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ほぼ日刊イトイ新聞随一のテレビッ子。
どんなに忙しくても録画したドラマは必ずチェック。
毎週発表される視聴率なども無意味に把握。
幼少期から蓄積されたテレビの知識は無尽蔵。
漫画家・イラストレーター。ほぼ日刊イトイ新聞にて
『TVウォッチャーの逆襲』を超不定期連載中。
「写真より似てる」という高品質な似顔絵には定評が。
ドラマ、スポーツ、バラエティー番組などが好き。
脚本家。『世界の中心で、愛をさけぶ』『白夜行』
『佐々木夫妻の仁義なき戦い』『MR.BRAIN』などを担当。
大ヒットしたドラマ『JIN-仁-』の脚本も手がける。
好きなテレビ番組は、ドラマやバラエティーなど。
 
   
半年に一度の連ドラチェック!
まずは、ご挨拶と、振り返り。

2012-10-31-WED
結婚しない? 歳の差結婚?
世相を反映させているドラマを紹介。

2012-11-05-MON
本格派ミステリー? 地方モノ?
さぁて、なにをチェックしましょうか。

2012-11-01-THU
朝ドラほか、話題作をチェック!
そして、おすすめの1本は?

2012-11-06-TUE
堺雅人、長澤まさみ、米倉涼子、
おなじみの人たちのドラマを語る!

2012-11-02-FRI
   
 



── はい、よろしくお願いします。
一同 よろしくおねがいしまーす!
あやや いやー、うれしいなぁ!
半年に1回の連ドラチェックですよ。
ほんとにありがとうございますぅ。
森下 ふふふふ。
荒井 よろしくお願いします。
あやや こうしてまた集まることができて。
ほんっとうれしいです、今日は。
なぜなら‥‥
いきなり話はじめちゃっていいですか。
森下 はい。
荒井 どうぞ。
あやや なぜなら、この秋のドラマのラインナップ、
最初は、なんか光る感じが
ないような気がしてたんですけど、
情報がアップデートされていくにつれて、
けっこうおもしろいものが多いような気がして。
つまり、今季は、期待できるんじゃないかと!
森下 ほほぅ。
荒井 夏のドラマが全体にいまひとつでしたしね。
あやや ま、そうともいえますね。
荒井 この夏のドラマは、
ちゃんと最後まで観たっていうのは
じつは、何本もなかったかもしれないなー。
森下 私も虫食いでしか観れなかったかも。
あやや ええーっ!
森下 あややは、最後まで何本くらい観たの?
あやや 十数本。
森下 すごいね、あいかわらず!
荒井 それ、ほとんど観てるといっても
過言じゃない気がする。
あやや いやいや、そんな。ふつう、ふつう。
── ふつうじゃない。
森下 ドラマ界を支えてくださっている。
あやや こんな私でよろしければ、支え続けます!
で、話は戻りまして、この秋のドラマですが、
今回、全体を見渡したときに
『家政婦のミタ』効果がいい感じに出てるな
っていうのを感じました。
荒井 最終回の視聴率、40パーセントの『ミタ』。
あやや はい。
前のシーズンあたりから、
いわゆる原作ものじゃないドラマが
徐々に増えてきましたけど、
今回はさらに、オリジナル路線の
いいドラマ増えてる感じがします。
つまり、これは、どういうことかというと!
(ドン!)
── 机を叩かないで。
飲み物がこぼれちゃうから。
あやや まじめにいいドラマをつくったら、
原作のファンがついてなくても、
40パーセントまでいくんだ、
っていう結果をうけて、
ドラマがつくられはじめたということですよ。
そういう『ミタ』の影響が
本格的に出はじめたということです。
── つまり、『ミタ』が
去年の年末あたりに高視聴率をとって、
それを受けて「いけるぞ」ということで
企画が動き出して、それが反映されるのが
今クールあたりのドラマであると。
あやや そーゆーことです!
いつも、まとめをサンキュウ!
荒井 40ってのは、たしかに
それだけのインパクトがありますよね。
いま、20だってなかなかいかないですもんね。
森下 聞いた話によると、
ドラマで40パーセントって、
「60年に1度」と言われているそうですよ。
あやや 60年!
荒井 60年って‥‥まだ日本のテレビが
はじまってないんじゃないですか?
森下 あれ(笑)?
── ええと、検索しましたところ、
NHKが日本初の地上波放送をしたのが
1953年ですね。
荒井 ‥‥59年前じゃないですか。
森下 私、まちがっておりました!
あやや いや、そのくらいすごい数字だってことじゃないの?
── いや、それにしたって60年はムリだ。
あやや なんで! 比喩でしょ!
荒井 厳密にいえばまだ60年経ってませんね。
森下 いや、ごめん、私の勘違い‥‥。
あやや だって、そんなこといったら、
ほら、宇宙の、ビッグバンとかだって
誰も見てないじゃないですか!
── 「ビッグバンとか」って‥‥。
荒井 めちゃくちゃだ‥‥。
あやや つまり、『ミタ』の視聴率が、
ビッグバン並にすごかったってことですよ!
森下 おおお、そう来る?
あやや ところがね、私、言ってもいいですか?
『ミタ』の視聴率は、
ちょっと行きすぎだと思います!
── なんだそりゃ。
荒井 めちゃくちゃだ‥‥。
あやや 『ミタ』はいいドラマですし、私も好きです!
しかし、40パーセントは、
ちょっとびっくりっていうか、
「そんな?」っていう気がしなくもない気がして、
ちょっとブームみたいになっていることに対して
じつは、軽く批判的だったりしたんです。
しかし!
── 「しかし」だらけだ。
あやや しかし! こうして半年経って、
『ミタ』の高視聴率がこんなふうに
ドラマ全体にいい影響を与えているのを見ると、
これはとってもいいことだなと思いました。
ありがとう、『ミタ』!
森下 まとめると?
あやや つまり、この秋のドラマは
おもしろそうですよ、ってことです!
荒井 そういうことですね。
── さっさとはじめようよ。

