カスタマーレビュー

  • 2019年3月19日に日本でレビュー済み
    風景描写がイメージしやすい。昭和の町並み、冷たさを感じる森、映画の如く脳裏にはっきりと浮かんでくる。
    まあ下ネタで喜ぶ小学生のようで我ながら幼稚だとも思うが、村上春樹独特の、いい意味で狂った性描写やそれに関する会話も読んでいて飽きさせない。

    内容についても、死者が生けるものを捕らえ引きずり込むというこの物語全体の陰鬱とした後味の悪さが読む者の心をもまた引きずり込でいくようである。
    クセが強く万人にはおすすめできない。が、こうした独特な村上テイストが好きな方、あるいは世にあふれる喪失と再生という安直な二項対立の構造、救済エンドの物語をあまり良しとしない方ならきっと物語の世界にとことん没入でき、何度も繰り返し読める一冊ではないかと思う。
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5つ星のうち4.3
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