ジャズメガネのセンチなジャズの旅
139. 「ジョニー・コールズ・カルテット / ウォーム・サウンド」
このアルバムはトランペットのワン・ホーン・アルバム。特に派手なパフォーマンスもない地味なアルバムなのだが、高校生の時にCBS/Sonyが販売促進していた1100円シリーズという値段の安さに惹かれて、つい買ってしまった一枚だ。同じ頃に出た『ヤー! / チャーリー・ラウズ』も同じ動機で買った。マイルスやブルーノートは廉価盤にはほとんどならなかったので、高校生時代はこういった二線級のアルバムばかりが増えた。
ジョニー・コールズはハンコックの『ザ・プリズナー』に入っていたのを聞いたことがあり、その名前と暖かい音色で、若い頃のマイルスみたいな印象だったのを覚えている。このアルバムを買って、収穫だったのはケニー・ドリューのピアノ。とにかくきらきらとスウィングしている。あと、「イフ・アイ・シュッド・ルーズ・ユー」という曲の良さ。なので、1100円の割には収穫ありのアルバムだった。今、またレコードで再発されていることを思うと感無量だ。
text & cut by Kozo Watanabe