潮の香りとさのやの今川焼き！ : さのや 今川焼店

関東最東端、銚子犬吠(いぬぼう)埼。
対岸はアメリカ西海岸、憧れのサンフランシスコ。
オリンピック選手なら泳いで行けるかな？

夏でもさほど暑くならないのが銚子の街だけれど、それでもやっぱり少し歩くたびに汗ばんできます。

銚子観音の下にある、今川焼きのさのやさん。
最近、銚子観光には欠かせないお店として、大勢のお客さんがやってきます。
今日も行列するほどの大人気！
最近、340円で売り出し中のかき氷がバカ売れで、今川焼のお客さんと入り乱れ。
鉄板の前で汗だくになって、一つ一つ今川焼きを焼くお店の皆さんは、本当に大変ですね。

小麦粉、油、それにガス代、電気代、全てコストアップの世の中。
昔に比べて少々高くなってしまった今川焼きだけど、さのやさんでは10円ずつ、少しずつの値上げだから、みんな我慢してね。

黒餡(160円)
ゴワッと強い皮に包まれた、樽型の今川焼。
思いっきり齧っても、なかなか噛み切れないほどの強い生地。
割ると溢れる艶々の甘い黒餡。
小豆のコクに、しっかりした甘さ。
この街でもう何十年もやってきたさのやさん。
頑固なまでに守り抜く、自分たちの味へのこだわり。

今川焼を頬張ったあとは、銚子電鉄に揺られて。
さのやさんみたいに、銚子の街を盛り上げるのに欠かせない、小さなローカル線。
なんとか自分たちの線路を守り抜こうと、地域と一緒に頑張る人たちがそこにいます。

銚子観音下の「さのや」さん。
この街にやって来ると必ず立ち寄りますから、いったい何度目の訪問だろうか？
狭い路地から入って、門前の広場みたいな場所へ。

今頃は17時でもまだ日が高いけど、そろそろ店仕舞いの時間。
これでも、昔よりは少し遅くまでやってくれています。
ちょうど、最後の焼き上がりにありつけたから、店内で腰かけて。

最近、かき氷とか日世のソフトとか、夏枯れ対策に余念がないさのやさん。
でも、ここに来たら、きっぱり大判焼。
冷たいお茶をポットから注ぎます。

白餡、黒餡、ひとつずつ。
焼きたて、あちち！
太鼓みたいな形で、ずんぐり、ずっしり。
生地の引っ張りは、相変わらず物凄く強い。
なかから、熱くてとろとろの餡が。
これが、しっかり甘くて味が濃い。

黒いの、白いの、豆の香りを堪能しながらお茶を啜るのが、何時もの食べ方。
生地も餡も、強い、こわい、甘い、濃い。
このバランスを何時までも頑なに守る。
銚子に来ないと食べられない、オンリーワンの旨さですね。

千葉県銚子・飯沼観音のすぐお隣。
今や銚子観光には欠かせない題材とまで言われる「さのや」の今川焼。
週末、お店の前には買い求める人たちがひっきりなしにやって来ます。

焼き台は、お店のみなさん総出で、次々粉を流し、餡を落として。
まだちょっと汗ばむ９月だというのに、焜炉はフル稼働です。
コンビニのおでんも早速セールを始めているのを見るとわかるけど、こういうものは、気温が下がっていく初っ端、飛ぶように売れるものなのだそうです。

大きなウイスキー樽のような形をした今川焼は、黒、白それぞれ140円。
かなり大きな部類だから、とても食べ応えがあります。
引っ張りの強いごわっ！とした生地を噛み切ると、中から溢れてくるトロトロの餡。
生地が強ければ、餡もまたしっかり甘い。
この最高の旨さは、さのやさんならではの無二の個性。
のんびりお茶を飲みながら、店内で焼きたてを食べて行くのが、やっぱり最高ですね。

銚子の街歩きには欠かせないこの大判焼き。
歩いていく人は観音様の五重の塔が目印。
ちょっと狭い道を入っていくから、クルマの運転や駐車にはくれぐれもご注意を！

(2015/09 ５稿)

久しぶりに銚子の街へ。
ときおり、涼しい秋の風が海から吹いてきます。
銚子と言えば、犬吠崎の灯台、漁港に魚市場、ヤマサ醤油、そして何より欠かせないのが「さのやの大判焼き」ですね。

ウイスキーの樽みたいな、とても重厚な見てくれ。
熱々の焼き立てを齧ろうと手にすると、ずっしり重たく、ぎっしり中身が詰まっているのがわかります。
噛み切るのに難儀するほど強くごわごわした生地は、噛むとじんわり、粉もの特有のふくよかな旨みが溢れてきます。
熱々のところを割ってみると、トロトロに煮えた餡子が山のように溢れてくる。
これ、普通の大判焼きの二つ分くらいのボリュームがある感じですね。

銚子と言えば、もう一つ忘れてはいけない名物が、銚子電鉄。
赤字を補うのは、なんと鉄道会社自身が焼いている、銚電ぬれ煎餅なる副業製品。
副業と侮るなかれ、ずっと運輸収入を凌ぐ売り上げなのだと。

それでも苦しい、銚子電鉄の台所事情。
自治体やサポーターの支援にも限界があって、いまは減便してなんとかしのいでいる状況なのだとか。
仲ノ町の車庫では、四国松山の伊予鉄道からやってきた、お古の「新車」が、来春のデビューに向けた改修工事を受けていました。


(2013/08 ４稿)

いつもなら、ときおり心地よい潮風がそよいでくる銚子の街。
今年は、黙って立っているだけでも汗が噴き出してくる厳しい残暑。
港町を見守る飯沼観音の門前にある、お馴染みの「さのや」さんへ。

寒い季節なら予約をしないと夕方に売り切れる大判焼きも、この酷暑ですからなかなか厳しい様子。
腰かけて店内を眺めると、かき氷をやっているのだと。
嬉しいことに、ちょっと食べていける「小さめ」サイズでの注文ができる。
さっそく、「あずきミルク」を小さめ(260円)で頼んでみます。

店内の氷かき器で削って、涼しげなガラス器に盛られてきた氷は、薄黄の練乳色。
キラキラ光る氷をスプーンで口にすると、キーンと頭のてっぺんに響く刺激が。
中の方に練り餡が入っていて、やはり大判焼き同様、コクのある小豆そのものの味が旨い。

こんな暑いときでも、大判焼きは当然買って帰ります。
原料高だそうで、ひとつ140円になってしまったのがちょっとだけ残念。
白餡をひとつ別注文してお茶で一服。
ゴワッとした引っ張りの強さが特徴の生地は相変わらず。
とても香りの良い餡、それに甘さとコクの強さには、数種ブレンドするという砂糖の配合も一役買っているか。

暑い季節だからと、敬遠していてはもったいない・・・・・・
銚子に来たなら欠かせない、唯一無二の逸品ですね。


(2011/12 再々稿)

年の瀬の週末に銚子へ。
犬吠崎にも近い外川(とがわ)まで銚子電鉄に揺られ、懐かしい海辺の風景を訪ねてから、再び舞い戻った銚子の街。
ヤマサ醤油の工場にも近い小さな駅を降り、銚子観音まで向かった目的は、当然「さのや」さんの今川焼きですね。

総出での焼き作業。
どんどん焼きあがる１個130円の今川焼きは、酒樽のようなずんぐりむっくりした独特の形です。
コシのある、とても強い皮に、ずっしり持ち重りがするほどの餡子が。
黒餡も白餡も、昔懐かしいしっかりした甘さ。
それでいて白いんげん、赤えんどう、小豆といった素材の、そのものの旨さがぎっしり詰まっています。
銚子に来たら、これを買わなきゃ・・・・・

行く年来る年、来年こそは平穏な一年でありたいものです。
犬吠崎での迎光、今年は海も穏かに、大勢の来訪者で賑わうと良いですね。


(2010/09 再稿)

銚子の街を散策したら、当然買って帰りたいのが、銚子観音のまさに門前にある「佐野屋」さんの今川焼ですね。
電話して取り置いてもらうこともできます。
この今川焼、一見してとても個性的。
ウイスキーの醸造樽のようなずんぐりゴロゴロした恰好をしていて、ずっしりとした密度感。
白餡も黒餡も、とにかくぎっしりと詰まっています。

家に持ち帰る前に、店頭で黒餡を一つ・・・
齧るというより、噛みちぎるほどの強い皮。
中からはトロリと蜜の香りがする、かなり甘い餡。
赤えんどう豆の味と香りもしっかり。
黒、白それぞれ糖類の配合には工夫があるのでしょう・・・・
まさに銚子が誇る名店ですね。


(2009/02 初稿)

久しぶりに銚子へやってきました。
そろそろ揚がり出す筈の旨い鰯が食べたくてひたすら利根川沿いに車を走らせたのですが、運悪く銚子が近付くにつれ冬の嵐はだんだん強くなるばかり、犬吠では風が強くて外にも出られない始末。
「これではしばらく春の鰯どころか何の船も出られないよ」と、港の魚屋に言われて・・・・
どうしようかと途方に暮れていたところ、仕方ない、せめて佐野屋の今川焼を買って帰ろうと、飯沼観音の参道へと入っていきます。
相変わらず、地元でも大人気の「佐野屋」さんの今川焼。
白餡は私でちょうど売り切れでした。
こういうところだけは運が良いから皮肉なもの。
土産を別に包んでから、テーブル席に腰掛け、番茶を淹れてもらいます。

まず、この今川焼、一見して皮がごつごつとしたボリューム満点な仕上がり。
強い皮がぎっしりと旨みを閉じ込めているのですね。

まず白餡(130円)を。
熱々の皮を割ると、中からとろりと白餡が溢れてくる。
とにかく甘い！厭らしい甘みではなく、しっかりした旨い甘さです。
手亡豆の風味とと微かな蜂蜜の香り。
出来立てがこんなに旨いとは。
先日、熊本の蜂楽饅頭を食べて、その控えめな甘みの手亡豆の旨さに感激したのですが、この今川焼はそれとはまったくの対極に位置する、甘さをしっかり主張しての旨さです。

黒餡(130円)は、これもまさに、ぎっしりと密度の高い餡です。白餡のとろとろではなく、ぎっしり、ずっしり、しっかり旨い。
餡がぎっしりなら、皮も強く、旨い。
国内産原料を使っているという安心感もありますし、人気のほどが頷けますね。