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裏世界ピクニック ふたりの怪異探検ファイル (ハヤカワ文庫JA) 文庫 – 2017/2/23


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ネット怪談×異世界探険
「検索してはいけないもの」を探しにいこう。

仁科鳥子と出逢ったのは〈裏側〉で〝あれ"を目にして死にかけていたときだった――その日を境に、くたびれた女子大生・紙越空魚の人生は一変する。「くねくね」や「八尺様」など実話怪談として語られる危険な存在が出現する、この現実と隣合わせで謎だらけの裏世界。研究とお金稼ぎ、そして大切な人を探すため、鳥子と空魚は非日常へと足を踏み入れる――気鋭のエンタメSF作家が贈る、女子ふたり怪異探検サバイバル!

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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 早川書房 (2017/2/23)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2017/2/23
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 320ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4150312648
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4150312640
  • 寸法 ‏ : ‎ 10.6 x 1.2 x 15.7 cm

著者について

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宮澤 伊織
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カスタマーレビュー

星5つ中4.5つ
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お客様のご意見

お客様はこのSF冒険小説について、以下のように評価しています: 面白いと好評で、アニメ通り面白く、ほんわかした冒険も楽しめる作品だと感じています。また、精緻な文体と洗練された物語構造を持つ上品な小説として高く評価されています。独特の世界観や見せ過ぎない語り尽くさない怖さを備えた傑作だと評価されています。 恐怖の道連れ感やビリビリくる緊張感が素晴らしいとの声があります。 読みやすさについても、短編の連なりで構成されており、読みやすいという意見が多いです。

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7人のお客様が「面白さ」について述べています。7肯定的0否定的

お客様はこのSF冒険小説について、面白いと評価しています。アニメ通り面白く、ほんわかした冒険も楽しめるという声が多くあります。また、ワクワクするもの詰め合わせで、異世界モノ好きならお勧めの一品だと感じています。物語世界に圧倒され、色々懐かしかったという感想もあります。

"...と思うことが結構ありますが、上述したそれをまとめるところの作中の理屈がちゃんとSFしていてかなり興味深いです。それらを登場人物がガツガツ早口で説明していくのもSFっぽい。SFガチ勢の方がどう思うかはわかりませんが。..." もっと読む

"...いやあ、色々懐かしかったなあ。 で、第2巻以降に新キャラが何人か登場するとはいえ、本シリーズの基本的な路線の種子(たね)は、この第1巻で大部分、蒔かれていると感じました。..." もっと読む

"...正直、ほかの方が書いたレビューに微妙な印象を抱きもしていたのだけど、それはまったくの杞憂でした。 読み応えのある本を探している人で以下のような人は、この本を買って損はない。 ・くねくねを知っている。..." もっと読む

"最初ちょっと苦痛もあるが、キャラがすごいいい! 面白い!" もっと読む

6人のお客様が「雰囲気」について述べています。6肯定的0否定的

お客様はこの小説について、精緻な文体と洗練された物語構造を持つ上品な小説だと評価しています。また、独特の世界観の作品として期待していたものの、見せ過ぎない語り尽くさないという特徴が好評です。SFっぽい要素も交ぜられており、登場人物が可愛らしく、百合要素もあり一風変わった感じになっているようです。

"...それらを登場人物がガツガツ早口で説明していくのもSFっぽい。SFガチ勢の方がどう思うかはわかりませんが。 そんなこんなで「精緻な文体と洗練された物語構造を持つ上品な小説」ってわけじゃありませんが、既存の面白いもんと独自の面白いもんがごちゃ混ぜになった楽しい小説です。 異世界!..." もっと読む

"この方もそう。この方の作品を読むのは、この本が初めて。 作品タイトルに、なんかそそられるし、表紙の二人の女の子も、なんかいい感じ。 ※この段階では、モンスター相手のライトなサバゲみたいな小説かな?って印象。..." もっと読む

"...その世界の怪異を退治すれば高額なアイテムが得られます。 一般小説とライトノベルの中間ともいえる作品の雰囲気は良く作られていると思う。 正直、序盤の出来は星5でもいいと感じた。 ただ、読み進めていくうちに個人的には読了感が悪くなっていった。..." もっと読む

"...フォークロアを織り交ぜていてとても不気味なホラー小説っぽくもあるのですが、 登場人物が可愛らしい上に少し百合要素もあるので一風変わった感じになっています。 諸星大二郎が好きな人なら間違いなくハマると思います。" もっと読む

4人のお客様が「恐怖」について述べています。4肯定的0否定的

お客様はこの作品について、恐怖の道連れ感を高く評価しています。不気味さと可愛さのマッシュアップが心地よいと感じています。また、一歩歩くだけでも危険な裏世界に惹き込まれる様子や、ヒリつく緊張感が素晴らしいと述べています。

