東北シクロクロスシリーズ第4戦「ざおうさまCUP」が蔵王町総合運動公園内の特設コースで行われた。JCXシリーズ第8戦となる同レースで男子エリートは松本一成(W.V.OTA)が、女子エリートはシクロクロス世界選手権に出場する渡部春雅(明治大学)が勝利を挙げた。マスターズカテゴリーやそのほかのカテゴリーと共にレポートしていく。



女子エリート:シクロクロス世界選手権に出場する渡部春雅(明治大学)が優勝

女子最高峰であるWE1のフロントロー photo:Michinari TAKAGI

1月19日(日)に宮城県刈田郡蔵王町の「蔵王町総合運動公園」で、AJOCC JCXシリーズ第8戦となる「東北シクロクロス 第4戦 ざおうさまCUP」が開催された。コースはグラウンドと河川敷、調整池と3つのセクションから成り、地形を利用したテクニカルなキャンバーや忍者返し、グラウンド、シケイン、そして今大会からは新たにサンドセクションも追加され、あらゆるスキルとパワーが求められるコースで熱戦が繰り広げられた。

大会当日は、最低気温は-4℃、最高気温は10℃で1月の東北地方としては異例の暖かな冬晴れ。とはいえ雪化粧した山々から吹き下ろされる風は非常に冷たい。朝の路面コンディションはコースの多くに深い泥の轍ができるほどのマッドコンディションだったが、高い気温と強風により時間が経つにつれ路面が乾き、エリートレースの頃にはドライになった区間も多かった。

ホールショットはシクロクロス世界選手権に出場する渡部春雅(明治大学)が獲得 photo:Michinari TAKAGI

女子最高峰であるWE1の最前列には石田唯(TRKWorks)、竹村舞葉(SHIDO-WORKS)、今月末にフランスで開催されるシクロクロス世界選手権に出場する渡部春雅(明治大学)らが揃った。

13時の号砲と共に勢いの良いスタートでホールショットを獲得したのは渡部。2番手には竹村が続き、すぐ後ろには石田が迫っていた。グラウンド区間に入ると石田が竹村を追い抜き、先頭の渡部を追いかけていく。

スタートから後続とのリードを広げていく渡部春雅(明治大学) photo:Michinari TAKAGI

先頭を追いかける石田唯(TRKWorks) photo:Michinari TAKAGI
後方から3位までポジションを上げた小田恵利花(NASK Trading) photo:Michinari TAKAGI


その後方では竹村と小田恵利花(NASK Trading)の3位争いが繰り広げられていた。しかし、竹村のシューズにトラブルがあり、クリートがペダルにはまらなくなり4位へ後退。一方、単独3位となった小田が先頭の2名を追いかけていく。

最終周回に入っても、スタートから安定した走りでリードを守り抜いた渡部が大きく両手を掲げながら、世界選手権に向けて弾みをつける勝利を挙げた。2位は石田、3位は小田で表彰台を獲得した。

世界選手権に向けて弾みをつける勝利を挙げた渡部春雅(明治大学) photo:Michinari TAKAGI

女子エリートの表彰式 photo:Michinari TAKAGI

優勝した渡部は「昨日の公式練習とレース当日のコースコンディションが全く違っていて、苦戦しました。スタートも上手くいって、世界選手権前に優勝できてよかったです」と笑顔でコメントした。



男子エリート:松本一成(W.V.OTA)がJCXで初優勝

ざおうさまCUPの最終レースであるME1の選手たちがスタートを待つ photo:Chihiro TAMAKOSHI

ざおうさまCUPの最終レースとなるのが、男子最高峰であるME1。JCX第8戦の最前列には、小坂光(Utsunomiya Lux)と加藤健悟(臼杵レーシング)、永野昇海(イナーメ信濃山形)らが揃った。

14時10分、スタートの号砲で男子エリートの57名が一斉に加速していく。ホールショットは岡山優太(Olanda Base/Watersley)が獲得し、その後、2番手につけていた加藤がトップに立った。

2周目に入ると加藤を追い抜いた松本一成(W.V.OTA)が先頭に出てレースを展開していく photo:Chihiro TAMAKOSHI

2周目に入ると加藤を追い抜いた松本一成(W.V.OTA)が先頭に躍り出る。後続は5秒差で加藤、その後ろは小坂が続いていくレース展開になった。

トップを走る松本だったが、チューブラータイヤがキャンバー区間で剥がれるトラブルが発生。後方では2番手にポジションを上げた小坂が差を詰めるが、ピットでバイクを交換した松本には追い付けず。再スタートを切った松本は後続とのリードを広げていく。

