カスタマーレビュー

  • 2014年4月2日に日本でレビュー済み
    マスコミ、加害者、被害者という3つの立場からの、それぞれの本音がヒリヒリと伝わってくるような話でした。

    とくに第1部の中盤と、第2部は生々しくて、読んでいて胸に迫ってきます。
    もう、電車のなかで涙をこらえましたよ(><)

    またその、被害者と加害者のどちらの側にも偏ることなく書いている作者も、
    とても誠実な印象を受けます。

    これは、事件から10年たって「とうに終わった」話なのではなくて、
    むしろ事件から月日が過ぎた今だからこそ拾い上げることができたという、
    稀有な展開なんでしょうね。

    事件は悲惨そのものだったし、私も心のどこかで、自分とは関係がない特殊な出来事だと思っていましたが、
    登場するそれぞれの人物の苦悩は普遍的で、決してひとごとではなかったです。

    ふだん事件モノはほとんど読まないのですが(残酷な話が苦手なので)
    この本は、もちろん実話ではあるのですが、
    事件モノというより小説のようで読みやすく、
    社会人になりたての「僕」にも共感するところが多々ありました。
    また、ラストに思わぬ救いがあって、読後感は晴れやかです。

    と同時に、もし自分だったら、こんな心境に至れるだろうか?とも考えてしまいました。
    もし自分の娘が殺されたら。自分の兄妹が殺されたら。
    ・・・うーん、こんなに豊かな心をもって消化できるんだろうか。
    21人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート 常設リンク

商品の詳細

5つ星のうち4.6
62 件のグローバル評価