"...少しでも失敗すれば命を落とす状況に陥り、何度も何度も死にかけたり狂いかけたりします。すぐそこまで迫る死の気配、ビリビリくる緊張感が素晴らしいです。一歩歩くだけでも危険な裏世界に凄く惹き込まれました。 不気味さや怖さも相まり、不安を覚えながら読み進めていくのがたまらないです。..." もっと読む

"...文章的にも感覚的にもわからない、伝わらない部分もたまにあるけれど、物理的にハッキリしない恐怖、人が感じる共通の違和感を上手く操ってるな…と、もやもやしながら一気読みさせられました。 怨霊や霊魂のようなJホラー系ではない、新しくも懐かしい恐怖。..." もっと読む

"...だったのではと思い至った際に、なんとも言えない愉快さを感じた。 日常の延長としての非日常的な恐怖。 路地裏からいける異世界というこの非日常感は、本当にわくわくさせられる。..." もっと読む

"不気味さと可愛さのマッシュアップ..." もっと読む

4人のお客様が「読みやすさ」について述べています。4肯定的0否定的

お客様はこの書籍の読みやすさを高く評価しています。短編の連なりで構成されているため、読みやすいと感じています。

"...不気味さや怖さも相まり、不安を覚えながら読み進めていくのがたまらないです。止まらずに一気に読んでしまいました。 文章は読みやすくシンプルで、人によっては評価が分かれるところですが、わかりやすくていいと思いました。" もっと読む

"...前から面白そうだと購入して積んでいたのですが、アニメになったので崩して読みました。 短編の連なりでできているので、読みやすいです。..." もっと読む

"裏世界が異世界だと勘違いして購入したけど、こういうのも有りだと思った。怪談とか知らないがそれでもテンポよく読める。" もっと読む

"...怪談物が好きで百合が好き、で女主人公物が好きな人にオススメします。 書き方も非常に読みやすく丁寧 この作家さんの他の百合小説が読みたいと思いアマゾンで調べましたが他になかったので残念でならないです。" もっと読む

上位レビュー、対象国: 日本

  • 2021年11月23日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    百合好きの間で評判ということでそれを目当てに読み始めたのですが、思いのほかSF冒険小説としても楽しめました。
    得体の知れない何かが蔓延る領域での冒険はまんま『S.T.A.L.K.E.R.』や『メイドインアビス』で見た感じがしますし、現実にある都市伝説を作中の理屈に還元する、というやり方も『Steins;Gate』を始めとする科学ADVが好きな人には馴染み深いんじゃないかと思います。
    「これ見たことあんな」と思うことが結構ありますが、上述したそれをまとめるところの作中の理屈がちゃんとSFしていてかなり興味深いです。それらを登場人物がガツガツ早口で説明していくのもSFっぽい。SFガチ勢の方がどう思うかはわかりませんが。
    そんなこんなで「精緻な文体と洗練された物語構造を持つ上品な小説」ってわけじゃありませんが、既存の面白いもんと独自の面白いもんがごちゃ混ぜになった楽しい小説です。
    異世界!怪物!認識災害!百合!最高!
    5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2019年2月9日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    ひょんなことから裏世界と日常を行き来する、ふたりの女の子のお話。裏世界での恐怖体験は、ネットでは有名なくねくねや八尺様をはじめ、様々な得体の知れないものがふたりに襲い掛かります。

    少しでも失敗すれば命を落とす状況に陥り、何度も何度も死にかけたり狂いかけたりします。すぐそこまで迫る死の気配、ビリビリくる緊張感が素晴らしいです。一歩歩くだけでも危険な裏世界に凄く惹き込まれました。
    不気味さや怖さも相まり、不安を覚えながら読み進めていくのがたまらないです。止まらずに一気に読んでしまいました。

    文章は読みやすくシンプルで、人によっては評価が分かれるところですが、わかりやすくていいと思いました。
    8人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2021年3月24日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    最近公開されているアニメをみて興味を持ち、小説を購入しました。

    アニメとの大きな内容差もなく楽しめました。

    ラノベ全品に言えることですが、アニメでは見逃している心理描写が分かりやすく表されており、アニメと合わせて見るのが、個人的にはたのしいです。
    2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2017年3月7日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    一迅社文庫で発表された「ウは宇宙ヤバいのウ」以降すっかりハマってしまった作家である宮澤伊織。
    暫く音沙汰が無かったのでどこで活動されているのかと思っていたらSFマガジンだったとは。

    物語は主人公の紙越空魚が「裏側」と呼ぶ異世界の沼地で身動きが出来ないまま
    鼻と口がギリギリ水面に出る状態で溺れかけている「デス寝湯」の危機に陥っている場面から始まる。

