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スマホマーケットの概要と、
マーケティングの失敗例と改善
アナリティクス アソシエーション
特別セミナー
改善活動を継続する鍵は何だろう?
~グロースハックに学ぶビジネス改善~
2014/06/25
会社概要
社名:
証券コード:
本社:
電話番号:
社員数:
設立年月日:
資本金:
事業内容:
株式会社ドリコム
3793 東証マザーズ
〒153-0064
東京都目黒区下目黒1丁目8-1 アルコタワー17F
TEL:03-6682-5700 FAX:03-6682-5711
239名 (正社員・契約社員のみ)
2001年11月13日
1,124百万円
ソーシャルゲーム事業
ソーシャルラーニング事業
アドソリューション事業
Copyright Drecom Co., Ltd. All Rights Reserved.
自己紹介
• ところてん
– @tokoroten
– 元電話会社の研究所でセキュリティ屋
– ドリコムのデータ分析グループ所属
– 業務は雑用
• インフラ→アプリ広告分析→アプリ分析→
レベルデザイン→ゲームデザイナ
– 最近、広告部門で雑用を始めた
• ゲームデザイナの視点で、
広告事業を社内コンサル
目次
• スマホマーケットの概要
• KPIを追いかけた先にある失敗
• 改善可能な自分たちのKPIを作る
• 開発よりも広報よりもテストが大事
• KPIの向こう側
目次
• スマホマーケットの概要
• KPIを追いかけた先にある失敗
• 改善可能な自分たちのKPIを作る
• 開発よりも広報よりもテストが大事
• KPIの向こう側
Web2.0!!!
永遠のβ版
未完成でも早期リリース
リーンスタートアップ
Growth Hacker
そう思っていた時期が私にもありました
Webと異なるスマホアプリ市場
• スマホがレイトマジョリティまで普及
– スマホ普及率は50%を超える
– フィーチャーフォンとシェアが逆転
• スマホのストアが情報流通のハブ化
– アプリの流行りすたりが超高速化
– ストアのランキングページを経由して大半の人
がインストール
• スマホアプリの広告は、ストアのランキン
グをめぐる戦いになってきている
アプリのライフサイクルと広告手法
リリース前 リリース 1ヵ月後 半年後~一年後 サービス終了
ストア画面
最適化
事前登録
新作への誘
導
プレイ実況動画
リワード
広告
攻略サイト
プッシュ通知最適化
復帰施策
アドネットワーク
TV CM
記事広告
バイラル
施策
プレイ動画
リスティング広告
ファンサービ
ス
コアユーザ向け アーリーアダプタ向け レイトマジョリティ向け
ストアの紹介:Google Play
過去24時間のDL数
(有料カテゴリ)
過去24時間のDL数
(無料カテゴリ)
過去24時間の
アプリ内課金額
過去1ヶ月以内に
リリースした有料アプリの
過去24時間DLランキング
過去1ヶ月以内に
リリースした有料アプリの
過去24時間DLランキング
ストアの紹介:App Store
過去数時間のDL数
(有料カテゴリ)
過去数時間のDL数
(無料カテゴリ)
過去数時間の
売り上げランキング
※AppStoreのランキングアルゴリズムは頻繁に変更されています
ストアをめぐる攻防
• インストールの大半はストアのランキング経由
– ストアによりプロモーション戦略が大きく変わってきている
– 全スマホユーザがストアを閲覧する
• ストアがマスメディアとして機能し始めている
– 評価が低いアプリは、インストールしてもらえない
• リリース時のクオリティが大事
• Androidの「新着」カテゴリはおいしい
– ライバルが少ないので、ランキングに乗りやすい
– リリース時のチャンスを逃すと、次はやってこない
– KPIを改善してからプロモーションでは遅い
• ランキングに載るには、直近のDL数が有効
– ゆっくり改善というGrowthHack的な手法と、
大規模広告出稿によるランキングアップがコンフリクト
– 短時間でDL数を稼ぐための広告手法が主流化
• リワード広告
• 事前登録
リワード広告
• ポイントなどをユーザに支払うことで、アプリインス
トールや動画視聴をしてもらう
– ポイントはiTunesカードやWebmoneyに換金可能
広告主
ポイントメディア
ポイントメディアの
ユーザ
今日中に50000件インストールして!!
これでランキング○位に入るぞ!
よっしゃ、まかしとき!
アプリインストールでポイントゲット!!
これでパ○ドラでガチャだ!
