受賞。
2018年から「北欧、暮らしの道具店」を運営する株式会社クラシコムに社外取締役として参画、2022年のグロース市場への上場に貢献を果たす。
著書に『管理ゼロで成果はあがる』(技術評論社)、『ザッソウ』(日本能率協会)、『「納品」をなくせばうまくいく』『リモートチームでうまくいく』(日本実業出版社)がある。
プログラマを誇れる仕事にすることがミッション。
「心はプログラマ、仕事は経営者」がモットー。
ブログ:https://kuranuki.sonicgarden.jp/
Twitter:@kuranuki
Facebook:https://www.facebook.com/kuranuki
株式会社ソニックガーデンの創業者で代表取締役社長。1974年生まれ。京都府出身。
小学生からプログラミングを始め、天職と思える仕事に就こうと大手システム会社に入社するも、プログラマ軽視の風潮に挫折。転職も考えたが、会社を変えるためにアジャイル開発を日本に普及させる活動を個人的に開始。会社では、研究開発部門の立ち上げ、社内SNSの企画と開発、オープンソース化をおこない、自ら起業すべく社内ベンチャーを立ち上げるまでに至る。
しかし、経営の経験などなかったために当初は大苦戦。徹底的に管理する方法で新規事業はうまくいかないと反省。徐々に管理をなくしていくことで成果をあげる。最終的には事業を軌道に乗せて、その社内ベンチャーをマネジメント・バイ・アウト(経営者による買収)することで独立を果たして、株式会社ソニックガーデンを設立。
ソニックガーデンでは、月額定額&成果契約の顧問サービス提供する新しい受託開発のビジネスモデル「納品のない受託開発」を展開。その斬新なビジネスモデルは、船井財団「グレートカンパニーアワード」にてユニークビジネスモデル賞を受賞。
会社経営においても、全社員リモートワーク、本社オフィスの撤廃、管理のない会社経営などさまざまな先進的な取り組みを実践。2018年には「働きがいのある会社ランキング」に初参加5位入賞と、「第3回ホワイト企業アワード」イクボス部門受賞。
2018年から「北欧、暮らしの道具店」を運営する株式会社クラシコムに社外取締役として参画、2022年のグロース市場への上場に貢献を果たす。
著書に『管理ゼロで成果はあがる』(技術評論社)、『ザッソウ』(日本能率協会)、『「納品」をなくせばうまくいく』『リモートチームでうまくいく』(日本実業出版社)がある。
プログラマを誇れる仕事にすることがミッション。
「心はプログラマ、仕事は経営者」がモットー。
ブログ:https://kuranuki.sonicgarden.jp/
Twitter:@kuranuki
Facebook:https://www.facebook.com/kuranuki
登録情報
- ASIN : B0C3ZFZH37
- 出版社 : 技術評論社 (2023/6/10)
- 発売日 : 2023/6/10
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 2530 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効にされていません
- Word Wise : 有効にされていません
- 本の長さ : 112ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 7,376位Kindleストア (Kindleストアの売れ筋ランキングを見る)
- - 32位ソフトウェア開発・言語
- - 59位マーケティング・セールス (Kindleストア)
- - 177位産業研究 (Kindleストア)
- カスタマーレビュー:
著者について
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株式会社ソニックガーデン代表取締役
大学院を修了後、大手システム会社でエンジニアとしてキャリアを積みつつ「アジャイル開発」を日本に広げる活動を続ける。自ら立ち上げた社内ベンチャーを、2011年にMBOし、株式会社ソニックガーデンを創業。月額定額&成果契約という「納品のない受託開発」を展開し、注目を集める。新しいワークスタイルにも取り組み、リモートワークを実践し、そのノウハウも発信し続けている。
ブログ http://kuranuki.sonicgarden.jp
カスタマーレビュー
星5つ中4.3つ
5つのうち4.3つ
206グローバルレーティング
評価はどのように計算されますか?
全体的な星の評価と星ごとの割合の内訳を計算するために、単純な平均は使用されません。その代わり、レビューの日時がどれだけ新しいかや、レビューアーがAmazonで商品を購入したかどうかなどが考慮されます。また、レビューを分析して信頼性が検証されます。
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
- 2023年6月22日に日本でレビュー済みAmazonで購入
- 2023年8月3日に日本でレビュー済みAmazonで購入バックグランドが違う非エンジニアにエンジニアの考えを伝えるには良い本だと思います。
- 2023年10月30日に日本でレビュー済みAmazonで購入非エンジニアの営業職や経営者にも分かりやすくアジャイルによるプロジェクト運用が解説されています。
- 2023年10月15日に日本でレビュー済みAmazonで購入エンジニアが「事業側に理解してほしいな」と思うことが平易に書かれており、事業側が読むと学びがある本ではないかと思います。
しかし、エンジニア側の事情しか無いので、ビジネスマンとして未熟なエンジニアが読むと「そうだそうだ!事業側は何もわかっちゃいない!」といった愚かな感想を生んでしまいそうです。
エンジニアはこの本を事業側への説明の参考にしつつも、自分たちも事業側の考えや事情を理解するよう心がけるべきでしょう。(自戒もこめて)
- 2023年9月14日に日本でレビュー済みAmazonで購入ド素人の建材メーカー情シス部長に読んでもらいたい1冊。
- 2024年2月24日に日本でレビュー済みエンジニア視点で読みました。
既知の内容が多く、値段の割に内容が少ないため、もう少しボリュームがあっても良いのではないかと思いました。要点を絞ったアジャイル開発の話です。
一方、ビジネス側の時間がない方にとっては読みやすい内容であり、30分あれば読めるボリュームなので開発側の事情を知るのには良い書籍だと思います。
- 2023年7月24日に日本でレビュー済みAmazonで購入平易な表現かつ事例や比喩を多用することでソフトウェア開発の常識を誰でも数時間でインプットすることができる本。
ソフトウェア開発プロジェクト初期にチーム全員でこの本を輪読してみて欲しい。
おそらく、その後出会ったであろう多くの問題はその時点で解決されているだろう。
- 2023年7月19日に日本でレビュー済みAmazonで購入本自体のボリュームはそんなにありませんが、ソフトウェア開発の事情をうまく捉えていると思います。
分かりやすい表現で書かれているので、エンジニアでない方でもスラスラと読めます。
より良いソフトウェアを開発していくために、エンジニアの方も、エンジニアでない方も読んで損はないと思う一冊です。