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ブライアン・ヴィッカリー著『歴史のなかの科学コミュニケーション』(勁草書房) 正誤表
訂正 26件(最終:2010年10月27日)
付記 9件(最終:2003年11月28日)
訂正
※2010年10月,久々の修正情報=(25)(26)。なお,2011年春出荷予定の第4刷には修正が間に合わず。
※2008年春出荷の増刷(第3刷)の際に,横置き図表の反転を修正。(p.4-5の図2とp.36-37の図6)
また,p.189〜p.190「専門百科事典」「アルファベット順百科事典」を「専門事典」に修正。
※2005年9月の増刷(第2刷)の際に一部修正。訂正箇所24件のうち番号に★を付加した項目が未修正。
凡例:( )内の番号は,発見順
各項目のヘッダの記号法は下記のとおり:
<ページ番号> - <章節番号> - <位置(行番号等)>(<誤りの概要>)
(01) p.4〜5 - 図2 - 全面(線のつながりなどに誤り・不備あり; 09-Jan-2003,17-Dec-2002)
【差し替え】
PDF版 これがたぶん一番きれい。(09-Jan-2003 追加)
Mac版 Mac OSX用のExcelで作成。これがオリジナル。
Win版 Office 2000のExcelで作成。無理やり変換したので乱れがある。
(23) p.24 - 2-3 - 下から13行目;p.63 - 3-11 - 9行目(17-May-2004)
【正】メールベクのギヨーム
【誤】ムールベーケのウィレム(ウィリアム)
★
(02) p.63 - 3-11 - 12〜15行目(アルキメデスに関する言及を訳出せず; 17-Dec-2002)
【正】彼は,ガレノスやヒポクラテスの種々の全書を翻訳したほか,アルキメデスの諸著作のうち当時入手可能であったものの大半を手がけ,またヘロンのCatoptrica (『反射光学』),アフロディシアスのアレクサンドロスやシンプリキオスによるアリストテレスへの注解,そしてアリストテレスの著作のほぼすべてに取り組んでいる。
【誤】彼が手がけた著作としては,ガレノスやヒポクラテスの種々の全書,ヘロンのCatoptrica (『反射光学』),アフロディシアスのアレクサンドロスやシンプリキオスによるアリストテレスへの注解が挙げられるほか,アリストテレスのほぼすべてに取り組んでいる。
(16) p.64 - 3-12 - 18行目=第3段落1行目(17-Sep-2003)
【正?】カンタンプレのトマ
【誤?】カンタンプレのトマス
※固有名については,『科学史・技術史事典』の表記を優先して採用した。
そこではトマスだったので,こうなったのだが,世間ではトマの優勢勝ちの様子。
(18) p.73 - 3-15 - 下から2行目(08-Nov-2003)
【正】文学の言語
【誤】文語
※竹内比呂也氏(千葉大学)からご指摘をいただきました。
院の授業で本書を教科書として用いてくださっており,その受講生とともに発見されたとのこと。
原語はliterary language。ここで「文語」と訳すと,確かにおかしいが,
この前後にもこの表現があり,それらは文語のままでよいように思われる。
Vickeryが文語という語で何を意味しているか,よくわからなくなった。
学術の言語を文語と区別しているのは,学術コミュニケーションにおける口頭使用を含むからかもしれないが,
背景には,literaryやliteratureという語の多義性(文という語もそうだけど),さらには
「文学」が書物(文献)の王様であるとか,文化の中枢であるという通念の影響があるのかもしれない。
★
(03) p.76 - 3-15 - 2行目(マルコ・ポーロに関する言及を訳出せず; 17-Dec-2002)
【2行目末尾に追加】マルコ・ポーロの旅行記は最初,フランス語で書かれた。1298年から1299年にかけて,ルスティケルロの手で物語として記録されたものである。
(19) p.83 - 3-18 - 14行目
および,p.88 3-19 - 2行目
p.90 3-19 - 16行目,下から9行目(22-Nov-2003)
