5回
2024/06 訪問
石焼ビビンバと冷麺
--石焼ビビンバ--
そろそろ冷麺を始めると聞いていたので、それを目当てに訪問。先客が石焼ビビンバを召し上がっていた。
ジューという石焼鍋の音が何とも食欲をそそられる。壁に貼られたメニューはひと通り頂いたつもりになっていたのだが、そう言えば石焼ビビンバをまだ食べていないことに気づいた。
ならば冷麺はもっと暑い日に頂くことにして石焼ビビンバをお願いした。
まずはキムチから。この日は比較的浅漬けに近い状態。相変わらず安定している。
ほどなくしていい音を立てて登場。ゼンマイ、ほうれん草、豆もやしのナムルにねぎと玉子と海苔、コチュジャンが加わる。見るからに美味しそうな面構え。
ナムルは自家製なので変な混ざりものがなくナチュラルな味わい。コチュジャンも自家製のものを使用している。それだけに香りがひと味違う。
素早くかき混ぜてごはんを石鍋の縁につけておこげを作る。このおこげが香ばしくて旨い。
最後はキムチを投入して味変も楽しめる。
--冷麺--
日を改めて冷麺を頂いた。麺は細めで割としっかりとボリュームがある。具材は大根、キュウリ、トマト、豚肉に茹で卵と至ってシンプル。
スープのほどよい酸味が心地よくバランスがいい。暑い日にはクエン酸の補給にもなるのでこれからの食欲が落ちる季節にはお世話になりそうだ。
どちらの料理も美味しいがやはり自家製スープのソルロンタンやデジクッパの前にはやや霞んでしまう。
2024/06/17 更新
2024/04 訪問
丁寧に取られたスープが素晴らしい韓国家庭料理の最高峰
二回の訪問でソロンタンとテジクッパを頂き、すっかりこのお店が気に入りその後も足繁く通っている。
クッパをはじめとする汁物はほぼひと通り頂いたのでこちらまとめて紹介したい。
基本的に自分が食べたいと思う料理しか作りたくないという信念の元、手間暇を掛けた安心安全な料理が頂ける貴重なお店。
--テンジャンチゲ--
3回目の訪問ではもっとも気になるこちらの料理を頂いた。テンジャンで使用する味噌は韓国食材店に普通に売られているものではなく、ご実家のある釜山から取り寄せたものを使用している。
味噌の風味を味わって欲しいという理由から具材は至ってシンプルで豆腐、ネギ、えのきのみ。確かに味噌の風味が豊かで日本の味噌ともひと味違う。ほんのりとピリ辛飲み進めるにつれて滋味深さを増す。
--カルビクッパ--
赤い辛い系のクッパを想像したのだが、白いクッパで登場。お話を効くとカルビクッパはこれが本式で実は韓国の人でも知らない人が多いのだとか。
牛骨スープの円やかで優しい味わいで、肉そのものも旨い。具材に大根を入れるのも本来の姿であるらしい。
--ユッケジャンクッパ--
こちらもスープがマイルドで優しい味。辛さもさほど強くない。とにかく辛いものが食べたい方や刺激を求める方には不向きかも知れない。
--スンデクッパ--
新しく登場したメニューでスンデという腸詰めが入ったクッパになる。スープはテジクッパと同じ豚骨ベースのスープが使われているのでテジクッパと同様に調味料で和えてあるニラとアミの塩辛、にんにくと生姜が入った辛味噌を入れてから頂く。
スンデは八角が香るので好みは分かれるかも知れないが、ゼラチン質が多くテジクッパのスープにはよくマッチしている。何よりこのスープが秀逸。
ここまでがクッパをはじめとする汁物でテンジャンチゲが1,500円だがその他は1,100円という良心的。
以下は夜のメニュー。もっともランチでも注文は可能。
--チャプチェ--
一般的には甘くごま油が効いた料理ではあるが、こちらのチャプチェはひと味もふた味も違う。
甘さやごま油の香りは軽微で塩味がメイン。シンプルかつストイックなイメージだが、むしろ他の料理の邪魔にならない。
--海鮮チヂミ--
わざわざ韓国から取り寄せた粉を使用しているので全くの別物だという。確かにふんわりとした仕上がりで旨い。余った分はテイクアウトにもしてくれる。
--カムジャタン--
いい豚の骨が手に入ったとのことで作って頂いた。スープはテジクッパのスープがベースになっているので美味しい。辛さは控えめでマイルドなテイスト。最後は雑炊で頂く。
基本的に何を食べても美味しく満足度が高く、もはや最高尚宮(チェゴサングン)と呼びたい。
暑くなると冷麺を始めるらしいのでこちらも楽しみ。
2024/04/20 更新
2023/12 訪問
ソロンタンをも凌駕する滋味深いテジクッパ
ソロンタンを頂いた翌週にさっそく再訪。お目当てはオススメだと言われたテジクッパ。
昔、仕事でソウルに30回ほど行ったことがあるが、テジクッパは食べた記憶がない。それだけに興味津々。
いつもの様にキムチが供される。発酵が進んでいるのに食べやすい優しい味。
続いて、薬味が運ばれてきた。
生のニラとアミの塩辛、唐辛子系の調味料。ニラにはごま油と唐辛子で軽く下味が施されているようだ。
これをクッパの中に直ぐに投入し、アミの塩辛も半分くらい入れる。後は味を見ながら少しずつ足して行く。調味料はニンニクと生姜がベースのものでこちらはお好みで。と、事前に指南を受ける。
ほどなくしてテジクッパの登場。言われた通りに直ぐにニラとアミの塩辛を投入。
スープの見た目はソロンタンと変わらない白濁系のスープ。濁りはより少なくクリアな印象。
てっきりソロンタンと同じ牛骨スープを使っているものだと思っていたのだが、こちらは豚骨からスープを取っているのだとか。豚骨スープと言うと九州ラーメンはその代表だが、臭みを感じるお店も少なくない。
それに対してこちらのスープは一切臭みは感じられず、奥深いコクを感じる。油っぽいものが嫌いらしく、丁寧に油を取り除き作っているのだそうだ。その結果、すっきりとした雑味のない味わいに仕上がっているのだろう。ソロンタンと違ってアミの塩辛を入れることで味に複雑味が増して滋味深い。
聞けば、テジクッパを出すお店は日本では少ないのだそうだ。それだけちゃんとしたものを作ると手間が掛かるということらしい。
ますますこちらのお店は底知れなさを知った。さて、次は何を食べようか。
2024/02/10 更新
2023/12 訪問
隠れた名店の予感でいっぱい!ソロンタン専門店!
