絵金祭り&アドベンチャラスな高知山間部の旅(一日目・夜)~土佐藩のお抱え絵師から市井に身を転じた反骨の絵師、絵金。おどろおどろしいモチーフも渾身の人間観察で描き切った作品が揺らめく蝋燭の灯りの先に浮かび上がります~
2017/07/15 - 2017/07/15
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たびたびさん
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今回の高知旅の一番の目的は、この絵金祭り。高知に住んでいた時にも、これは行けずじまい。後になって、行かなかったことを後悔していましたが、満を持しての初見物です。
絵金祭りは、赤岡の個人が所有する絵師金蔵の屏風絵をまとめて披露するお祭り。なるほど。夕方近くから始まって、段々夜暗くなってくるとろうそくに照らされた屏風絵は一段と迫力が増して、雰囲気が出てきます。
合わせて、歌舞伎の公演も行われていて、これもなかなか本格的。玄人はだしの芸を堪能しましたが、どうしてここまでのことができるのか。高知が田舎だと思っていると、まったくそんなことはない。関東の周辺でも素人歌舞伎がありますが、ここまでのレベルはちょっとお目にかかれないと思います。
ところで、本文の絵金の屏風への説明書は屏風の傍らにあったものや違うところから持ってきたものとか雑多。正確でない点や錯綜しているところもあって分かりにくいかも。人間模様が複雑なだけではなく、それも実はこれこれという隠れた背景があるものばかりで、テーマがてんこ盛りなんですよね。たぶん、初めの筋書にだんだん工夫が加えられていくのでしょう。歌舞伎の世界、講談の世界は、そんなに簡単に攻略できるものではありませんね。それも、改めて、強く感じさせられた次第です。
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龍河洞から赤岡町に到着。夜の絵金まつりの前にこちらで腹ごしらえです。
晩飯は予約していたあわびめし栄楽なんですが、場所が分からなくてちょっとうろうろ。 -
この辺なんだけどなあと、迷い込んだ感じの手結住吉海岸です。でも、国道から入ると広いコンクリートの駐車場やトイレもあって、設備が整っている感じ。
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海岸の方に出てみると防波堤に囲まれた静かな入江でセーリングをしている人がたくさん。ヨットの愛好家の聖地的な場所になっているようです。
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すると、あわびめし栄楽は、手結住吉海岸の駐車場の奥に建っていました。レトロな雰囲気ですが、海水浴を楽しんだ後にここで食事を楽しむ海の家といった感じにも見えなくはないですね。
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さて、予め予約をしていたのですが、お客さんはまばら。そう神経質にならなくてもよかったみたいですね。
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いただいたのはあわび飯の定食。ただ、いろんなランクがあって、けっこう値段に差があります。
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イチオシ
あわび飯はこれなんですが、えっと、おいしさはまあそこそこかなあ。
一方で、海老のフライとかいろいろついているおかず料理のおいしさは料亭みたいに、びっくりするほど繊細で味わい深いじゃないですか。これは明らかに名店。不便な場所にあっても、これならちゃんと固定客がいるんだろうと思います。いいお店です。 -
そこから、移動して赤岡の市街へ。特設の無料駐車場からはしばらく歩きます。
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祭りの準備ですかあ。これは、武市神栄堂菓子店。地元の和菓子屋さんです。
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種類はちょっと少なめ。ドラヤキをいただきましたが、このドラヤキの餡子は珍しい白餡ですね。上品な甘さがけっこうインパクトあり。違和感なく仕上がったこの見事な出来栄え。意外な名店のように思います。
