中古品:
¥733 税込
配送料 ¥300 12月26日-27日にお届け(1 時間 44 分以内にご注文の場合)
詳細を見る
コンディション: 中古商品: 良い
コメント: 状態は良好です。本文書き込み等ありません。日本郵便 ゆうメール(追跡番号なし)の発送商品はお届け予定日が土曜日、日曜日、祝日の場合は休日明けの配達になります。
Kindleアプリのロゴ画像

無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません

ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。

携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。

KindleアプリをダウンロードするためのQRコード

誘蛾灯 鳥取連続不審死事件 単行本 – 2013/11/12


2009年秋、当時35歳だった木嶋佳苗の周りで、多数の男性が不審死した事件が話題をさらっていた。やがて別の連続不審死事件が浮上してきた。現場は鳥取、主役は上田美由紀、スナックのホステスだった。筆者は町を歩き、スナックに通い、裁判を傍聴する。美由紀に惚れ、貢ぎ、騙された男たちをみつける。そして美由紀とも面会を重ねる。その結果、木嶋佳苗事件からは決して見えてこない、地方特有の事件の景色が判明してくる。


2009年秋、当時35歳だった木嶋佳苗の周りで、多数の男性が不審死した事件が話題をさらっていた。やがて同時期、首都圏を舞台とした、この事件とは別の連続不審死事件が浮上してきた。現場は鳥取、主役は上田美由紀、スナックのホステスだった。
「一人の女の周囲で多数の男性が不審死していく」という、二つの事件には、驚くほど共通点があった。主役はどちらも30半ばの小柄な肥満体型の女性で、亡くなった男性たちと肉体関係を持ち、多額の金銭を貢がせていた。
しかし、一見、よく似た事件はまったく別の背景をもっていた。佳苗が、高級マンションに住み、外車を乗り回し、セレブ相手の料理教室に通って、婚活サイトを利用して男性を物色していたのに対し、美由紀は日本全国で最も人口の少ない都道府県である鳥取で多数の子ども抱え、自らが勤務する寂れた繁華街の小さなスナックでターゲットを探していたのだ。
筆者は、鳥取の町を歩き、事件の現場になったスナックに通い、裁判を傍聴する。美由紀に惚れ、貢ぎ、騙された男たちをみつけ、話を聞いていく。そして、拘置所にいる美由紀とも面会を重ねる。
その結果、華やかな臭いを纏う木嶋佳苗事件からは、決して見えてこない、地方特有の事件の景色が判明していく。日本の地方、田舎で何が起きているのか。事件の深層と地方の風景は切っても切り離せない関係にあった。
人口が減り、町が廃れ、そこで暮らす人々には仕事がなく、生活が立ちゆかなくなる。そこで生まれる犯罪。生活弱者が弱者を食い物にした。
ーー美由紀に騙されたのは、あなたかもしれない。

商品の説明

著者について

1966年長野県生まれ。共同通信入社後、成田支局、大阪社会部など経て、東京社会部では公安担当。オウム真理教事件、阪神淡路大震災はじめ様々な事件・事故取材に携わる。2002年から4年間、ソウル特派員。06年退社し、フリーとなる。主な著作に『日本の公安警察』(講談社現代新書)、『絞首刑』(講談社文庫)、『トラオ 徳田虎雄 不随の病院王』(小学館文庫)、『国策捜査』(角川文庫)などがある。現在、『情報満載ライブショー モーニングバード!』(テレビ朝日系)月曜日コメンテーターも務めている。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 講談社 (2013/11/12)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2013/11/12
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 354ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 406218673X
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4062186735
  • 寸法 ‏ : ‎ 13.7 x 2.6 x 19.5 cm

