第419回 萩原健太のotonanoラジオ#302
2025/07/15 公開
日向敏文さんをゲストに迎えて(その2)
今週のオンエア曲
1.
日向敏文
Joker
『The Dark Night Rhapsodies』
2.
日向敏文
Darkest Night (Dark Night Rhapsodyより)
『The Dark Night Rhapsodies』
3.
日向敏文
Never Forgiven
『The Dark Night Rhapsodies』
4.
日向敏文
Enigma
『The Dark Night Rhapsodies』
萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#302
ストリングス・セクションで楽しむ往年のポップ・ナンバー
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各社ストリーミング事情によってリスト内容や表記が異なる可能性があります。予めご了承ください。
1. エリナー・リグビー / ビートルズ 先週に引き続き、オーケストラによる初のオリジナル・アルバム『The Dark Night Rhapsodies』をリリースなさった日向敏文さんをゲストにお迎えした『otonanoラジオ』。今週も落ち着いたトーンで、深く、豊かなお話がたくさんうかがえました。オーケストラによる続編的アルバム、大いに期待ですね。 というわけで、今週のプレイリスト。オーケストラではないですが、日向さんのイメージからの連想で、ストリングス・セクションに注目してみました。素晴らしい弦楽器のアンサンブルが楽しめる往年のポップ・ナンバーを12曲集めたセレクション。一人では実現できない、しかも機械では再現できない、ストリングス・セクションによるふくよかな音像というのは、やっぱり心に染み入ります。 まずは超ど真ん中って感じでビートルズから。ご存じ、1966年のアルバム『リボルバー』に収められていたポール・マッカートニー作品です。ジョージ・マーティン編曲による弦楽八重奏が印象的。 |
2. 構わないと言って / コリン・ブランストーン ゾンビーズのリード・シンガーとしておなじみ、コリン・ブランストーンが1971年にリリースしたファースト・ソロ・アルバム『一年間』の収録曲。前曲を作ったポール・マッカートニーと後にウイングスを結成することになるデニー・レイン作の名曲です。編曲はイギリスの劇伴とかも手がける作曲家、アレンジャーのクリストファー・ガニング。 |
3. スウィート・トーキン・ウーマン / エレクトリック・ライト・オーケストラ ELOことエレクトリック・ライト・オーケストラを作った言い出しっぺのロイ・ウッドも、その後を引き継いだジェフ・リンも、どちらもビートルズが大好きで。1曲目にセレクトした「エリナー・リグビー」とかのストリングス・アンサンブルを採り入れたロック・ミュージックをやりたくて、まずザ・ムーヴというバンドでちょっと助走を付けて。そのあと、ストリングス・セクションを導入したロック・バンドという新たなコンセプトを実現するため、“エレクトリック・ライト・オーケストラ”という名義を併用するようになったのが1970年。以降、ストリングス入りのロック・ナンバーをあれこれ残してきたのだけれど。ある時期からはそれをシンセサイザーで代用するようになってしまって。でも、この曲はそうなる直前くらいの、まだホンモノのストリングスが重要な役割を果たしていた時期、1977年のヒット・シングルです。アルバム『アウト・オブ・ザ・ブルー』の収録曲。 |
4. ピストル / 南佳孝 何気ない日常にふとよぎる狂気のようなものをピアノの弾き語りとストリングス・セクションだけで静かに描き出す南佳孝さんの「ピストル」。1973年のデビュー・アルバム『摩天楼のヒロイン』に収められていた、作詞:松本隆、作曲:南佳孝、編曲:矢野誠による作品です。こんな、弦楽四重奏+ピアノだけのアレンジとか、当時の日本のポップ・シーンで聞いたことがなかったので、ぶっとんだものです。 |
5. リヴァー・マン / ニック・ドレイク ニック・ドレイクの代表曲。1969年のファースト・アルバム『ファイヴ・リーヴス・レフト』の収録曲です。ロバート・カービーによる絶妙なストリング・アレンジが泣けます。 |
6. ジャクソンズ、モンク・アンド・ロウ / エルヴィス・コステロ&ブロドスキー・カルテット 次はエルヴィス・コステロ。1993年、イギリスを本拠に活躍するクラシックの弦楽四重奏団、ブロドスキー・クァルテットと共演したアルバム『ジュリエット・レターズ』に収められていた曲を聞いてください。クラシカルなストリング・カルテットだけをバックに、コステロさんが独特のしゃがれ声で、お得意のちょいとチクチク毒のある世界を歌い綴ってみせています。 |
7. アンドモアアゲイン / ラヴ 黒人シンガー、アーサー・リーを中心にロサンゼルスで結成されたラヴ。ブルース、ジャズ、R&Bの要素をエキセントリックなフォーク・ロック・サウンドと融合させ西海岸シーンでカルト的な人気を獲得しました。そんな彼らが1967年にリリースしたサード・アルバム『フォーエヴァー・チェンジズ』の収録曲です。デヴィッド・エンジェルの室内楽的な弦アレンジが見事。 |
8. ハウ・トゥ・ディサピアー・コンプリートリー / レディオヘッド レディオヘッド、2000年のアルバム『キッドA』からも1曲。ロンドン・コンテンポラリー・オーケストラのサポートとクレジットされてます。 |
9. 乱れ髪 / 大滝詠一 後に井上鑑さんの流麗なストリングス・アレンジで独特のナイアガラ・サウンドを作り上げる大滝さんですが。これは大滝さんが自分の作品で初めてストリングス・セクションを導入した1曲。1972年の初ソロ・アルバム『大瀧詠一』の収録曲です。ストリングス・アレンジはエンジニアを務めていた吉野金次さん。 |
10. アズ・ティアーズ・ゴー・バイ / ザ・ローリング・ストーンズ ビートルズに対抗して、ストーンズもストリングス入りの曲をリリースしておりました。1965年の作品。ビートルズの「イエスタデイ」の真似っことディスられたりしてたっけ。ストリングス・アレンジはマイク・リーンダー。 |
11. 旧友 / サイモン&ガーファンクル サイモン&ガーファンクル、1968年の傑作アルバム『ブックエンド』より。ポール・サイモンのアコースティック・ギターとジミー・ハスケル編曲のストリングスが緊張感たっぷりに絡み合います。 |
12. レイディ・オー / ジュディー・シル 悲劇の女性シンガー・ソングライター、ジュディー・シルが1971年にリリースしたファースト・アルバム『ジュディー・シル』より。当時の夫で、フランク・ザッパのバンドやタートルズなどにも参加していたボブ・ハリスがストリングスのアレンジを手がけた静かな名曲です。 |
解説:萩原健太
●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。
早川書房に入社後、 フリーに。
TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。
テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。
また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。
主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、
憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、
自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。
Kenta's...Nothing But Pop!