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ぼんぼりが飾られて、あっちもこっちもお祭りの準備が進んでいます。
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まだ日が高いんですが、お目当てのもう一つが歌舞伎なんです。
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会場は弁天座。あれ、もう人がけっこう入ってますね。
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うわわ。会場はもう超満員。
後方で立ち見の人の間からなんとか舞台を拝見します。 -
三番叟ですね。
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五穀豊穣を寿ぐおめでたい舞。
お正月の定番のような気もしますが、考えてみれば人形の舞とかでしか見たことはなかったかも。 -
イチオシ
若い二人の踊り手が小気味いい動き。
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きりりと締まった衣装に化粧も、若い舞手をいっそう引き立ててます。
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後ろに控えるお囃子に
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松の背景も、おめでたさは申し分なし。
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みなさん、舞手の動きにくぎ付けです。
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うーん。いい、いい。
これは想像していた田舎歌舞伎とは全然違います。 -
三番叟が終わったところで、観客が少し入れ替わったので、なんとか空いた席に潜り込みました。やれやれです。
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続いての出し物は、色彩間刈豆(いろもようちょっとかりまめ)
解説書が販売されていて、隣の人にちょっと見せてもらいました。
<あらすじ>
遺書を残して出奔した浪人の与右衛門とその子を身ごもった累(かさね)。前半は、美しい2人のしっとりとした色模様をみせますが、川辺に髑髏(どくろ)が流れてきてからの後半は、うって変わって怪談風となります。この髑髏は、与右衛門がかつて累の母菊と密通したときに殺した、累の父助のものでした。この助の霊が乗り移ったことにより、累の顔は醜く変わり、片足も不自由になって与右衛門に襲い掛かります。 -
花道から登場したのは、かさねですね。
一目ではおじさんなんですが、見ているうちにすぐ目が慣れてきて。うーん、いい女。 -
舞台の上では、なにやらひと目をはばかる影ひとつ。
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イチオシ
与右衛門ですね。
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かさねを呼び出して、
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待っている風です。
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落ち合う二人。
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しかし、なんでひと目をはばかるのか。
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なにやら事情を秘めているようですが、
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そこへお役人。与右衛門はお尋ね者になっているんですね。
なんで、なんで~ -
お役人から何とか逃れて、手に入れた密書の内容を確認する与右衛門。
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自らの悪事が暴かれたことを知り、
