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春にして君を離れ (クリスティー文庫) Kindle版
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2004/4/16
- ファイルサイズ476 KB
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登録情報
- ASIN : B009DEMMAU
- 出版社 : 早川書房 (2004/4/16)
- 発売日 : 2004/4/16
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 476 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効
- Word Wise : 有効にされていません
- 本の長さ : 270ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 25,075位Kindleストア (Kindleストアの売れ筋ランキングを見る)
- - 10位クリスティー文庫
- - 119位英米の小説・文芸
- - 152位ミステリー・サスペンス・ハードボイルド (Kindleストア)
- カスタマーレビュー:
著者について
1890年、保養地として有名なイギリスのデヴォン州トーキーに生まれる。中産階級の家庭に育つが、のちに一家の経済状況は悪化してしまい、やがてお金のかからない読書に熱中するようになる。特にコナン・ドイルのシャーロック・ホームズものを読んでミステリに夢中になる。
1914年に24歳でイギリス航空隊のアーチボルド・クリスティーと結婚し、1920年には長篇『スタイルズ荘の怪事件』で作家デビュー。1926年には謎の失踪を遂げる。様々な憶測が飛び交うが、10日後に発見された。1928年にアーチボルドと離婚し、1930年に考古学者のマックス・マローワンに出会い、嵐のようなロマンスののち結婚した。
1976年に亡くなるまで、長篇、短篇、戯曲など、その作品群は100以上にのぼる。現在も全世界の読者に愛読されており、その功績をたたえて大英帝国勲章が授与されている。
カスタマーレビュー
お客様のご意見
お客様はこの小説について、以下のような評価をしています: 素晴らしい心理描写があり、ほわーとした内容で、人間の賢さとか豊かさとかのとらえかたを深く考察しているようです。また、翻訳がすばらしく読みやすい文章であることも好評です。 ストーリーテリングの妙やストーリーテリングの妙に魅せられ、感動を覚える作品だと評価されています。事件も起こらず、人も死なないという点も魅力的だと感じています。 一方で、長すぎて疲れるという指摘もあります。 人生観についても、謙虚に振り返っていく生き方、結婚生活の自分を見直す良い機会だと言及されています。
お客様の投稿に基づきAIで生成されたものです。カスタマーレビューは、お客様自身による感想や意見であり、Amazon.co.jpの見解を示すものではありません。
お客様はこのミステリー作品について、素晴らしい心理描写とほわーとした内容を高く評価しています。作者の凄みをあらためて感じさせ、恐ろしいほどの心理描写があると述べています。また、回想を中心に描かれた物語であり、読者にとって共感と気づきが得られる深い物語だと感じているようです。一方で、後半が少し長いという指摘もあります。
"...確かに、ミステリと称してはいないけれど、ミステリの要素は多分にあると感じました。 ミステリファンの間では、「最後の一撃」という言葉があります。 つまり、最後の数行に衝撃的なことが書かれていて、鮮やかな幕切れとなる手法です。..." もっと読む
"...などと考えてみると、とても味わい深い作品になっているのが分かる。 心理描写に卓越したアガサ・クリスティならではの優れた作品である。" もっと読む
