広島長崎の原爆以降、第五福竜丸や被ばく調査の実体や各国の動きを丁寧に追いかけておられる。
部分的記述誤りを指摘して全否定される読者もおられるが、概ね正しいことが書かれている印象。
私は核兵器使用のみを非難して、沖縄や本土空襲をあまり非難しない方向性には疑問を持ちます。
ただ、核の傘などという核兵器が核攻撃への抑止力になるという考え方にも違和感があります。
核兵器を持っていないからと云って核攻撃されるわけではないし、持っているからと云って攻撃
されないわけでもない。そんなことを考えながら読みました。有意義な本だと思います
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核の戦後史:Q&Aで学ぶ原爆・原発・被ばくの真実 (「戦後再発見」双書4) 単行本 – 2016/3/3
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戦後史の謎を解く鍵は、「核」にある!
体内に取り込まれた放射性物質による被曝(内部被曝)の影響は
なぜこれまで軽視されてきたのか?
その謎を解くには原爆と原発をめぐる「核の戦後史」に目を向けなければならない。
世界に先駆けて行われた原爆開発・マンハッタン計画とは何だったのか、
なぜ広島・長崎へ原爆が投下されたのか、
核実験の放射能汚染による人的被害はどのように隠蔽されたのか、
そしてなぜ今、日本は脱原発に踏み切れないのか。
Q&A形式で原爆と原発の必須知識を提供するシリーズ第4弾。
◎「はじめに」より
一九四五年八月、アメリカは広島、長崎に対して原爆を使用しました。アメリカの行為ははたして正しかったのか。いまだにアメリカ人の半数以上が原爆投下は正しいと考えているわけです。
近年、アメリカで原爆投下を問い直す新たな動きが出ています。
本書は、そうした流れの中で生まれた、二人の平和学研究者による共著書です。第一部で、私(木村朗)が原爆投下の経緯・背景と核の戦後史の見方について重要なポイントを解説し、第二部で高橋博子さんがアメリカの公文書などを元に、核戦略の核心、放射能汚染やヒバクシャに対する日米両政府の対応の実態について明らかにしていくという構成で話を進めていきます。
◎目次
第1部 原爆投下と戦後史の謎Q&A
講義篇「原爆投下から戦後ははじまった」
(1)広島では十四万人、長崎では七万人が原爆で亡くなりました(一九四五年十二月までに)。犠牲者には多くの子供、女性が含まれます。なぜこんな無差別爆撃が行われたのですか?
(2)原爆神話とは何ですか?
(3)ドイツ降伏後もなぜアメリカは原爆開発を続け、日本へ原爆を投下したのですか?
(4)「マンハッタン計画」とは何ですか?
(5)投下先として広島と長崎が選ばれたのはなぜでしょうか? また、なぜ一発でなく、二発投下されたのでしょうか?
(6)日本はなぜポツダム宣言を「黙殺」したのですか? すぐに受諾して降伏していれば、原爆投下はなかったのでは?
(7)結局、日本が降伏した要因は何だったのですか?
第2部 核体制と戦後日本Q&A
講義篇「機密解除文書から原発と核兵器推進体制の闇に迫る」
(1)原爆投下に対して、日本政府はどのような対応を取ったのですか?
(2)アメリカはなぜ原爆による残留放射能の存在を認めなかったのですか?
(3)内部被ばくは人体にどのような影響を与えますか?
(4)アメリカは戦後、広島、長崎に調査団を派遣して被爆地を調査しました。どんな目的で何を調査したのですか?
(5)ABCCが被爆者をモルモット扱いしたと言われるのはなぜですか。どんな調査をしたのですか?
(6)一度に一〇〇ミリシーベルト以下の被曝なら体に影響がないと聞きました。どうして一〇〇ミリシーベルトなのですか?
(7)国際原子力ムラとは何ですか?
(8)日本は国際原子力ムラの意向には逆らえないのでしょうか?
体内に取り込まれた放射性物質による被曝(内部被曝)の影響は
なぜこれまで軽視されてきたのか?