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かさねにもなにかを感ずかれたような。
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いやそれはその~
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突然、どくろが流れてくると、かさねの顔はどす黒く変わってしまいます。
これはどうしたことなのか。かさねはさっぱりわかりません。 -
しかし、それを見た与右衛門は自分が殺したかさねの父がかさねに乗り移ったものと覚悟を決め、
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イチオシ
かさねに必死で襲い掛かる。
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あ~れ~
なんで私を。。 -
死んでくれ~
狂ったように釜を振り下ろす与右衛門です。 -
イチオシ
殺されたかさねですが、もう怨霊と化したかさねが再び登場。
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こうなったら、与右衛門もとも連れ。あの世へと引きづり込まずに済むものか。
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一方の与右衛門は、かさねから逃げようと思っても思っても。かさねの糸に掛かった蝶のよう。ゆっくりゆっくり手繰り寄せられてしまいます。悪事を働いた与右衛門もこれで最期か。もう逃れることはできません。
なるほどですね。三番叟もよかったけど、これはさらにいい。逃げようと思っても思っても、足が絡まって先に進めない。それどころか、じわりじわりと手繰り寄せられる与右衛門の演技とか。いやあ、最高ですね。これはちょっとやそっとのレベルではないと思います。まったく、いいものを見せてもらいました。 -
気分が盛り上がったところで、市街に出て。絵金の屏風を探しましょう。
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あ、出てます。出てます。
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自慢の屏風には、正面にろうそく。まだ明るいので気分は出ませんが、もうすっかり準備万端ですね。
これは、伽蘿先代萩(めいぼく せんだいはぎ) -
<あらすじ>
鶴千代と千松は腹をすかせ、政岡は茶道具を使って飯焚きを始める。大名でありながら食事も満足に取れない鶴千代の苦境に心を痛める政岡。主従3人のやりとりのうちに飯は炊けるが、食事のさなかに逆臣方に加担する管領・山名宗全(史実の老中・酒井雅楽頭)の奥方・栄御前が現われ、持参の菓子を鶴千代の前に差し出す。毒入りを危惧した政岡だったが、管領家の手前制止しきれず苦慮していたところ、駆け込んで来た千松が菓子を手づかみで食べ、毒にあたって苦しむ。
毒害の発覚を恐れた八汐は千松ののどに懐剣を突き立てなぶり殺しにするが、政岡は表情を変えずに鶴千代を守護し、その様子を見た栄御前は鶴千代・千松が取り替え子であると思い込んで政岡に弾正一味の連判の巻物を預ける。栄御前を見送った後、母親に返った政岡は、常々教えていた毒見の役を果たした千松を褒めつつ、武士の子ゆえの不憫を嘆いてその遺骸を抱きしめる。その後、襲いかかってきた八汐を切って千松の敵を討つが、巻物は鼠がくわえて去る。 -
さて、鶴千代に毒入りまんじゅうを食べさせようとする栄御前。「管領家が持参したまんじゅう。食べぬとは言わさぬぞえ~」
窮する政岡を救ったのは、政岡の子、千松。主君の命をわが身に代えて守ったのはあっぱれとしても、あまりに幼いわが子の哀れな死。政岡はどのような心中だったか。想像するには余りあるものがあると思います。 -
続いて、怪談累ヶ淵(かいだんかさねがふち)
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<あらすじ>