ゴーイングマイホーム
フジテレビ系●火曜日午後10時

あやや じゃ、『ゴーイングマイホーム』あたりから
はじめましょうか。
森下 是枝裕和さんのだ。
── え? 映画監督の?
あやや そうなんです。
是枝さんがドラマの監督・脚本を務める
ということで話題になってます。
そして、山口智子さんが16年振りに復帰。
宮崎あおいちゃんも出ます。
荒井 テレビドラマは、めずらしい感じの
顔ぶれになってますよね。
あやや さらに、西田敏行さん、阿部サダヲさん、
夏八木勲さん、吉行和子さん。
荒井 是枝作品らしく、YOUさんもいます。
よくこれだけ集めたなー。
── 映画っぽいですね、たしかに。
あやや ところで、みなさんは
是枝さんの映画はご覧になっていますか。
荒井 観てますよ、ぜんぶじゃないけど。
森下 私は、『誰も知らない』とか、
『歩いても歩いても』とか。
あやや 最近だと『奇跡』ですね、九州新幹線全線開業の。
すごいよかったですよ。
是枝さんの脚本って、すごくいいと思うんですけど、
ドラマと映画って違うじゃないですか。
こう、観るほうのスタンスも。
だから、あの「静かな、いい感じ」が、
どんなふうになっちゃうのか、期待と心配が。
── ドラマを観る感じと、
映画を観る感じは、どう違うの?
あやや なんていうか、映画館で映画観るときって、
観ようと思って観てるじゃないですか。
森下 あー、そうだね。
家で観るときって、適当だもんね。
あやや 適当なんですよ。
だからドラマって、変なセリフとか多いんですよ。
こう、観てる人を引きつけるための
決めぜりふみたいなのとか。
「おだまり!」みたいな。
── ‥‥「おだまり!」とか、言う?
森下 最近のドラマは言わないかも(笑)。
荒井 たしかに(笑)。
あやや あれ? なんか、あったじゃないですか、
こないだの、榮倉奈々ちゃんの‥‥。
森下 『黒の女教師』?
あやや そうそうそうそう。
あれ、なんでしたっけ? 
なんか言うじゃないですか。
「やかましや!」じゃなくって‥‥。
荒井 「やかましや」?
── 野村萬斎?
あやや じゃなくて‥‥
「無礼者」? 「狼藉者」? 
森下 「愚か者!」だ。
あやや 「愚か者!」だ、「愚か者!」、
そういうこと言わないんですよ、是枝作品は。
「おろかものー!」とか、
「とびげりー!」とか。
荒井 跳び蹴りじゃなくて
回し蹴りですよ、あれは(笑)。
あやや そうでしたっけ。
けっきょく私、ぜんぶ観ちゃいましたよ、
『黒の女教師』。
森下 私も観た。
── すいません、なにがなんだか
わからなくなってきました。
あやや そういう特殊な設定や展開が
当たり前のドラマの世界にあって、
是枝作品がどんなふうに映るのかな、
ということです。
── それは、ややもすると、
「ちょっと地味になっちゃうのでは?」
というような心配も込めて?
あやや そういう心配も、ないことはないです。
ただね、私‥‥
ちょっと小耳に挟んだんです。
山口智子さんがなぜこのタイミングで、
