カスタマーレビュー

  • 2013年9月8日に日本でレビュー済み
    都内のある駅に掲げられている注意書き。
    「(A路線とB路線の終電を示した上で)接続は行いません」
    何かおかしいとずっと思っていたが、この本を読んですこしすっきりした。接続を行う、という動詞の選択もさることながら、「接続ハ行いません」というと、じゃあ何なら行うのか、という意味合いになりかねない。「終電同士ハ乗り換えできません」と言ってくれれば、終電デハなくもう一本前に乗らないといけない、というメッセージを読み手に与えることができる。

    日本語の文法論は未完成で、未熟なままに欧州語文法を借りてきただけ、と批判する筆者。主述関係が明確だから欧州語は論理的で、時に主語が省略される日本語は非論理的なのか。日本語の語順は世界的に見て決して特殊ではないし、主語で始まることが決まっている英語と、述語で終わることが決まっている日本語。文の構造が全く違うから文法の有り様も違うということではないだろうか。

    この本は文法論ではなく作文技術という体裁になっていて、文法の原則を確認しつつもわかりやすい文章を書くという観点で述べられていて実践的。文章をある程度書き慣れた方にとっても、修飾の混同を避けるために長い修飾語から先に書くとか、句読点の原則を確認するとか、参考になる部分は多いと思う。
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