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恐獣(遊戯王OCG)

登録日:2020/01/15 (水曜日) 00:15:22
更新日:2024/11/28 Thu 16:10:30
所要時間:約 5 分で読めます






遥かなる太古の鼓動、恐竜達の真の力を解放せよ…!



恐獣(ティラノ)は、遊戯王OCGに登場するカード群。




【概要】

厳密にはカテゴリーではないのだが、「恐獣」モンスターは所属する全員が最上級の恐竜族モンスターである。
レベル7以上の最上級モンスターであるため、召喚するまでの手間は大きいのだが《究極進化薬》の登場で大幅に改善される。

恐竜らしく、高い攻撃力や戦闘に関する効果を有したパワフルなモンスター群である。
当時不遇だった恐竜族に裏のエースと共に希望を与えた存在でもある。

名前の元ネタは『流星人間ゾーン』に登場する同名の怪獣兵器だろうか?
ただし、デザインはあまり似ていない*1為、偶然の可能性もあるが。

【一覧】

暗黒恐獣(ブラック・ティラノ)

効果モンスター
星7/地属性/恐竜族/攻2600/守1800
相手フィールド上に守備表示モンスターしか存在しない場合、
このカードは相手プレイヤーに直接攻撃できる。

初収録は2003年7月の「暗黒の侵略者」
最初に登場した恐獣である。

最上級モンスター故の重さがあり、攻撃力も最上級にしては低いものの、直接攻撃効果により高攻撃力のモンスターとの戦闘を回避して、相手のLPを根こそぎ消し去るアタッカー。

……だったらよかったのだが、正確には「相手の魔法・罠ゾーン、フィールドゾーンにカードが無く、相手のモンスターゾーンに守備表示モンスターしか存在しない場合」が正しく、非常に使いづらい。
詳細は個別項目を参照。

究極恐獣(アルティメットティラノ)

効果モンスター
星8/地属性/恐竜族/攻3000/守2200
(1):自分バトルフェイズに攻撃可能な「究極恐獣」が存在する場合、
「究極恐獣」以外のモンスターは攻撃できない。
(2):このカードは相手モンスター全てに1回ずつ攻撃できる。

初収録は2006年5月の「POWER OF THE DUELIST」
「ストラクチャーデッキ-恐竜の鼓動-」にも再録されている。

攻撃力3000でありながら、相手モンスター全てを攻撃するという豪快な効果を持つ、究極の名に恥じぬ恐竜である。

この《究極恐獣》の実装は話題となった。
というのも、当時攻撃力3000を素で持つカードそのものがとてもとても貴重であり、仮に3000以上の攻撃力を持っていても、《絶対服従魔人》のように重い制約がついていたり、
ゲート・ガーディアン》のように非現実的な召喚条件があったりなど、何らかのデメリットが付属されることが当たり前であった。
通常モンスターということでその例外にあった数少ないカードが、かの《青眼の白龍》であった。

そんな中で《究極恐獣》が、デメリットや制約はおろか全体攻撃という高い攻撃力を存分に生かせるメリット効果を引っさげて登場したことが当時は話題となった。
やれ《スケープ・ゴート》で現れた大量の壁トークンを一気に殲滅できるだの、下級アタッカーを軸にしたローレベルデッキが鬼一口だの。
当時はブルーアイズのカテゴリーサポートや実戦級の通常モンスターのサポートカードが無かったこともあり
「青眼の白龍は実戦では使えない、単なる観賞用のカードだね」と煽ることもあったそうな。

とは言えトークンを一掃したければ《阿修羅》という圧倒的に取り回しのしやすいモンスターがいた。
更に今のような最上級サポートが豊富にあるわけではなく、このカード自身には召喚サポート能力や特殊召喚能力があるわけでもない。
当時はガジェットなど下級モンスター中心の除去デッキが猛威を振るう環境。
さらに同じパックで【未来オーバー】が登場しており、その圧倒的な攻撃力の前ではもはや紙ゴミ同然。
そのため、これほど強力な効果を持っていても特に除去耐性のない最上級モンスターということで、環境での評価は概ね低かった。


ちなみに「攻撃可能な《究極恐獣》」という意味は、そのままの意味で「攻撃宣言ができる《究極恐獣》」という意味。
既に攻撃を終えた場合や攻撃を無効にされた場合、そして「守備表示の《究極恐獣》」はこれに該当しない。