第418回 萩原健太のotonanoラジオ#301
2025/07/08 公開
日向敏文さんをゲストに迎えて(その1)
今週のオンエア曲
1.
日向敏文
Dark Night Overture
『The Dark Night Rhapsodies』
2.
日向敏文
Babylon in the Sands
『The Dark Night Rhapsodies』
3.
日向敏文
Vendetta
『The Dark Night Rhapsodies』
萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#301
多角的に楽しむ日向敏文ワールド
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1. Reflections / 日向敏文 全世界のリスナー待望、オーケストラによる初のオリジナル・アルバム『The Dark Night Rhapsodies』をリリースなさった日向敏文さんをゲストにお迎えした『otonanoラジオ』。日向さんがいらっしゃると、なんだかいつもと違って、番組が穏やかなムードになって。ちょっとこっちまで大人になった気分になれたりして(笑)。まさに“otonano”番組って感じ。ありがとうございます。 ということで、今週のプレイリストはいろいろな角度から日向敏文ワールドを楽しんでみよう、と。そういうセレクションです。ご本人のリーダー・アルバムからのナンバーはもちろん、ソングライターとしての提供曲、ブロデュース作品、アレンジャーとして腕を振るった曲、ピアノ・プレイヤーとしての参加曲などを取り混ぜつつ、日向さんっぽい楽曲をいろいろ聞いてみたいと思います。 まずはご本人の作品。やっぱりこの曲からいかないと話は始まらないってことで。「リフレクションズ」いきます。1986年に日向さんがリリースしたアルバム『ひとつぶの海』の収録曲ですが、ご存じのように、世紀を超えてSNSなどでバズったことで世界的な大ヒット・チューンとなった名曲です。 |
2. 雨の色 / 松たか子 続いては、ソングライター/アレンジャーとしての日向作品。2001年にリリースされた松たか子、4作目のオリジナル・アルバム『a piece of life』の収録曲です。作詞:坂元裕二、作曲・編曲:日向敏文。 |
3. ひだまりの詩 / Le Couple 1997年、フジテレビ系ドラマ『ひとつ屋根の下2』の挿入歌として大ヒットしたナンバーです。ル・クプルにとっても日向さんにとっても大切な曲だったことでしょう。 |
4. Sarah / 日向敏文 日向さんが1985年にリリースしたアルバム『サラの犯罪』から、この曲を。 |
5. ただ風は吹くから / 竹内結子 1998年の映画『イノセントワールド』の主題歌。竹内結子さんが残してくれた唯一のシングルです。作詞:水野幸代、作曲・編曲:日向敏文。 |
6. 幸せになるために / 中山美穂 竹内さんに続いて、こちらも亡くなってしまった中山美穂さん。1993年、NHK連続テレビ小説『ええにょぼ』の主題歌でした。作詞:岩里祐穂・中山美穂、作曲・編曲:日向敏文。 |
7. そばにいたい / Fruri 1998年のフジテレビ系ドラマ『ブラザーズ』挿入歌。作詞:鮎川めぐみ、作曲・編曲:日向敏文。 |
8. 愛しているから / KOKIA これも同じく『ブラザーズ』より。こちらは主題歌でした。作詞:水野幸代、作曲・編曲:日向敏文。 |
9. Milan and Osiris / 日向敏文 1987年の日向さんのリーダー・アルバム『STORY』より。 |
10. The Diamond of Winter / 佐藤奈々子 1995年、日向さんのプロデュースの下、佐藤奈々子さんが久々にリリースしたアルバム『フィアー・アンド・ラヴィング』より。作詞:佐藤奈々子、作曲:佐藤奈々子、日向敏文、BUD RIZZO、編曲:日向敏文、BUD RIZZO。 |
11. 森の人々 / 戸川純 これは日向さんがピアニストとしてレコーディングに参加したナンバーです。1984年、戸川純がソロ名義でリリースしたファースト・アルバム『玉姫様』の収録曲。わー、日向さんだーっ…という感じのピアノに浸れます。 |
12. 異国の女たち / 日向敏文 最後は日向さんが1986年にリリースしたアルバム『Chat D’ete / 夏の猫』から、この曲を。 |
解説:萩原健太
●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。
早川書房に入社後、 フリーに。
TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。
テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。
また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。
主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、
憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、
自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。
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第417回 萩原健太のotonanoラジオ#300
2025/07/01 公開
ブルース・スプリングスティーン『Tracks II: The Lost Albums』特集
今週のオンエア曲
1.
ブルース・スプリングスティーン
My Hometown
『Tracks II: The Lost Albums』
2.
ブルース・スプリングスティーン
Secret Garden
『Tracks II: The Lost Albums』
3.
ブルース・スプリングスティーン
Faithless
『Tracks II: The Lost Albums』
4.
ブルース・スプリングスティーン
Poor Side of Town
『Tracks II: The Lost Albums』
5.
ブルース・スプリングスティーン
The Lost Charro
『Tracks II: The Lost Albums』
6.
ブルース・スプリングスティーン
Follow The Sun
『Tracks II: The Lost Albums』
7.