与右衛門とその後妻・お杉の夫婦。お杉の連れ子である娘・助は生まれつき顔が醜く、足が不自由であったため、与右衛門は助を嫌っていた。そして助が邪魔になった与右衛門は、助を川に投げ捨てて殺してしまう。あくる年に与右衛門とお杉は女児をもうけ、累と名づけるが、累は助に生き写しであったことから助の祟りと村人は噂し、「助がかさねて生まれてきたのだ」と「るい」ではなく「かさね」と呼ばれた。両親が相次いで亡くなり独りになった累は、病気で苦しんでいた流れ者の谷五郎を看病し、二代目与右衛門として婿に迎える。しかし谷五郎は容姿の醜い累を疎ましく思うようになり、累を殺して別の女と一緒になる計画を立てる。
谷五郎は家路を急ぐ累の背後に忍び寄ると、川に突き落とし残忍な方法で殺害した。その後、谷五郎は幾人もの後妻を娶ったが、尽く死んでしまう。6人目の後妻・きよとの間にようやく菊という名の娘が生まれた。しかし、菊に累の怨霊がとり憑き、菊の口を借りて谷五郎の非道を語り、供養を求めて菊の体を苦しめた。 -
さて、醜女となった累が食いついているのは谷五郎が添おうとした別の女。しかし、悪いのは、谷五郎です。
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こちらにもいくつか並んでいますが、
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蝶花形名歌島台(ちょうはながためいかのしまだい)
<あらすじ>
長宗我部氏の家督相続と、豊臣・徳川両家に関わる内紛事件を題材いに脚色した作品。父の長寿の祝いにやってきた娘達は、軍略家である父を婚家の味方につけようと言い争う。
そこで音近は二人の孫に真剣で勝負をさせ勝った方の味方につくと話を持ち出す。勝負の結果、笹市が勝ち、松太郎は斬り殺されることに…。
苦しい胸の内を隠し、鼓を打ち、勝負の行方を見守っていた音近は、短刀を腹に突き立て、実は姉葉末は兄元胤の忘れ形見であると明かす。恩義ある兄の孫が有利になるよう、笹市には名刀を、実の孫には鈍刀を与えたのだった。 -
花衣いろは縁起 鷲の段(はなごろもいろはえんぎ わしのだん)
<あらすじ>
山中左衛門尉義継は京都に滞在中、小督という女性と契り男児をもうけ三之助と名付ける。左衛門には許婚があるが夫婦は三之助をつれて近江・滋賀の里に隠れ農夫となる。
ある日、大鷲が飛来し、牛に乗せられていた三之助はさらわれ、夫婦は狂乱する。
左衛門の死後、母・小督は諸国を訪ね歩き、江戸で幡隋院隋波上人に拾われて成長した玄恕上人となっている息子に法談の席で再会を果たす。 -
待ってくれ~。
わが子を鷲にさらわれ狂乱する夫婦の迫真の場面です。 -
菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)
<あらすじ>
菅丞相(かんしょうじょう)の一番弟子・武部源蔵は寺子屋を開き、そこで丞相の一子・秀才を密かにかくまって暮らしていた。
しかし、それが丞相を失脚させた時平(しへい)に露見、秀才殺害の命が下り、首実検に松王丸を寄越す。子を持たない源蔵夫婦は、仕方なくその日入門してきた教え子を身代わりに殺して首を差し出す。松王丸はそれを秀才の首だと認めて帰ってゆく。
実は身代わりとなった教え子は松王丸の子。松王丸は丞相に心を寄せており、わが子を身代わりにと寺子屋に送り込んだのであった。 -
秀才の首実験をする松王丸ですが、実はその首はわが子の首。
しかし、それは自らが、秀才の父、丞相に報いるために仕組んでいたこと。悲しみを隠し、「確かに秀才の首である」と高らかに宣言する松王丸です。 -
佐倉義民伝(さくらぎみんでん)
<あらすじ>
下総佐倉一帯の農民は不作続きと、領主堀田上野介の苛政に苦しめられていた。佐倉の名主木内宗吾は、主だった農民たちとともに郡代や江戸藩邸へ減税を願い出るが、家老たちは却下する。農民たちは動揺し、一揆を起こしかねない。宗吾は単身将軍へ直訴する覚悟を決め、その前に妻子に別れを告げようと帰郷する。雪の中、我が家へ戻った宗吾は、直訴の罪が他に及ぶのをおそれ、妻を離縁し、妻子を安全な立場に置こうとする。だが、妻のおさんは宗吾と生死を共にする覚悟を変えない。宗吾は妻子に最後の別れを告げ、再び江戸に向かう。そして寛永寺に将軍が御成りの日に、直訴を決行。松平伊豆守の温情で、訴状は受け取られたが、堀田上野介はこれを怒り、宗吾はもとより、妻子もろとも磔の刑に処す。子供たちの助命を願っていた宗吾の伯父仏光寺光然は報せを聞いて、世を呪いながら印旛沼に入水する。これら非業の死を遂げた人々の怨霊が、上野介を悶死させ、堀田家を滅ぼす。 -
直訴の前にわが子との別れを惜しむ宗吾。