そして現在出回っている上記のテキストの《究極恐獣》はエラッタされた後のものであった。
エラッタ前の効果の違いを簡単にまとめると
  • 《究極恐獣》が必ず最初に攻撃をおこなう
  • 《究極恐獣》が攻撃可能だった場合は必ず攻撃しなければならない(現行と異なり相手の場に《究極恐獣》を上回る攻撃力のモンスターがいても攻撃を強制された)
    ただし「バトルフェイズを放棄する」という選択は出来た
  • バトルフェイズ開始時にいなかった《究極恐獣》(バトルフェイズ中に特殊召喚されるなど)は攻撃ができない
  • フィールドに《究極恐獣》が二体以上いる場合、お互いが「最初に攻撃」という条件を満たせないのでお互いに攻撃ができない
どちらかというと効果の細部を単純化させ、テキストを分かりやすくしたエラッタだが上方修正と見ることもできる。
逆に言うと登場当初の《究極恐獣》はこれらの「デメリット」を有していたわけだが、
「特殊召喚の容易な攻撃力3000の全体攻撃」と言う大きなリターンの前には取るに足らない話であった。

そして現在は、攻撃力3000を超えメリット効果を持つモンスターというのも珍しくなくなった。
特にこのカードに関しては《超伝導恐獣》との合体版とも言うべき《究極伝導恐獣》にほぼ立場を奪われることに。
差別化要素としては召喚制限がなく《忍法・超変化の術》や《死皇帝の陵墓》、《スター・ブラスト》、《冥界の宝札》といったサポートを使える点。
しかし上級・最上級の層が厚くなった現在ではどの手段を使うにしてもライバルが多く、全体攻撃と打点を重視する特別な理由がなければ採用は難しいのが実情だった。
恐竜族を通常召喚する際のリリースをなくす《ジュラシック・パワー》の登場で特殊召喚モンスターであるあちらとの差別化が可能となった。

とはいえ、長年存在意義に疑問符がついていた恐竜族に強みを与えてくれたこと、
当時はファンデッキレベルにすぎなかった上級系のデッキに有意義な選択肢を与えてくれた点を顧みれば、
今なお良カードとして愛される根強い人気があるのも納得であろう。


超伝導恐獣(スーパーコンダクターティラノ)

効果モンスター
星8/光属性/恐竜族/攻3300/守1400
(1):1ターンに1度、自分フィールドのモンスター1体をリリースして発動できる。
相手に1000ダメージを与える。
この効果を発動するターン、このカードは攻撃宣言できない。

初収録は2006年6月の「ストラクチャーデッキ-恐竜の鼓動-」
《究極恐獣》から程なくして登場した新たな恐獣。

あれだけ《究極恐獣》が攻撃性能の高さで話題となっていた中で、さらに攻撃力が上回るモンスターである。
しかしその効果は自身の攻撃を放棄することで発動する射出効果。
なぜ自らの長所を自ら潰す。長所を最大限生かした《究極恐獣》とは大違いである。
大抵の場合は自分のモンスターをリリースして1000ダメージを与えるより、相手モンスターを戦闘で減らして戦闘ダメージを与える方が有利に働くので
効果を活かせる場面はまるでないとさえ言われている。一応相手の《レベル制限B地区》や、明らかに嫌な伏せカードがあるときなどに射出ができたが、
別に当時の恐竜族だって展開力に長けているわけじゃない。大半のプレイヤーには「だからなんだよ」「むしろバニラであってほしかった」などと言われてしまった。
っていうかそれにしたって別に攻撃する権利を放棄する理由はどこにもないのである。
ほんとにこのストラクの新規カードはなんでこんな使いづらいというか、わざと痒い所を作るようなカードばっかなんですかねぇ……。

とはいえ効果はともかくとして、召喚制限のない3300打点というのは、当時では他にないメリットであったのも事実である。
そのため効果はオマケとしてステータスを活かした運用をされることとなった。
この手の運用法は、ともすれば「バニラサポートを受けられないバニラカード」という効果モンスターに対する侮辱評価を下されるのが常だが
こちらは当時としては破格の攻撃力を持っていたおかげで、そのような評価はあまりされていなかった。むしろこの3300という部分こそ真骨頂まである。
当時の最上級恐竜デッキ同士のミラーでは、《究極恐獣》が《リビングデッドの呼び声》で唐突に出てきた《超伝導恐獣》に自ら特攻していく光景はあるあるであった。
そして《月の書》と下級アタッカーで倒されるまでが一連の流れ。