ブルース・スプリングスティーン
I’m Not Sleeping
『Tracks II: The Lost Albums』
萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#300
蔵出し!ボーナストラックな洋楽未発表曲
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1. Soulful Old Man Sunshine / The Beach Boys 今週はゲストを迎えず、ぼくひとりでお届けした『otonanoラジオ』。ブルース・スプリングスティーンが7枚組というボリュームでリリースした強烈な未発表音源集『トラックスII:ザ・ロスト・アルバムズ』の特集をお送りしました。 30分という短い間に7枚のディスクそれぞれから1曲ずつかけるという暴挙だったもんで(笑)。あまりじっくりとはご紹介できませんでしたが。全83曲、まじ、これが未発表だったの? という感じのいい曲ぞろい。とりあえずはストリーミングでもいいので接してみて。番組では触れられませんでしたが、パッケージもすごくて。ブックレットも豪華。おまけもふんだん。そのあたりはぜひ、レコード屋さんとかで現物に触れてみてください。 というわけで、今週のプレイリスト。スプリングスティーンの未発表音源集ってのにあやかって。過去、いろいろなアンソロジーとかボックスセットとかのボーナス・トラックみたいな形で世に出た未発表曲ってやつを12曲、集めてみました。 まずはビーチ・ボーイズが1969年にレコーディングしておきながら、1998年、同名ドキュメンタリーのサウンドトラック『エンドレス・ハーモニー』で発掘されるまでオフィシャルには世に出なかったこの曲から。ビーチ・ボーイズの中心メンバーだったブライアン・ウィルソンと、サンレイズというバンドのリーダーだったリック・ヘンが共作したナンバーです。 |
2. Motorcycle Song (Demo) / Billy Joel 続いてはビリー・ジョエル。これは完全未発表曲というわけではなく、やがて1993年、アルバム『リヴァー・オブ・ドリームズ』の収録曲「オール・アバウト・ソウル」へと発展して世に出た曲です。1992年にこのデモが録られた段階では「モーターサイクル・ソング」というタイトルでした。2005年のボックスセット『マイ・ライヴズ』で初めて世に出たもの。自分でもバイク・ショップを出しているくらいバイク好きなビリーならでは? |
3. Not Guilty (Take 102) / The Beatles ビートルズにも未発表曲はたくさんありますが。これはジョージ・ハリスンが1968年、マハリシ・マヘーシュ・ヨーギーの下で修行するためにインドを訪問した後に書かれたもの。通称“ホワイト・アルバム”のレコーディング・セッションで録音されたものの、この時はお蔵入り。1979年になってからジョージが自身のソロ・アルバム『慈愛の輝き』で再録音しました。今日はもちろん未発表に終わっていたビートルズ・ヴァージョンの方で。2018年になってから『ザ・ビートルズ(ホワイト・アルバム)<スーパー・デラックス・エディション>』に収められて世に出ました。 |
4. Plundered My Soul / The Rolling Stones ビートルズの次はローリング・ストーンズ。1972年のアルバム『メイン・ストリートのならず者』のレコーディング・セッションで録音されながらお蔵入りしていたナンバーです。2010年のレコード・ストア・デイに合わせて、限定7インチ・シングルで発掘リリースされた後、『メイン・ストリート…』のデラックス・エディションにも収録されました。発掘リリースにあたってミック・ジャガーとミック・テイラーが2009年に軽いオーヴァーダビング・セッションを行ったみたい。 |
5. Red River Shore (Unreleased Version #2, "Time Out of Mind") / Bob Dylan 続いてはボブ・ディラン。この人はずばり“ブートレッグ・シリーズ”という未発表音源の発掘シリーズを続けていて、未発表曲の王様みたいな感じですが(笑)。これは1997年のアルバム『タイム・アウト・オブ・マインド』のセッションでレコーディングされたお蔵入り曲。2008年にブートレッグ・シリーズの第8弾『テル・テイル・サインズ』に収められて世に出たものです。2ヴァージョン発掘されましたが、こっちのヴァージョン2のほうが泣ける仕上がりでした。 |
6. Moonbeam Levels / Prince プリンスも生前、膨大な未発表録音を残しており、ブートレッグ市場を大いに賑わしていますが。彼の他界後、オフィシャルにリリースされた未発表曲としてはこの曲が初でした。1982年、アルバム『1999』のセッションで録音されて、その後、1984年の『パープル・レイン』のセッションで軽いエディットが行われたようですが、それっきり未発表のまま終わっていたものの、2016年になってようやくアルバム『4Ever』に収められて世に出ました。 |
7. Soft Parachutes (Soundtrack Recording) / Paul Simon ポール・サイモンが1980年にリリースしたアルバム『ワン・トリック・ポニー』は、サイモンさん本人が主演・脚本を手がけた同名映画のサントラでしたが。2004年にリマスターされてCD化再発されたとき、オリジナル・アルバムには未収録だったこの曲がボーナス収録されていました。 |
8. Sugar Mama (Mix) / Led Zeppelin レッド・ツェッペリンが1968年、ファースト・アルバムのレコーディング・セッションで録音しながらお蔵入りしていたブルース・スタンダードのカヴァー。1982年のアルバム『最終楽章(コーダ)』のデラックス・エディションが2015年に出た際、ボーナス・トラックとして世に出ました。 |
9. Shadow Man (Ziggy Session Version) / David Bowie デヴィッド・ボウイの出世作となった1972年のアルバム『ジギー・スターダスト』のセッションで録音された超有名な未発表作品。今回は2024年のボックスセット『ロックンロール・スター』に収められていたヴァージョンで。この曲はその後2000年に、手直しを加えた形で再演されて世に出たけれど、なんかこっちの若いヴァージョンのほうがぐっと来ます。 |
10. Turn To Me (Stereo Mix) / Elton John エルトン・ジョンのデビュー・アルバムというと、まあ、1969年の『エンプティ・スカイ』ということになるわけですが。実はその前、1967年から68年にかけてレコーディングされていた幻のデビュー・アルバムがあったのでした。それがアルバム『レジメンタル・サージェント・ジッポー』。2021年になってようやく、レコード・ストア・デイに合わせてモノラルLPとして発掘リリースされました。で、2022年にはめでたくステレオ・ミックスも一般発売されて。今回はそのステレオ・ミックスの中からこの曲を。 |
11. Parade (Demo) / Christopher Cross クリストファー・クロスのデビュー・アルバム、1980年の『南から来た男』は通算116週にわたって全米アルバムズ・チャートにランクされ続け、プラチナ・アルバムを獲得。シングル・ヒットも4曲誕生。第23回グラミー賞では、最優秀レコード、最優秀アルバム、最優秀楽曲、最優秀新人という主要4部門を含む5部門を独占受賞。主要4部門全制覇の快挙は、2020年、ビリー・アイリッシュに並ばれるまではこの人だけが成し遂げた偉業でした。そんな大ヒット・アルバムの45周年エクスパンデッド・エディションってのが先日出て。なんと未発表ものも含むボーナスが11曲。てことで、大喜びでこの曲をお届けします。 |
12. Like Veils Said Lorriane (For the Roses Demo) / Joni Mitchell ラストは、ボブ・ディランに負けない勢いで往年の未発表音源発掘を精力的に続けているジョニ・ミッチェルの歌声で。2023年にコンパイルされた『ジョニ・ミッチェル・アーカイヴス Vol.3:ジ・アサイラム・イヤーズ(1972-1975)』から、1972年発表のアルバム『バラにおくる』のために作られながらずっとお蔵入りしていたこの曲を。 |
解説:萩原健太
●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。
早川書房に入社後、 フリーに。
TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。
テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。
また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。
主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、
憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、
自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。
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第416回 萩原健太のotonanoラジオ#299
2025/06/24 公開
ピーター・ゴールウェイさん、佐橋佳幸さんをゲストに迎えて
2.
ピーター・ゴールウェイ&佐橋佳幸
Tokyo to Me(生演奏)
3.