カスタマーレビュー

星5つ中3.7つ
19グローバルレーティング

この商品をレビュー

他のお客様にも意見を伝えましょう

上位レビュー、対象国: 日本

  • 2024年7月6日に日本でレビュー済み
    ルポライターは、大変な仕事だと思う。著者の作品は、日本会議や公安警察ものなど読ませていただいて、基本的な問題が整理されていてよくわかると思う。この作品も事件の基本的な問題点がよくわかる。本書の冒頭にあるように、日本のメディアが「もっと他にやるべき重要なこと」に手をつけないというのも同感である。私のコメントは、著者が書いていないこと、または書けなかったことを、素人なりに考えてみた。ルポライターも生活をしなければならない。いいかげんなことや、憶測でものを書くことができないだろう。素人は、厳密な証拠がなくとも印象で書いても生活には影響がない。本書は、ちょうど自民党の一党独裁が民主党に政権交代した時期に起きた、この事件と他の奇妙に似た2つの事件が政治的なものであることを示唆する。本書の後半にあるとおり、権力と個人が対等に対峙することは、不可能だから、刑事事件に黙秘権が認められている。それほど、しばしば、当然のことのように権力による事件、あるいは暴力、または謀略事件が、歴史上繰り返された。権力は、事件を作り、それを個人に押し付けることができるということをもっと人々が知る必要がある。オレオレ詐欺などで簡単にだまされるような世界有数の騙されやすい民は、漱石が三四郎の中で言うように、「よほど気をつけないといけない」。騙すという語を広辞苑で調べると「なだめ、すかして慰める」とある。自分の周りの職場や家庭や学校で、この意味で「騙す」ということが日本人ほど多い国を他に知らない。悪く言うと、なあなあ、もたれあい、よくいえば一心同体だけど、それは、相手のことを思うのでなく自分の利益のために相手をなだめ、すかす、慰めるわけだから、結局、日本人は、騙し合う人間関係だと思う。本書で、スナックでのママと客の関係、客同時の関係を見ても、上の意味で騙し合う関係に見える。ある諜報にたずさわる人からの話では、戦後首相を努めた吉田茂の回想として、戦前に駐日大使をつとめたグルーが滞日中に歌舞伎をよく見て、日本人の精神的支柱が家族制度にあると見抜き、戦後の対日政策のアドバイスとしてGHQのマッカーサーに「日本人の家族制度思想を徹底的に破壊すべし」と進言したそうな。家族制度思想を破壊された結果、今の日本人は、疑似家族関係を、スナックでのママさんとの会話に、ホステスとの性的関係に、職場の不倫に求めているように見える。不倫を扱った小説がベストセラーになった時、不倫をしていた噂のあった図書館司書の女性がその小説を図書館に購入して嬉しそうに手にしていたのを見て私は、ゾッとした思い出がある。マッカーサーの政策の成果が今の日本人だといえる。家庭と家族関係の崩壊。それが本事件の背景にあるように見える。もちろん経済的な格差も背景にあるだろう。ある意味、家族という精神的支えを失った結果として、金に執着し、ブランド品を身に着け、消費で家族制度思想という精神的支柱を失った代替品を求めている。著者の正確な記述からうかがい知れることは、著者が二度目に鳥取に行った時、その数ヶ月まえに若い女の店員がスナックに配置され、その新しいスナックホステスの夫が以前と異なり事件について話してくれたりした。これが偶然とは思えない。権力がもつ強大な力を考えるなら、本事件の証拠が不十分であることを知っている権力が、権力の思い通りの印象を広めるために利用することが十分ありうる。