仏内閣、同性婚の合法化法案を閣議決定
(CNN) 仏内閣は7日、同性婚と同性カップルによる養子縁組を合法化する法案を閣議決定した。
同性婚と同性カップルの養子縁組の合法化は、今年の大統領選でオランド大統領が掲げた公約の1つだ。だがカトリック教会や保守派からは激しい反対の声が上がっている。
法案は来年1月に議会に提出され、採決は2~3月に行われる見込みだ。
ル・モンド紙と世論調査機関イフォップが今月7日に発表した世論調査では、同性カップルに結婚する権利を認めることに賛成する人が65%と多数を占めた。だが養子縁組の権利を認めることについては賛成が52%にとどまり、賛否で世論が割れている。
パリのカトリック教会のアンドレ・バントロワ枢機卿は聖職者の会合で、「結婚というものを変容させ、全ての人に影響を及ぼす可能性がある」と指摘。社会の土台を揺るがし、子どもたちの差別の原因となりかねないとして反対を表明した。
また、イスラム教やユダヤ教、仏教の団体からも懸念が出ているほか、100人を超える国会議員や多数の市長からも反対意見が出ている。
エロー首相は今回の合法化は、社会の変化を反映して社会的公正を図るための措置だと発言。また結婚していない同性カップルが養子縁組する権利などについては、別の法律で対応するとし、今後のさらなる議論の可能性を残した。
フランスでは1999年、性別に関係なく成人2人が持続的な共同生活を営むために交わす「民事連帯契約(PACS)」の制度が法制化された。PACS契約を交わしたカップルには、結婚しているカップルの持つ権利の多くが認められているが、一部認められていない権利もあった。