ピーター・ゴールウェイ&佐橋佳幸
Save the Country(生演奏)
ピーター・ゴールウェイ&佐橋佳幸
『EN』
萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#299
Save The Country~ぼくが好きなローラ・ニーロの歌声
1. Wedding Bells Blues / Laura Nyro ピーター・ゴールウェイ&佐橋佳幸、お二人をゲストに迎えた『otonanoラジオ』。二人が奏でるアコースティック・ギターによるスタジオ・ライヴもたっぷり聞くことができて。まじ、うれしい回になりました。ニュー・アルバム『EN』のリリースに合わせたライヴ・ツアーの成功、間違いなしっすね! で、二人が演奏してくれた3曲のうち、最後に登場した「セイヴ・ザ・カントリー」。これは番組でもピーターさんが語ってくれていた通り、彼の旧友でもあるローラ・ニーロの楽曲で。彼女は1997年に49歳という若さで他界してしまったのだけれど、本当に素晴らしいシンガー・ソングライターでした。 1960年代末から1970年代初頭にかけては、独特の“間”を活かした静謐かつジャジーな音像のもと、触れたら壊れてしまいそうに繊細な感性でニューヨークという街に渦巻く喧騒や諦観や熱気や退廃を赤裸々に綴るシンガー・ソングライターとして活躍し、やがて、結婚、出産を経て、自然、動物、母としての人生観など、より広い、スピリチュアルなテーマを歌に託すようになって…。 ぼくにとっても、かつて1950年代のニューヨークのストリートに溢れていたドゥーワップや初期ガール・グループなどがたたえていた豊潤な東海岸系R&B/ロックンロール感覚を、ちょっとだけ遅れてきた世代として憧れをこめつつきっちり受け継いだブルー・アイド・ソウル・アーティストとしての彼女の歌声と作風に今なおぞっこんです。 というわけで、こんな機会もそうはないと思うので、今週のプレイリストはローラ・ニーロの歌声を集めてみました。彼女が67年にデビューしてから97年に亡くなるまでにリリースしたオリジナル・アルバム群から、ぼくが好きな曲を12曲ピックアップしてみました。ローラ・ニーロ未体験の方がいらっしゃるようならば、その魅力への入口として楽しんでいただければうれしいです。 まずは1967年にリリースされた彼女のファースト・アルバム『モア・ザン・ア・ニュー・ディスカヴァリー』から。フィフス・ディメンションがカヴァーして大ヒットしたことでもおなじみのこの曲「ウェディング・ベル・ブルース」を。結婚に向けて複雑に揺れる心情がソウルフルに綴られた名曲です。 |
2. And When I Die / Laura Nyro これも同じファースト・アルバム『モア・ザン・ア・ニュー・ディスカヴァリー』からのナンバー。フォーク・トリオ、ピーター・ポール&マリーや、ブラス・ロックの代表的バンド、ブラッド・スウェット&ティアーズらのカヴァーでもおなじみです。 |
3. Stoned Soul Picnic / Laura Nyro 続いては1968年のセカンド・アルバム『イーライと13番目の懺悔(Eli and the Thirteenth Confession)』からのナンバー。これもフィフス・ディメンション、ロイ・エアーズ、ジュリー・ロンドン、スプリームスなど幅広いジャンルのアーティストによってカヴァーされたナンバーです。 |
4. Emmie / Laura Nyro 『イーライと13番目の懺悔』からもう1曲。LGBTQ+コミュニティでもある種のアンセムとして愛され続けている作品です。 |
5. Save the Country / Laura Nyro 1969年のアルバム『ニューヨーク・テンダベリー』の収録曲。番組でピーターさんとサハシが披露してくれた名曲です。前年のロバート・ケネディ暗殺事件に触発されて書かれた作品。やはりフィフス・ディメンションのカヴァー・シングルが大ヒットしています。 |
6. Blackpatch / Laura Nyro 1970年のアルバム『魂の叫び(Christmas and the Beads of Sweat)』はフェリックス・キャヴァリエとアリフ・マーディンがプロデュースを手がけたブルー・アイド・ソウル盤。そこからホーン・セクションなどもフィーチャーされたこの曲を。静と動が見事に交錯する名演でした。 |
7. Stormy Love / Laura Nyro 1971年にラベルをバック・コーラスに迎えてリリースされたアルバム『ゴナ・テイク・ア・ミラクル』は全曲カヴァーによる1枚だったので、今回は飛ばしますが。その後、ローラさん、いろいろあって音楽業界から少し離れて、結婚して、離婚して…。そんなしばしのブランクを挟んで1976年にリリースされたアルバム『スマイル』からの曲です。 |
8. Mr. Blue (The Song of Communications) / Laura Nyro 1977年にライヴ盤を出した後、1978年にリリースしたアルバム『愛の営み(Nested)』からのナンバー。この時期、ローラさんは長年過ごしたニューヨークを離れコネチカット州へと拠点を移して、よりリラックスした歌声を聞かせるようになりました。 |
9. Man in the Moon / Laura Nyro 前曲が収められた『愛の営み』かセールス的に大失敗に終わってしまったこともあり、ローラさんはまたまた半引退生活をしばらく続けていましたが、その後、1984年になってようやく新作アルバム『マザーズ・スピリチュアル』でシーンに戻ってきました。環境のこと、母性のこと、フェミニズムのことなど、当時のローラさんが興味を抱いていたテーマがいろいろと描かれたアルバム。その中からこの曲を。 |
10. A Woman of the World / Laura Nyro これまた9年という長いブランクを挟んで1993年にリリースされたアルバム『抱擁〜犬の散歩はお願いね、そして明かりはつけておいて(Walk the Dog and Light the Light)』の収録曲です。 |
11. Louise's Church / Laura Nyro 『抱擁…』からもう1曲。実は前作『マザーズ・スピリチュアル』の後、すっかり新作のニュースが届かなくなってしまったこともあって、ファンとしては、ローラさん、もうやめちゃうんじゃないかと怖れたりもしていたのですが。それだけにこのアルバムが出たときは本当にうれしかったなぁ。プロデュースをスティーリー・ダンでおなじみのゲイリー・カッツが手がけていたこともあり、素晴らしい仕上がりで。リリース後に来日があったりもして。さあ、またローラさんの歌声を堪能できるぞと思っていたら、数年後、1997年にローラさんは卵巣がんによって49歳の若さで他界。結果的にこれが生前最後のオリジナル・スタジオ・アルバムとなってしまいました。その中から、ローラさん独特のゴスペル感覚も漂うこの曲を。 |
12. Angel in the Dark / Laura Nyro ローラさんの他界後、2001年にリリースされたアルバム『エンジェル・イン・ザ・ダーク』のタイトル・チューンです。このアルバムは1994年と1995年に録音されていた音源を使用して制作された遺作。もっともっと彼女ならではの豊かな歌心を楽しんでいきたかったなぁ…。 |
解説:萩原健太
●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。
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テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。
また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。
主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、
憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、
自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。
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第415回 萩原健太のotonanoラジオ#298
2025/06/17 公開
浜崎貴司さん(FLYING KIDS)をゲストに迎えて(その2)
今週のオンエア曲
1.
