４年振りでテラス再訪〜♬ : イル・ボッカローネ

あまりの暑さに急遽！予約していたランチをキャンセルして遠いけれど冷房
の効いた店内でベアトリーチェとゆっく〜り〜寛げる インプレスト・カフェ
におじゃましたことがありましたが、一週間前ランチを予約していたのは此
のお店で実に４年振りのディナーでの再訪となりました。アンジェリーナの
写真を撮った懐かしい階段の上でベアトリーチェも一枚〜♬ で記念撮影をし
ておりますとマッシモが "お久し振りじゃないですか！” と出てらして E da
lontano che non ci vediamo!! と私・・驚いたことに！ 彼は私達とアンジ
ェリーナ（ベアトリーチェはアンジェリーナだったに違いなく！）私が飲ん
だワイン、クルマの種類と色まで（あのクルマは僕が憧れていて買いたかっ
たクルマだったから、と仰っていましたが）正確に記憶していらして〜さす
が此の道のプロ！でもテラスもテーブル・クロスも、テラスから見る店内の
雰囲気、イル・ボッカローネもスタッフの笑顔と刺繍入りストライプのシャ
ツに至るまで何ひとつ変わっていません。昨年１１月に３０周年を迎えたと
のお話〜凄いですよネッ！”うちはずっとスタイル変えないから〜うちに合う
お客さんだけだから” とマッシモ・・今年はどこにも行かれない夏でしたの
で私はイタリア語で短い会話ができるだけでもイタリアに旅した気分〜♬ が
味わえて！！Non funziona?→ 壁付けになっている２台の扇風機を点けて戴
き ”今日はどんな気分？お肉？魚？カルパッチョ？フリットは穴子もあるし
E da bere?” と前回と同様アップテンポなマッシモ・コールも昔と変わらず、
泡はフランチャコルタ（¥１２００）でした。嬉しい〜〜♬

私は穴子が気になり、フライ・フライになってしまいましたがフリット・ミ
スト（ヤリイカ入り ¥１８００）に穴子のフリットを入れて戴いてモッツァ
レラとアンチョビを詰めた花ズッキーニのフリット（茎が太くて美味 ¥１８
００）と一緒盛りで〜♬ 昨今は真夏でも花ズッキーニがあるんですネ！ 基
本中の基本とは言え、イタリアンで最初にテーブルに載る自家製グリッシー
ニとフォッカッチャが美味しいとそのお店のグレードがわかりますしディナ
ーが ’倍’ 美味しくなります。ワインはドルチェット・ダルバ（D.O.C.G.ソ
リ・コスタ・フィオーレ¥５３００）をお願いしてランゲの丘の紅葉ラベル
登場〜♬ と、同時に初めて見るデリバリーのロゴがエントランスに！ファイ
ンダインでもウーバーでもない MENU２０２０！！ たぶん今年できた会社
なのでしょう〜これまで、私はお玄関でファインダインのデリバリーを受け
取るだけでしたのでお店での遣り取りをリアル・タイムで見て私はデリバリ
ー・ボーイの仕事振りに惚れ惚れ〜♬ 最初に小さな前菜のパックが一つ来
て次に大きなパック二つとピッツァが入ったかなり大きなパックが出てきた
のですが、お店のスタッフは厨房からパックを持って出て来るだけで袋の大
きさに応じて背負っているバックパックにどういう順番でどんな風に詰める
かはデリバリー・ボーイが瞬時に判断して要領よく積み込んで行きます。い
つもファインダインをとっておりますのでオーダーと同時にデリバリー・タ
イムが PC の画面に表示され、今までに一度も遅れたことがありませんので
彼らが日々いかに神業のような仕事をしているのかがわかりました。彼がオ
ーダーを待っている間に一日どのくらい運ぶの？と質問してみましたら２０
回くらいが平均とのお答・・この日テラスは私達の貸切でしたので一連の作
業をライブで拝見させて戴きました。猛暑が続きます・・頑張ってネ！

フリットの後はサルシッチャの炭火焼き（粒マスタードがいらない美味しさ
¥１１００x２）と絶品ポルチーニのフェットチーネ（¥２０００）をいただ
き大満足〜♬ 頃合いを見計らって甘いものはどうしますか？と現れたマッ
シモに ”今日はそこで先月オープンしたお店を見つけてデザートをお取り置
きして戴いてるのでピックアップして帰って〜お家で〜♬”→ 新しいお店？
どこどこ？→ この道を戻って１００メートルくらいのところ、TO GO 専門
店で夜は８pm まで→ じゃぁ明日行ってみます！！というチェック前の展開
でございました。イル・ボッカローネの前は恵比寿東公園ですが左に真っ直
ぐ行くと ブルーパパイア が見えて、その手前に見覚えのある恵比寿横丁の
看板！ここが ベコヒラ に通じていたとは！！ 知っているようで知らない
ことがまだまだある恵比寿・・イル・ボッカローネのライオンと猪は恵比寿
が飲食店激戦区と言われるようになる前から此の街を見てきたのでした。ブ
レないターゲット、ビジュアルで勝負するイタリアンではないブレないお料
理で〜どうぞ、これからも此の地で末長く！！