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妻のおさんもこの後の悲しい結末が予想できるだけに、涙が止まらない。
いくら人々を救うためとはいえ。。
そして、掟にしたがい、直訴した宗吾ともども一家はうち揃って磔になる。しかし、幼い子供たちにも向けられた容赦のない仕打ちは、やはり非道としかいいようがない。むごい実話に基づく物語ですが、物語では藩主一族も絶えることにして、せめてもの溜飲を下げています。 -
少しずつ暗くなってきましたね。
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木下蔭狭間合戦 川五右衛門 壬生村
<あらすじ>
壬生村の百姓治右衛門は芥川であやまって孕み女を殺し、その腹からうまれた男の児を償いに育てました。友市と名づけられた少年は、奉公先の金を持ち出してゆくえをくらましたのでした。
十余年の後、友市は盗賊の頭石川五右衛門となり、六十六部すがたで壬生村にかえってきました。
治右衛門の娘小冬は、かつて兄友市が奉公先から持ち逃げした五十両の借財のため身売りしようとしているところでした。
それを救った五右衛門を、人相書から手配中の盗賊と知って意見する治右衛門は一笑に附され、自害しようとして、とどめる小冬を誤って刺し殺してしまいます。
治右衛門のめぐる因果の物語から、大家の落胤であることwを母のかたみの品で知った五右衛門は、新しい悪事の野望に燃えて、子分が奪ってきた公家の衣冠束帯を身に装い、子分らを供丁に仕立てて勅使に化け、足立家の御正院詮議にと乗り込むのでした。 -
花上野誉石碑 志度寺
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<あらすじ>
讃岐丸亀の田宮坊太郎の仇討ちを金比羅権現の霊験と結びつけて激化したもの。
父を討たれた坊太郎は八十六番札所、志度寺に小坊主として預けられていた。忠実な乳母お辻は、坊太郎の仇討ちのため、断食と水垢離をして祈願し、満願の日に自ら命を絶つ。その義信に金比羅権現も奇瑞をあらわし、坊太郎はめでたく本懐をとげる。 -
浮世柄翼稲妻 鈴ヶ森
<あらすじ>
品川の海が見える鈴ヶ森の夜。中央には刑死者をとむらう題目の石塔がある。
黒小袖着ながしの白井権八が、金欲しさに襲いかかる雲助を切り伏せる。駕籠で通りかかった江戸の侠客番随院長兵衛は一部始終を見定めた上、権八に声をかける、「お若いのお待ちなせいやし」。男色家のイメージを持つ長兵衛と色若衆の権八との出会いがあやしい雰囲気をただよわせている。 -
源平布引瀧 松波検校琵琶
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<あらすじ>
源平盛衰記から義朝滅亡後の源氏一族が再挙を企てる話を中心に脚色。その四段目が「松波琵琶」、別称「小桜責め」である。
多田行綱は後白河法皇を救い出すため、琵琶法師松波検校に姿を変えて鳥羽離宮に乗り込む。腰元として入り込んでいた娘小桜は、召使いの平次に捕えられ父の名をいえと責められる。あわれな娘の姿を目前にして苦悩をこらえ検校は琵琶をかなでる。 -
義経千本桜 鮓屋
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イチオシ
<あらすじ>
平家一門が壇ノ浦で滅んだ後、吉野つるべ酢屋の弥左衛門は平維盛の父重盛から受けた恩により、維盛を弥助と変名させてかくまう。一方、維盛の御台所若葉の内侍と若君の供をしてきた小金吾は追手と戦って討たれ、小金吾の首を弥左衛門が持ち帰ってすし桶にかくす。折から梶原景時が維盛詮議にくるときき、弥左衛門は維盛らを逃がす。権太は金を入れたすし桶を抱えて後を追い、やがて内侍と若君縄付にして維盛の首を梶原の実験にさし出す。実は小金吾のものであった。
源義経伝説に取材した判官物で、平家の武将の運命を扱う歌舞伎の大作。 -
伊賀越道中双六 岡崎
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<あらすじ>
沼津の松並木で客にした縁で、雲助平作は呉服屋重兵衛をわが家に泊めるが、娘お米が重兵衛の印籠を盗んだことから、親子兄妹であることがわかる。その印籠が敵股五郎の品と知って、平作は千本松原まで重兵衛を追いかけ、一命を捨てて敵の落ち行く先を聞く。伊賀越の代表的な詩情豊かな場面(沼津)。政右衛門は雪の夜岡崎で関所を破り、旧師に救われる。そこへ別れた女房お谷が乳呑子をつれて門までたどりついたので、政右衛門は義のためわが子を刺し殺す(岡崎)。 -