FLYING KIDS
REFLEX ACTION
『希望のシッポ』
2.
FLYING KIDS
じゃーね
『希望のシッポ』
3.
FLYING KIDS
ステッパーズ
『希望のシッポ』
4.
FLYING KIDS
希望のシッポ feat. スガシカオ
『希望のシッポ』
萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#298
LOOK BACK!いかした日本のファンク・グルーヴ
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1. 我想うゆえに我あり / FLYING KIDS 先週に引き続き、フライング・キッズの浜崎貴司さんをゲストにお迎えした『otonanoラジオ』。新作アルバム『希望のシッポ』についてたっぷりお話をうかがいました。 というわけで、今週のプレイリスト。フライング・キッズの場合、けっして真っ向からのファンク・バンドというわけではないものの、やはり『イカ天』登場時からそのファンキーなグルーヴで大いに話題となったのは事実。なので、今回はそのフライング・キッズをはじめ、まだまだファンクの何たるかが日本では一般に浸透していなかった時期、日本にファンク・グルーヴを定着させようとがんばったいかしたやつらの試行錯誤を振り返ってみます。 まずは主役、ハマちゃんがフロントを張るフライング・キッズのナンバーから。彼らが『イカ天』に初登場したときに歌っていた初期の代表曲です。デビュー後、1990年に2枚目のシングルとしてもリリースされました。 |
2. MONSTER STOMP / 吉田美奈子 日本が誇る最強ディーヴァ、吉田美奈子さんが“ファンクの女王”とか呼ばれていた時期、1981年にリリースしたアルバム『MONSTERS IN TOWN』に収録されていたナンバーです。 |
3. FUNKY労働者 / SUPER BUTTER DOG 永積タカシ、池田貴史らが在籍していたSUPER BUTTER DOGも、フライング・キッズ同様、ファンキーな持ち味とセンチメンタルな持ち味とを絶妙に交錯させたバンドでした。そんなバター・ドッグの2000年のアルバム『FUNKASY』より。 |
4. あ! あぶない! / 米米CLUB ぼくのプロデュース作をひとつ。1988年のアルバム『GO FUNK』より、ジェイムス小野田とカールスモーキー石井の掛け合いが楽しいこの曲を。ビッグ・ホーンズビーのホーン・セクションもごきげんです。 |
5. 金っきゃねぇ / ビブラストーン ラップ/ヒップホップを打ち込みではなく生バンドでぶちかまそうという斬新なコンセプトの下、ファンキーに暴れていた近田春夫さん率いるビブラストーン。彼らの初スタジオ・アルバム『ENTROPY PRODUCTIONS』からこの曲を。 |
6. Honmoku Funk / クレイジーケンバンド アルバムを発表するたび、番組にも毎度登場してくれる横山剣さん率いるクレイジーケンバンドは、メロウなもの、ディスコなもの、いろいろ取り混ぜてソウル・ミュージックの魅力を独自の視点から伝えてくれるバンドですが。もちろんファンキーなものも売り物のひとつ。ということで、今回は2022年のアルバム『樹影』の収録曲を楽しんでいただきましょう。 |
7. WILD ON THE STREET / 佐野元春 佐野元春さんが単身ニューヨークに乗り込んで制作してきた1984年のアルバム『VISITORS』にも、当時ニューヨークのストリートに溢れていたデジタル・ファンク・グルーヴが満載されていました。そんなアルバムからこの曲をピックアップ。スリッカフォニックスみたいでばかかっこいいな、と、当時大いに盛り上がったものです。 |
8. あそこのゴーゴー / いとうせいこう すみません。ぼくのプロデュース作をもうひとつ。いとうせいこうとともにファンクを深掘りしてみましたよ。1992年のアルバム『OLEDESM』より。コーラスはLip'sの面々。楽しかったなー。 |
9. 塀までひとっとび / サディスティック・ミカ・バンド 今回のセレクションの中ではいちばん古いものかな? 1974年のアルバム『黒船』から、ミカ・バンドの面々がスライ&ザ・ファミリー・ストーンっぽいグルーヴに挑戦しているこの曲を。当時、ぶっとびました。 |
10. High Roller / 久保田利伸 久保田利伸さんの初期のファンキーさというのも、なんだか新鮮だったっけ。ファンキーって言葉を日本に定着させた功労者のひとりです。というわけで、1988年のアルバム『Such a Funky Thang!』より1曲。 |
11. ゴーグル、それをしろ / JAGATARA 江戸アケミ率いるファンク軍団、JAGATARAの代表作、1987年のアルバム『ニセ予言者ども』からのナンバーです。 |
12. バナナの国の黄色い戦争 / スガシカオ で、ラストはフライング・キッズの新作『希望のシッポ』にも客演しているスガシカオさん。2008年のアルバム『FUNKAHOLiC』のオープニング・チューンで今回のプレイリスト、ファンキーにしめくくりましょう。 |
解説:萩原健太
●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。
早川書房に入社後、 フリーに。
TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。
テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。
また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。
主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、
憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、
自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。
Kenta's...Nothing But Pop!
第414回 萩原健太のotonanoラジオ#297
2025/06/10 公開
浜崎貴司さん(FLYING KIDS)をゲストに迎えて(その1)
今週のオンエア曲
1.
FLYING KIDS
BUZZER BEATER feat. トータス松本
『希望のシッポ』
2.
FLYING KIDS
ハナフブキ~宴もたけなわ~ feat. PES (RIP SLYME)
『希望のシッポ』
3.
