三島由紀夫氏と楯の会について、何を求めどのように行動したか、三島事件を扱った多くの著書や資料を読みながら、「解」を探してきましたが、核心に触れる答えを見つけることはできませんでした。昭和44年10月21日の前と後での三島氏の大きな変化の謎、「英霊の聲」での天皇に対するこれ以上ないほどの厳しい批判と11月25日の市ヶ谷台での自決前に発した「天皇陛下万歳」の矛盾ともとれるような発言の謎、この本に出逢った時、これらの謎がすうっと解けていくのを感じました。三島自事件の核心に触れる最高の著書の1つだと思います。惜しむらくは、この本の中で皇居突入後にどのような段取りで何をしようとしていたか、仮説でもいいのでその点に触れていただけたら、申し分なかったです。
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三島由紀夫 幻の皇居突入計画 (フィギュール彩 56) 単行本 – 2016/5/13
鈴木 宏三
(著)
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「三島事件」は昭和史における大きな謎のひとつである。
この謎を解明するには「檄文」の読解が重要なのである。
兄・鈴木邦男(一水会顧問)の影響で、三島事件への関心を
持ち続けてきたという著者。
「三島」を政治的にではなく文学的に、特に西欧的な知の枠組み
のなかで理解することが必要と考える。
憲法改正を訴えて自決した三島だったが、
その主張は一貫したものではなかった。
昭和44 年10 月21 日、自衛隊の治安出動の可能性が消え、
同時にそれまで彼が築き上げてきた決起計画が
すべて水泡に帰した。
皇居突入計画は、小説「英霊の聲」における昭和天皇への
呪詛と関係する。
当初の計画では、行動の世界のクライマックスは
文学と密接にかかわるはずのものだった。
その皇居突入計画が市ヶ谷の自衛隊乱入へと
切り換えられたため、
行動の世界が彼の文学の世界とは接点を持たないままに
終わってしまったのであった。
この謎を解明するには「檄文」の読解が重要なのである。
兄・鈴木邦男(一水会顧問)の影響で、三島事件への関心を
持ち続けてきたという著者。
「三島」を政治的にではなく文学的に、特に西欧的な知の枠組み
のなかで理解することが必要と考える。
憲法改正を訴えて自決した三島だったが、
その主張は一貫したものではなかった。
昭和44 年10 月21 日、自衛隊の治安出動の可能性が消え、
同時にそれまで彼が築き上げてきた決起計画が
すべて水泡に帰した。
皇居突入計画は、小説「英霊の聲」における昭和天皇への
呪詛と関係する。
当初の計画では、行動の世界のクライマックスは
文学と密接にかかわるはずのものだった。
その皇居突入計画が市ヶ谷の自衛隊乱入へと
切り換えられたため、
行動の世界が彼の文学の世界とは接点を持たないままに
終わってしまったのであった。
- 本の長さ219ページ
- 言語日本語
- 出版社彩流社
- 発売日2016/5/13
- ISBN-104779170605
- ISBN-13978-4779170607
商品の説明
著者について
すずき・こうぞう
1945 年仙台市生まれ。山形大学名誉教授。
1968 年東北大学大学院文学研究科修士課程(英文学専攻)修了。
山形大学教養部、人文学部教授。2004 年退職。
専門は17 世紀英文学(ジョン・ダン研究)。
1945 年仙台市生まれ。山形大学名誉教授。
1968 年東北大学大学院文学研究科修士課程(英文学専攻)修了。
山形大学教養部、人文学部教授。2004 年退職。
専門は17 世紀英文学(ジョン・ダン研究)。
登録情報
- 出版社 : 彩流社 (2016/5/13)
- 発売日 : 2016/5/13
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 219ページ
- ISBN-10 : 4779170605
- ISBN-13 : 978-4779170607
- Amazon 売れ筋ランキング: - 753,549位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 129,712位ノンフィクション (本)
- - 215,512位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
星5つ中3.8つ
5つのうち3.8つ
5グローバルレーティング
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上位レビュー、対象国: 日本
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- 2016年6月27日に日本でレビュー済みAmazonで購入三島由紀夫烈士の「相対化」を促すアンチ三島本でした。
オニイチャンの影響を受けちゃったのかなぁ。
- 2016年7月24日に日本でレビュー済み三島由紀夫の晩年の目的が皇居への突入にあったことを、彼が残した小説、エッセイ、対談、または証言から鮮やかに描き出す。その手続きはいい意味でアカデミックなもので手堅く、少なくとも昭和44年まで、三島が皇居への侵入の機会をうかがっていたことは事実として説得された。
問題はその意図とその計画に対する評価である。
突入は昭和天皇を殺害するためか、逆に自害を賜るためか。
それに関しては筆者はわからないと禁欲的で、またそうした計画が未遂で終わったことを望ましいことと見ているようだが、しかしそれは、日本社会が天皇という呪縛から逃れる大きなチャンスであったように私には見える。