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ずるい!? なぜ欧米人は平気でルールを変えるのか (ディスカヴァー携書) 新書 – 2009/12/20


1998年の長野オリンピック、日本のスキージャンプ陣はビッグジャンプを連発し、ラージヒル団体金メダルを獲得、
個人でも船木が金、原田が銅という輝かしい結果を収め、日本人を熱狂させました。
その直後、国際スキー連盟はルール改正の検討を開始し、翌年新ルールを発表。「日本叩きだ!」とマスコミを日本中が憤ったものの後の祭り。
日本ジャンプ陣は一転して、長い低迷の時代に入ることとなりました。

こうした日本の“勝ちすぎ”を抑えつけるような国際ルール変更は枚挙にいとまがありません。
スポーツでは、
・国際柔道におけるルール変更、
・ 16戦15勝を誇ったF1マクラーレン・ホンダのターボエンジン禁止

ビジネスでは、
・ 日本二輪車の攻勢に苦しむハーレーダヴィッドソン救済のための輸入関税45%引き上げ
・ 米国議会の圧力による自動車の対米輸出の自主規制
・ 日本に厳しい措置がとられた日米半導体協定
などがその代表です。

なぜ、欧米人は平気でルールを変えるのでしょうか?
これからも日本人は理不尽をガマンしなければならないのでしょうか?

著者は、こうした事態の背景には、「ルールに対する考え方の違い」があるといいます。
「ルール作り」から喧嘩がはじまるのが欧米流、それに対して、日本人は「ルールの守りすぎ」で「ルール作りには無関心」です。

こうした違いを乗り越えて、スポーツやビジネスで、あるいは、温室効果ガス削減目標といった国際政治の舞台で、
日本人が世界と対等に闘うためには何が必要なのでしょうか。
これからの時代の日本人とルールのあり方を問う一冊です。

商品の説明

著者について

青木高夫(Takao Aoki)

本田技研工業(株)勤務。現在、渉外部長として、税制・通商など国内外の自動車産業に関わるルール作りに参画。
海外でのビジネス経験が長く、豪州・英国での駐在期間を通じ、販社開発・企業合併・多国籍部門のマネジメントに携わる。この間、海外でのレース活動にも関与。
本業の傍ら、欧米のビジネス書を発掘・翻訳する他、講演活動などを通し、様々な業種のビジネスパースンと幅広く交流する。
訳書に『マニャーナの法則』『外資のオキテ』(ともにディスカヴァー)
『交渉のブートキャンプ』『成功のタネを蒔く人』『できる人は5分間で仕事が終わる』(ともに幻冬舎)などがある。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ ディスカヴァー・トゥエンティワン (2009/12/20)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2009/12/20
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 新書 ‏ : ‎ 200ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4887597797
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4887597792
  • 寸法 ‏ : ‎ 10.6 x 1.6 x 17.3 cm

著者について

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青木 高夫
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上位レビュー、対象国: 日本

  • 2014年10月19日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    最近取り沙汰されている「ルール変更」の事例から、
    では日本人が世界で戦っていくにはどうすれば良いかという、
    本のタイトルよりも、かなり高い高尚な視点から書かれた書です。

    欧米人のルール作りの根底には、
    官を「パブリックサーバント」と考える素地と
    繋がっている、というのは新たな気づきでした。

    確かにそう考えると、民の要求により、
    民のためになるようにルール変更を、
    官ががんばってやる、という図式を納得できます。
    官僚がのさばっている日本とは全く逆ですね

    ただ、こんな欧米式の戦い方を真似するのではなく、
    相手の出方を知った上で、日本人らしく
    プリンシプルを持って、こんな風に戦ってください
    というヒントが著者の主張とともに書かれています。

    増補改訂版には理論が豊富に掲載しているですが、
    こちらはまだ事例と、主張、
    とくに主張は著者の考えにとどまっているので、
    良書ですがもう一歩踏み込んだ内容が欲しいという点で☆1つマイナスです。
    4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2010年5月23日に日本でレビュー済み
    柔道やスキー・ジャンプなど、オリンピックの度に繰り返される
    ルール変更は日本叩きと穿ってしまう日本人…。

    しかし、その背景にはルール作りに積極的に参画しない日本人の
    特質と、ルールを順守することで世界的に評価され、また一段上の
    世界へのし上がるチャンスとしてきた日本人の特質があることが
    示され、非常に納得感が高い。

    そして、ルールを順守し、その範囲内でがんばるという日本人の
    特質はそのままに、ルール策定にも積極的に関わっていくことの
    重要さは、サラリーマン、特にこれから日本を背負って立つ若手
    にこそ読んで欲しいところである。

    ルール変更の度にタダ悔しがるのではなく、積極的にそれに参加し、
    またなぜルール変更が必要かを考察していくことで、我々日本人に
    とって、有利でかつ納得感の高いルールとしていくことの重要さ…
    これこそがこれからの日本人が模索すべき道ではないだろうか?。
    10人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2024年6月30日に日本でレビュー済み
    この書籍で述べられている「ずるい!?」の議論になっている実例は、ほぼ基本的に新聞や書籍にある事実の列挙ではないでしょうか。ルール変更後の「その後」についても述べられていますが、これも同様だと思いました。考察も付随していますが再度事実を述べたようなのもので、考察内容がかなり浅いように感じました。