"...時代も国も立場も、現代の我々とはかけ離れた存在でありながらも、読んでいて自身と重ね合わせてしまう部分が非常に多いと感じた。 回想を中心に描かれた物語であり、決して目まぐるしい展開があるわけではないながらも、読者にとって共感と気づきが得られる深い物語だった。..." もっと読む
"原田ひ香の作品の登場人物がこれをベタ褒めしていたので読んでみました。なるほど。推理小説とは違うドキドキ感があって、人間の賢さとか豊かさとかのとらえかたについて、とても深い考察があると思いました。知らぬは本人ばかりなりかぁ。..." もっと読む
お客様はこの小説について、名作家の読みやすさを高く評価しています。希有な読書体験をしたい人にもおすすめで、一気に読めてしまうほど面白かったと感じています。翻訳が非常にすばらしく読みやすい文章で、どんどん読み進めていくという意見もあります。また、現代文学の傑作として、時代を越えて読み継がれる名作だと評価されています。
"アガサ・クリスティが別ペンネームで書いたシリーズ。そのくらいの予備知識で読み進めると、とても良い読書体験が出来ると思います。" もっと読む
"...私としては、結論として、本作品は、「人間描写」の巧みなミステリ小説と感じました。 人間の心理描写に迫り、ある種、人間の本質である「人はどんな心を持っているのか」という「最大の謎」を解明していく、名作だと思いました。..." もっと読む
"...のいいようにねじ曲げてとらえる語り手・ジョーンの回想によって、実際にその水面下で起きていたドラマが浮かび上がってきて見えるというのは、実に不思議な読み心地でした。クリスティー一流の話術、ストーリーテリングの妙に魅せられました。 かなり以前に読んで「これ、すげぇ傑作じゃないか!」..." もっと読む
"...アガサはこの作品を1週間で書き上げ一語も訂正せずそのまま出版したとのことで 本当にすごい作家だったなと改めて思う。 竹久夢二の次男の竹久不二彦画伯の描かれたカバー絵もジョーンの心象風景が見事に表現されていて昔一度手放したこの同じ本を再度購入できて良かった。" もっと読む
お客様はこの小説の描写を高く評価しています。ジョーンの心象風景が見事に表現されており、表紙の写真にもグッとくると感じています。また、文章が美しく、イメージが浮かびやすいという声もあります。特に、アガサ・クリスティーの繊細かつ的確な人物描写の光る傑作だと評価されています。
"...本当にすごい作家だったなと改めて思う。 竹久夢二の次男の竹久不二彦画伯の描かれたカバー絵もジョーンの心象風景が見事に表現されていて昔一度手放したこの同じ本を再度購入できて良かった。" もっと読む
"推理小説では有りませんが、内容はさすがアガサクリスティだなぁと感じました。とても読み易くて、イメージが浮かび易いと思いました。訳された方の力量なんでしょう。最後はどうなるのかなぁと思いましたが、こういう所は推理小説的な感じも受けました。..." もっと読む
"キレイでした" もっと読む
"...アガサ・クリスティーの繊細かつ的確な人物描写の光る傑作でした。" もっと読む
お客様はこの小説について、とても面白くて一気に読めてしまったという感想を持っています。殺人が起こらないにもかかわらず、人の心を推理して読むことに感動を覚える作品だと評価しています。ストーリーテリングの妙に魅せられ、クリスティー一流の話術やストーリーテリングの妙に魅せられたと感じています。また、過去に読んだ読者も「これはすごい傑作じゃないか!」と驚き、胸を突かれたという声もあります。
"らしいです。なかなか面白かった。" もっと読む
"...途中足止めを食らったご婦人が、暇に飽かせてあれこれと思索にふけって自宅へ帰る。 ただそれだけの作品だ。だがそれでちゃんと面白いのだから流石のクリスティである。 元々クリスティはミステリー作家として有名だが、その粋は人物やその関係性の掘り下げ部分であり、..." もっと読む
"...クリスティー一流の話術、ストーリーテリングの妙に魅せられました。 かなり以前に読んで「これ、すげぇ傑作じゃないか!」と驚き、と胸を突かれた作品。 やはりこれ、しみじみ胸に迫るものがある、味わい深い名品と言うしかありません。..." もっと読む