その謎を解くには原爆と原発をめぐる「核の戦後史」に目を向けなければならない。
世界に先駆けて行われた原爆開発・マンハッタン計画とは何だったのか、
なぜ広島・長崎へ原爆が投下されたのか、
核実験の放射能汚染による人的被害はどのように隠蔽されたのか、
そしてなぜ今、日本は脱原発に踏み切れないのか。
Q&A形式で原爆と原発の必須知識を提供するシリーズ第4弾。
◎「はじめに」より
一九四五年八月、アメリカは広島、長崎に対して原爆を使用しました。アメリカの行為ははたして正しかったのか。いまだにアメリカ人の半数以上が原爆投下は正しいと考えているわけです。
近年、アメリカで原爆投下を問い直す新たな動きが出ています。
本書は、そうした流れの中で生まれた、二人の平和学研究者による共著書です。第一部で、私(木村朗)が原爆投下の経緯・背景と核の戦後史の見方について重要なポイントを解説し、第二部で高橋博子さんがアメリカの公文書などを元に、核戦略の核心、放射能汚染やヒバクシャに対する日米両政府の対応の実態について明らかにしていくという構成で話を進めていきます。
◎目次
第1部 原爆投下と戦後史の謎Q&A
講義篇「原爆投下から戦後ははじまった」
(1)広島では十四万人、長崎では七万人が原爆で亡くなりました(一九四五年十二月までに)。犠牲者には多くの子供、女性が含まれます。なぜこんな無差別爆撃が行われたのですか?
(2)原爆神話とは何ですか?
(3)ドイツ降伏後もなぜアメリカは原爆開発を続け、日本へ原爆を投下したのですか?
(4)「マンハッタン計画」とは何ですか?
(5)投下先として広島と長崎が選ばれたのはなぜでしょうか? また、なぜ一発でなく、二発投下されたのでしょうか?
(6)日本はなぜポツダム宣言を「黙殺」したのですか? すぐに受諾して降伏していれば、原爆投下はなかったのでは?
(7)結局、日本が降伏した要因は何だったのですか?
第2部 核体制と戦後日本Q&A
講義篇「機密解除文書から原発と核兵器推進体制の闇に迫る」
(1)原爆投下に対して、日本政府はどのような対応を取ったのですか?
(2)アメリカはなぜ原爆による残留放射能の存在を認めなかったのですか?
(3)内部被ばくは人体にどのような影響を与えますか?
(4)アメリカは戦後、広島、長崎に調査団を派遣して被爆地を調査しました。どんな目的で何を調査したのですか?
(5)ABCCが被爆者をモルモット扱いしたと言われるのはなぜですか。どんな調査をしたのですか?
(6)一度に一〇〇ミリシーベルト以下の被曝なら体に影響がないと聞きました。どうして一〇〇ミリシーベルトなのですか?
(7)国際原子力ムラとは何ですか?
(8)日本は国際原子力ムラの意向には逆らえないのでしょうか?
- 本の長さ288ページ
- 言語日本語
- 出版社創元社
- 発売日2016/3/3
- ISBN-104422300547
- ISBN-13978-4422300542
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商品の説明
著者について
木村朗(きむら・あきら)
鹿児島大学教員、平和学専攻。1954年8月生まれ。北九州市小倉出身。
日本平和学会理事。平和問題ゼミナールを主宰。
インターネット新聞NPJに論評「時代の奔流を見据えて」を連載中。
主な著作は単著『危機の時代の平和学』(法律文化社、2006年)、
共著『広島・長崎への原爆投下再考─日米の視点』(法律文化社、2010年)、
『闘う平和学─平和づくりの理論と実践』(三一書房、2014年)、
『米国が隠す日本の真実─戦後日本の知られざる暗部を明かす』(星雲社、2015年)、
編著『終わらない〈占領─対米自立と日米安保見直しを提言する! 』(法律文化社、2013年)、
『21世紀のグローバル・ファシズム─侵略戦争と暗黒社会を許さないために』(耕文社、2013年)、
『核時代の神話と虚像』(明石書店、2015年)など。
*『核の戦後史』に関する木村朗氏の対談動画がYouTube上で閲覧できます→ https://youtu.be/iEtGUuiMk0c
鹿児島大学教員、平和学専攻。1954年8月生まれ。北九州市小倉出身。
日本平和学会理事。平和問題ゼミナールを主宰。
インターネット新聞NPJに論評「時代の奔流を見据えて」を連載中。
主な著作は単著『危機の時代の平和学』(法律文化社、2006年)、
共著『広島・長崎への原爆投下再考─日米の視点』(法律文化社、2010年)、
『闘う平和学─平和づくりの理論と実践』(三一書房、2014年)、
