今回のガリバーは、ローラーコンベヤーの搬送システムを進化させて物流革命を起こす、伊東電機。 伊東電機は、太古から重い石を運ぶのに使われたとされる「コロの原理」を応用し、さらに『パワーモーラ』という画期的な製品を加えることで、搬送技術を飛躍的に進化させました。 進化の秘密は、筒の中に入れたモーター。回転速度を自在に変えられるため、効率よく荷物を運ぶことができるようになったのです。一般的なローラーコンベヤーは一つのモーターがベルトでつながれ、一斉に同じスピードで回転して荷物を運ぶのに対し、パワーモーラはローラーの中に間隔を空けて配置、近くのローラーとベルトで連結されています。ブロックを独立させることで、ブロックごとにモーターを止めることができ、省エネにつながります。制御盤が付いているので、動くタイミングや回転スピードなどを指示できるのも大きな特長です。 伊東電機の創業は1946年。 1975年にパワーモーラが開発された当初は、搬送の効率化の重要性が理解されませんでしたが、23年後の1998年、アメリカの郵政公社からの大量注文を受けて以来、コンピューター制御ができるパワーモーラのシステムが必要とされ、その評判が世界へと広まり、今では世界シェア50％に。 3代目の伊東社長が目指す「農業改革」では、パワーモーラの「運ぶ技術」を活用し、地下植物工場で全自動による栽培が行われています。 モーターの新たな使い方を提案しながら、すべての働く人の環境を快適にするという未来への挑戦が始まっています。 ナレーター　渡辺真理 リポーター　吉岡恵麻