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人を殺すとはどういうことか: 長期LB級刑務所・殺人犯の告白 単行本 – 2009/1/1


前代未聞! 服役中の無期懲役囚から届いた驚愕の手記


 LB級刑務所──そこは、受刑者の半数が殺人犯であり、刑期8年以上の犯罪傾向が進んだ者のみが収容されるこの世の極北である。自らに絶対的確信を抱いて冷徹に二人の人間を殺した男は、全く反省しない同囚たちの中で、自分の罪とどう向き合ったのか? これまで触れられることの無かった「極悪人収容刑務所」の内側を描いて矯正の実態をあぶり出すと共に、「罪と罰」の意味を根源から問い、読む者の魂を揺さぶる問題作。

商品の説明

出版社からのコメント

始まりは、編集部に届いた一通の手紙でした。差出人は、自分が長期刑務所に服役中の無期懲役囚であり、手記を書きたい、と記していました。殺人犯に表現の機会を提供することには逡巡がありましたが、最終的には以下の二点から、この申し出を受けることにしました。
 まず、ここに「更正」の一つのモデルケースが提供されていることです。絶対的な確信を持って二人を殺した著者は、その後に自らの誤りに気付いて反省に至り、現在では仮釈放を望んでおらず、刑務所で人生を終えるつもりでいます。
 第二に、いままで語られることのなかった「極悪人収容刑務所」の実態が、極めてリアルに語られていることです。その内情は時に眼をそむけたくなるほど酷いものですが、裁判員制度の導入を目前に控え、広く一般に向けてこの実態を知らしめることには社会的意義がある、と判断しました。
 おそらく反発も多数あると思いますが、ぜひご一読いただければ幸いです。

著者について

美達大和(仮名)。1959年生まれ。無期懲役囚。現在、刑期8年以上かつ犯罪傾向の進んだ者のみが収容される「LB級刑務所」で服役中。罪状は二件の殺人。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 新潮社 (2009/1/1)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2009/1/1
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 255ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4103136316
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4103136316

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美達 大和
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星5つ中3.9つ
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お客様はこの小説について、以下のような評価をしています: 内容についてはヘビーな描写がされているものの、客観的な描写や人格の高潔さ、寛容さ、精神の強さ、美しさを備えた人物が多いと感じています。刑務所内の様子や著者の半生の記述、犯罪心理学の本として面白いと高く評価しています。一方で、読みやすさに関しては個人差があるようです。

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4人のお客様が「内容」について述べています。4肯定的0否定的

お客様はこの小説の内容を高く評価しています。内容はヘビーで、刑務所内の様子を客観的に描写しようとしているにもかかわらず、強い自己顕示欲と自己実現への渇望が見え隠れする点も指摘されています。また、著者が自分の本音や本心をあるがままに語っているという意見もあります。一方で、ヤクザの中には人格の高潔さ、器の大きさ、寛容さ、精神の強さ、美しさを備えた人物が少数であることも指摘されています。

"...だがいわゆるヤクザの中には著者に「打ちのめされた」と言わしめるほど 、人格の高潔さ、器の大きさ、寛容さ、精神の強さ、美しさを備えた人物が少数ながら存在するようだ。私もこれらの人たちには教えられること大だった。..." もっと読む

"...と分析して、弁護士の売名欲・名誉欲を皮肉に指摘している。 刑務所内の様子の記載は純粋に興味深い。 客観的な描写をしようとしつつも、強い自己顕示欲と自己実現への渇望が見え隠れする。 著者がLB刑務所に入るようなことをしなければ、本当の飢えを満たせたのかもしれないが・・・" もっと読む

"こんな人がなぜ人殺しを?というほど優秀な人物。個人差あるでしょうが、ところどころ(笑)要素もあり、割と簡単に読める本です。内容はヘビーですが。私が彼より圧倒的に恵まれている環境、それは堀の外にいるということ。そこを楽しみたいですね。" もっと読む

"著者が本当に自分の本音、本心をあるがままに語っているのであれば..." もっと読む

4人のお客様が「面白さ」について述べています。4肯定的0否定的

お客様はこの本の面白さを高く評価しています。非常に面白いと感じており、考えさせられる内容だと述べています。著者の半生が単純に興味深く、子供ができたことを気をつけなくてはいけないことも気づかせてくれる良書だと評価されています。また、冷酷無情の殺人犯の心理や背景、刑務所の現実について考える機会を与えたという意見もあります。

"...また本として、長期刑務所で務める犯罪者たちのルポータジュとして非常に面白い。 筆者ほどの観察眼と知性がなければ成しえなかった本だ。 私にはこの人のような知性も自己鍛錬への情熱も気概もないなぁと思う。 あっという間に読んだ。..." もっと読む

"考えさせられます。冷酷無情の殺人犯の心理や背景、刑務所の現実。他の人には書けないものです。司法に携わる人は読むべきです。心に残る一冊です。" もっと読む

"...他には著者の半生は単純に興味深く、子供ができたとに気をつけなくてはいけないことも気づかせてくれた。 正直、罪の意識やその考えなどはあまり理解できないというか、現実性がなかったのが理由だと思う。" もっと読む