四つ目通りを北へ進み、蔵前橋通りを越えて1つ目の角を右に入った処にさりげなくお店を構えている。
前を通り掛かった時ずっと気になっていた。と言うのも都内でも珍しいソロンタンの専門店であるところ。更にソロンタンについて色々と蘊蓄が書かれているので、これはかなり骨があるお店なのだろうと感じていた。外観の写真は通りかかった時の写真で訪問はそれから2ヶ月後のこと。
土曜日のランチに訪問。先客はなし。終始貸し切り状態だった。
店内はテーブル席が1つに掘りごたつのテーブルが3つだけの小ぢんまりとした作りで、オモニひとりで切り盛りしている。
この地で27年も営業をされているらしいので一定のファンに支えられているのだろう。
壁に掲げられたランチメニューを見ると必ずしもソロンタンだけでなく、各種クッパやスンドゥブなども用意されている。いずれも、1,100円とお値段も良心的だ。
--ソロンタン--
初見なので看板メニューのこちらをお願いした。こちらのお店ではソルロンタンではなく、敢えてソロンタンと呼んでいる。リエゾンするので発音的にはこちらが正しいのかも知れない。
まず最初にカクテキと白菜キムチの盛り合わせが供された。
いぶし銀の光を放っていて、かなり発酵が進んでいそうな見た目ではあるが、赤い色がどぎつくなく、サーモンピンクに近い色彩。
実際、頂いても確かに発酵が進んでいる。通常、発酵が進んだキムチはどうしてもそのままでは食が進まず、鍋などにしたくなるのだが、こちらのキムチは不思議とそのまま頂いても嫌な感じがしない。
お話を聞くと韓国食材店で売られているようなキムチでも自分のところで作っているところは少なく、中国製が多いらしい。作り方も砂糖を使い1日で作るところが殆どだとか。こちらのお店では砂糖は使わず3日間掛けて作るのだそうだ。
恐らく砂糖の代わりに果物などで代用していると思われる。そのため、自然で優しい味に仕上がっているのだろう。いずれにしてもあまりお目に掛かることの出来ないタイプのキムチであることは間違いない。
少しキムチを食べ進んだところでソロンタンの登場。
かなりの白濁をイメージしていたのだが、予想に反して色は薄め。ライスは別添えではなく、クッパの様にスープの中。塩味も予め付けられているので自分で調整する必要がない。具材には他に牛肉、そうめん、ねぎ、ごまが入る。
スープの色は薄いものの牛骨の旨味が滲み出て、自然で優しい味わいながら、しっかりとコクがある。塩気もベストといえる塩梅でとても美味しい。肉にも味がよく染み込んでいる。
骨があるとは思っていたが、これは想像を遥かに上回る。
次回は間を置かずにオススメされたテジクッパを是非。
2024/01/20 更新
2024年最後の外食はこちら。考えてみれば2024年に訪問回数が多かった一軒でランチメニューはひと通り頂いた。
今年最後に選んだのはテジクッパ。こちらはソロンタンを看板にしているお店だが、テジクッパも負けず劣らない看板メニュー。ソルロンタンが牛骨から出汁を取るのに対してテジクッパは豚骨から出汁を取る。
丁寧に余分な脂を捨てながら出汁を取るので臭みや雑味のないすっきりとした深みのある味わい。具材である薄切りの豚肉も吟味されていて、味もよく染み込んでいている。
ニラやアミの塩辛、自家製のコチュジャンを入れながら好みの味に仕上げていくのが特徴だ。
テジクッパを頂けるお店は少ない中、このクオリティで頂けるのは貴重な存在。
キムチも手作りで自分の口に合わないものは出さないし作らないというポリシーが料理に表れている。
この二品以外にもテンジャンチゲもオススメ。ただし、ランチメニューではないのでランチメニューに比べて若干高い。