    溺死寸前の空魚の危機を救ったのは長い金髪が特徴的な仁科鳥子。
    空魚の金縛りの原因となっていた白くてひょろっとしたシルエットのくねくね動く影に
    岩塩を投げつけて撃退した鳥子に助けられた空魚が二人そろって脱出した先は大宮駅の東側にある廃屋。

    高校時代から廃屋探検を繰り返していた空魚が偶然見つけた異世界への入り口である廃屋の裏口。
    その先にある空魚が「裏側」と称する異世界に消えた冴月という人物を探す鳥子に連れられる形で
    二人は人知を超えた異形の存在が蠢く異世界の探検を繰り返すことになるが…

    怖い、そして、それ以上に巧い。
    「ウは宇宙ヤバいのウ」を含む一迅社文庫での作品で感じた事ではあるけど宮澤伊織作品って
    読者がいつの間にか白昼夢の様な現実感覚を喪失した状態に知らず知らず引きずり込まれている。
    自分の感覚異常に気付いた事の恐怖感は本物だし、その状態に気付かずに引っ張り込む手口は神業。

    本作は「くねくね」や「八尺様」、「きさらぎ駅」、「時空のおっさん」といった
    都市伝説や2ちゃんねるのオカルト超常現象板の人気スレッド「死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?」に
    投稿されて広まった噂話=「ネットロア」を元にしたホラーテイストの作品なのだけど、
    都市伝説を取り扱った作品は作者の出自であるライトノベルでもしばしば見掛けるが、怖さのレベルが段違い。

    その怖さの特徴は「侵食」にあるかと。
    序盤は女子大生の空魚と「冴月」という知人を探す中で空魚を助けた鳥子が「裏側」と呼ぶ異世界への
    潜入と探検を繰り返す様子が描かれ、そこに鳥子の友人で「認知」の研究者小桜が絡む形で進むのだが
    最初は旅立った異世界でのみ遭遇していた怪異が、安全であった現実世界にいる筈の空魚たちに忍び寄り、
    彼女たちを取り巻く世界を狂わせていく…という裏側の侵食が進む様子が描かれている。

    序盤の異世界探検も色々と怖い部分は多い。
    二人以外にも「裏側」に潜り込んでいる人間はいるのだけど、失踪した妻を探して「裏側」に辿り着いたという
    肋戸という男が最初は頼りになる人物と見えながら、徐々に「実はもうどうしようもなく狂っている」という
    正体が炙り出しになっていく展開は心の奥から「ジワー」と嫌な汗が垂れてくるような緊張感に満ち溢れている。

    中盤での異世界探検を終えた打ち上げに出掛けた新宿の居酒屋の店員が「くびりやらいので、あぶらがらすがきます」と
    一見日本語の発音っぽく聞こえながら何一つ意味が通らない異言を発したり、何故か厨房の奥から
    犬の吠える声が聞こえたりして「え?」と不審に思って空魚たちが店を出た時には裏側に引きずり込まれているという
    異世界の侵食が始まった事を告げるシーンの怖さはガチ。

    何故ここまで怖いのか、と考えてみたのだけど、この話空魚たちが遭遇した人外の正体や
    空魚たち同様、裏側に引っ張り込まれて閉じ込められた状態で遭遇し、置いてきてしまった人たちのその後、といった
    読者が「あれはいったい何だったの?」、「あの人たちは最後どうなっちゃったの?」という「気になる部分」を
    一切説明しないのである…つまりそこに読者の「想像力」が働く仕掛けを用意してあるのである。

    そんなの情報不足、作者の説明不足やんけ!…と憤る方もおられるかもしれないが、
    作者が意図してやったのであれば話は別である。
    というかこの作品のテーマである「人間の認知の一形態としての恐怖心」という部分を考えれば
    明らかにこの「あえて説明しない」というスタイルは作者が意図してやっているとしか思えない。

    人間が暗闇を怖がる、というのは「暗闇=暗い」という視覚を通じて知覚した情報に
    「暗い=何がいるか分からない=襲われても対処できない=何かがいるとしたら何?
    =ナイフを持った凶漢?=凶暴な肉食動物?=名状しがたい異世界存在?」…みたいな
    脳内のデータベースに収められた知識を基にした「意味づけ」が働く作用=認知が働くからである。

    作者が提示する都市伝説やフォークロアの輪郭を完全には明確化せず「今見たのは何?」と
    読者が想像し、勝手に意味づけしていく「認知」を利用して読者が内側から湧いてくる恐怖心を
    自ら倍増しにする事を狙って仕掛けている、読者が自らの「認知力」で自らを怖がらせるという
    渋川先生の合気柔術みたいな摩訶不思議なテクニックと言えよう…実に見事。