16年振りに復帰するのか?
それは、
「脚本を読んでおもしろかった」からだそうです!
荒井 ああ、インタビューで答えてましたね。
── それ、「小耳に挟んだ」って言う?
あやや インタビューで答えてたのを
「小耳に挟んだ」んです。
── そりゃ、インタビューを読んだだけだろ。
あやや ところでどうですか、
この山口智子さんの変わらなさっぷりったら!
連ドラは『ロンバケ』以来、16年振りだそうですよ。
荒井 たしかに、16年振りとは思えないですね。
── 『ロンバケ』を観て
思わずソファーを買っちゃった森下さんは、
感慨深いものがあったりしますか。
森下 ってことは、
うちのソファーも16年経ってるのかぁ。
── いや、ソファーの感慨ではなくて。
あやや あと、私が小耳に挟んだ情報によりますと、
『LIFE』でおなじみの飯島奈美さんが
フードスタイリストを務めてらっしゃいます!
森下 あっ、そうなんですか。
荒井 へぇー。
── だからそれ、
「小耳に挟んだ」って言わないから。
あやや きっとドラマのなかで、
飯島さんのおいしい料理が
たくさん見られると思います。
── ほかのみなさんはどうですか。
荒井 これ、是枝さんの作品だっていうのを知らないで、
ふつうにタイトルと主演の阿部寛さんだけ見たら、
『結婚できない男』を連想しますね。
あやや ああ、そうですね。『白い春』とかね。
制作が関西テレビだし。
荒井 ただ、是枝さんがやるんだから、
きっと既存のドラマとは違うものを
見せてもらえるのではないかなと。
森下 そうそう、そこが一番の期待ですね。
あやや セリフ回しとか、画のアングルとかも、
違っておもしろいかもしれない。
あとは、さっきも言いましたけど、
観ながら平気で席を立っちゃうような環境で、
適当に観たときにどうなのかというところですね。
荒井 内容としてはどういうものなんですか。
テレビ情報誌を拾い読むと
「ホームドラマにしてファンタジー」
みたいなことが書いてありますけど‥‥。
森下 そう、なんか、
妖精みたいなものが出てくるんでしょ?
「クーナ」っていう
謎の生き物が出てくるらしい。
荒井 えーーっ。
なんですかその是枝作品らしからぬ設定は。
あやや あっ、そういう感じなんだ。
それはちょっと、逆に期待が。
荒井 たしかに、
「ユーモラス」とも書いてあるなぁ。
観てみないとわからないですね。
あやや でも、やっぱり、いちばんの魅力は
是枝さんがドラマをやるっていうことでしょう。
その意味では、是枝さんをドラマに呼んで、
これまでにないものをつくろうとした
制作チームの意識の高さに拍手を送りたいです!
森下 あ、そういえば、このプロデューサー
私の大学の同級生なんですよ。
豊福陽子さん。
── へぇーー。
あやや そうなんですか。
じゃあ、よろしくお伝えください。
とあるドラマファンが拍手を送っていたと!
── はい、じゃ、そんなところで
つぎのドラマに行きましょう。
ペースが遅いぞ、いつも以上に!
あやや ゆっくりやりましょうよぉ。