しかし時は流れ、攻撃力3300の《超伝導恐獣》に対して
  • 攻撃力3500でカードの効果でなら特殊召喚できるという緩い召喚制限を持つ《超越竜メテオロス
  • 攻撃力3200で有用な連続攻撃と除去効果を併せ持つ《竜王キング・レックス》
等が登場。何とか召喚制限が一切無い最高打点の恐竜族という立場は守り続けているものの、立場はさらに厳しい物になっている。


アドバンス召喚したモンスターの効果を無効にする代わりに効果耐性を付与する《帝王の凍志》と併用するのも手。
効果を無効化する前提の場合、光属性なので《フォトン・サンクチュアリ》や《オネスト》といったサポートカードを利用できるのが優位点にもなる。


ちなみにアニメ版では効果がまったく異なっており、「攻撃する前に数を1つ宣言する。その回数攻撃できる代わりに、攻撃力はその数で割った値になる」っていう感じ。
つまり2なら「1750の2回攻撃」、3なら「1100の3回攻撃」となる。
力押ししかできないほかの恐竜と違い、ちょっとテクニカルな動きをする。《阿修羅》でいい?そうだね
仮に装備魔法などの適用タイミングが「割った後の値に加算」だったら、たとえば《デーモンの斧》を装備すれば「攻撃力2100で3回攻撃」となる。

これだと「素の攻撃力の高さに加え、小回りが利く」というなかなかの性能になるのだが、OCG化にあたり換骨奪胎されてこのテキストとなった。
このテキストだと「3300」と宣言してから《突進》でも発動すれば攻撃力701で3300回殴れてしまうので致し方ないとはいえ、
《ジュラシックワールド》ともどもまったく原型のないカード化である。……なんだかなぁ、そんなんでいいのかよ。
とはいえ「攻撃力3300の通常召喚モンスター」という、当時としては破格の個性を持っていたのでまだましな方。この時期のOCG化にあたってはもっと悲惨な例がたくさんあるのだ。


超古代恐獣(エンシェントダイノ)

効果モンスター
星8/地属性/恐竜族/攻2700/守1400
このカードは恐竜族モンスター1体をリリースして
表側攻撃表示でアドバンス召喚できる。
(1):このカードがモンスターゾーンに存在し、
自分の墓地から恐竜族モンスターが特殊召喚された時に発動できる。
自分はデッキから1枚ドローする。

初収録は2009年9月の「EXTRA PACK Volume 2」

戦闘に関する効果も持たず、「恐獣」のルビがダイノであるなど、少々特徴が異なる。

最上級モンスターだが、アドバンス召喚に使用するモンスターは一体でよい。ここに来てようやく召喚サポート能力持ちである。
上記のモンスターたちが使われなかった理由がようやくわかってきたのだろう。
《大進化薬》も使わずにリリース素材が《俊足のギラザウルス》一枚で済むのは大きい。
もちろん特殊召喚は可能なので、墓地から蘇生させる手もある。

その効果は、恐竜族版の《生還の宝札》。
遊戯王をかじったことがあるプレイヤーならば、《生還の宝札》がオーバーパワーなことは説明するまでもないことであろうが
同時によくよく考えると恐竜族ではあまり有効活用できない効果であることもお分かりであろう。
アンデット族ドラゴン族と異なり、蘇生や墓地利用には長けていない。まあそもそも恐竜族の数がそいつらと比べて圧倒的に少ないのだが。

そうは言ってもドローの見返りは大きく、《ジュラック・アウロ》や《魂喰いオヴィラプター》等と無理なく効果を活かす方法はある。
特に《魂喰いオヴィラプター》は蘇生効果のみならず、《超古代恐獣》をサーチして(召喚権があれば)そのままアドバンス召喚まで行けるなど相性が良い。
相性がいいだけで実戦級のコンボかと言われるとまた別の話だし、現行では他のアド稼ぎ方法と比較してどうしようもない扱いされているが。

将来、果たして化けるか否か…




天地に轟く、恐獣の鼓動! 究極の暴君、覚醒!!

究極伝導恐獣(アルティメットコンダクターティラノ)


特殊召喚・効果モンスター
星10/光属性/恐竜族/攻3500/守3200
このカードは通常召喚できない。
自分の墓地の恐竜族モンスター2体を除外した場合に特殊召喚できる。
(1):1ターンに1度、自分・相手のメインフェイズに発動できる。
自分の手札・フィールドのモンスター1体を選んで破壊し、
相手フィールドの表側表示モンスターを全て裏側守備表示にする。
(2):このカードは相手モンスター全てに1回ずつ攻撃できる。
(3):このカードが守備表示モンスターを攻撃したダメージステップ開始時に発動できる。
相手に1000ダメージを与え、その守備表示モンスターを墓地へ送る。

