ポルトガル総選挙 中道右派が勝利宣言、極右躍進
(CNN) 10日に実施されたポルトガルの総選挙で中道右派勢力が接戦を制する見通しとなり、勝利を宣言した。ただし極右の新興政党シェーガの躍進に押され、過半数には及ばなかった。
開票率98.98%となった11日未明の時点で、中道右派勢力「民主主義同盟」の得票率は29.5%、中道左派の与党社会党が28.7%だった。最終結果ではないが、社会党のヌーノサントス書記長はすでに敗北を認めた。
サッカー解説者のベントゥーラ党首が率いるシェーガの得票率は18%に達した。
民主主義同盟を率いる社会民主党のモンテネグロ党首は11日未明の勝利宣言で、シェーガとは協力しない方針を改めて表明した。
総選挙は、コスタ首相が昨年11月、汚職疑惑で辞意を表明したことを受けて実施された。
取材を受けるシェーガのベントゥーラ党首=10日、ポルトガル首都リスボン/Nuno Cruz/NurPhoto/Getty Images
社会党と社会民主党はこの数十年、交互に政権を担ってきたが、今回の選挙ではいずれも過半数の議席を確保できなかった。
シェーガは5年前に結成され、2022年総選挙で7%の票を獲得して第3党に躍り出ていた。与野党が伯仲するなかで、同党が連立に加わるかどうかがカギとなる局面も想定される。
選挙には汚職問題や経済不安が影を落とした。モンテネグロ氏は変革を掲げ、シェーガよりも安全な選択肢として民主主義同盟への支持を訴えた。一方、シェーガは刑罰の強化や移民政策の厳格化を主張し、人種差別主義の批判も受けている。