"今年の初めに英国の石黒さんの小説を読んだ。普段読まないジャンルだが、面白かった。だから、たまにはこの様なジャンルの小説も良いかなと思い購入した。じっくりと読み通したいと思う。" もっと読む
お客様はこの作品の出来栄えを高く評価しています。出色の出来栄えで、事件も起こらず、人も死なないという点に満足しています。
"アガサ・クリスティーの推理小説以外の作品を始めて読みましたが大変良かったです。友達にも勧めました。" もっと読む
"...あくまでも健気な女性ではあるし、けっして悪人ではない。きちんとした恥ずかしくない人生をおくり、立派な仕事をやり遂げた。 昔読んだ、曾野綾子の『善人はなぜまわりの人を不幸にするのか』という本も思い出した。 でも、善人って、どんなひとだろうか?..." もっと読む
"物語の舞台は小さな宿泊所からほぼ変わらず、幸せな1人の女性の妄想と回想で進んでいく。 事件も起こらず、人も死なない。 これまでもこれからも変わらない日常生活が続いていくだけなのに、最後には主人公の女性の恐いくらいの不幸せに気づく。..." もっと読む
"アガサクリスティーと言えばミステリーですが、 この作品では人は死にません。 事件も起きません。 ミステリーでもチラチラ垣間見える、 登場人物の心の機微がこの作品では存分に楽しめます。 文章が美しいので、思ったよりずっと楽しめました。" もっと読む
お客様はこの小説について、純然たるミステリーではなく、他人について全く分からない主人公の謎を推理する物語として高く評価しています。一方で、長くて疲れると感じるお客様もいます。心理描写が多く、読者が自分自身について全く分からないという指摘もあります。
"長くて、やや疲れた。ずっと心理描写だし。でも、他人について全く分からない、しかもそれに気づかない、自分が正しいと信じて疑わない主人公にぞっとする面白さを感じた。でも思い当たるフシはたくさんあるし気づき始めたのに、家に戻ったら無かったことにしたのはなんでだろう?弱いからってことかな?..." もっと読む
"作品としては大きな出来事は何も無い。ここには謎もなく、静かな失望と変化の難しさがあるだけ。アガサ・クリスティーの作品の中で特に好きな作品です。 1人になり、自分の生活を省みる時、今まで自分が送ってきた満ち足りた生活は他人の犠牲の上に成り立っているのではないか。..." もっと読む
"純然たるミステリーではないのですが、主人公ジョーンが自分で自分は何者なのかという謎を推理するという意味では、一種の推理小説と言えなくもない小説です。 ですから、ネタバレになりかねないので、詳しくは書けません。 とにかく哀しい小説。" もっと読む
"アガサクリスティーがこのような本を書くとは知りませんでした。本当の意味でミステリーなのかも知れません。「何も知らずに生きていく、それは哀しいことだけど」という昔誰かが唄っていたのを思い出しました。 しかし、恐るべしクリスティー。" もっと読む
お客様はこの書籍について、謙虚に振り返っていく生き方を高く評価しています。自分を振り返る良い機会として、結婚生活の自分を見直す良い機会だと感じています。
"...あくまでも健気な女性ではあるし、けっして悪人ではない。きちんとした恥ずかしくない人生をおくり、立派な仕事をやり遂げた。 昔読んだ、曾野綾子の『善人はなぜまわりの人を不幸にするのか』という本も思い出した。 でも、善人って、どんなひとだろうか?..." もっと読む
"すべての結婚している女性に読んでほしい。結婚生活の自分を見直すために。" もっと読む
"考えさせられました。何にもわかっていなかったのではないかと言う思い方、謙虚に振り返っていく生き方、とても感銘を受けました" もっと読む
"自分を振り返る良い機会..." もっと読む
お客様はこの作品について、すげぇ作品だと評価しています。アガサ・クリスティーの味わい深い名品として高く評価されています。また、中古良品だったという意見もあります。
"これは凄い作品と思います。 自己中女性にありがち?な空回り人生。 自分が皆に好かれてる、必要とされてるという勘違い。孤独な時間を過ごす中で、自分と向き合い、実は、自分が皆から嫌われていることを直視してしまう悲しさ。 やっと気づきを得た!と思いきや…。..." もっと読む