【正】シェファー
【誤】シェーファー
※無意識のうちに,万年筆の銘柄に引きずられたらしい。
なお,《シェッファー》という表記例もある。
(20) p.83 - 3-18 - 下から13行目
および,p.86 - 3-18 - 引用部3行目
p.87 3-18 - 11行目(3-18の最後の行)
p.88 3-19 - 1行目,下から9行目
p.90 3-19 - 14行目
p.101 4-3 - 5行目(25-Nov-2003)
【正】アウクスブルク
【誤】アウグスブルク
※ずっと迷っていたが,《まず広辞苑に従う》という単純なルールを適用しているので,
よく考えれば迷う必要はなかった。
(21) p.91 - 3-19 - 3行目(25-Nov-2003)
【正(暫定)】シュポンハイム
【誤】シュパンハイム
※原文がSpannheimとなっており,迂闊に引きずられたが,Sponheimが正解のようである。
ただ,カナ表記については,地図や辞書をいくつか見ても,確証が見つからない。
和文では,スポンハイムと表記する例も見られる。
★
(25) p.100 - 4-3 - 14行目
および,p.103 - 4-4 - 3行目
p.112 - 4-7 - 引用文のあとの3行目,下から2行目
p.123 - 5-3 - 下から7行目(27-Oct-2010)
【正】英国王立医師協会
【誤】英国王立医学協会(p.100,112,123)
英国王立医学会(p.103)
※原語はThe Royal College of Physicians。王立医学院という翻訳例も見られる。対し,
「王立医学協会」は通例,The Royal Society of Medicineの訳として用いられている模様。
その方が自然だし,先例がきちんとある以上,単に知らなかったというだけのことだが,
それより,かように紛らわしい団体名があることに思い至らなかったことが迂闊である。
なお,索引もあわせて修正となる。→(26)
また,p.103に対応する原文ではThe College of Physiciansとなっているが,
元来,1518年の設立時から1674年まではずっとRoyalと冠していなかったとのこと。
そのため,p.100やp.112(少なくとも1番目の出現箇所)に「王立」と
付したのは厳密には誤りだが,原文でもRoyalと付されているのでご容赦ください。
(17) p.113 - 4-7 - 下から4〜3行目(17-Sep-2003)
【正】エティエンヌ・バリューズ
【誤】エティアンヌ・バリューズ
(24) p.115 - 4-8 - 13行目(17-May-2004)
【正】ルブルクのギヨーム
【誤】ルブルックのウィレム(ウィリアム)
(15) p.124 - 5-3 - 4行目(脱字; 21-Jan-2003)
【正】研究にたずさわっている人にとっては
【誤】研究にたずさわっている人とっては
※伊藤真理氏(愛知淑徳大学)からご指摘をいただきました。
(07) p.145 - 5-11 - 下から5行目(04-Jan-2003)
【正】公共図書館
【誤】公立の図書館
※松林正己氏(中部大学)からご指摘をいただきました。
(08) p.153 - 6-2 - 下から6行目(04-Jan-2003)
【正】ウィリアム・シーメンズ
【誤】ウィリアム・シーメンス
※ドイツから英国に渡って活動した人物であることと,Williamが英語名であることから
ジーメンスではなく英語読みを採ったが,それならそれで「シーメンズ」が正しいようだ。
松林正己氏(中部大学)から,「他の箇所と統一すべきでは」とのご指摘に因んで。
(09) p.160 - 表13 - 3行目(原著由来・チェック漏れのミス; 04-Jan-2003)
【正】Jahrbucher (uにウムラウト)
【誤】Jahrbucher
※松林正己氏(中部大学)からご指摘をいただきました。
(10) p.179〜180 - 7-4 - 随所(04-Jan-2003)
【正】母語
【誤】母国語
※松林正己氏(中部大学)からご指摘をいただきました。
(22) p.181 - 7-5 - 7-5の5行目(25-Nov-2003,28-Nov補訂)