"犯罪心理学の本としては面白い。..." もっと読む

3人のお客様が「知能」について述べています。3肯定的0否定的

お客様はこの小説の知能について高く評価しています。抜群の知能を持ち、度胸があり、横道にそれたという描写が描かれています。

"...その中で著者が自ら、そして鑑定人の口を借りて言っているとおり、知的判断能力は高い。IQで示すと150以上なのだと思われる。..." もっと読む

"まだ全部読めてないのですが、迫力ありますね。 抜群の知能を持ち、度胸もある人がどこから横道に それたのかと思いますが、同室の受刑者の考えとか 分り興味深いです。この人たちの更正はどうすれば良いのだろう?..." もっと読む

"この著者はまちがいなく頭がよい。本人も書いているが、おそらく天才の部類に入るくらいの知能の持ち主であると思う。きちんとした教育を受けていたら、日本のオピニオンリーダーの一人になるくらいの人間だったろうと思われます。..." もっと読む

3人のお客様が「読みやすさ」について述べています。3肯定的0否定的

お客様はこの本の読みやすさを高く評価しています。簡単に読める本で、すぐに読めると好評です。内容もヘビーですが、読みやすい文章ですぐに読めるという意見があります。また、不思議な読後感があるという指摘もあります。

"...読みやすい文章だったので、すぐに読めます。 好き嫌いは分かれる本だと思う。" もっと読む

"こんな人がなぜ人殺しを?というほど優秀な人物。個人差あるでしょうが、ところどころ(笑)要素もあり、割と簡単に読める本です。内容はヘビーですが。私が彼より圧倒的に恵まれている環境、それは堀の外にいるということ。そこを楽しみたいですね。" もっと読む

"不思議な読後感..." もっと読む

上位レビュー、対象国: 日本

  • 2024年9月22日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    人としての矜持、尊厳、夢、目標を全く持っていない、自分を省みることが全くない、何の落ち度もない被害者を殺していても、自分には何の非もないも考える受刑者が多数のようだ。
    だがいわゆるヤクザの中には著者に「打ちのめされた」と言わしめるほど 、人格の高潔さ、器の大きさ、寛容さ、精神の強さ、美しさを備えた人物が少数ながら存在するようだ。私もこれらの人たちには教えられること大だった。
    著者については獄の中にあっても、その異常とも呼べる高い知能と高い倫理観、信義信条を重んずる性格ゆえに決して許されぬ罪を犯したが、当初の志であった子ども達への奉仕(親のいない子のために施設を作り共に生活する)を実現するために生活している。獄の中でも時間原理主義者よろしく、一分でも無駄にしないように学び思索する。自分を厳しく律し、信義・信念を貫き、人格優れた者からは最大限学ぶ。著者からは本当に学ぶことが多いし、強く感銘を受け、大きく影響を受けた。
    1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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  • 2023年4月13日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    殺人罪の受刑者が仮名で書いたノンフィクション。
    著者が逮捕されるとすぐに何人かの弁護士が面会に警察署に来たとのこと。
    いずれも、弁護士から「自分を弁護人に選任しなさい」と言われた。
    著者はそれを聞いて「金銭以外にも十分メリットがあると計算してきたのでしょう。」と分析して、弁護士の売名欲・名誉欲を皮肉に指摘している。
    刑務所内の様子の記載は純粋に興味深い。
    客観的な描写をしようとしつつも、強い自己顕示欲と自己実現への渇望が見え隠れする。
    著者がLB刑務所に入るようなことをしなければ、本当の飢えを満たせたのかもしれないが・・・
    8人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2024年9月24日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    比較的ネガティブな評が多いように思うが、例えば、「殺人者の心象がよく分かる」であるとか、あるいは「殺人犯の告白」という副題から予想される、某かの反省(悔い改めのようなもの)を期待すると、肩すかしを食うかも知れない。正直言って、タイトルにもなっている、「人を殺すとはどういうことか」もよくは分からないので、物足りない感はあるかもしれない。
    しかしながら、真実は得てしてこういうものではないかな?と思う。
    著者が本当に自分の本音、本心をあるがままに語っているのであれば(著者の他の作品も読む限り、恐らくそうなのであろうと予測されるが…)そういった意味で非常に貴重なテキストであると私は思う。
  • 2015年1月28日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    筆者がどうやって罪を償うか、そのことに真剣に対峙していることは理解できる。
    また本として、長期刑務所で務める犯罪者たちのルポータジュとして非常に面白い。
    筆者ほどの観察眼と知性がなければ成しえなかった本だ。
    私にはこの人のような知性も自己鍛錬への情熱も気概もないなぁと思う。
    あっという間に読んだ。本好きとしてはこの本が出版されたことに諸手をあげて歓迎したい。

