信州の恵、信州サーモン刺身、行者ニンニク醤油漬　再訪 : 卯屋

初回訪問は2012年。ちょー久しぶりに松本市の卯屋を再訪です。この店に限らず松本の店ってば日祝休が多いので意外と工程に組み込みづらいです。横浜⇔松本は近いのに勿体な～い。

さて、さっそく料理の紹介です。この店のスペシャリテは何と言っても"信州の恵"。全11品の盛合せでビジュアルも味もお得感も全てが揃った名品です。おまけに季節毎に11品の料理が変わるのも素晴らしい趣向です。

前回は春バージョンをいただいたので、夏バージョンはどんなお味かな？
過去口コミと比べて貰えれば判るけど、トウモロコシ/胡瓜/川エビ/ニジマスが新登場で、山菜系が交代退出な感じ。季節感があって良いですね。

中でもトウモロコシは<おひさまコーン7>という品種で糖度が高くチョーうま。信州味噌キノコ漬/明太舞茸といったキノコ系和え物も美味。マイナーな所では"コシアブラ味噌"も紹介したい1品。フキノトウ味噌と同じく茹でてから炒める味噌料理ですが、フキノトウの季節が終わったのでコシアブラで代用しちゃった料理。信州ならば夏まで楽しめて有難いっす。

お次は"酒の肴3品"。この料理は1人客に限っては\748で少量多品種を満喫できるのだけど、この日の私は嫁付きの2人客なので通常品を注文。まぁ嫁が運転してくれるお陰で、私は酒が飲めるんだから文句言ったら罰が当たるわな。3品と云いつつ肴4品出てくるのが嬉しい。

葉わさびのピリリ。蒸し玉ネギの甘みも充分だけど、信州サーモンの脂が殊のほかシッカリ乗ってて美味。信州サーモンってもっとパサついた印象だったけど認識を改めました。品種改良って凄いな。こーなると天然わさびとの相性も良くてグビグビと酒が進みます。

あと、天ぷらで提供された"アカジコ/乳茸"というキノコは、店の大将が山に入って採ってきたもので、そのキノコの珍しさと有難さを熱く説明する女将さんが可愛らしかったです。私はキノコの味は詳しくないけど、キノコ愛が伝わってきました。

そういや春の残り香も"行者ニンニク"で味わえました。醤油漬になってるとはいえ、葉ニンニクの刺激的な匂いと食感は、人と会わない週末だからこその美味しさです。これが\220って安過ぎ！

最後は"ニジマス味噌漬焼"。ほんのり染まった味噌の色合いは漬け込み時間1日位かな。時間をかけて身にシッカリ味噌を染み込ませるのでなく、浅漬けの味噌を焼いた香りを楽しむ料理ですな。信州サーモンに気を良くして熟成西京焼きを妄想してたのでチト肩透かしでしたが、これもたった\330なことを考えるとお買い得な味だと思います。

今宵もご馳走様でした。夏の信州を味わえて感謝です。
次回は、秋のキノコの季節に訪れるべきか、春の山菜の季節に訪れるべきか。迷います。女将さんのFacebook《うさ姫情報》を眺めていると、キノコ愛も山菜愛も凄そうで楽しみです。
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信州の恵<夏の巻>(\858)：トウモロコシ<おひさまコーン7>,野沢菜,胡瓜,ラディッシュ,コシアブラ味噌,桜肉しぐれ煮,信州味噌キノコ漬,わらび,川エビ,ニジマス甘露煮,明太舞茸
酒の肴3品(\1,760)：信州サーモン刺身,天ぷら<アカジコ/乳茸/オクラ/隠元>,玉ネギ蒸し,葉わさび
行者ニンニク醤油漬(\220),ニジマス味噌漬焼(\330),お通し<牡丹胡椒と馬肉ナス隠元>(\385)

高遠城と信濃大町で桜の花見を楽しんだ後に寄りました。松本市は中信地方の要衝なので、北信/南信/東信など信濃中の郷土料理が集まって食文化も融合しています。なんでもアリって感じ。。。そんな中、卯屋は旬の季節料理と郷土料理を少量多品種で提供してくれる有難いお店です。

まずは料理のご紹介。
信州の恵<春の巻>は、30cm四方の大皿に全11品の料理が鎮座してます。信州らしく桜肉<馬肉>も嬉しいですが、山菜も、のびる/土筆/こごみ/山うど/蕗など季節感満載です。こごみや山うどは定番として、土筆を頂くのは20年ぶりでレア度が高いです。

これでたったの\780なんて、未だかつてない最高位のCPです。<春の巻>って商品名も良いですよね。<夏の巻>も<秋の巻>も<冬の巻>もきっと目に鮮やかなんだろうなぁ。。

酒の肴3品ってのも凄いです。春の山菜を中心に全7品で、3品って嘘じゃん！。こっちもCP良過ぎで、新橋の魚金の刺身3点盛りを彷彿させます。魚金の場合、メニュー上は3点盛りなのに実際は全7品の鮮魚です。

そしてトドメは虫シリーズ。虫とはいえ甘露煮なのでイナゴ、はちの子、蚕のさなぎは似た様な味なのですが、ザザムシは特に個性があります。甘露煮なのに川苔の苦みがビシビシと伝わって来ます。

珍品です。店主に聞くと「12月～2月の水量が少ない時期に、天竜川に限って"虫踏み"という漁法で獲るんです。地元の伊那市でも食べる機会は少なくなっています」と嬉しいウンチク説明。私以外にも全てのお客に小まめに食材説明しています。

例えば、山賊焼き＝鶏の唐揚げ。鶏を揚げる≒取り上げる≒山賊。というシャレらしいのですが、山賊"揚げ"でなく山賊"焼き"な理由は「昔は油が貴重で唐揚げなど出来ず、フライパンに油を薄く敷いて、片面ずつ両面を焼いたから山賊焼きと呼ぶようになった」等々です。

更にキワモノが食べたくて、
　　私　：馬もつ煮って"おたぐり"の事ですよね。飯田市の郷土料理ですか？
　　店主：いいえ。飯田の"おたぐり"ほどコッテリしてなくて、ウチのはアッサリ系です。
なるほど、食してみて飯田駅前の〆清の獣臭いおたぐりとは別物を実感。店主が"おたぐり"とは区別している理由が解りました。

卯屋の馬もつ煮は臭みが殆ど無いです。馬の小腸の臭みを抜くのって大変でしょうから手間が掛っていると思います。初めて信州に来た人には卯屋の馬もつ煮を奨めますが、珍味好きの人には飯田の〆清の方が良いかもしれません。

ご馳走様でした。桜花見も山菜も馬も虫も全て美味しかったです。次回は別の季節に寄らせてください。　信州は関東より桜の満開が3weekほど遅れるので花見が2回楽しめてHappyです。私の場合は、GW後半戦で東北の角館と弘前に行くので花見を3回以上楽しむのですが………笑
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信州の恵<春の巻>(\780)：くらかけ豆お浸し,桜肉あぶり焼,ラディッシュ,のびる,辛みそ,桜肉キンピラ,土筆キンピラ,こごみと椎茸うま煮,山うどの和え物,ふき煮物,梅わさび
酒の肴3品(\680)：天麩羅<タラの芽/山うど/コシアブラ>,お浸し<野沢菜/葉わさび/あずき菜>,うなぎの骨揚げ
お宝珍味4種(\880)：イナゴ,はちの子,蚕のさなぎ,ザザムシ,こごみとシメジと磯貝の和え物
馬もつ煮(\400),お通し<わらびと塩丸イカ>(\200)