"やっぱ、すげぇ作品ですわ、これ。アガサ・クリスティーの味わい深い名品だと思います。..." もっと読む
"本当に中古良品だった..." もっと読む
上位レビュー、対象国: 日本
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- 2024年8月29日に日本でレビュー済みAmazonで購入「ロマンチック・サスペンス」(帯書)と判りにくい分類だがミステリーではない。クリスティーにしては珍しい作品だと興味を惹かれて読んだ。初出は1944年だが、時代は1930年代半ば過ぎ、第二次世界大戦勃発寸前である。
ロンドン近郊のクレイミンスターという架空の街に住む上流中産階級の主婦ジョーン。結婚28年目。夫ロドニー・スカダモアは弁護士事務所を経営、事業は勢況で何の心配もない。子供はそれぞれ独立し、長女はロンドンで「人柄のよい株式ブローカー」に嫁ぎ、長男はローデシアで農園経営。次女はイラクの土木事業局の上級職員の主婦でバクダッドに住む。これらの地域は皆イギリス植民地である。家庭も平穏。彼女は様々なボランティア活動に精を出し、「政治にも積極的な関心を持つ」と言う街の名士である。彼女が一番気に掛けているのは世間に対する体面だと判る
ジョーンは訪問先のバグダッドからロンドンに帰る途中である。末娘の急病と言う知らせで、「私が傍にいなければ」と急行した。単なる食中毒だったようで既に回復途上。婿にも丁重に扱われて一月以上の滞在になった。現在鉄道宿泊所(レストハウス)で翌朝発のオリエント急行に接続するトルコ鉄道駅への連絡自動車を待っているところ。思いがけなく女学校時代の友人と出会う。落ちぶれて見えるが、ブランチ・ハガードだ。学校時代の憧れであったが奔放な女性で男づきあいも派手、子供を残して出奔し音信が途絶えた。5年前に末息子の出術代が不足だと訴えて来て、要請額の半分を送ったがそのまま。出来ればここで会いたくない相手だが見つかってしまう。幸いバクダッドの夫に会いに行く途中とかで逆方向だった。互いの家庭の近況報告中に、バーバラは謹厳実直なロドニーを「ご主人はまんざら夫の座におさまっているわけでもなさそうな目つきだったわ」と当てこすり、バクダッドのバーバラについても、「心配ないわ。若すぎたのよ。それにこっちの生活が生活だからねえ-、女の子はときにはフラッとするわ」と呆気に取られる謎の言葉を吐く。もう一言別の謎めいた発言も。「何日も何日も自分のとこばかり考えて過ごしたら、自分についてどんな発見をすると思う?」かと。
翌朝は霧雨になった。乗車したバスの乗客はジョーン一名。途中で渡る二つの涸川は水が満ち始めていて時間が掛かり、トルコ鉄道終着駅のテル・アブ・ハミドに到着した時は週3回出るだけの列車はとうに出発し、翌々日まで駅傍のレストハウスに立ち往生する羽目になる。トルコ国境に近い場所で駅とレストハウス以外は砂漠。乾いた空気と果てしない晴天の下に宿泊客はジョーン一人。翌々日に出るはずの汽車も来ないと告げられる。日に三度変り映えのしない食事。持参した本は読んでしまった。たまには何もせずに一日のんびり過ごすのも良い、と意気込んだジョーンも早くもぐったりする。この際バーバラに言われた「何日も何日も自分のとこばかり考えて過ごしたら、自分についてどんな発見をすると思う?」考え事をするしかない。
この先は延々と続く彼女の思考過程だ。自分探しの旅、一種の心理小説である。頭の中にもう一人のジョーン・スカダモアが登場し、彼女がこれまで確信してきたことの全てに疑問を投げかける。先ず先の訪問の際にバーバラが時折見せた戸惑いは何だったのか、に始まり、夫や子供たちや(使用人たちに)頼られ愛されてきたか。家庭を万全に差配してきたと考えてきたが果たしてそうだったか。駄々っ子の独りよがりのように持て余されてきたのではなかったか。夫の常套句「可哀想なジョーン」の意味は何だったのか。私をロンドンで見送った際、発車を待たずに帰って行った夫の後姿がひどく若返ったようだったのはどうしてか。また反対に、弁護士稼業は嫌だ牧場を持ちたい、と言う夫を必死に説得して、現在の豊かで安定した生活を維持し得たのは誰のお陰だったか……とかの自負も湧く。鬱病になりかけたとこで汽車がやってくる。