    「場合によって、欧米人のルール変更はずるくない」というのがほぼ結論として述べられています。しかしその根拠も簡潔に言って「結果的に良い方向に物事が転んだから」「彼らなりに考えたことがあった」というもので、決定的な根拠や真に正当性があったか、本当に悪意がなかったのか、については議論されていないか、「分かりません」で結論づけています。本の大筋も「ずるいのかどうか」の議論からどんどん離れていき、「制限があるからこそ…」のような根性論や精神論が出てきてしまい、はっきり申し上げて本のタイトルから大筋が乖離しています。

    また本文中でホンダの社員という点がアピールされ、営業の苦労話やF1の裏話の一部興味深いエピソードがありますが、数行でその話も終わるのでセールスポイントがよく分かりません。どこの会社でも聞くような話や浮世離れした政治の話ではなくて、ホンダらしいエピソードをもっと出して欲しかったです。
  • 2011年10月30日に日本でレビュー済み
     中身は、タイトルそのまま。欧米人はしばしば平気でルールを変え、日本人はそれをずるいと感じてしまう。しかし、ここにはルールに対する考え方の相違があり、それを理解しなければ不利な戦いを強いられるだけだと著者は言う。
     著者によると、日本人がずるいと考えてしまう理由は3つ。(1)正々堂々と戦うことよしとする美学、(2)ルール作りは人任せで、そのなかで努力すればよいと考えてしまう習性、(3)ルールとプリンシプルの混同――である。そこで、日本人が取るべき行動としては、(1)ルールの意味・目的を理解し、(2)ルールが実情に合わぬなら変更を提案し、(3)ルール作りは率先して行え――と訴える。米国のことわざとして「テーブルにつかないのなら、君の名はメニューに載るしかない(If you're not at the table, you're on the menu.)」が紹介されている。まさに、ルール作りという協議の場があるのなら、意見を伝えなければ負けだというわけだ。シンプルな主張で、まったくその通りである。
     ただ、取り上げられている事例は、主にF1や1980年代の日米自動車摩擦など、ホンダ勤務の著者の体験に基づくものが多いのは仕方ないが、今となっては一昔前の話というものが多い。金融規制、国際会計基準、ISOルールなど、ルールの方向如何でビジネスが大きく変わるという今日的テーマは多々あり、もう少し話を広げたほうが深みが出たと思えるのが残念だった(さらにいえば、このレビューを書いている2011年10月時点で、TPP交渉への参加が政治テーマになっているが、TPPでこれから新たなルールを策定していく以上、協議に「参加すべきかどうか」を問題にしているのは、まさしく日本的なのだろう)。
    4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2013年9月8日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    ルールに対する考え方の違いを思う。
    ルールを作るのもただではなく
    多くの労力がかかっている…。
    言われればそうだよ。
    1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2013年3月19日に日本でレビュー済み
    一人勝ちはルールがうまく機能していない証拠であり、圧倒的勝者がそのまま勝ち続けられるようなリング・市場は、放置すればそのことにより衰退していく。厳格なルールは必ずしも参加者を萎縮させるものではない。

    韻を踏まなければならない英語詩、五七五と決められた俳句、たった1枚だけ許されたパワーポイント、極端な低公害法をクリアしたCVCCエンジン。厳格なルールによる制限は参加者の創意工夫を触発し、成長をうながし、そこに美しく感動的な創作を生み出してきたのだ。ルール作りに参加し、社会の益になり、自分も納得できるルールを作り上げよう。できたルールを工夫を重ねて守ろう。それは日本人の得意技ではないか。

    そんな内容と理解しました。おおむね納得です。日本叩きだのとぐだぐだ文句を言う前に、ルール構築に参加しましょう。それができる舞台を戦略的に作ることから考えましょう。
    1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2010年2月20日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    ルールとプリンシパルというフレームで、色々な事例を紹介してくれる。わかりやすい本。
    [...]
    1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2014年1月21日に日本でレビュー済み
    タイトルにあるなぜ欧米人は平気でルールを変えるのか、前半はスキージャンプやホンダのF1、柔道、車の輸出規制など過去に日本バッシングとして新聞を賑わせた事例で解説している。そこには与えられたルールの上で自己の美学を追求する日本人と、ルールを作るところから始める欧米人と差がある。観点は面白いが、なぜそういう思想ができたのか歴史的な背景や欧米同士のルール争いはどうなのか、そういった内容を重点的に解説して欲しかった。単純に欧米人はルール作りから始めるから、と現状だけを述べても、なぜそうなのかが分からなければ日本人として具体的に効果的な対策を考えられない。

    また後半はルールに対する著者の主義を抽象的に述べているだけ、浅い内容の事例を少し並べる程度で考察が少なすぎる。最後の方はルールとはこういうものだからこうあるべきだ的な主張というか精神論を押し付けていて、少し辟易。
    5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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