１９９０年代初めに近所にお勤めだったお友達と一度・・オープン当初から
知る人ぞ知るの名店でしたが、どちらかと申しますと私達はビスボッチャ党
で近年は基本的にアンジェリーナと一緒に行かれるお店優先ですのでおじゃ
まする機会を逸しておりました。ところが、先日珊瑚の帰りにクルマでお店
の前を通りましたらサルヴァトーレ・ダリ風イタリア人がエントランス前に
立っていらして窓からアンジェリーナも顔を出すと ”一緒にいいですよ〜♬”

３週間後の火曜日〜夕方早めの時間に予約を入れてアンジェリーナとテラス
へ・・”よく来ましたネッ！”とマッシモのお出迎え〜♬ アンジェリーナにお
水をお願い致しましたら "ガス入りに致しましょうか？” と茶目っ気たっぷ
り〜私はイタリア人やフランス人のエスプリにはいつも感心するのですが、
こういう軽妙なやりとりは一朝一夕にはできないものです。特に真面目な日
本人は苦手かも・・此の時点でイタリアへようこそ！ 私はすっかり嬉しく
なって錆び付きつつあるイタリア語もポンポン出ようというものです。”明
日から２週間サルデーニャに里帰りします” と伺って・・ワイン・リストに
は大好きなアマローネやバローロもありましたが北のワインではなく、彼お
薦めのサルデニアの赤に決めました。カンノナウ・ディ・サルデーニャはコ
ロナ・マイヨーレ（￥７２００）シチリアのネロ・ダーヴォラが ￥４５００
ですからワインの値付けは少々お高めでございます。”日本に来る前サルデー
ニャのレストランで出していたワインです” と、ひと言添えられて出てまい
りましたのでマッシモは此処（勤続２７年！！）だけでなく、リストランテ
一筋の人生を送られてきた方だったのですネッ！ ふくよかなアロマと豊かな
果実味、柔らかなフル・ボディー・・お薦めに間違いなし！！

イル・ボッカローネのテーマ・カラーは元気になれるイエローでテラス横に
置かれたプランターにはトマトやナスなどが植えられていて家庭菜園風〜♬
テーブルに置かれたパンの上にインゲンが下がっていて和みます。グリッシ
ーニが香ばしい！！ 夏の夕方〜芳香を放つ熟成感あふれる南イタリアの赤と
美味しい自家製パンでゆっくりメニュー選び〜♬ なんという贅沢な時間で
しょう〜♬ パーネ・エ・コペルト一名様 ￥５８０という記載がメニューの
イチバン上にありましたが２８年前は ￥２００くらいだったのかしら・・
大羽鰯のマリネとオレンジのサラダ（￥１４１０）の後は燻製スカモルツァ
の鉄板焼き（￥１３２０）と活アサリとシラスのスパゲッティ（￥１６００）
をお願い致しました。代表的なアンティパスティ１４種類に続くイ・プリミ
・ピアッティは今でこそ珍しくなくなりましたが大きなパルミジャーノで作
るリゾット（￥１８００）を含む１４種類〜パスタもスパゲッティ、リング
イネ、フェットチーネ、ブッカティーニ、パッパルデッレと代表格を揃え、
それぞれの属性が最大限に活かされる素材との組み合わせで見事にコンパク
トにまとめられています。セコンディも同様に品数より個々のお肉の特性と
魅力を最大限に引き出す調理法に絞られていてグリルはビスボッチャのよう
には目立ちませんがダイニング中央に両店共通のシンボルであるかのように
秤が置いてあります。モットーはイタリアの基本に忠実なれ〜でしょうか！

スカモルツァの鉄板焼きは必ずしも料理人の技を必要とする一品ではありま
せんが文句なしに美味！！ 赤ワイン万歳で・・♬ 活アサリのスパゲッティ
は太めのアルデンテで食べ応え充分〜香り豊かで甘い余韻が残ります。オリ
ーブ・オイルに甘みがあるのかしら・・この余韻は初めてでした。お客様続
々ご来店で７pm には店内満席となりました。４,５人のグループが主流です
が大人の男性二人組も多く、イタリア人男性お一人様がバー・カウンター前
のお一人様テーブルに着かれたりして〜目新しいモノには見向きもせず、ひ
たすら我が道を歩んで来たイル・ボッカローネならでは風格が漂います。お
肉は骨付き仔羊のカッチャトーラ（猟師風ソテー ￥２６００）をいただきま
した。絶品ソースで柔らかくジューシーな仔羊を堪能〜♬ コントルノはパル
ミジャーノが振られたホウレン草のソテーとキノコのソテー、どちらも山盛
りイタリアン・ポーションでドーーンと！！（コントルノは一律 ￥６５０）
情けない私達は此の日ドルチェまで辿り着けませんでしたが思い残すことな
く大満足・・右はアンジェリーナ一匹がやっと、左はテーブルまで迫るイン
ゲンのプランターという激狭コーナーながら足元には蚊取りの豚さんがいて
賑わう店内をガラス越しに見ながら離れ小島といった風情で愉しめました。

マッシモだけでなく、お揃いのロゴ入り刺繍ストライプ・シャツでピシッと
決めたフロアー・スタッフの一人一人が素晴らしく、全員がそれぞれのポジ
ションのプロで〜♬ 本当に気持のよいリストランテでございます。タクシ
ーを私の目の前で下りた男性二人組がイタリア人で ”昔来たら旨かった” と
いう会話が聞こえて〜その後６０代と思しき日本人ビジネスマン x３とすれ
違った時も ”ここは間違いないですから” という一言が聞こえてきたことも
嬉しい〜イル・ボッカローネは〜四半世紀振りのディナーでございました。