『米国が隠す日本の真実─戦後日本の知られざる暗部を明かす』(星雲社、2015年)、
編著『終わらない〈占領─対米自立と日米安保見直しを提言する! 』(法律文化社、2013年)、
『21世紀のグローバル・ファシズム─侵略戦争と暗黒社会を許さないために』(耕文社、2013年)、
『核時代の神話と虚像』(明石書店、2015年)など。
*『核の戦後史』に関する木村朗氏の対談動画がYouTube上で閲覧できます→ https://youtu.be/iEtGUuiMk0c
登録情報
- 出版社 : 創元社 (2016/3/3)
- 発売日 : 2016/3/3
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 288ページ
- ISBN-10 : 4422300547
- ISBN-13 : 978-4422300542
- Amazon 売れ筋ランキング: - 318,033位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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上位レビュー、対象国: 日本
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- 2024年1月6日に日本でレビュー済みAmazonで購入アメリカ公文書館のドキュメント含む、史実、事実に基づいた核に関する本です。これを自分で調査したなら膨大な時間と苦労が必要ですが、1冊の本としてまとまって読めるのは非常にありがたいことです。感謝しかありません。そして何故、唯一の被爆国日本で様々なことが公然と行われるのかが、とてもよく理解できました。すべての日本人に読んでほしい本です。
- 2017年5月12日に日本でレビュー済みAmazonで購入戦前 日本政府が米政府に原子爆弾の使用を「戦争犯罪」と非難して以来、日本政府は一度も 戦後 非難をしていないそうです、少なくとも戦後は「植民地」が進んだということでしょうね〜、今も 危機を煽る方々が多いですが、植民地の危機、宗主国はどのような防衛をするのでしょうか?? この本を読みながら、戦後の日本政府は完全に 米政府と共犯関係にありますね 自ら選んだのか、どうかは分かりませんが…
- 2016年3月27日に日本でレビュー済みAmazonで購入国際原子力機関(IAEA)と国際保健機関(WHO)が結んだ合意書があります。第1条を引用します。
第1条 協力と協議
1.IAEAとWHOとは、国際連合憲章が立てた一般的枠組みの中で、それぞれの組織の憲章の条項が定義する目的を実現しやすくする為に、緊密な連携のもとに行動し、共通利害に関わる問題については定期的に協議することとする。
2.(略)WHOは、IAEAが、平和利用の為の原子力エネルギーの研究および開発と実用とを、全世界で鼓舞し、援助し、組織する権利は損なわれないものとする。
3.一方が他方にとって多大な関心事である分野での、計画または活動を企てようとするたびごとに、前者は後者に諮り、共通の合意において問題を処理するものとする。
特に重要なのは、3です。この条項によって、WHOはIAEAの意に沿わない研究報告は発表できません。本来、原子力を推進する機関と、健康問題を扱う機関には、別のポリシーがあるはずです。ところが、この取り決めによって、原子力推進の下に、健康問題が組み敷かれることになったわけです。
IAEAと福島県との間に「放射線モニタリング及び除染の分野における協力に関する福島県と国際原子力機関との間の実施取り決め」、IAEAと福島県立医大との間に「人の健康の分野における協力に関する福島県立医大とIAEAとの間の実施取り決め」なる覚書にも似た条項が含まれています。
IAEAはアメリカ主導で設立された組織で、今でもアメリカの利益を最重視していると考えられています。
- 2018年3月15日に日本でレビュー済みAmazonで購入広島、長崎への原爆投下後土壌の放射線汚染により植物は約10年は再生不能とみられていた。 しかし翌年の春には植物は芽を出し花や実をつけそれを食べた市民には放射線障害は見られなかった。 空中爆発により放射能が拡散したことと台風や長雨が土壌を洗浄したとみられている。 戦後GHQが原爆情報を制限したために正確な情報が日本国民に伝達されなかった。 ABCCも米国に都合の悪い結果の出る研究には研究費を止めている。 福島原発事故と比べて放射能源が消失しているため都市機能の回復も容易であったといえる。 原爆には外部被爆と内部被爆があるが後者の人体への研究はまだまだ未完成である。 日米原子力協定では日本は勝手に原子炉を止められないという。 しかし米国が同意すれば可能なはずでありこれは日本政府の原爆開発のための詭弁ではないか。 日本の原子力村の関係者は福島に行って原発は安全という虚偽宣伝に対して謝罪していない。 彼らは生来の嘘つきであり福島県民の命などゴミとしか見ていないのである。