7日間の帰路を経て無事に自宅に着いたジョーン。砂漠とは異世界の穏やかな故郷の景色、何一つ変わっていない我が家、はたしてどちらの想念が真実だったのか。6週間ぶりに再会する夫にどんな挨拶をする?「ロドニー、許して-知らなかったのよ」か「ロドニー、ただいま……今帰りましたのよ!」か。著者クリスティーのサタイアたっぷりな場面だ。その答えは控える。
もう一つこれもクリスティーのからかいの一つ。帰路の列車で同室したロシアの亡命貴族夫人は「まもなくドイツとの戦争が始まる」と話し、自宅に着く前日、ロンドンで夕食をともにした長女のエイブリルも「戦争が間近い」と言う。「政治にも積極的な関心を持」っているはずのジョーンには及びもつかない予測だ。家庭のことだけが思考限界の上流中産階級夫人への苦笑と読んだ。
- 2025年1月1日に日本でレビュー済みAmazonで購入アガサ・クリスティが別ペンネームで書いたシリーズ。そのくらいの予備知識で読み進めると、とても良い読書体験が出来ると思います。
- 2024年10月26日に日本でレビュー済みAmazonで購入らしいです。なかなか面白かった。
- 2024年9月6日に日本でレビュー済みAmazonで購入表題の通りで、この作品の出来事を端的に述べるなら遠出して、
途中足止めを食らったご婦人が、暇に飽かせてあれこれと思索にふけって自宅へ帰る。
ただそれだけの作品だ。だがそれでちゃんと面白いのだから流石のクリスティである。
元々クリスティはミステリー作家として有名だが、その粋は人物やその関係性の掘り下げ部分であり、
事件や表面的な謎はラッピング部分といって過言ではない。
ホワイダニットさえ書ける余地があるなら、事件さえも不用というのが彼女である。
そういう意味で、本作はクリスティの髄液と言っていい作品だと思う。
内面的に自分を掘り下げて真実にたどり着きながら、
結局は勇気が無く変れない。安易な道を行ってしまうという主人公の選択。
学生時代に校長先生に指摘されたまま、人間はそんな簡単に変れないのよ。
というラストは流石のクリスティだと思う。
この手のタイプの人間が、自分から内証して真実にたどり着き、懺悔してめでたしめでたし!
というのではリアリティの無い話だよなあ。と途中まで読んで思っていたので。
たぶんそういった俺の反応も含めて、先生の掌の上なのだ。判っているわよそれぐらい。というわけだ。
- 2024年12月27日に日本でレビュー済みというのが率直な感想です。
サスペンスというけれど事件的なものなく、中年女性の回想録が続きます。
こんな家族嫌やな、、というのが率直な感想。ここまで子供から毒親扱いされないといけないほどひどい母親でもないし。ちょっと空回りしてるだけ。「したい仕事をできない男は男でない」というセリフがありますが、じゃあ女性はしたい仕事できなくていいんだ?って感じでこの夫も気持ち悪いなって思いました。
やっぱりアガサクリスティの作品で期待を超えてはっとさせられるのは推理小説だなと思いました。
- 2024年7月5日に日本でレビュー済みAmazonで購入一般にノンミステリと呼ばれる作品。殺人などのいわゆる「事件」は起きないが、物語の進行に従って、女性主人公の考える自分に起こっている出来事の様相が見事なまでに反転する。ホワットダニットの傑作といっていいだろう。
- 2024年11月27日に日本でレビュー済みAmazonで購入人は変われそうで変われないものなのでしょうか。
心に残りました。
- 2021年11月11日に日本でレビュー済みAmazonで購入【本作品を選んだ理由】
アガサ・クリスティーは、言わずと知れたミステリの女王。今でも語り継がれる傑作ミステリが多数。
長年ミステリを読み続けている私が、最近気づいたのが、本作品の存在。
ネット上でも、絶賛の記事が多数あるけど、私は題名を聞いたこともなかった。
本作品は、別名義で発表されたものでミステリではない。
このため、ミステリのオススメ本のようなものには掲載されず、私の目に触れることがなかったのかもしれません。
でも、これだけ評価されているのだから、必読、と判断しました。