ランキング急上昇
流行に敏感なアーリーアダプタが流入
リワード広告の性質
• リワード広告で流入したユーザは翌日には95%以上が離脱
– ユーザはアプリを遊びたいのではなく、ポイントのためにイン
ストールをしたい
– リワード広告により、ランキングが上昇するため、ランキング
経由でのインストールが代わりに伸びる
• KPIの計測が非常に難しい
– リワードで入ってきたユーザは計測できる(=CPA)が、
ランキングで入ってきたユーザ(LTV)を対応しづらい
– LTV>CPAの計測が非常に難しい
• Appleはリワード広告を嫌っている
– iOS8で規約改正され、報酬と引き換えにユーザにアプリインス
トールを促すようなアプリは、Rejectされるようになった
– ランキングアルゴリズムの変更も頻繁
事前登録
• アプリのリリース前に、事前登録を実施
– リリースされた際にメールやTwitterのDMなどでインストールを呼び
かけ
– インストール直後に、事前登録をするような感度の高いコアユーザを
大量流入させる
– 呼びかけをするので、リリース当日に短期間で大量のインストールを
獲得
• ブースト広告と同じ効果を発揮する
• KPIが非常に良い
– 事前登録はコストがほとんどかからない(内製の場合)
– 熱量の高いユーザなので、継続率と課金率が非常に高い
• このユーザのKPIをベースに、他の広告施策を実施すると、回収できなくなるこ
とがある
• ゲーム性を持たせることで、期待感を醸成したり、バイラルを発生
させる事前登録メディアも登場
– フライングガチャ、予約トップ10
iOSとAnrdoid
• iOS
– 端末が統一しているので安定している
• アプリが安定するので継続率が高い
– Appleの審査がががががが
• iOS8ショック!
• Android
– スペックの異なる端末の乱立
• 端末ごとにCPU、メモリ、OSバージョンが異なる
• ログから落ちる端末を特定して個別対応が必要
– キャリア決済が利用可能
• キャリア決済により、課金率、課金額が高い
キャリア決済
• 大手キャリアでは、ストアの決済を通話料と一
緒に決済できる
– 上限が2万円程度
• それ以上は、プリペイドカードや
クレジットカードを利用
– 月末締め、月初にリセット
• 月末、月初が財布の紐が緩くなる
– 月末月初施策
• 月末や、月初にアプリ内で
バーゲンセール的なことを行う
• SR排出確率アップ!!とか
まとめ
• スマホ市場はストアが中心
– 大規模広告出稿が有効
– プロモーションは前倒し
– ハイリスク、ハイリターンの業界になってきている
• Webでやってた手法が使えない
– 永遠のβ版は、評価が下がるだけ
• 「ベータ版だから☆2です」って評価が大量に付く
– リリース時にクオリティを出来るだけあげる必要
• 少しずつ改善では間に合わない
• iOSとAndroidの二重対応
– 開発工数が増大する
目次
• スマホマーケットの概要
• KPIを追いかけた先にある失敗
• 改善可能な自分たちのKPIを作る
• 開発よりも広報よりもテストが大事
• KPIの向こう側
分割統治とKPI
• 分割して統治せよ
– 問題を分割することで、問題を解きやすくする
• 利益を分割する
– 利益=売り上げ-費用
– 一人当たり利益 = 一人当たり売り上げ - 一人当たり獲
得費用
– 一人当たり利益 = LTV – CPA
• KPIを部門に割り当てる
– LTV:開発部門
• 良いアプリを作って、高い継続率、高い売り上げの達成が目標
– CPA:広告部門
• 安い費用で、多くのユーザを獲得出来ることが目標
分割統治を最適化
• LTVとCPAを改善すれば良い
– 開発部門はLTVを改善
– 広告部門はCPAを改善
• 開発部門の改善
– より面白いイベントを運営する
– ユーザ間で競ってもらう
• より強いアイテムを出して買ってもらう
– 育成要素を導入して、長い間遊んでもらう
• 広告部門の改善
– 様々な広告を試し、CPAがより安いものを探す
– CPAが安い広告が見つかったら、そのノウハウを横展開す
る
バナー広告のCPA改善の実例
CPAの改善結果
!?
アイエエエエ!
エロバナー!?
エロバナーナンデ!?
どうしてこうなった
• エロバナーは格段にCPAが安かった
– 大量のインストールを獲得できた
• その後アプリのLTVが急落
– 広告費用が回収できない、赤字だ!
– アプリ部門の怠慢だ!
• この施策は本当に正しかったのか?
