年末だし、大学生の皆様におかれましては就活を考え始めるシーズンだと思う。美術大学に通っていたころ、大学3年のこの時期は、自分の作品をまとめたポートフォリオを作っていた。
そこで、デザイン系の就職活動を前提にしたポートフォリオ作りにおいて、これだけは忘れず載せるといいですよっていう要素を挙げます。なおこの記事では、作品自体の良し悪しやポートフォリオのデザインについては言及しない。また、他の(デザイン系以外の)業種で当てはまるかは知らないので、そのことも考慮しない。
これだけは載せとけっていうやつ
それは、「作品のキャプション」である。ここでいうキャプションとは、下記のような情報を指す。
- それは何か
- なぜ作ったか(学校の課題? コンペ? 仕事?)
- いつ作ったか(制作期間は?)
- 誰と作ったか(一人で? 共同制作で? 自分の担当箇所は?)
なぜ必要か
キャプション、あったほうがよいというより、ないと困るといったほうがよいかもしれない。たとえば上記で挙げた4項目からは、次のようなことがわかる。
- それは何か
- 写真や画像を見ただけでは把握できない作品概要がわかる
- なぜ作ったか(学校の課題? コンペ? 仕事?)
- 自発性や課外活動への力の入れ具合がわかる。仕事してればスキルの証明にもなる
- いつ作ったか(制作期間は?)
- 制作時期では作った年齢、制作期間では仕事の速さがわかる
- 誰と作ったか(一人で? 共同制作で? 自分の担当箇所は?)
- 持ってるスキルがわかる。企画まで担当していれば企画力があるとかもわかる
ありがちなのが、とにかくシンプルにまとめようという意識が働きすぎて、作品写真だけとか、情報が少なすぎるポートフォリオ。そういうポートフォリオの作り方もないわけではないが、僕がキャプションを載せるのをおすすめしたい理由は、(特に就職活動で)これらの情報は意外と重視されるからだ。
とりわけ、共同制作の作品を載せる場合、自分の担当箇所を記載するのを忘れると結構読む側は困る。読む側としては、どんなスキルセットがあるのか知りたいのだから、たとえば採用した後になってやっぱりデザインだけしかできなくてコーディングはできませんでしたとか、企画はやったことありませんでした、となると、話が違うじゃないかという感じで困る。そうならないように、担当箇所が曖昧であれば普通は面接官が質問するのだろうけど、いちいち質疑応答するのも面倒だし、ポートフォリオに書いてあれば親切。
僕はわりと学生のポートフォリオを色々見てきたほうだと思っていて、僕の通っていた学科では学年全員分(100人分)のポートフォリオを見比べる行事が開催されていたし、就活中は先輩とか同期のを色々見た。自分の就活を終えてからは、逆に採用する側の視点から応募者のポートフォリオを見たこともある。そうしてポートフォリオを見ているうちに、段々と上記のようなことが分かってきたので知見として記事に書いた。