【率直な感想】
確かに、ミステリと称してはいないけれど、ミステリの要素は多分にあると感じました。
ミステリファンの間では、「最後の一撃」という言葉があります。
つまり、最後の数行に衝撃的なことが書かれていて、鮮やかな幕切れとなる手法です。
私の読んだ、Kindle版では、この最後の数行に、「144人がハイライト」とありました。
それだけ多くの人が、このラストに感銘を受けたということでしょう。
本作品の主人公の女性は、結婚して、海外で暮らす娘夫婦のもとを訪ねた帰りに、学生時代からの友人に出会う。
それをきっかけに、これまでの自分の人生を回想する彼女は、次第に、ある疑念を抱くこととなるが…。
この作品の肝は、「人間描写」だと思います。
人間の個性は、その心理状態にある。その人がどんな「心」を持っているか。それは、人間にとって大きな関心事。だから、多くの作家は、「人間描写」を丁寧に行い作品づくりをします。
ミステリの世界では、1920年代を中心に「黄金時代」と呼ばれ、いわゆる名探偵が大活躍し、数々の傑作が書かれ、それらは、今日では、古典的な名作と呼ばれたりします。
アガサ・クリスティーのミステリとしての傑作の数々もこの時期に書かれていています。
ただ、彼女ほど、現在でもその作品のほとんどが版を重ねて、世界中で読まれているミステリ作家はいないのではないか、と思います。
それは、いわゆるミステリファン以外の方々にも読まれているからだと思っています。
その要因として、彼女は、「人間描写」が巧みな作家だからだ、と本作品を読んで感じました。
日本にも、優れたミステリ作家がいますが、直木賞を受賞できるのはごくわずかです。
直木賞は、芥川賞と同時発表される文学賞の最高峰ですが、「文学」であるが故、「人間描写」が重視されます。
また、小説を読む方の多くは、「人間描写」に期待しています。
だから、どんなに優れたミステリ作家で、ミステリ・ランキングで上位ランクの作品を連発していても、「人間描写」が巧みでないと、直木賞を受賞することはありません。
そして、直木賞作品は、ミステリ作品でも、「人間描写」が優れていることで、ミステリファン以外の読者からも受け入れられ、ベストセラーになっていくのです。
これと同じことが、アガサ・クリスティーにも言えるのではないでしょうか。
確かに、初期の作品は、ミステリとして傑作だけど、こうした作品は、あまり「人間描写」が巧みではないので、これら諸作品だけで終わっていたら、ミステリファンだけの作家で終わり、ほとんどの作品が現代でも売れ続けるということにはならなかったと思います。
名探偵ポワロが登場する作品でも、後期の作品では、ポワロ以外の、他の登場人物の「人間描写」が巧みな作品が多くなっていきます。
【全体評価】
私としては、結論として、本作品は、「人間描写」の巧みなミステリ小説と感じました。
人間の心理描写に迫り、ある種、人間の本質である「人はどんな心を持っているのか」という「最大の謎」を解明していく、名作だと思いました。
同じテーマで、現代の作家が書いても成立する内容を、1944年という第二次世界大戦終戦間近の頃に書き上げていたことに、深く感銘し、高く評価します。
◆追記(2022年12月20日)
<NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」をご覧になっていた方へ>
巷では最終回のオチが話題となっていますが、その前の第47回「ある朝敵、ある演説」で、政子が板東武者に向けて演説し、義時を弁護し、彼の気持ちを代弁するシーンがありました。
このドラマと本作品は、「家族を守るために必死に行動した人物の物語」という共通点があります。
本作品では、ラストより少し前、80%くらいのところで、主人公ジョーンが心の中で、自己弁護するシーンがあります。
「よかれと思ってしたことだった。せめてわたしだけでも現実的な考え方をしなければ、そう思ったからだ。何よりも子どもたちのことを考えなければならなかったし、利己的な動機からではまったくなかったのだ。」
私には、あの政子の演説は、この部分を参考にしたのではないか、と思えてならないのです。