これも、蝶花形名歌島台(ちょうはながためいかのしまだい)
無邪気な二人の子供ですが、この後、真剣の勝負をさせられるとは誰が想像できるでしょうか。 -
暗くなって、雰囲気がぐっと出てきました。
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町の感じも夏祭りっぽいですよね。
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楠昔噺
後醍醐天皇に味方する楠木正成と六波羅方の宇都宮公綱の争いを中心に描いた作。三段目が「昔噺(むかしばなし)どんぶりこ」の通称で知られ、歌舞伎でもまれに上演される。 -
<あらすじ>
桃太郎の昔噺そのままに生活する老人徳太夫夫婦は、徳太夫の先妻の子が公綱、ばばの連れ子の婿が正成なので、互いに自慢しあうが、2人が敵対していると知り、その和解を望んで自決する。正成は公綱との戦いのすえ、説得して味方に引き入れる。 -
イチオシ
菅原伝授手習鑑
さっきの菅原伝授手習鑑 -
<あらすじ>
菅原道真の筆法を伝授された武部源蔵の寺子屋。庄屋に呼ばれていた源蔵が、
やがて沈痛な面持ちで帰って来た。女房の戸浪が留守の間に弟子入りした小太郎を
引きあわせると、利発そうな小太郎の顔を見て何やら一人合点している様子。
それをいぶかった戸浪が何があったのかをたずねると、我が子と偽って
かくまっている道真の子秀才の首を討って差し出せと言われたと言うではないか。
しかし恩ある道真の若君の首を討つなどできないから、小太郎を身替わりにする考え。
驚く戸浪だったが、いたしかたない(えー、そうなのかぁ?!)と夫婦で覚悟を決める。
やがて、検使役の春藤玄蕃と首実検をする松王丸がやってくる。
寺子屋の子どもを全員帰したうえで、秀才の首を早く討てと迫る松王丸。
もうダメだ。意を決した源蔵は奥へと入ると、やがて血の気の失せた顔で
首桶を抱えて戻って来て、松王丸の前に差し出した。首を確認した松王丸は、
「秀才の首に相違ない」と言い切ると、そそくさと帰って行く。
玄蕃も首桶を持ち帰り、うまくいった!と源蔵夫婦が胸をなで下ろすまもなく、
小太郎の母親千代が息子を迎えに来た。こうなったら母親も殺すしかない。
ところが、源蔵が斬りかかると千代はすばやく身をかわし、
「菅秀才のお身替わり、お役に立ててくださったか」と言うではないか。
なぜ、それを? わけを聞こうとしたとき、松王丸が
「女房喜べ、せがれはお役に立ったぞ」と言いながら入ってくる。
実は、小太郎は松王丸の子で、身替わりにするつもりで弟子入りさせたのだった。
(えー、なんでぇ?!と思うじゃん? どうも、梅も桜も菅家のために働いてるのに、
松だけがってな汚名を挽回するためだったみたいなんだけどさー。現代人にゃ分からんよ。苦笑)
けなげに死んだ子を思い、涙にくれる松王丸と千代、源蔵と戸浪であった。 -
忠臣二度目清書 寺岡切腹
-
<あらすじ>
赤穂浪士討入りのとき、大星由良之助の密命によって高家門前から姿をくらました寺岡平右衛門は、見事本懐を遂げて切腹した良之助と力弥の位牌を大星の妻お石と嫁小波の許に届けて切腹する。
家を訪れる。 そして切腹した由良之助とその息子の 力弥(りきや)の位牌を由良之助の妻子に差し出す、というシーン。
大石が妻を離別して実家に帰らした時に持たせた、言わば嘘の手紙 と、本懐を遂げた後の真実を語る手紙との二本の手紙と言うことらしいです。 -
競伊勢物語
-
<あらすじ>
『伊勢物語』の在原業平の伝説をもとに、惟喬(これたか)・惟仁(これひと)両親王の皇位争いを描いた作。
春日の里に住む小よし、養女信夫と婿の豆四郎は惟仁方。信夫は惟喬方が玉水淵に隠した御鏡を捜し出した。信夫の実父紀有常は、惟仁方の業平とその許嫁の井筒姫を救うため、小よしの住居を訪れ、信夫と豆四郎を身替りにたてようとする。若い2人は喜んで身替りとなり、御鏡を得た業平と姫は、惟仁親王を帝の跡目にたてることができた。小よし住家の場は、高貴な身分の有常が昔なじみの農家の婆小よしと懐旧談にふけり、そのもてなすはったい茶を飲むところが印象的なので、俗称を「はったい茶」という。 -
播州皿屋敷
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イチオシ
<あらすじ>