初収録は2017年2月の「ストラクチャーデッキR-恐獣の鼓動-」

同ストラクが「長い長い氷河期だった恐竜族を大胆に強化する」コンセプトであり、《究極伝導恐獣》はその恐竜族デッキの切り札役を務める。
そして《究極恐獣》と《超伝導恐獣》のリメイクモンスターでもあり、効果や外見にその名残が見える。
少々こじつけにはなるが、「相手の守備表示モンスター・自分の戦闘」に関する効果ということで《暗黒恐獣》の要素も含まれている。
恐獣(ティラノ)モンスターの集大成と言ったところか。

他の恐獣モンスターと異なり、特殊召喚モンスターなので通常召喚ができない。
しかしその条件は「墓地の恐竜族2体を除外」とかなり緩い。
そして自身の効果だけでなく《究極進化薬》で特殊召喚する方法もあるので、他の恐獣と比較するまでもなくかなり召喚は容易である。

(1)は自分のモンスターカード1枚と引き換えに、フリーチェーンで相手モンスターを一斉に裏側守備表示にするもの。
直接ボード・アドバンテージを稼ぐ効果ではないのだが、現在では「素材モンスターを並べた後にエースを召喚」する流れが一般的であり
素材モンスターを並べた後に(1)の効果を発動すれば素材モンスターは伏せてしまう。
そしてカード名もステータスも不明の状態になってしまうので、シンクロ・エクシーズ・リンクといった各種召喚行為が封じられてしまう
勿論永続効果をシャットアウトしたり攻撃を未然に止めたりと、様々な活用法がある。
リンクモンスターは裏側守備表示にならないが、リンク召喚される前に素材を裏側守備表示にすればいい話。
ただし素材を伏せて召喚行為を妨害する場合、モンスタートークンは裏側守備表示にできない事には留意したい。
また、融合召喚は裏側守備表示でも融合素材に出来るので止められない点にも注意したい。

他のカードと異なり、コストとする自分のモンスターカードは破壊するため、破壊を条件とするカードとのコンボが可能。
特に《ベビケラサウルス》や《プチラノドン》がその筆頭で、相手を邪魔しつつ更にモンスターを展開させることができる。
そしてこれを発端に「自ら手札破壊」が恐竜族の当流となる

(2)は《究極恐獣》と同様の全体攻撃。
《究極恐獣》から更に攻撃力が上がっただけでなく、(3)の効果と合わせて敵のモンスターを全滅させる。

(3)は敵の守備モンスターを墓地へ送り、1000のダメージを与える効果。
攻撃力の高さを考えると、戦闘ダメージを与えられない事が少々勿体なく感じるかもしれないが
(1)の効果で相手の場にゴロゴロと転がる守備表示モンスターを、ステータスに関係なくバッサリと始末できる。
ダメージステップ開始時に効果が発動するため、リバース効果は発動できないのも取り所。
高い攻撃力を活かして相手に大きな戦闘ダメージを与えたくなったら、隣に《ディノインフィニティ》を置けば満足できるぞ!

(1)(3)の効果は対象をとる効果ではないので、対抗できるモンスターはかなり少ない。その分魔法罠の餌食になりやすいともいう。しかしこのカードが登場したのはモンスター効果が圧倒的に強化された9~10期。そこまで問題にならなかった。

このカードの単体性能はもとより、かなりの制圧力を期待できるこのカードがEXデッキのモンスターではないというのも大きい。
制圧力を維持しつつ、枠が一杯になりやすいEXデッキの負担を軽減することができる。
「恐竜族はEXデッキにあまり頼らない」と言われていたのもこの部分が大きく、
【恐竜竜星真竜皇】や【恐竜シャドール】など、EXデッキの枠を他のカードに譲る編成を可能にし、環境レベルで戦うに至った。
同時に登場した「エアーマンの上位互換」こと《魂喰いオヴィラプター》や手札で破壊することに意味がある下級恐竜や真竜などとともに、
恐竜族という種族の価値を引き上げそして今までのほぼ全ての最上級恐竜族に止めを刺し、恐竜族の大躍進を実現させた立役者となった。



追記修正は《究極伝導恐獣》を正規の方法で召喚してから(1)の効果で《ベビケラサウルス》を破壊し《ディノインフィニティ》を特殊召喚して直接攻撃で勝利してからお願いします

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最終更新:2024年11月28日 16:10

*1 恐竜というよりも超獣に酷似した『ゾーン』の恐獣に対し、此方は比較的実在の恐竜に近いデザイン