FLYING KIDS
希望のシッポ feat. スガシカオ
『希望のシッポ』
萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#297
古今東西!バンド名に採り入れられた楽曲集
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各社ストリーミング事情によってリスト内容や表記が異なる可能性があります。予めご了承ください。
1. シュガー・ベイブ / ヤングブラッズ フライング・キッズのハマちゃん、浜崎貴司さんをゲストにお迎えした『otonanoラジオ』。ぼくは、彼らのメジャー・デビューのきっかけとなったバンド・コンテスト番組“イカ天”(『平成名物TV・三宅裕司のいかすバンド天国』)時代からの長い付き合いながら、ここ数年は会ってちゃんと話をする機会も少なかっただけに、久しぶりにたっぷり話を聞くことができてうれしかったです。新作アルバム『希望のシッポ』も充実の仕上がりで。頼もしい限り。 ということで、今週のプレイリストですが。彼らが“フライング・キッズ”というバンド名を、アルバム『NIAGARA TRIANGLE Vol.1』に収録されている山下達郎の「フライング・キッド」からとったことはおなじみでしょう。なので、そんなふうにバンド名に採り入れられている楽曲というのを今週は集めて12曲並べてみました。ほんとは達郎さんの「フライング・キッド」も選曲したかったのだけれど、ストリーミングされていないので泣く泣く外して。まずはその達郎さんが半世紀前、デビュー時に結成していた伝説のバンド“シュガー・ベイブ”の名前の由来となっている曲から。ジェシ・コリン・ヤングがかつて率いていたフォーク・ロック・バンド、ヤングブラッズが1967年にリリースしたアルバム『アース・ミュージック』に収録されていたナンバーです。達郎さんのシュガー・ベイブとはずいぶん音楽性が違う気がするけど…。 |
2. エヴリ・リトル・シング / ビートルズ 続いては、もっちーといっくん、持田香織と伊藤一朗によるポップ・ユニット“エヴリ・リトル・シング”。これはご存じ、ビートルズが1964年にリリースしたアルバム『ビートルズ・フォー・セール』の収録曲から採られたユニット名でした。 |
3. ハニー・パイ / ビートルズ ビートルズものをもうひとつ。ムーンライダーズの前身的バンドとも言うべき“はちみつぱい”。これは1968年にビートルズがリリースしたアルバム『ザ・ビートルズ(通称“ホワイト・アルバム”)』に収録されていた「ハニー・パイ」というポール・マッカートニー作品のタイトルを日本語に訳したものでした。結成当初は“蜂蜜パイ”とか“ハチミツパイ”とかいろいろな表記をされていました。 |
4. サケ・ロック / マーティン・デニー 星野源、伊藤大地、浜野謙太らが結成していたインスト・バンド“SAKEROCK”。これはエキゾチック・ミュージックの王者、マーティン・デニーが1959年のアルバム『クワイエット・ヴィレッジ』に収録していた、この、なんともいかがわしい楽曲から採られたバンド名でした。 |
5. ザ・レッド・ルースター / ハウリン・ウルフ 大江慎也、花田裕之、井上富雄、池畑潤二によるハード・エッジなロックンロール・バンド“ルースターズ”。この名前はローリング・ストーンズもカヴァーしているブルース・スタンダード「リトル・レッド・ルースター」から採られたもの。ということで、そのオリジナル・ヴァージョンです。1961年、ハウリン・ウルフが「ザ・レッド・ルースター」というタイトルでリリースしました。 |
6. シーナはパンク・ロッカー / ラモーンズ これはバンド名というか個人名というか。“シーナ&ザ・ロケッツ”のシーナさんですが。本名は鮎川悦子(旧姓は副田)さんですが、ラモーンズのこの曲「シーナはパンク・ロッカー(Sheena Is a Punk Rocker)」が大好きだったことと、夫である鮎川誠さんのおばあちゃんの名前が“鮎川シナ”だったことから、ステージ・ネームとして“シーナ”と名乗るようになったのだとか。この「シーナはパンク・ロッカー」って曲、ラモーンズの1977年のアルバム『ロケット・トゥ・ロシア』に収録されていたことを思うと、“ザ・ロケッツ”というバンド名のほうにも影響を与えているかも。 |
7. ローリン・ストーン / マディ・ウォーターズ ここからは洋楽もの、いきます。まずは“ローリング・ストーンズ”。これはご存じ、ブルースの巨星、マディ・ウォーターズが1950年にリリースした必殺の「ローリング・ストーン」って曲から採られたバンド名です。 |
8. プリティ・シング / ボ・ディドリー メンバーチェンジを繰り返しながら世紀を超えて長い活動を続けたイギリスのバンド、“プリティ・シングス”。この名前は黒人ロックンローラー、ボ・ディドリーが前出「リトル・レッド・ルースター」を書いたソングライター、ウィリー・ディクソンと1955年に共作した「プリティ・シング」にインスパイアされたものでした。 |
9. マッドネス / プリンス・バスター イギリスの超ごきげんなスカ・バンド、“マッドネス”。このバンド名は、ジャマイカ出身のプリンス・バスターが1963年にリリースした曲の名前に由来しております。 |
10. ミスター・ビッグ / フリー 日本でも人気の高いアメリカのハード・ロック・バンド、“ミスター・ビッグ”のバンド名も曲名由来。ポール・ロジャース、ポール・コゾフ、アンディ・フレイザー、サイモン・カークから成る最強ブルース・ロック・バンド、フリーが1970年、アルバム『ファイア・アンド・ウォーター』に収めていたナンバーです。 |
11. レディオ・ヘッド / トーキング・ヘッズ 次はイギリスの“レディオヘッド”。これはトーキング・ヘッズ、1986年のアルバム『トゥルー・ストーリーズ』の収録曲から採られたバンド名。当時、日本盤では「ラジオ・ヘッド」とカタカナ表記されていましたが、最近は「レディオ・ヘッド」となっているみたい。 |
12. ディープ・パープル / ヘレン・フォレスト&アーティ・ショウ楽団 でもって、ラスト。1970年代、日本のリスナーにハード・ロックの魅力を教え込んでくれた“ディープ・パープル”。これはがらりとイメージが違って、1930年代生まれのポピュラー・スタンダード曲に由来しています。結成当初のギタリスト、リッチー・ブラックモアのおばあちゃんの愛聴歌だったのだとか。おばあちゃんはビング・クロスビーのヴァージョンでよく聞いていたという話だけれど、ストリーミングされていないみたいなので、今回はヘレン・フォレストが歌っているこの1939年のヴァージョンで。 |
解説:萩原健太
●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。
早川書房に入社後、 フリーに。
TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。
テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。
また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。
主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、
憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、
自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。
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第413回 萩原健太のotonanoラジオ#296
2025/06/03 公開
澤部渡さん(スカート)をゲストに迎えて(その2)
今週のオンエア曲
1.
スカート
ぼくは変わってしまった
『スペシャル』
2.
スカート
火をともせ
『スペシャル』
3.
スカート
君はきっとずっと知らない
『スペシャル』
4.