前回の別れ際に著者がスナックのママに「この店、若い子がいないから」と言った。権力が出版社にルポの続編を青木氏に書かせるように画策し、スナックに若い女を入れ、その内縁の夫に事件について都合よい話をさせることは、簡単だ。その若い女を青木氏にくっつけるシナリオもあったはず。ホステスが「青ちゃん」でなく「青木さん」と呼んだのも意味がある。その若いホステスに裁判所が傍聴券を与えて青木氏に近づけた。本書は、そういう細かいニュアンスもよくわかる。行間に著者の疑いが読める。本だから売れなくてはならない。「わからない」という結論では読者が納得しないだろう。本書では、Uが犯人であると断定してないが、読者は、そのように判断するだろう。不審死のうちのいくつかについてUおよびその共犯の男が殺人を計画し実行したとしても、すべての殺人がUによるものであるという印象を権力がもたせようとしていることが大きな問題だ。ある意味で、この事件の本質は、権力によるでっち上げにある。嘘つきは泥棒の始まり。泥棒は人殺しの始まり。嘘つき女は、人殺しかもしれないが、嘘つき権力は、もっと大量殺人をする。戦争するために、民主党ではできない。大国の奴隷として中国などと戦争する国に必要なのは、そういう軍事政権を擁立しないといけない。自民党のとき起きなかった凶悪事件が民主党になると起きた。こういうことが可能なのだ。だから個人に黙秘権が必要なのだ。「よくわからない」という著者の最初の印象が大事だと思う。無理に断定したとき、権力の罠にかかる。「徳島ラジオ商事件」などの本を読むと日本の警察・司法による冤罪で苦しめられた人がどれだけ多いことか。ラジオ局の設立は国家の意思伝達にとても非常に重要だった。すべて政治が問題。よほど気をつけないといけない。オレオレ詐欺も、家族制度思想の崩壊により家族というよりどころを失った老人が孫だといわれれば何百万円も振り込む。私の知人で、幼い時に母親に死に別れ、継母に育てられ、その継母が悪魔のような人で、遺言を書かせて全財産を自分に相続させたあとで夫を病院に連れていき認知症検査を受けさせ、夫が暴言を吐くからと医師と共謀して統合失調症の薬を飲ませ病名を精神病にして遺言を書き換える能力を奪ったあとで、その夫を失踪させ行き倒れにして死亡させたが、上手に警察に取り入り、罪を逃れ、次に知人の財産をねらっている。私が知人に注意して「次は、あんたの財産をねらうよ。あの女の夫のような悲惨な死に方をあんたがするのを見たくないな。」と警告したら、知人が「あんたは、おれの葬式に来るな」と怒ってしまった。オレオレ詐欺の精神構造とまったく同じで、彼は、騙されていることを知っていながら、騙されても、失った精神的支柱を与えた「その継母のするままに殺されてもいい」と思っているわけだ。日本人全体が異様な「オレオレ詐欺症候群」である。この事件のUに騙された男たちも同じ精神構造だ。外国の奴隷になる国では、人々が真の幸福を得ることはできない。それがこの事件の本質だと素人的に考える。
  • 2017年1月23日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    超絶ブスと言っても良い上に、だらしなく肥えた身体。
    自宅はゴミ屋敷の借家、そこに幼い子供4人だか5人だかと暮らし、収入もさほど無い。
    こんな一遍の魅力の欠片もない上田美由紀に、どうして男は次から次へと籠絡されてゆくのだろう。
    男の方も、誰からも相手にされない底辺の男ならまだわかるが、籠絡された男達の中には家庭があったり、警察官や営業マンなどの社会的地位もある人々もいた。

