わが地元にも、まさに該当する言い伝えがありました。
著者の言うとおり、「なかったこと」を直接証明するのは難しいながら、外堀を論理的に埋めて真相に迫っていくさまがスリリング。
鉄道忌避伝説がどう生まれどう浸透していったか、そのカラクリは近年のフェイクニュースなどにも通じるものだと思います。
噂を聞いたらデマと思えとまでいいませんが、眉に唾つけて簡単に鵜呑みにしないくらいの分別はつきました。
一方で都市伝説好きとしては、鉄道忌避伝説は説得力があってよくできた魅力的な話だなあ、と改めて感心も。
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鉄道忌避伝説の謎: 汽車が来た町、来なかった町 (歴史文化ライブラリー 222) 単行本 – 2006/11/1
青木 栄一
(著)
- 本の長さ214ページ
- 言語日本語
- 出版社吉川弘文館
- 発売日2006/11/1
- ISBN-10464205622X
- ISBN-13978-4642056229
登録情報
- 出版社 : 吉川弘文館 (2006/11/1)
- 発売日 : 2006/11/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 214ページ
- ISBN-10 : 464205622X
- ISBN-13 : 978-4642056229
- Amazon 売れ筋ランキング: - 554,939位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 356位明治・大正時代
- - 7,953位日本史一般の本
- - 38,214位アート・建築・デザイン (本)
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上位レビュー、対象国: 日本
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- 2015年2月18日に日本でレビュー済みAmazonで購入「鉄道がわが町に来なかったのは、先見の明に欠けたわが町の愚か者のおかげ」という伝説が何の資料的裏付けもなく、また、郷土史家も鉄道建設の定石に無知であったことを示した本。鉄道は拠点都市間を最短距離で、尚且つなるべく急勾配と鉄橋やトンネルを避ける必要があり。できれば都市の近辺に駅を設置するにも買収費を抑えることすら共有されてこなかったことがよくわかった。寧ろ、我らが祖先は、鉄道という西洋文明の産物を積極的に地元に受け入れんとする進取の気性に富んでいたことが残された史料から実証した好著である。
- 2007年7月21日に日本でレビュー済みAmazonで購入著者の論旨を要約すれば「日本における草創期の鉄道敷設に関して最優先する要素は、決して沿線住民の利害や都合などではなく、当時の建設技術や地形的制約である」となるだろう。しかし、それらを無視したいい加減な鉄道忌避伝説がまことしやかに一般人に敷衍したのはなぜか。
第一には、著名な歴史・地理学者らの鉄道史学軽視の態度である。著者は、きちんとした考証を全く欠いた数多い忌避伝説を「事実無根」として看破する。第二として、地方史誌の執筆者が、地域の鉄道に関する目分量で測ったようないい加減で非科学的な創作を行い、さらにそれらに対する盲目的で都合のいい追認と再生産、それを教科書化のうえ事実として学校で教え込む(それを教える先生方がむしろ率先して「伝説」を信じこんでいるから始末に悪い)ことが原因だと主張した。
実際、私自身もそれに類する教育?を受けたような記憶がある。これらの無責任な「史料や考証を無視した非科学的な事実」を無条件に飲み込ませる「教育」が今日も現場で行われてはいないだろうか。
- 2007年5月17日に日本でレビュー済み鉄道忌避伝説のほとんどが事実と反するということを述べた本である。
氏は大学の先生ではあるが、理学博士号もきちんと取られ、東京学芸大で長年交通経済学などを教えておられたかなり有名な方である。大学の先生の書く鉄道関係の本には思索や思想といった観念論をベースとしていい加減に書き飛ばされた書物も数多いが、氏は理科系出身らしく地理学や経済学、時には鉄道土木の話を交えながら、史料をもとに論理的な解説をされている。大学の先生らしく多少難しいきらいはあるが最後まで読めば鉄道忌避伝説のほとんどが事実と反することがわかるだろう。鉄道ルートの選定には地形が最優先の要素であり、急勾配や急曲線を避けることが常識であり、決して鉄道忌避があったからそのルートが決まったわけではないことがよくわかった。
そして、面白いことには、鉄道忌避伝説が信じられる過程において、地方史に基づく小学校からの学校教育があるとしており、これには学校の先生の無知と思い込みがあるとしている。先生には悪意や恣意性はもちろんないのだが、子供のころからの思想教育がいかに恐ろしいものかがよくわかった。
この中で氏は鉄道忌避伝説の例外として伊勢神宮へ通じる参宮鉄道(現JR東海参宮線)をあげており、そのなかで松阪や斎宮の人々の「参拝は遊びであり、そのための鉄道は急いで作る必要がない。」という主張には興味をそそられた。伊勢神宮は天皇家の神宮であり、そのようなことを言って、不敬罪や国家反逆罪には問われなかったのか。戦前の天皇は絶対権力者と書いている書物もあるので、明治天皇や明治天皇を崇拝する昭和天皇によってこれらの人はいじめられたのかと思うとちょっとかわいそうである。
ともあれ、これは鉄道マニアよりも一般の人が読むべき名書である。
- 2017年10月11日に日本でレビュー済み隣国では今も行われているが、歴史を自分の都合の良いように、自分の気持ちが収まるように、なにかと屁理屈をつけて、捏造しようとする欲求がある。鉄道忌避伝説もまさにそれ。鉄道に来てほしいと頼んでも来てくれなかった恨み、町が寂れた恨みを和らげるための歴史捏造。こうした捏造は、キチンと検証し否定せねばならない、と言うことだ。
- 2023年7月3日に日本でレビュー済み鉄道忌避はたくさんあります。日本で最初の官設鉄道でも駅は村外れにあります。品川駅が今の港区にあるのもそうです。本来の品川は、品川区の北品川です。また、大森駅は、大田区と品川区にまたがっています。本来は、1キロ程度蒲田よりに作る予定でした。流山電鉄も後から味醂業者組合が国鉄と連絡のために作りました。当時は利根川の水運があるから要らないということでした。
青木栄一さんは、中川浩一さんの弟子です。東京教育大学です。二人とも亡くなりました。鉄道史研究の第一人者です。2人とも、鉄道ピクトリアルの原稿をお書きになられていました。