15日は「どんど焼き」 不思議な名前の由来とは?
2021/01/15 09:08 ウェザーニュース
年が明けてからもう半月が経ちます。お正月気分もだいぶ抜けてきたのではないでしょうか。
15日は小正月(こしょうがつ)といわれ、これをもって正月の終わりとする見方もあるようです。地域によって多少前後しますが、小正月の15日には「どんど焼き」が行われます。
どんど焼きとは?
田んぼや広い空き地、神社の境内では、数日前から地域の方が青竹や藁、ひのきの枝などでやぐらを準備している姿が見受けられます。
どんど焼きでは、各家庭の正月飾りや子どもたちの書き初め、お守りやだるまなどを焼いてもらうことができます。
普通に処分するのはちょっと…と、気が引けてしまうものは、どんど焼きが最適です。
「どんど焼き」以外の名前も…
出典:NPO地域資料デジタル化研究会・小正月行事「どんど焼き」の全国調査
「どんど焼き」ってよく考えると、少し不思議な響きですが、なぜこのような名前なのでしょうか。
よく言われている説としては以下の2つがあります。
・火を燃やす時「尊と(とうと)尊と(とうと)」とはやし立てていたのがなまり、後にどんど焼きとなった
・どんどん燃える様子からつけられた
また、どんど焼きという名前は全国で広く使われているようですが、地域によっては様々な名称で呼ばれています。
上の図を見ると、東北は"どんと”関西は"とんど”と微妙に呼び方が違うことがわかります。
他にも、長野県や山梨県では道祖神祭(どうそじんさい)と呼んでいます。道祖神とは村里の入口で、外から襲う悪霊を防ぐ、境の神・道の神を指すようです。
どんど焼きの由来
「大磯海岸のどんど焼き"左義長"」神奈川県中郡大磯町より
地域ごとの呼び名の中に左義長(さぎちょう)というものがありましたが、実はこれがどんど焼きの始まりとも言われています。
左義長とはもともと平安時代の宮中行事で、正月15日の夜に正月飾りや御札などを炊き上げるものでした。
青竹を束ね毬杖(ぎっちょう)3本を結び、その上に扇子や短冊などを添えて、陰陽師が謳い、はやしながら焼いていたとのこと。
これが民間にも広く伝わり、今のどんど焼きに至るという説があります。
もちろん他の説もありますが、左義長は今行っているどんど焼きと非常によく似ていることがわかりますね。
年神様をお見送り
お正月になるとやって来る年神様は、先祖の霊が昇華したものと言われています。
そんな年神様たちをお送りするため、どんど焼きは行われるようです。
つまり、どんど焼きの火はお盆の送り火と同じ役割をするのです。
また、どんど焼きは五穀豊穣や無病息災、家内安全などを願う目的もあります。
無病息災に関連するもので、どんど焼きの火で焼いた団子を食べると、その1年健康に過ごすことができるという言い伝えがあります。
味がないし、固いから…という声も聞こえてきそうですが、その年の健康願った縁起の良いものですので、ぜひ家族と一緒に食べてみてください。
ご近所さんとの交流の場
たくさんのご近所さんが集まって何かする、という機会が減ってきている今、どんど焼きのような行事は非常に貴重ですね。
今年は規模を縮小したり中止となっているところもあるようですが、ぜひ、年神様を見送る、また近所の方と積極的に交流するという意味でも、近くのどんど焼きに参加してみてはいかがでしょうか。
参考資料など
写真:ウェザーリポート(ウェザーニュースアプリからの投稿)