スカート
トゥー・ドゥリフターズ
『スペシャル』
萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#296
身につけるモノにちなんだアーティスト名の曲集
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1. カーニヴァル / カーディガンズ 先週に引き続きスカート〜澤部渡くんをゲストにお迎えした『otonanoラジオ』。新作アルバム『スペシャル』の話をたっぷりうかがいました。ますますバンドっぽさを強調しながらの新鮮な活動、期待してます! ということで、今週のプレイリスト。澤部くんの“スカート”ってユニット名にちなんで、服とか装身具とか、そういう身につけるものにちなんだバンド名なりユニット名のアーティストの曲、集めてみました(笑)。まずはカーディガン。スウェーデンのバンド、カーディガンズが1995年にリリースしたごきナンバーからスタートです。 |
2. ドゥ・イット / タキシード 続いてはタキシード。メイヤー・ホーソーンとジェイク・ワンからなるモダン・ディスコ/ファンク・ユニット“タキシード”のナンバー、2015年の「ドゥ・イット」です。 |
3. フィール・ユー / マイ・モーニング・ジャケット マイ・モーニング・ジャケット、いきましょう。中心メンバーのジム・ジェイムズが、ケンタッキー州レキシントンの大学近くの焼け落ちた古いストリップ・バー跡をうろついていたとき、“MMJ”という刺繍がほどこされたローブが床に転がっているのを見つけて、きっとこれは“モーニング・ジャケット”のことだろう、朝用のタキシードなんて変なの…と思って自分のバンドにその名前をつけたと言われておりますが。本曲はそんな彼らが2020年にリリースしたもの。 |
4. トレイシー / カフリンクス これは服ではないけれど、ファッション的に大切なアイテム。日本だとカフスボタンとか呼ばれることが多い“カフリンクス”。ご存じ、シャツやブラウスの袖口を留めるための装身具ですが。そんな名前のバンド、カフリンクスが1969年にヒットさせた懐かしいポップ・チューンです。 |
5. ヘイ・ゼア・デライラ / プレイン・ホワイト・ティーズ 白Tです。プレイン・ホワイト・ティーズ。“純白のTシャツのような、クールなバンドになりたい”という思いからつけたバンド名だとか。てことで、2005年発表のこの代表曲を。 |
6. ライズ / ニッカーボッカーズ 日本では“ニッカボッカ”とか言われていたニッカーボッカー。膝下丈で裾が絞られた半ズボンのこと。それをバンド名にしていたのが、1960年代に活躍したニュージャージーのバンド、ニッカーボッカーズ。といっても、彼らはこの名前を地元の道路名“ニッカーボッカー・ロード(郡道505号線)”から取ったそうですが…。まあ、細かいことは置いといて(笑)、この1965年の全米トップ20ヒットを。 |
7. ノット・トゥー・ヤング・トゥ・ゲット・マリード / ボブ・B・ソックス&ザ・ブルージーンズ ボブ・B・ソックス&ザ・ブルージーンズはフィル・スペクターの下でレコード・リリースしていた男女混合グループで。男性ヴォーカルのボビー・シーンと、女性ヴォーカルのダーリーン・ラヴがフィーチャーされていました。ブルージーンのほうはそのままジーンズのことですが。ボビー・シーンの芸名だった“ボブ・B・ソックス”のほうも、これは“ボビー・ソックス”にかけた名前。てことで、彼らが1963年に放ったこのヒット曲を。プロデュースはもちろんスペクター。 |
8. ナ・ナ・ヘイ・ヘイ・キス・ヒム・グッバイ / ナイロンズ これは服っていうか、素材ですが(笑)。ナイロン。カナダのアカペラ・グループ、ナイロンズいきます。もともとは1969年にスティームがヒットさせたナンバーを、彼らが1987年にカヴァーしたものです。 |
9. フェアリーテイル・イン・ザ・スーパーマーケット / レインコーツ 次はレインコート。イギリスのボスト・パンク・バンド、レインコーツです。これは1979年のデビュー・シングル。 |
10. アリウープ / ハリウッド・アーガイルズ これも変化球だなぁ。服の“柄”です(笑)。アーガイル。プロデューサー/ソングライターのゲイリー・パクストンがでっちあげた架空のバンド、ハリウッド・アーガイルズが1960年に大ヒットさせたノヴェルティ・ナンバーです。アリー・ウープというのはご存じの通り、バスケットボールのシュートの一種としてもおなじみですが、この歌は当時人気のあった新聞漫画の主人公である原始人のことを題材にしたものでした。 |
11. トゥモロウ・ナイト / シューズ 1970年代パワー・ポップ・バンドのひとつ、シューズ。靴、ですな。1978年のデビュー・シングルです。 |
12. ドント・レット・イット・ハプン・アゲイン / カシミアズ で、ラストはドゥーワップで締めたいなと思って。ファイヴ・サテンズとかもいいかなと思いましたが。サテン同様、素材名ではありますが、今回はカシミアでいきます。ザ・カシミアズが1955年にリリースしたナンバーです。 |
解説:萩原健太
●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。
早川書房に入社後、 フリーに。
TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。
テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。
また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。
主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、
憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、
自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。
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第412回 萩原健太のotonanoラジオ#295
2025/05/27 公開
澤部渡さん(スカート)をゲストに迎えて(その1)
今週のオンエア曲
1.
スカート
スペシャル
『スペシャル』
2.
スカート
遠くへ行きたい
『スペシャル』
3.
スカート
四月怪談
『スペシャル』
4.
スカート
期待と予感
『スペシャル』
萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#295
デビュー15周年!マイ・フェイヴァリット スカート
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1. ストーリーテラーになりたい / スカート めでたくデビュー15周年を迎えたスカート〜澤部渡くん。メジャーからの5thアルバム 『スペシャル』もリリースされました。てことで、澤部くんに久々に番組に来ていただいてこの新作アルバムのことをあれこれ細かくお話いただいた『otonanoラジオ』でした。楽しかったですねー。来週も楽しみ。 なので今週のプレイリストは超ストレートに、ぼくが好きなスカートの楽曲を12曲、ずらっとセレクトしてみました。新作『スペシャル』の収録曲は番組のほうでオンエアしているので、そこに至るまでのスカート作品からピックアップしてみました。 まずはこの曲。メジャー・デビュー前、2016年にリリースされたアルバム『CALL』の収録曲です。2020年、コロナ禍の自宅ライヴ・シリーズ『在宅・月光密造の夜 Vol.4』で披露されたギター弾き語りヴァージョンもよかったけど、ここはとりあえずバンド・ヴァージョンで。 |
2. さすらう青春 / スカート これはカヴァー。ムーンライダーズ、2005年のアルバム『P.W Babies Paperback』に収められていた、かしぶち哲郎作品です。かしぶちさんが亡くなった後、2014年にリリースされた『かしぶち哲郎 トリビュート・アルバム~ハバロフスクを訪ねて』からの音源。細野晴臣、矢野顕子、あがた森魚、佐藤奈々子、ピエール・バルーら錚々たる顔ぶれに交じって、若きスカートも奮闘しておりました。 |
3. ランプトン / スカート 2017年にリリースされたメジャーからのファースト・アルバム『20/20』より。TVのドキュメンタリーというかドラマというか、不思議な番組『山田孝之のカンヌ映画祭』のエンディング曲でした。 |
4. 視界良好 / スカート これも『20/20』からのナンバー。 |
5. 遠い春 / スカート 2018年、メジャーからのファースト・シングルとしてリリースされた曲。映画『高崎グラフィティ。』の主題歌でした。 |
6. それぞれの悪路 / スカート 2019年、メジャーからのセカンド・アルバム『トワイライト』に収められていた曲。 |
7. 高田馬場で乗り換えて / スカート これも『トワイライト』の収録曲。前年、DJ MARUKOMEとのコラボレーションでシングル・リリースした曲の再演版です。 |
8. 標識の影・鉄塔の影 / スカート 2020年のシングル。ドラマ『絶メシロード』のシーズン1で主題歌に起用されていました。 |
9. 月光密造の夜 / スカート デビュー10周年にあたる2020年、インディーズ時代のレパートリーを再録音する形でリリースされたアルバム『アナザー・ストーリー』に収められていた曲。 |
10. 返信 / スカート これも『アナザー・ストーリー』より。もちろん古いレパートリーの再演です。 |
11. ODDTAXI / スカートとPUNPEE PUNPEEのラップとのコラボで2021年にリリースされたナンバー。TVアニメ『オッドタクシー』のオープニング曲です。 |
12. 十月(いちおう捨てるけどとっておく) / スカート 2022年、8人組コント・ユニット、ダウ90000の第4回演劇公演『いちおう捨てるけどとっておく』のエンディング曲として書き下ろされたナンバー。ダウもスカートも大好きなぼくとしては夢のコラボでした。 |
解説:萩原健太
●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。
早川書房に入社後、 フリーに。
TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。
テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。
また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。
主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、
憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、
自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。
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第411回 萩原健太のotonanoラジオ#294
2025/05/20 公開
志磨遼平さん(ドレスコーズ)をゲストに迎えて(その2)
今週のオンエア曲
1.