    そして、皆がカネを差し出し、死んでいく。

    木嶋佳苗と同一視されるが、当の木嶋佳苗も、この上田美由紀には興味津々というか、激烈なライバル心をむき出しにしているように見えた。
    その理由のひとつが、この著者である青木氏にある。
    彼は取材対象として木嶋佳苗でなく、上田美由紀を選んだ。
    木嶋佳苗にすれば、主役は私のはずなのに、どうして田舎のド底辺のブスに持ってかれなくてはならないのか、我慢ならないのだろう。

    かたや上田美由紀は、木嶋佳苗のことなど微塵も気にかけず、一貫して否認し続け、青木氏との面会でもそのとりとめのない態度で青木氏を翻弄しまくる。
    青木氏は最終的に何も聞き出せなかったが、青木氏自身は、他の死んだ男達同様、上田美由紀に籠絡されてしまったようだ。

    上田美由紀、恐るべし。
    14人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2016年11月8日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    鳥取が寂れているという描写が長過ぎるのでそこをもう少し省略して容疑者の捕まる前の暮らしぶりを書いて欲しかった。(著者にとっては鳥取が寂れているって所が重要ポイントなのかもしれないけど。)
    7人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2014年2月18日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
     あしびきの山鳥の尾のしだリ尾の長々し夜をひとりかも寝ん 飛鳥時代の歌人、柿本人麻呂が任地の石見で歌った今も心に沁みる歌である。私は今回、初めて青木氏の作品を読ませていただき、なぜかこの歌を思い出していた。
     事件は二重人格的傾向と虚言癖の女が主犯の連続殺人事件であり、関係した男たちが結果的に共犯関係にされたというのが基本構造であろうと青木氏の綿密なルポが、それを暗示している。これを捜査する警察・検察の姿勢にこそ大きな問題がある。事実上の司法取引により女ひとりを稀代の悪女に仕立て上げ、裁判員裁判を利用し素人裁判によって死刑判決を下した。国選弁護人は起訴状に示している現場をすら、行かず失笑のもれる間抜けな質問をなし、事実上の協力関係になっていたのである。
     飛鳥の頃より、わが国では中央から派遣された高級官僚が地方を支配してきた。奇しくも鳥取は石見のぞくする島根県の隣である。鳥取に赴任している警察、検察、裁判所の官僚達は、ここでマイナス点を上げるわけにいかない、問題をうまく処理して、さっさと栄転したいというのが本音ではないかと愚考している。余りにも多くの問題点に、なかなか考えが整理できない。それでも私は思う、真実の究明はどこにあるのかと。なのに、まだ現実に裁判は続いている。
    12人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2015年6月24日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    この本は、いらない情報ばかりが多い。鳥取の地理やインフラ状況、法律問題。とにかく無駄な事ばかり書かれていて、肝心な美由紀の人間性や事件を掘り下げて調べてみるなど全くない。ただビジュアルだけをやたらとしつこく書いてますが、事件の内容は裁判傍聴のまる写し。作者自身の頭の良さを自慢している内容が多い。興味がない部分が多すぎて、今まで読んできたノンフィクションの中では最低の手抜き作品です。
    14人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2015年12月9日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    よく調査してあり、一気に読んでしまう。いわゆる犯罪レポート「黒い報告書」とギリギリの境界線だが、辛うじてその一線を越えないところがいい。
    4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2016年5月6日に日本でレビュー済み
    人物描写、情景描写が秀逸です。

    登場人物の吐く息のにおいが漂い、
    寂れた地方都市の、薄汚いスナックの細部までが、
    目の前に再現されるかのようです。
    また、誰もがもつ恥ずかしい欲望を、
    容赦なく描いているところが、
    なかなか強烈です。

    ノンフィクションなのですが、
    描写が非常にこまやかなので、
    つくりこまれた映画を観ているかのような印象を受けました。

    もちろん、主題ともいえる、
    現代刑事司法制度の欠陥についても、
    しっかりと、大変わかりやすく伝えています。

    読んで、とても陰鬱な気持ちになりました。
    読み物としては面白いのですが、
    なかなか重い一冊です。
    10人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2014年6月13日に日本でレビュー済み
    図書館で本書が連載されていた雑誌を読み興味をそそられ購入しました。

    筆者の取材の動機にある(何故、社会的に地位や名誉がある分別のついた男たちが美由紀のようなお世話にも容姿がよくないサエない中年女に次々とハマり瞬く間に転落していくのか?)という「何故?」は同性として私も思います。何故、あんなデブスと関係を持つのか、と。

    正直言って本を読んだ後もその何故?に納得出来る答えは出せませんでしたが
    わかった事は美由紀が簡単にヤらせる女(発情期の犬や猫のような)で片付けられない女という事です。
    ウソもメチャクチャ。子供でもつけないウソを平気でつき、そして大のおっさんがそれを信じます。
    「マジか!・・なんなんだこの世界は」と声を出していました。ありえない、と。ただ本を読むペースは
    それとは裏腹にどんどん早くなりました。

    本書に「ラブ・レター」という章があり美由紀が同棲相手に宛てた手紙を紹介しています。
    それを読んで
    なるほど、手紙をもらった当事者にしたら心地よい気持ちになるだろうな、という印象を持ちました。
    可愛いな、こいつと思えるようなストレートすぎる表現で読んでいるアカの他人が赤面しますよ。
    そこがポイントなのかも知れない。家庭があっても奥さんはこんなストレートに自分に対して
    愛情表現はしてくれませんから。

    もし自分の目の前に美由紀のような女が表れたらコロッとハマってしまうかも。
    美由紀か働いていたビックのママが言ったように美由紀は「人たらし 」という才能は確かにあった事はわかりました。
    しかし ・・オトコっていう生き物はなんとも哀しい生き物ですね、外見が例えおっさんになっても中身はピュアと言うか単純と言うか・・なんかね、考えさせられました。
    14人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート