朝マックも、なかなか美味しいぞ♪ : マクドナルド 高幡不動店

大晦日のその日、義父から”お節“を頂くのが最近年末の慣わしとなっている。ここ最近、義父は、近所の和民の宅配弁当で知り合った方から、お節を購入していた。今年も自宅用にお節を注文し、娘夫婦にも買い与えてくれた。

年末、車を修理に出しているので、電車を乗り継ぎ、歩きで義父母の家へと向かった。
お節を貰うだけでは心苦しいので、大掃除と風呂掃除をすることにした。

実は義父母は、マクドナルドのハンバーガーが大好きだ。特に義父は肉はビーフしか口にしなかった。
駅前にマクドナルドがあるので、昼は3人でハンバーガーを楽しむことにしよう。

駅に隣接する京王ストアで、義父母用に年越しそばの海老天などを買ってから利用した。
店内に入ると、意外にもレジ前は5人ほど列を作っていた。

10分ほど並び、自分の番になって注文すると、まだモーニングの時間帯だった。ポテトフライも、残念ながらこの時間は提供していなかった。
仕方がないが、モーニングメニューから“メガマフィン”を3つ、テークアウトで注文した。

注文を終え、待ちテーブルに腰掛けて、提供されるのを待とう。
自分が注文した後も、レジ前は注文の列が伸びた。年末だからか、なかなか繁盛しているようだ。

駅からバスと思ったが、あいにく駅前の停留所にはバスはない。天気は良いし、体にも良いか、15分歩こうか…

義父母宅に着くと、挨拶はそこそこに、まずは風呂掃除からした。それが終わると、1階のキッチン、洗面所、リビングのモップ掛けをした。
全て終えると、お楽しみのランチタイムだった。

義母は”これ、な〜に“と、ハンバーガーの入った紙包みを指差し聞いた。ハンバーガーと答え、またしばらくすると、”これ、な〜に“と聞いた。ボクは同じ答えを返した。

マックのモーニングは、久しく口にしていなかった。それどころか、マクドナルド自体、それほど食べることはなかった。
そう言うこともあり、モーニングメニューの“メガマフィン”はさほど期待してはいなかった。

食べてみると、義父は”うまいなあw“と言って、さらに口にした。
マフィンにビッグなパテ、目玉焼き、たっぷりのチーズと、かなりボリュームがあって食べごたえの良さを感じた。実際、“朝”メニューとは思えないほどに、ボリュームはある。モーニングなら、相当なカロリー摂取のはずだ。

マクドナルドのハンバーガーとポテトが好きな義母も、無言だったが満足そうに口にした。モーニングメニューで、ポテトが買えなかったのが残念だった。

ハンバーガーひとつだけではあったが、ペロっと口にする義父は94、義母は89だ。
食欲こそが、健康のバロメーター…
そう思わずには、いられない2人の食欲だった。

帰り際、義母は”お母さんは元気…？“と聞いた。
“10年前亡くなり、義母(おかあ)さんも葬式に来たよ”と告げると、義母は”え〜“と返した。
またしばらくして、義母は“お母さんは元気…？”と聞いた。

コロナで外出の機会がめっきり減ってしまって、すでに2年以上になった。その間、生活様式はだいぶ変わった。買い物はネット通販、外での仲間うちでの飲食はほぼなくなってしまった。
聴かなくなっていたラジオを、毎日聴くようになっていた。

車に乗り、エンジンを掛けてラジオのスイッチをオンにした。設定しているFM局の女性の快活な声が、相手の男性とのやりとりが相まって耳に入った。
適度な会話の軽妙なふたりのやりとり、途中句切れの良いところで歌が掛かるのを聞き流しながら車を走らせた。

祝日の今日は、義父母の買い物の付き添いをすることにした。自分が行くことは、ふたりには特に伝えてはいなかった。相方は走行する車の中から、義母に電話しふたりで向かっていることを伝えた。

10時を回っているので、義母と3人、そのままスーパーに買い物に行くことにした。義父は家で留守番すると言った。

義父母ふたりは、月に１回、病院の帰りにマクドナルドでハンバーガーとフライドポテトを買って楽しんでいる。
義父は、ハンバーガーの新商品、コマーシャルをしている“肉厚ビーフ”を、買って欲しいと注文した。今年92になるが、量こそ食べないが食欲あるのが、何より健康の証だろう。

スーパーの駐車場に着き、ふたりは買い物へ、ボクはマックへと向かった。
店内に入ると、まだ11時を回ったばかりの時間だったが、既にイートインして楽しむ客が大勢いて、結構テーブル席は埋まっている。入口そばのウエーディングスペースでは、テークアウト客が料理が出来るのを待っていた。

メニューを見るなり、気になる料理を次々と注文した。
義父が食べたがったビーフペッパーチーズ、グリルチキンソルト&レモン、フィレオフィッシュバーガー、ひとくちチュロス、マックフライドポテトＬ、と各ふたつづつ注文した。

出来上がりまで少し時間が掛かると言われたので、店鋪外で待つことにした。5分ちょうどで戻ると、棚には、大きく膨らんだ紙袋がひとつある。紙袋にある番号札を確認し、スタッフに告げて紙袋を貰った。

家に戻り紙袋からバーガーを取り、テーブルに乗せた。他にコーヒー、それにりんご、デコポンが並ぶと、食卓は一気に華やかになった。

義父と同じく、ビーフペッパーチーズ、それに定番のフィレオフィッシュにした。フライドポテト、ひとくちチュロスは、みんなで分け合って楽しもう。


“ビーフペッパーチーズ”は、マックらしいパサついたハンバーグで、多少胡椒が効いていた。スライスチーズ付くと、さらにジャンク感が増した。

大好きな“フィレオフィッシュ”は、白身魚に瑞々しさはなかった。それでもタルタルソースが乗って、良い仕上がりになっている。

テークアウトすると、フライドポテトはくったりとした。塩気が効いてないのが、さらに残念だった。持ち帰りは初めてではないので、こんなものだろうと思う。

限定の“ひとくちチュロス”はかなり小さいチェロキーが、一箱に4つ入っている。外側は全く甘さがなく、カリっとした食感だ。噛じるとドロんとした液状の、甘くて苦いチョコレートソースが口の中で流れた。残った一箱は、義父母のオヤツに残しておこう。

3時になったので、そろそろ帰るとしよう。
ふたりは寂しそうにしていた。笑顔で“また来る”と告げた。カーポートでエンジンを掛けると、ふたりは家から出てきた。
義母は杖を突きながら、左右から車が来ないかを確認してくれた。
窓を開けて挨拶をすると、義母はボクに小遣いをくれた。前回は断って怒られたから、今日は快く受け取ろう。
笑顔で送る義母は、さらに認知症が進んでしまっていたのが分かった。