中古品:
¥3,355 税込
無料配送1月17日 金曜日にお届け
コンディション: 中古商品: 非常に良い
コメント: 対応のリーフレット付き◇2009.4.30刊 帯付き。初版。書き込みなし。取り寄せで無く、在庫確実の商品です。amazon配送センターより迅速に発送致します。
Kindleアプリのロゴ画像

無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません

ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。

携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。

KindleアプリをダウンロードするためのQRコード

フライデーあるいは太平洋の冥界/黄金探索者 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 2-9) 単行本 – 2009/4/11


「フライデーあるいは太平洋の冥界」
ロビンソン・クルーソーとフライデーのもう一つの物語。
南海の孤島で遭難したロビンソンは、島を開拓し、食料の備蓄に努めるが、野生人フライデーの登場によってその秩序は一瞬のうちに崩壊する。文明と野蛮を双子のように描いた哲学小説。

「黄金探索者」
今は、海を見つめ、風の音を聞く以外に何もできない。
失われた楽園を取り戻すため、父の遺した海賊の地図と暗号文を手がかりに、ぼくは終わりなき財宝探索の旅に出る。2008年ノーベル文学賞受賞作家による、魅惑に満ちた自伝的小説。

商品の説明

著者について

現代フランスを代表する作家。1924年パリに生まれる。ゲルマン神話とドイツの哲学・音楽に傾倒する。『魔王』『気象』『黄金のしずく』等著書多数。この作品はドゥルーズが非常に高く評価している。

1940年ニース生まれ。1963年『調書』でルノドー賞受賞。主な小説に『海を見たことがなかった少年』『砂漠』など、エッセイに『物質的恍惚』『地上の見知らぬ少年』など。2008年ノーベル文学賞受賞。

1952年和歌山県生まれ。現在、東京大学文学部長。著書に、『ランボー 精霊と道化のあいだ』(青土社)など、訳書に、ル・クレジオ『黄金探索者』『ロドリゲス島への旅』、『ランボー全集』(青土社)など。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 河出書房新社 (2009/4/11)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2009/4/11
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 532ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4309709613
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4309709611
  • 寸法 ‏ : ‎ 13.7 x 3.7 x 19.6 cm

カスタマーレビュー

星5つ中4.4つ
11グローバルレーティング

この商品をレビュー

他のお客様にも意見を伝えましょう

上位レビュー、対象国: 日本

  • 2014年10月26日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    フランス語・フランス文学の教師ですが、トゥルニエ『フライデーあるいは太平洋の冥界』は、私がこれまでに読んだフランス小説のなかでもっとも大きな感銘を受けた作品です。孤独、他者、野生と文明といった哲学上の大問題を扱いながら、絶対に誰も予想できない結末まで、息つぎもさせぬ勢いで読者を引っ張っていきます。

    しかしここでは、ル・クレジオ『黄金探索者』について、簡単に紹介します。

    19世紀末、イギリス統治下のモーリシャス島。フランス移民の二世である少年アレクシは、海と森林と星々に囲まれて育つ。父が生前口にしていた、ある海賊の残した財宝を探索するため、彼はロドリゲス島へと旅立つ。探索の過程で、アレクシは現地の「マナフ」(山の民)の娘ウーマと知り合い、奇妙な関係を結ぶ。ロドリゲス島に来て4年が経過したころ、ヨーロッパで戦争が勃発。アレクシはイギリス軍の徴兵に応じ、ベルギーとフランスで従軍する。。。(以下割愛)

    破天荒な筋書きのように見えますが、物語の展開はむしろゆったりしていて、自然の風景や主人公の動作の描写の細部が特徴的です。台風襲来時の空の移り変わり、ゼータ号での航海時の海の様子、乗組員たちが銛でウミガメを仕留める場面、アレクシが財宝のありかに迫っていく過程、肉体が血を噴く戦場、そしてウーマと潜る海の光景などなど、どれもが簡潔に淡々と、しかし克明に描き出されていて鮮烈な印象を与えます。

    一方で心理描写は少なく、登場人物の多くの行動の理由は謎のままです(語りはアレクシの一人称ですが、彼自身がなぜ財宝探索に乗り出したのか、なぜ戦争に参加したのかすらも説明されません)。そのせいもあって、とりわけウーマが徹底的に神秘的な存在に映ります。とても巧みな小説的工夫です。

    アレクシはル・クレジオの祖父レオンがモデルとか。アレクシは、戦闘機が飛び交うような時代に原始人みたいな野生生活を何年も送りながら黄金探索に没頭しますが、レオンさんの冒険は(中断をはさみながらも)三十年間に及んだそうな。こんな男がほんとにいたとは驚きです。