細川家の国家老、青山鉄山は、叛意をつのらせ姫路の城主にとってかわろうと好機をうかがっていた。そんなおり、細川家の当主、巴之介が家宝の唐絵の皿を盗まれ、足利将軍の不興を買って、流浪の憂き目にあう。鉄山は、細川家の宿敵、山名宗全と結託して、細川の若殿を毒殺しようと談義中に、委細をお菊に聞かれてしまい、お菊を抹殺にかかる。お菊が管理する唐絵の皿の一枚を隠し、その紛失の咎で攻め立てて切り捨てて井戸に投じた。とたんに、井筒の元からお菊の死霊が現れ、鉄山を悩ます。現場に駆けつけたお菊の夫、舟瀬三平に亡霊は入れ知恵をし、皿を取り戻す。 -
一通り回ったところで、ここからもう一度暗くなって気分の出た屏風を確認します。
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ゆらゆらとろうそくの火が揺れて、怪しく絵金の世界を浮かび上がらせる。
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場面の意味が分かっていてもいなくても、何か尋常でないことがそこで起きていることが素直に感じられる。
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「あらすじよりも、
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イチオシ
この絵から感じられることで十分いいのだよ。」
-
絵金からすればそういうくらいの気持ちだったのかもしれません。
-
イチオシ
家族や主従などの公的な人間関係。
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それらの人間関係は当時の人々だけではなくて、今でも心に響く、永遠のテーマなんですよね。
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反面、こうした人間関係のしがらみは封建時代の特徴の一つでもある。組織や社会の論理に対して、個人の自由が当たり前になった現代ですが、その自由の意味が本当に理解されているのか。
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一方で、それこそ血を流す革命によって、個人の自由を手に入れた欧州と日本はやっぱり基本的には違うでしょう。
情けない話。こうした封建制の考え方は戦前までは当たり前。戦後の日本の占領政策の中で破壊された面もなくはない。我が子や女性を犠牲にして、勝手に自分の義理を立てたような気になっている大馬鹿者の話は別として、道徳的な面についてははっきりと決別していない日本も、やっぱり美しい日本だと思います。 -
さて、今日の宿は横浪。高知市を横切って行かないといけないので、この辺りで退散しましょう。
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この旅行記へのコメント (3)
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- trat baldさん 2018/01/17 07:16:21
- いやぁ~ちょっと濃過ぎた、、、、日本人の心のルーツ。
- 文化の華が開くとはこうゆう事なのかな、高松にこの様なお祭りがある、この様な絵師が居た、この様な浮世絵?がいまだ存在する、現代から飛び離れた世界ですね!
- たびたびさん からの返信 2018/01/19 16:46:33
- Re: いやぁ~ちょっと濃過ぎた、、、、日本人の心のルーツ。
- あの、高知の赤岡ですよ~
赤岡はどろめ祭りも有名。海岸で大杯に注いだ日本酒を一気に飲み干す大会です。男は一升、女は五合。地元の人が優勝したり、他県の人が優勝したり。テレビで全国放映されたりすることもあるので、気が付いた時は思い出してみてください。
- trat baldさん からの返信 2018/01/19 18:51:21
- おかしいと気が付かない自分が恥ずかしい。
- > あの、高知の赤岡ですよ?
出だしのmapで南に海があったのに何をトチ狂って真反対の香川と思い込んだのかしら、高松は訪れた事も有り不思議不思議と思いながら写真に圧倒されていた自分のオッチョコチョイに驚いた。
大変申し訳ありません、初めて見る絵に驚いて記事をしっかり読まない失策をお許し下さい。
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