【正】スクレノ(スクレネー)
【誤】シュクレノ
※原綴はSkleno。現地の綴りではSklene(末尾のeにアクセント記号)らしい。
付記No.09参照。
(06) p.198 - 7-8 - 6行目(原著の誤りをそのまま訳した; 24-Dec-2002)
【正】ENIACは,1万9000個
【誤】ENIACは,1900個
※三和義秀氏(愛知淑徳大学)からご指摘をいただきました。
原文は「nineteen hundred」となっていて,訳していて「こんな数だっけ」とは思ったのですが,
深く考えずにそのままやり過ごしてしまった私です。
(04) p.218 - 図11 - 左列の中ほど(誤訳; 17-Dec-2002)
【正】商業文献の利用の増加
【誤】技報の利用の増加
※(25-Dec-2002付記) よく考えると,<商業文献>というのもヘンですね。
原語は「trade literature」で,「企業用文献」「営業用文献」といった先例があります。
(05) p.224 - 図14 - 右列の中ほど(校正ミス; 23-Dec-2002)
【正】ソフトウェアの製作者を含む
【誤】ソフトウェアの制作者を含む
(11) p.258 - 和文索引 - ヴィッカリー,B.C.(14-Jan-2003)
【正】253
【誤】239
★
(26) p.259 - 和文索引 - 英国 / 王立医学協会(27-Oct-2010)
【正】英国 / 王立医師協会 100,103,112,123
【誤】英国 / 王立医学協会 100,103,112
※p.123の出現箇所は索引作成時に何か考えがあって外したのかもしれないが,
この機会に追加しておく。
本文の修正については,→(25)
(12) p.262 - 和文索引 - 情報学(14-Jan-2003)
【正】254-255
【誤】240-241
(13) p.262 - 和文索引 - 情報学研究者(14-Jan-2003)
【正】254
【誤】240
(14) p.264 - 和文索引 - バナール(14-Jan-2003)
【正】253
【誤】239
索引に関するその他の訂正
●アルキメデス 【追加】63
●技報 【削除】218
●商業文献 【追加】218
●マルコ・ポーロ 【修正なし】
付記(間違いではないかもしれないけれど)
(01) 連邦政府機関等,アメリカ合衆国全国レベルの組織については,「米国〜」と訳した。一方,ADIとASIST(旧ASIS)の2団体については,「アメリカ〜」と表記した。これにならい,「米国科学振興協会」「米国芸術・科学アカデミー」は,それぞれ「アメリカ科学振興協会」「アメリカ芸術・科学アカデミー」とすべきだったかもしれない。しかし,「米国- 科学アカデミー」「米国- 専門図書館協会」というのが残る。なので,まあいいか。
(02) p.239からの文献リストで,記号法が原稿と異なっている。著者名および標題のうしろは,カンマじゃなくピリオドとしたかった。また,二つめのD. E. Allenの( )内には和文句点が混入しているが,これは,校正ミス。初校時,和文の箇所がぜんぶ和文句読点に変換されていたことの名残。支障はないので,正誤表には含めない。(25-Dec-2002)
(03) encyclopediaを一貫して「百科事典」と訳した。そのため,「専門百科事典」という表現も生じた。主題限定の事典をそのように呼ぶことはあるが,「encyclopedia=百科事典」と統一する必要もないのだから,「専門事典」としたほうがよかったかもしれない。ちなみに,p.189の「専門百科事典」の原語はspecialist encyclopediasであるが,p.120の「専門的な百科事典」の原語はtechnical encyclopediasである。後者は,文脈からして技術情報源という含みもあるし,主題限定ではないから,「専門的な(掘り下げた)情報の含まれる」という含みを込めて訳した。(03-Jan-2003)
(04) p.26「主任図書館員」およびp.105「図書館員」:それぞれchief librarianおよびlibrarianで,通例では図書館長と訳すところだが,日本語の「図書館長」の語感に引きずられるのを恐れてこのようにした。ただ,よく考えれば「図書館員」でも何ら事態は好転しないのであった。失敗。(04-Jan-2003;松林正己氏(中部大学)からのご指摘に因んで)
(05) p.95 5行目の allerfuernemisten (ueは本書ではu+ウムラウト):原著のまま転記したが,米国議会図書館の目録などでは,allerが分離している。検索エンジンによる検索では,つながったものと分かれたものの両方がある。どちらが適切なのかは,いまのところわからない。(04-Jan-2003;松林正己氏(中部大学)からのご指摘に因んで)
(06) p.155 技術高等学校:原語はtechnical high schoolだが,松林正己氏から,「Realshuleを英訳したものではないか。ならば実科学校とすべきだ」とのご指摘。一方,本文の「1820年代に各地に設立された」というところからは,Technische Hochschuleの英訳という可能性も強く,著者の意図するものがこれだとすれば,「技術高等学校」「高等技術学校」という訳でもよいようだ。ただ,それでは日本の高校と紛らわしいから,「技術単科大学」「工科大学」「工業大学」と訳すとよさそうである。なお,同じく松林氏によれば,その場合のドイツ語は,最近ではFachhochschuleとなるケースが多いとのこと。(04〜06-Jan-2003;松林正己氏(中部大学)からのご指摘に因んで)
(07) p.206 つなげる:松林氏から「つなぐ」の方がよいのでは,というご指摘があった。「つなげる」「つなぐ」の間には,若干のニュアンスの違いもあるようだが,とりあえず「つなぐ」の方が響きが締まって快いですね。(04-Jan-2003;松林正己氏(中部大学)からのご指摘に因んで)
(08) 原題に含まれる in を,「のなかの」と訳すか,「における」と訳すかという問題について。本書の邦題は,林進・大久保公雄両氏の手による翻訳書『歴史のなかのコミュニケーション』(Crowley&Heyer編著,新曜社,1995;原題は Communication in History )に敬意を表したものです。本書を,コミュニケーション史・メディア史の動向にぶつけるという意図に基づく選択です。対し,本書の原題を見た多くの方は,Bernalの Science in History を思い起こされたと思います。実際,VickeryのテクストはBernalに多くを負っていて,Crowley&Heyerについては言及すらしていません。そのことを踏まえ,Bernalの名著と同名の序説は,鎮目恭夫・長野敬両氏による翻訳に敬意を表し,「序説:歴史における科学」と訳しました。(02-Oct-2003;そういえばまだ書いていないことに気づいた)
(09) Sklenoという地名については,訂正後のカナ表記についても,実は根拠は得られていない。スロヴァキア語辞典を参照して推定しただけである。Vickeryの表記が英語訛りである可能性もあり,現地の綴りも知りたいところである。しかし,カナ表記どころか,現地表記についても,調べがつかない。地図も地名事典も今のところ引きが来ない。旅行記や紹介情報を求めて日本語のWWWページを探しても,わからない。一応,「スロヴァキア北西部の温泉保養地らしい」「語尾はoのかわりにeにアクセントのついたものがあるWWWページでSklenoと併記されていたが,これが現地表記なのかもしれない」ということがわかったものの,確証になる情報は見つからない。さらに,Sponheimも同じような状況である。今のWWWは,「読み」の調査にはほとんど役立たない。(25-Nov-2003)
その後,スロヴァキア関係の交流掲示板で,情報をいただいた。Skleno語形の地名はないようだが,Sklene語形(末尾のeにアクセント記号)の地名は存在し,その場合はスクレネーと発音する由。2件が該当し,どちらも小さな村のようだが,温泉の出る方の村は,4kmほど離れたところに「昔から鉱物採掘で有名な」Ziarという町があるそうなので,これがVickeryの言及したSklenoと思われる。(28-Nov-2003)