    原文は平明で美しいフランス語です。ちょっと引用しておきます。

    Elle plonge. Sous l'eau, je vois son ombre noire qui glisse près du fond. Dans un nuage de sable, la vieille [ベラ] sort de sa cachette et passe lentement devant moi. Presque seul, le harpon jaillit de sa main et cloue le poisson. Le sang fait un nuage dans l'eau autour de moi. Je remonte aussitôt à la surface. Ouma nage à côté de moi, elle monte avant moi sur les rochers. C'est elle qui saisit le harpon, puis qui tue le poisson en l'assommant sur la roche noire. A bout de souffle, je reste assis, grelottant de froid. Ouma me tire par le bras. (Le Clézio, Le Chercheur d'or, Gallimard, ' Folio ', p. 221-222)
    16人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2015年4月6日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    ひさしぶりの全集本でしたが、活字が読みやすくよかったと思います。
    もう少し安価でしたら、もっとよかったですが、それは仕方ないと思っています。
  • 2020年6月10日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    島を主題にした二作。一人旅に出たくなった。
    1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2009年5月31日に日本でレビュー済み
    小説の魅力はプロットにだけあるのではない。小説を読む楽しみは手に汗握って頁を繰ることばかりではない。ル・クレジオの『黄金探索者』を読み、改めて気付かされた。(まだ『フライデー』の方は読んでいないのですが、フライングして書かずにはいられませんでした。)

    『黄金探索者』の魅力は、何よりもひとつひとつの場面の喚起力にある。詩的で緻密な文章を噛みしめ、ただ海の香を吸い込み波のうねりに身をまかせる。夜の静寂に耳をすませ、清澄な星空に息を飲む。じっくり読むほどに魅惑的な、濃密な時空間が広がる。
    そして、そうした瑞々しい描写に映し出される、主人公の失われゆくものへの深い愛惜の念(それが彼を探索に駆り立てずにはおかない)が、終始胸を打つ。

    決して派手ではないが、豊饒な読書体験を約束する小説である。
    28人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2011年7月8日に日本でレビュー済み
    いずれも海を舞台にした冒険譚。

    フライデー…の方は、ちょっと違うが、
    海洋にて孤軍奮闘、クルーソーが生きるために知恵を絞る様は
    その艱難をまず棚に上げさせるほど、羨望を禁じることは難しかった。

    物語の最終盤、数十年に及ぶ葛藤を乗り越えて、クルーソーはある状態に達する。

    「彼を押し包む光が前日と前夜の致命的な汚れを彼から洗い落としていた。
    焔の剣が彼の身内に入って、彼の全存在を貫いていた。」

    何もない島で、クルーソーに訪れた変容とはどのようなものだったのか。
    クルーソーは失ったことにより、何を得たのか。
    是非、多くの人に始まりから結末まで通読を進めたいと思った。

    黄金探索者の方は、タイトルだけで十分男心を惹きつけるではないか。

    ただ、初めに言っておくと、これはかなり大人の小説だ。
    少年時代の冒険心を思い起こさせるだけの、単純な物語ではない。
    失った代償の大きさは、果たして黄金探索の後にあるや否や。
    答えは読者個々人に委ねられている。

    しかし、探索中の描写よりも、海と対峙する場面描写の方が、
    長く、深く、美しい。本当の主人公は、やはり海なのだろう。

    おまけとして、探索者の方の解説は、
    本全集で今のところピカイチだ(現在21冊目)。
    面白くてためになる。

    この二作、いずれも経済的豊かさとは無縁の世界なのに、
    なにゆえこうも我々を惹きつけるのだろう。

    物質的には満ち足りた環境を
    まじまじと振り返させられる契機になった。
    8人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2020年11月12日に日本でレビュー済み
    トゥルニエ作品の榊原訳は、1980年代に最初に出版されているのですが、最近初めて目を通してみて、誤訳が多いことに驚きました。
    肯定・否定、先後関係を取り違えて正反対に訳したり、形式主語 il を「彼」と訳して意味不明になったり、
    教室で学生が叱られるような間違いが1ページに1個以上の頻度で登場しています。
    (trop… pour ne pas ~ なんていう構文の訳は、もうグダグダのうえ、
     cosmique 宇宙的、というのを「滑稽な comique」と訳していたりする!)
    読んでいて、意味が通じない、と思った箇所は、ほぼ誤訳だと考えてよいです。
    4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2009年7月21日に日本でレビュー済み
    世界文学全集の1冊。ともにフランスの作家。ル・クレジオはノーベル文学賞を受賞したということは知っていたが、トゥルニエはまったく知らなかった。
    トゥルニエの方は、ロビンソン・クルーソーを主人公とした話。デュフォーの話は、子供のころに読んでいたが、うろ覚えで、新鮮だった。孤島に取り残されながら、
    秩序を重んじる主人公がフライデーの登場にかく乱されていく過程が面白い。哲学的な話だ。
    小説としては、ル・クレジオの方が好みかな。こちらも、南の島へと旅する若者を主人公として、未開の社会への憧憬が美しい文章で描かれている。
    6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2009年9月19日に日本でレビュー済み
    疲れているときにこういうのはいいなあ…ブンガクというものをお真面目にやっている方がなぜ真面目なのかがなんとなくわかります。最近の日本文芸には××が出そうなだけにこういうのは好きです。
    「いまさらクルーソーかよ」…そういわずお読みになってください。分厚いですが読み応えはすごいです。この河出シリーズ一番かも。
    ☆は7つくらいつけたいなあ。満足感、幸福感でいっぱいの読書でしたから。甘いお菓子とお茶と一緒にお気軽にどうぞ。
    11人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート