BtoB SaaSの選定・購買は、6割以上が“感情的に”行っている【ジャストクリエイティブ調べ】

自身の社内的な立場を保守するため、単純な機能や性能でなく、“価値観”や“社会性”も評価している状況が判明。

ジャストクリエイティブは、SaaSの購買検討プロセスと継続契約に影響を与える要因について、調査結果を発表した。「所属する企業で、過去2年以内にSaaS選定の選定・購買の意思決定に関与した従業員」444名から回答を得た。同社のオウンドメディア「ジャストクリエイティブ2030」にて、レポート「BtoB SaaS買い手の琴線 ~価値観フィットが急所~」として無料公開する。

BtoB SaaSの選定・購買は、6割以上が“感情的に”行っている

まず「どのような評価基準で検討したか」を聞くと、「購買検討は専ら合理的・客観的な評価に基づいて行われた」64.6%とともに、「売り手企業への主観的・感情的な評価が購買検討に少なからず影響した」が60.8%に達しており、BtoB SaaSの選定・購買に、主観的・感情的な要素が大きく影響していることが判明した。

 

では、「なぜそのような感情的な影響が現れたのか」を聞くと、「価値観やカルチャーが自社にフィットする売り手を選ぶため」55.2%をはじめ、「導入後に問題が生じた時、誠実な対応を期待できる売り手を選ぶため」51.1%、「環境活動や社会活動、慈善活動といった観点でも売り手を評価するため」46.7%といった回答が上位にあがった。長期継続的な取り引きを前提とするSaaSビジネスにおいては、“価値観”“カルチャー”“誠実さ”“社会性”からも、調達先を評価する買い手が多いと言えるだろう。

 

なお、回答者を年代別で分類し、ミレニアル世代(1981年~1996年生まれの層)に絞って集計した場合、「環境活動や社会活動、慈善活動といった観点でも売り手を評価するため」46.7%は、51.8%にまで上昇するとのこと。ミレニアル世代がCSR活動などを重視していることが伺える。

自身の社内的な立場を保守するため、客観だけでなく主観も重視?

こうした“感情”が影響する理由を、「購買関与者に対する個人的評価」という観点で見ると、「社内での信用」「時間・労力の浪費」「キャリアへの影響」といったことから発生するプレッシャーによると考えられる。実際に本調査においても、これらの個人的なリスクを過半数が「考慮する」と回答している。同時に、これらのリスクを「考慮する」層ほど、「主観的・感情的な評価が購買検討に少なからず影響した」と答える傾向が強いという。

 

そこで、継続利用や推奨への意向を、価値観への共感・非共感層で比較してみた。「その企業の思想や価値観」に対し「共感している」と回答した層は、「共感していない」と回答した層に比べて、継続利用意向が58.8ポイント高く(共感している78.4%に対し、共感していない19.6%)、他企業への推奨意向が46.0ポイント高かった(共感している75.7%に対し、共感していない29.7%)。採用を狙う各企業においては、いかに共感を呼ぶかも、サービス内容に加え重要かがわかる。

 

調査概要

  • 【調査対象】現在の勤務先にて、直近2年以内にSaaSの選定・購買の意思決定に関与した従業員
  • 【調査期間】2019年4月10日~21日
  • 【調査方法】インターネットリサーチ
  • 【回答者数】444名
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