PRICELESS 〜あるわけねぇだろ、んなもん!
フジテレビ系●月曜日午後9時

あやや じゃ、月9に行きましょう。
『PRICELESS 〜あるわけねぇだろ、んなもん!』。
木村拓哉さん主演です。
今回も、いいものをつくるぞー
という気概を感じますね。
荒井 脚本家は古家和尚さん。
あやや どちらかというと、
ヒューマンドラマ系の脚本を
お書きになる方ですよね。
月曜9時で、木村さんが主演で、
しかも、ちょっと心があたたまるようないい話。
こういうのを求めてる人も
多いんじゃないかなぁと感じさせるドラマです。
荒井 木村拓哉さんと古家さんが組むのは、
はじめてですかね。
あやや はじめてだと思います。
同じSMAPでは、
草なぎ剛さん主演の『任侠ヘルパー』が
古家さんの脚本ですよね。
森下 ああ、あれ、おもしろかったですねー。
あやや おもしろかったですよねー。
だから、SMAPと古家さんの組み合わせは
なんとなく相性がいいんじゃないかと。
荒井 お相手は香里奈さん。
ドラマ界で、いまモテモテですよね。
森下 働き者ですよねぇー。
あやや しかも、東京ガールズコレクションとか、
ショーにも出てるんですもんねぇー。
荒井 モデル出身ですよね、っていうか現在も
モデルであり女優でもあるわけですけどね。
森下 もうわたし、一所懸命働いてる人を見ると、
おばちゃん感心するわ、
っていう気持ちになります。
あやや ああー、わかります、わかります。
上戸彩ちゃんの健気さとかね。
森下 そうそうそう(笑)。
あやや どんな仕事もきちんとこなす! みたいな。
香里奈さんにもそういう感じがあります。
荒井 中井貴一さんが
ちょっと意外なキャスティングですね‥‥。
あやや ハイ、ハイ、ハーーーイ!!
── うるさいよ。
森下 はい、あややさん、どうぞ。
あやや じつは、木村拓哉さんと中井貴一さんには
とある共通点があるんです!
さぁ、みなさん、なんだかわかりますか?
みんなで、かんがえよーーーっ!
── いいから、言いなよ。
あやや お手元のフリップにお書きください!
森下 ないから。
荒井 ないから。
── いいから、言いなよ。
あやや じつはこのおふたり、
「芸能人・綾瀬はるかファンクラブ」の
会員どうしなんです!
森下 そんなのあるんだ!
荒井 意外な取り合わせですね。
あやや これ、『スマスマ』に中井貴一さんが出たときに
木村さんと話してましたから、たしかですよ。
「ぼくたちは、芸能人・綾瀬はるかファンクラブの
 会員だから」って。
森下 綾瀬はるかさんは共演者に
すごく好かれる女優さんですからねー。
あやや そうみたいですね。
撮影中の綾瀬はるかさんの天然ボケっぷりとか
かわいいエピソードを披露し合ってましたよ。
あっ、そういえば、『JIN』で
いっしょに仕事をした森下さんも、
綾瀬はるかファンクラブなんじゃないですか?
森下 はいはい、好きになっちゃう感じはわかります。
荒井 天然で裏がなさそうな感じが、いいんでしょうね。
あやや 中谷美紀さんとかも、
そのファンクラブの会員みたいですよ。
森下 あー、そうそう。
荒井 念のために言うと、このドラマに
綾瀬はるかさんは出ません。
あやや そう、出ません!
── あれ? 出ないのになんで
綾瀬はるかさんの話になってるんだ?
あやや だから、中井貴一さんと木村拓哉さんが
「芸能人・綾瀬はるかファンクラブ」で。
── それが縁で中井貴一さんが
このドラマに出ることになったの?
森下 そういうわけじゃないんじゃないですか?
あやや そういうわけじゃないです。
中井さんと木村さんにそういう共通点があるって
わたしが言いたかっただけです。
そういう意味では、言えて満足です!
── なにがなんやら。



(つづきます)

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