- 2016年4月3日に日本でレビュー済み著者の木村朗氏、高橋博子氏は、ともに実証的な視点から平和学に取り組んでいる研究者である。本書の前編では木村氏が、講義とQ&Aの中で、原爆開発から投下に至るまでの連合国および日本の政治指導者たちの動き説明し、原爆が投下時に多大な人的物的被害をもたらしただけでなく、その後の被災者たちが無残にも見捨てられた経緯を明らかにする。後編では高橋氏が、アメリカの機密解除文書を拠り所にして、核により世界を支配しようとしていたアメリカによる現在まで続く「核の呪縛」を明らかにする。両編共に、絞り込まれた疑問とそれへの回答がQ&Aとして付され非常に分かりやすい。本書は、孫崎亨著『戦後史の正体 1945-2012』と同様に、「戦後再発見」双書の1冊であるが、核技術に隠された数々の謎を解き明かすることで、日本の戦後史の闇を明らかにしたものである。政治家や官僚、電力会社がなぜ福島原発事故の被害を過少評価し、原発再稼働に突き進むのか、の本当の理由を明らかにしている。
前編で木村氏は、近年機密解除されたアメリカの外交・軍事文書を引用しながら、広島・長崎への原爆投下が、周到に計算された戦後の世界覇権を目的としたものであったことを明らかにする。また原爆の威力を人体実験で試すという許し難い意図も隠されていたという。ドイツの降伏後で日本も降伏交渉に入った時期に、しかもソ連の満洲侵攻開始直後を狙った時期に原爆投下したことがその証明である。アメリカ側の公式説明である「本土決戦時に想定される100万人の米兵犠牲を避けるために原爆を投下した」は、原爆の非人道性や不必要性を隠蔽するための「神話」である。天皇始め日本の政治指導者たちは、自らの保身である「国体護持」にこだわり、降伏を延ばすことで多数の国民への大惨事を招いたのである。木村氏は、「原爆投下はある種の日米合作である」と辛辣な批判を行っている。
後編で高橋氏は、原爆投下に対して、戦後日本政府はアメリカ政府に一度も公式な抗議を行っていないことを明らかにする。アメリカによる「人体実験」としての原爆投下は、人体被害は詳細に調査しながら一切の治療を行わず、また原爆による残留放射能を認めなかったことや内部被ばくの存在を認めなかったことにも現れている。こうして、被爆者の長い苦しい戦後が始まったのである。「100ミリシーベルト以下の被ばくは健康に影響がない」という御用学者たちの恐るべき主張は、残留放射能や内部被ばくを無視した原爆調査に起源がある。またこのことがICRPの公式見解となり、現在の福島原発事故の被害隠しに繋がっているのである。日本の「原子力ムラ」は、国際的な核戦略や核技術の「平和利用」を推進するためにトコトンその危険性を隠蔽する「国際核マフィア」の「日本支店」に過ぎないのだ。
本書は、福島原発事故に伴う子供たちの甲状腺がんの多発の原因が放射能であることを認めず、原発再稼働に突き進む日本政府・官僚・電力会社・御用学者の背景に何があるのかを解き明かした本である。本書の主張は、広瀬隆著『東京が壊滅する日-フクシマと日本の運命』(ダイヤモンド社)と共通するところが多い。本書と併せて一読をお奨めする。
- 2016年5月26日に日本でレビュー済みなぜ重慶爆撃は戦争犯罪として裁かれなかったのか。なぜ政府は内部被ばくの影響を認めたがらないのか。謎を解く共通の鍵は、広島・長崎への原爆投下と米国の核戦略。現在も続く核の不都合な真実を明らかにする。
- 2016年4月17日に日本でレビュー済みAmazonで購入Endlesswave氏がすでに書いてみえる書評内容に加えて、「日本は1988年にアメリカと結んだ日米原子力協定(第12条4項)によって、アメリカの同意なしには原発をとめることができません」(269頁)という点が、たいへん印象に残りました。また日本の原発導入は当初から核武装への道につながっていた。電力が余っているのに、しゃにむに原発を再稼働させようとする原動力はまさにここにあるわけだ。わかりやすく書かれていて良い本と思います。