中国、太平洋の島国を取り込み 豪やNZは影響力の拡大懸念
2025年02月13日 17時29分
【北京、シドニー共同】南太平洋の島国クック諸島のブラウン首相は13日、中国を訪問し経済協力や海洋調査、気候変動といった分野で関係機関と協議したとフェイスブックで明らかにした。オーストラリアやニュージーランドでは太平洋での中国の影響力拡大に懸念が高まっている。トランプ米政権が対外支援を削減する中、中国は協力強化で新興・途上国「グローバルサウス」の取り込みを加速する構えだ。
習近平指導部はフィジーなど太平洋島しょ国の首脳を次々と北京に招き、ソロモン諸島と安全保障協定を結ぶなど外交攻勢を強化。ハワイやグアムの米軍基地をにらみ、島しょ国を軍事拠点にする狙いとの見方がある。
ブラウン氏は、今回の訪問はクックの「力強い未来」のためになると意義を強調した。訪問中に中国と新たな包括協定を結ぶ見通しだ。
クックは主要15の島からなり、人口は約1万3千人。英保護領やニュージーランド領を経て2001年に独立国家として外交を行うと表明したが、防衛は現在もニュージーランドに委ねる。