    読み終える頃には裏世界の重要なキーとなっていながら何一つ説明がなされない「青」に
    自動的に「青=怖い、超怖い」という条件反射を刷り込まれるまでこのテクニックが徹底されている。
    見せ過ぎず、語り尽くさずで人間の「認知機能」を活用しまくる宮澤マジックを大いに堪能させられた。

    読者に「怖い」という感情を味わせまくった上で「一体この恐怖という感情はどこから湧いてくるのか?」という
    「恐怖論」ないしは「知覚と認知の間にあるもの」を考えさせてくれる非常に興味深い一冊。
    「怖い」という感情を研究し尽くし、それを文章に反映させる技術を研ぎ澄ませた宮澤伊織渾身の作品。
    「ジワジワと恐怖に引きずり込まれる様な体験をしたい」という方は是非ご一読を!
    46人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2021年8月30日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    この「裏世界ピクニック」シリーズの第2巻から第6巻まで読んだあとに、これはどうしたってはじまりの第1巻も読んでおかねばなと、そういう気持ちから本文庫を手にとりました。いやあ、色々懐かしかったなあ。

    で、第2巻以降に新キャラが何人か登場するとはいえ、本シリーズの基本的な路線の種子(たね)は、この第1巻で大部分、蒔かれていると感じました。当たり前といえばそうなのですが、この「裏世界ピクニック」シリーズをより良く、より深く味わうためには、極力読まんとあかん第1巻ですね。

    百合の味わいが強い本シリーズの肝(キモ)は、語り手視点の紙越空魚(かみこし そらを)と、二人といない良きパートナーである仁科鳥子(にしな とりこ)が、《この世で最も親密な関係》になるべく、〈裏世界〉でヤバい冒険をしたり、空魚の右目と鳥子の左手の力で危難を乗り越えたりしていくところにあると思っています。
    なので、出会った瞬間から、ほかの誰とも取り換えのきかない、かけがえのない二人となる、そんな旅路の第一歩を踏み出す本書は、実に重要な、読み逃すことのできない一冊であるわけで。

    「くねくねハンティング」「八尺様サバイバル」「ステーション・フェブラリー」「時間、空間、おっさん」の四つのファイルを収めた第1巻。すでに本シリーズにずっぽり浸かっているファンの一人として、やはりこれは、読まなあかん一冊でした。読み終えて、この世の果てまで、それこそ、ウルトラブルーな〈裏世界〉の奥の奥までついてっちゃるぞおと、そんな気に駆られましたです。
    3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2022年3月17日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    アニメが先で、原作が後と言う大昔の中学生のは入方みたいな読書体験だった。2ちゃんねるのオカルトのスレッドから、現代怪異譚が描かれた事にちょっと、驚いた。現代の不可思議はネットに眠っているんだ。
    2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2018年12月21日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    正直なところ、「このレベルの文章でお金が稼げるのか…!」と驚いたのが感想です。
    ネットの小説サイトにあるような文体で、ある意味軽く読めるので楽ではあります。
    ただ、『文芸』として読ませるような日本語、何度も読み返したくなるようなフレーズ、センテンスは特に見当たりませんでした。
    Kindle版が383円だったから「まぁ、いいかな…」と思えるが、この文章で文庫版の842円は絶対出せない。

    内容としては、怖い話とかのまとめサイトを見たことがある人なら誰もが一度は読んだことがあるような話を元にしているので、そりゃある程度面白くなくちゃウソだよな、とは思います。
    元ネタのパワーに乗っかってる、人のふんどしを借りている、そんな小説なので、ちょっとずるいよなという気もしないでもないですが、まぁ書いたもん勝ちですね。

    描写も「何?なんだって?誰がどうして何がどういうことになってんの?」と何回も読み直さなければならないような箇所が多々ありました。端的にいうと状況や風景のイメージがスッと入ってこない。あと登場人物も魅力が感じられない。ネット上にいる『おまいら』の最大公約数を女子大学生にしたような、つまり筆者や主要読者層の分身みたいなナイーブな主人公と、取って付けたような美少女。小説にしては夢がないし、ひねりもない。どこか現実感が漂い、物語の世界に連れて行ってくれない感じです。

    長々と酷評しましたが、ひとつだけ光っていた文章がありました。八尺様の話の後半、簡単に言うと「友達を助けようと思って必死にもがいていたが、実は助けられていたのは自分だった」というくだり。
    これは感動しました。人生って、友情って、往々にしてこういうもんですよね。チープな創作物は時間によって淘汰されますが、ここだけは普遍的なテーマに昇華できると思いました。

    まぁみなさん、気になるならぜひ読んでみてください。
    97人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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