ドレスコーズ
ロックンロール・ベイビーナウ
『†』
2.
ドレスコーズ
やくたたず
『†』
3.
ドレスコーズ
がっかりすぎるわ
『†』
4.
ドレスコーズ
ホエン・ホエア・ホワット
『†』
萩原健太 選曲|otonanoラジオ プレイリスト#294
志磨遼平の曲を聞いていると無性に聞きたくなる洋楽!
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1. All the Young Dudes / Mott the Hoople 先週に引き続き、話題のニュー・アルバム『†』をリリースしたドレスコーズ 志磨遼平さんをゲストにお迎えした『otonanoラジオ』。むちゃくちゃ興味深いお話をたくさんうかがえて、最高の時間が過ごせました。心機一転、新たなデビュー・アルバムのような気分で作ったという『†』も会心の仕上がりで。ますます勢いに乗りそうなドレスコーズ。さらなる活躍がまじ楽しみです。 というわけで今週のプレイリスト。今週はけっこう乱暴なセレクションですが。毛皮のマリーズ〜ドレスコーズと連なる志磨遼平さんの音楽と並べて、ぼくが個人的にプレイリストに加えたい洋楽ナンバーってやつをざっくり12曲、ランダムに集めてみました。志磨さんの歌を聞いていると無性に聞きたくなる洋楽曲、というか(笑)。そういう曲たちです。まずは1972年、デヴィッド・ボウイがモット・ザ・フープルに提供したこの曲。「すべての若き野郎ども」という邦題でおなじみ、必殺のナンバーです。 |
2. The Kids Are Alright / The Who 続いてはザ・フー。1966年のヒット・シングルです。 |
3. I Wanna Be Your Boyfriend / The Rubinoos 米カリフォルニア出身のパワー・ポップ・バンド、ザ・ルビヌーズ(日本では“ルビナーズ”と表記されてました)が1978年に放ったシングル。邦題は「あの娘のボーイフレンド」。 |
4. Dandy in the Underworld / T. Rex 毛皮のマリーズにとって重要なルーツのひとつ、Tレックスのナンバーも。選びたい曲は山ほどありますが、今回はちょっと見逃されそうな1曲を。マーク・ボランが悲劇の自動車事故に遭う前年、1976年にリリースされたナンバー。邦題は「地下世界のダンディ」でした。 |
5. Alabama Song (Whisky Bar) / The Doors 志磨さんのシアトリカルな個性にきっとそれなりに大きな影響を与えたに違いないジム・モリソンを擁するザ・ドアーズが1966年にリリースしたファースト・アルバムから1曲。ドレスコーズも取り上げている『三文オペラ』の作者であるベルトルト・ブレヒト&クルト・ヴァイルによる作品です。 |
6. Surrender / Cheap Trick ドレスコーズのパワー・ポップ・テイストのルーツかなと思われるチープ・トリック。この曲は1978年のヒット・シングルです。 |
7. Personality Crisis / New York Dolls デヴィッド・ヨハンセン、ジョニー・サンダース、シルヴェイン・シルヴェインらが在籍していたニューヨーク・ドールズ。彼らがトッド・ラングレンをプロデューサーに迎えて1973年にリリースしたファースト・アルバムの冒頭を飾っていたごきげんなナンバーです。 |
8. The Equestrian Statue / Bonzo Dog Doo Dah Band ヴィヴィアン・スタンシャルやニール・イネスら、奇才が在籍していたボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンドが1967年にリリースしたシングル曲。このやばいノスタルジア感覚もまたドレスコーズにつながる気がするのだけれど…。 |
9. Candy Says / The Velvet Underground ルー・リード率いるヴェルヴェット・アンダーグラウンド。これは1969年のサード・アルバム『ヴェルヴェット・アンダーグラウンド』の冒頭を飾っていた曲です。 |
10. The Ballroom Blitz / Sweet グラム・ロックとパワー・ポップがぐしゃっと入り乱れた感じのスウィート、1974年のヒット曲。邦題は「ロックン・ロールに恋狂い」という、なんともはやな…。 |
11. You Better Believe It / Small Faces 1966年にスモール・フェイセズがリリースしたファースト・アルバムより。 |
12. Life On Mars? / David Bowie で、ラストは1曲目のモット・ザ・フープルに曲提供していたデヴィッド・ボウイの歌声で締めましょう。「火星の生活」というそのまんまの邦題でおなじみ、1971年のナンバーです。 |
解説:萩原健太
●萩原健太プロフィール
萩原健太(はぎわら・けんた)。1956年生まれ。 早稲田大学法学部卒。
早川書房に入社後、 フリーに。
TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』(’89~’90年)の審査員として出演。
テレビ朝日系『タモリ倶楽部』の「空耳アワード」(’93年~)審査員も担当。
また、 音楽評論の傍ら、 音楽プロデュース、 コンサート演出、 作曲等も手がける。
主なプロデュース作品に米米CLUB『Go Funk』『米米CLUB』、 山崎まさよし『HOME』、
憂歌団『知ってるかい!?』、 鈴木雅之『ファンキー・フラッグ』など。 また、
自らもギタリストとして多くのユニット楽曲にも参加している。
Kenta's...Nothing But Pop!