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Developers Summit で登壇してきました!

Developers Summit で登壇してきました!

こんにちは、 @yuzutas0 です。

「いかにDataとOpsを繋げるか」というテーマでDevelopers Summit 2018 Summerに登壇しました。

多岐に渡るトピックを網羅しているので、以下のような内容に興味のある方はぜひスライドを参照ください。

  • Webマーケティングにおけるデータ活用事例
  • 「自然に」「無理なく」データを活用できるようなユーザー体験のデザイン
  • データ基盤のアーキテクチャやインフラ設計
  • データチームへのスクラム開発手法の適用
  • 非エンジニア・サイエンティストがデータ分析を実施するための文化醸成

なにはともあれ無事に終えることが出来てほっとしています。
ご関係者の皆様、誠にありがとうございました。

DataOpsとは何か

本稿では裏話として、タイトルにある「DataOps」の意味についてご説明します。

DataOpsという言葉ですが「DevOps」のコンセプトをデータ活用に当てはめたものだと言われることが多いです。以下のWebサイトや記事が代表例となります。

このように一部界隈で注目されているDataOpsですが、DataOpsを取り巻くプラクティスはまだ荒削りのようです。あくまでも「こういう方向を目指しましょう」というコンセプト提唱のフェーズなのだと私自身は解釈しています。そのためDataOps自体の表面的な解説をするのではなくDevOpsの文脈上で意味を捉えるほうが適切でしょう。

DevOpsとは何か

ではそもそも「DevOps」とは何かと言われると、主に2つの方向で解釈が分かれているように見受けられます。

1つ目は「Infrastructure as Code」などに代表されるもので、Ops(システム運用業務)にDev(システム開発手法)を適用するという考え方です。よりITシステムに注目した視点と言えるでしょう。形式ばったシステム運用を改善しようという取り組みです。

弊社の場合ですと、書籍『DevOps導入指南 – Infrastructure as Codeでチーム開発・サービス運用を効率化する』で解説を行っています。国内のデータ界隈だと「MLOps」という言葉を耳にする機会が増えてきましたが、主にこちらの意味合いのDevOpsに近い意味で使われることが多いようです。

2つ目はDev(システム開発者)とOps(システム運用者)による協働を指す考え方です。よりIT組織に注目した視点と言えるでしょう。凝り固まったサイロ化組織を改善しようという取り組みです。

弊社の場合ですと、デブサミ夏(2015)登壇資料『経営のアジリティを支えるDevOpsと組織』で解説を行っています。この資料では「開発チームはスクラムを通してシステム課題を可視化し、短期解消可能であればチーム内で改善する」「システム運用チームはITILの枠組みで長期的負債を管理・解消する」「スクラム開発のレトロスペクティブとITIL運用の課題管理がチケットによって繋がる」という例を挙げています。

xOpsとは何か

これら2つは注目する視点こそ違いますが、大元の目的は同じです。どちらも(チーム開発手法などを含めた広義の)ソフトウェアエンジニアリングの知見を最大限に活用し、開発・運用の業務におけるボトルネック(ムダ・ムラ・ムリ)を取り除くことで、ビジネス価値を最大化する取り組みと言えます。

このDevOpsの延長として、DesignOps、CustomerOps、BizOps、RevOps、SalesOps、MarketingOpsといった言葉(いわばxOps)が台頭しています。Takaaki Umada氏の『xOps: エンジニアがスタートアップの成長の原動力となる日』という資料では「xOps」台頭の背景として「あらゆる業務でITシステムがボトルネックになりつつあるから」(=ソフトウェアエンジニアリングによって大幅改善を期待できるから)だと解説しています。MLOpsやDataOpsもまた同じです。

DataOpsとは何か(解)

今回の登壇のタイトルに「DataOps」という言葉を入れたのは上記の経緯を踏まえたからです。

  • ビジネス価値を生み出すデータ活用案件とは何か
  • 効率的なプロセスとはどのようなものか
  • 信頼できるデータ基盤をどう構築&運用するか
  • 安定したデータチームをどう運営するか
  • 1人1人がデータを活用できる文化(データの民主化)をどう実現するか

こうした命題に対して、ソフトウェアエンジニアリングの知見を最大限に活用し、業務上のボトルネック(ムダ・ムラ・ムリ)を取り除くことで、ビジネス価値を最大化することこそが「DataOps」なのだと解釈しました。

まぁそれを言ったら大抵の取り組みがxOpsだと言えてしまうので、ただの言葉遊びだと指摘されてしまうとその通りです。ただ「データ活用のあらゆる側面に対してエンジニアリング・マネジメントが必要ですよ」(華やかに見える他社事例やAIという言葉に振り回されている場合ではありませんよ)ということを明確にメッセージしたかったので、あえてDataOpsという言葉を選びました。

以上です。めでたしめでたし。