    だが読後、こう言いたくもなった。
    不自然に頬をひきつらせながら嘲笑いたくなる。
    「いい年こいたオッサンでありながらファザコンの上にナルシストめ」
    引用される文章もどうだといわんばかりの著名な古典文学ばかりだ。
    学歴がないことにコンプレックスでもあるのだろう。
    権威に裏づけされた文章を引用する、すなわち自分の知性にも裏づけがされてあると言いたいのだ(こけおどし感は拭えないが)。
    本当に文章・言葉に感銘を受ける人間であれば、引用があんなに著名すぎるものばかりには絶対にならない。

    おまけに、やけに自然と出る、筆者が犯罪者を一般社会でもうまくやれると褒める場面。
    犯罪者はこう言います。
    「美達さんに言われると本気にしちゃうよ」
    これって、遠回りな自分への賛美じゃないですか。犯罪者にも自分のIQの高さ・社会への高い適応能力・人を見る目がわかるという謙遜じみた自己の誇示じゃないですか。
    私はこれが意図的ではないとは思えない。
    もしこの文章が意図的でないならば、筆者の述べる彼の知性の高さが疑わしい。

    そして笑い終わった後、私自身の加虐性にも気づかされる。
    結局私はこの人に、自分が何ら被害を受けたわけでもない彼に、いかなる理由があろうと殺人を犯してしまったというこの男に、
    良心の呵責に苦しみながら成長も一切ない闇のような日々を送る煉獄を味わって欲しいのだ。

    私にそんな資格はあるのだろうか。
    総じて、自分自身の歪さに気づかされる、良き本だと思う。
    38人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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  • 2016年4月8日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    地頭の良い殺人犯が自己を卑下するようにみせかけて、他の懲役囚
    の無反省っぷりや刑務所の在り方を批判する矛盾した作品です
    態と難しい言葉を用いたり、無意味な引用を重ねたり、行間から著者
    のあざとさが伺えて鼻につきます
    仮釈放されないように工場労役を拒絶し、独居房で好きな本を読み
    執筆に精を出すことが何故許されるのか理解できません
    被害者とその家族に心から贖罪したいのであれば、朝から晩まで写経
    でもすればよいのです
    古本で購入し、著者に印税が渡らないことが、唯一の救いでした
    39人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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  • 2015年6月22日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    「はじめに」からではなく「第一章」から始めるのをお勧めする。

    囚人への取材に基づいたルポルタージュかと思いきや収監されている本人の手記。そういう意味ではこの著者は先ごろ話題作を上梓した「元少年A」に近い。
    ただ、この両者に見られる大きな違いは、世間的な意味での「事件に対する反省」が本作の著者にはないことに尽きる。寧ろ、いまだに自分の行為には間違いがなかったと考えており、どこか誇らしげですらある(元少年Aの反省が見せかけだとしても著作の中では真摯な姿勢を見せている)
    ここだけを見ると「暴力的、且つ反社会的な人」に過ぎないが、著者は何故そのような思考、性向になったのかを論じている。その中で著者が自ら、そして鑑定人の口を借りて言っているとおり、知的判断能力は高い。IQで示すと150以上なのだと思われる。その最高レベルの知性でもって語られた要因に得心しかねるのは、有り体に言えば「成育環境のせい」になってしまう陳腐さにあるし、同じような環境にいた誰もが同じように2人も殺められるのか?と言うこれまた陳腐な論を展開すれば「んなわきゃぁない」との結論に至ってしまう点にもある。
     
    環境の特異性を以て何らかの酌量を与えうるかというと「否」であり、著者自身のアスペルガーな気のある特異的な個性に目を向けた方が、事件を覚めた目で理解するのには有用であろう。
     
    ここで何故か頭に浮かんだのが、この5月に公開されたブロムカンプ監督の「CHAPPIE [・・・]

    あの映画は、「心を持たせた人工知能入りロボットを活かすも殺すも、どのような精神性を持たせるかに尽きる、という話」だった。
    著者は傍目には文武両道に秀でた非の打ち所が無い人物だったかも知れない。しかし、社会的な動物である人間は文武のみにて生きるに非ず、ということなんですなぁ。
     
    ここで安冨歩の「生きるための技法 [・・・]」が想起された。「自立とは多くの人に依存することである」、そう「『助けて』と言えない人は自立できていない」のですな。
    著者は小学5年で生活費を稼ぎ出していた自分を鑑定文書を引いて読者に示した。それを自分が優れていることの例証であるかのように考えているから自分の筆で記すのを「謙虚に」避けたのだろうが、そこにこそ彼が抱える特異性が現れているのだ。

      
    文武を下支えするものについて著者が思索するときが来るのだろうか…
    9人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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  • 2017年7月1日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    考えさせられます。冷酷無情の殺人犯の心理や背景、刑務所の現実。他の人には書けないものです。司法に携わる人は読むべきです。心に残る一冊です。
    11人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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  • 2022年10月25日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    期待通りの商品でした。ありがとうございました。
    1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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