松本一成(W.V.OTA)がウィリーを決めながらフィニッシュラインを越える (c)Satoshi ODA/AJOCC

そして、バイクトラブルに見舞われながらも後続から逃げ切った松本が、JCXシリーズで初優勝を決めた。小坂が44秒差で2位に入り、序盤から積極的にレースを展開した加藤が3位でゴールラインを越えた。

「キャンバーの区間が試走の時と全然違って、固まって走りやすかったので乗車できました。レース中にチューブラータイヤが剥がれるアクシデントがありましたが、脚に余裕があったので最後までペースを落とさずに走れ、勝てたのは嬉しいです」と優勝した松本はレースを振り返った。

男子エリートの表彰式 photo:Michinari TAKAGI



その他のレース結果

ME2は渡辺徹(あぶくまサイクリングクラブ)、ME3は齋藤拓真(スゴイカッコイイシクロクロスチーム東北)、WE2+3は小林萌、ME4は軽部翔太郎(村山産業高校)らが上位クラスへの昇格を決めている。

マスターズクラスのMM35は畠山和也(ハヤサカサイクルレーシングチーム)、MM40は佐藤利英(Team CHAINRING)、MM50は生田目修(イナーメ信濃山形&大幸ハーネス)、MM60は田辺明宏(サガミレーシング)、WMは西山みゆきが優勝した。

生田目修(イナーメ信濃山形&大幸ハーネス)と浅井秀樹(SNEL)、賀来成能(AX cyclocross team)MM50のトップ3で記念写真 photo:Michinari TAKAGI

MM40を制した佐藤利英(Team CHAINRIN) photo:Michinari TAKAGI
キンダーガーデンの表彰式 (c)東北シクロクロス


MM40の表彰式 photo:Michinari TAKAGI
MM35の表彰式 photo:Michinari TAKAGI


WU17は小林碧(AX cyclocross team)が優勝 photo:Michinari TAKAGI
MJで優勝した新藤想真(W.V.OTA/駿台甲府高等学校) photo:Michinari TAKAGI


ME4の表彰式 (c)東北シクロクロス
WMを制した西山みゆき photo:Michinari TAKAGI


参加者と大会スタッフで集合写真 photo:Michinari TAKAGI
オーガナイザーを務める菅田純也さん photo:Michinari TAKAGI


ジュニアは新藤想真(W.V.OTA/駿台甲府高等学校)が優勝。アンダーカテゴリーのWU17は小林碧(AX cyclocross team)、MU15は村上蕾夢、WU15は阿部怜奈(Gufo Cycle Works)が優勝を決めた。
エリート男子(ME1)リザルト
1位 松本一成(W.V.OTA) 58:55
2位 小坂光(Utsunomiya Lux) +00:44
3位 加藤健悟(臼杵レーシング) +01:08
4位 永野昇海(イナーメ信濃山形) +02:09
5位 松田賢太郎(SUPACAZ) +02:29
エリート女子(WE1)リザルト
1位 渡部春雅(明治大学) 44:12
2位 石田唯(TRKWorks) +01:18
3位 小田恵利花(NASK Trading) +04:42
4位 竹村舞葉(SHIDO-WORKS) +05:41
5位 安藤沙弥(SHIDO-WORKS) +06:03
その他カテゴリーのリザルト
ME2 渡辺徹(あぶくまサイクリングクラブ)
ME3 齋藤拓真(スゴイカッコイイシクロクロスチーム東北)
ME4 軽部翔太郎(村山産業高校)
WE2+3 小林萌
WM 西山みゆき
MM35 畠山和也(ハヤサカサイクルレーシングチーム)
MM40 佐藤利英(Team CHAINRING)
MM50 生田目修(イナーメ信濃山形&大幸ハーネス)
MM60 田辺明宏(サガミレーシング)
MJ 新藤想真(W.V.OTA/駿台甲府高等学校)
WU17 小林碧(AX cyclocross team)
MU15 村上蕾夢
WU15 阿部怜奈(Gufo Cycle Works)
CK3 村上鳳冴
CK2 大和田煌仁
CK1 森脇惟斗

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