– 統計データを見たら、エロバナー出稿期間に入ってきた
ユーザはLTVが悪かった
– エロバナーは、CPAが安いが、LTVがもっと安い顧客を獲
得している可能性
– SNSプラットフォーム上のアプリだったので、ユーザの性
別年齢セグメント情報を利用して、クロス集計で検証
年齢性別分布(全ユーザ)
←16歳男性にピークがたっている
年齢性別分布 Lv5以上(1日以上プレイ)
年齢性別分布 Lv13以上(一週間以上プレイ)
過剰な最適化
• クロス集計から分かること
– エロバナーは16歳男性を大量に獲得
– 1週間を待たず大量離脱
– 30代男性と、20代女性が遊ぶアプリケーション
• 導き出されるストーリー
– 無料で見れるエロが欲しい男子高校生が大量に流入
してきて、エロが無いと悟って去っていった
– そもそも、高校生は可処分所得が無いため、定着し
ても、期待するLTVになるかは怪しい
• 思春期おつらい
何が問題だったのか
• CPAとLTVが相関関係にあることを忘れていた
– LTV予測には時間がかかる
• ユーザセグメントが異なる過去のLTVと、現在のCPA
を比較してしまった
– SNSがユーザのトラッキングをさせてくれなかっ
た
• どの広告から入ってきたユーザが、いくら払ったかが
分からなかった
• CPAとLTVを別部門が管理してしまった
– LTVを広告部門を目標管理の対象にしていなかった
– 最近は広告費用の回収率 ROAS(=LTV/CPA)と、
インストール件数で管理
まとめ
• KPIを追うといつしか本質を忘れる
– エロバナー事件
• KPIの追求は局所最適化を生む
– 改善を続けることで、赤字を垂れ流す結果になる
• 与えられた仕事をこなすと、赤字になる仕組みが出来
上がってしまっていた
• 業績評価査定システムとKPIが組み合わさって暴走
– 改善のために、改善に使いやすいKPIを随時設計す
る必要がある
– KPI設計のためには、全体を俯瞰して考えられる人
材が必要
• 組織構造がボトルネックになることが多い
余談:ガチャモデルとKPI
• ガチャを採用するアプリでは「リセマラ」により、KPI
がボロボロになる
• リセマラ=リセットマラソン
– チュートリアルで説明のために引くガチャで、当たりが出るま
で何回もインストールと削除を繰り返す
• 見かけのインストール数が上昇
• 見かけの継続率が激減
– CPA低、LTV低の状態に見える
• リワード広告の効果を見誤る
• 見かけのLTVが低いので、広告出稿が出来なくなる
• ユーザトラッキング技術の重要性が増大
目次
• スマホマーケットの概要
• KPIを追いかけた先にある失敗
• 改善可能な自分たちのKPIを作る
• 開発よりも広報よりもテストが大事
• KPIの向こう側
誰がためのKPI
• アプリケーションを跨いだ比較をするためのKPI
– DAU、ARPU、LTV、CPA、ARPPU、課金率、継続
率、etc
– 偉い人が経営管理や、他者比較に利用しやすい数値
– これらを使ってアプリの改善をすることは困難
• 本当に欲しいのはアプリケーションを改善する
ためのKPI
– 継続率を見ても継続率は改善できない
– 継続率はコントローラブルな変数ではない
– 継続率を改善するための、継続率の一部を説明する、
別のコントローラブルな変数をKPIとして設計する
必要がある
DAUを利用したアプリ改善はなぜ困難
か?
• DAUを改善に利用するにはノイズが大きい
– 定常的なホワイトノイズ
• ユーザの気まぐれ、休眠復活、曜日施策
– スパイクノイズ
• 広告出稿、プッシュ通知、休眠復活施策
• DAUのノイズが、他の変数を引きずる
– DAUで正規化している各種KPIもノイズまみれ
– ARPU=売り上げ/DAU
– DAUのノイズでARPUもノイズが発生
• ノイズ除去を行わないと、KPIから意味を読み取るこ
とが困難
– ノイズ除去が行われたKPIが必要
DAUのホワイトノイズ
DAUのホワイトノイズはなぜ起こる?
• ユーザの気まぐれ
– 気が向いたので起動
– ログインボーナス目当て
• 曜日変動
– 休日だから遊ぶ
• サーバメンテでサービスダウン
– 計画メンテ
– サーバの突然の死
ホワイトノイズの問題
• 昨日より高かった低かったで一喜一憂
– 経験の少ないディレクターほど顕著
• 経験の多いディレクターはDAUを見なくなる
– それはそれでマズい
– 偉い人もこれをみて一喜一憂
• 方針が朝令暮改でブレまくる
– 現場が偉い人を無視し始める
• 長期スパンで傾向を見る必要がある
– ノイズ除去が必要
DAUのスパイクノイズ
DAUのスパイクノイズはなぜ起こる?
• 広告出稿によるインストールの増大と離脱
– インストール直後にユーザが急激に離脱する
– 翌日:50%、一週間:15%(一例)
DAUのスパイクノイズの問題
• DAUの急増にえらい人が反応する
– 指示の朝令暮改で現場が混乱
• ARPUが著しく下がる
– 新規インストールでDAU(分母)が急増
• ARPU=売り上げ/DAU
• 新規ユーザはサービスにお金を払わない傾向
– えらい人が反応する
• 「DAUが上がってるのにARPUが下がったら意味無いじゃな
いか!」
• ARPUの本質を理解せず、ただの指標として利用
• DAUのスパイクノイズを除去して考える必要
DAUのノイズ除去のゴール
• 2つのノイズ
– ホワイトノイズ
• ユーザの気まぐれが起因
– スパイクノイズ
• インストールの急増、広告出稿に起因
• 両者を除去できるアルゴリズムが必要
– 移動平均などは定常的なノイズには対応で
きるがスパイクノイズには対応できない
ドリコムで利用している指標
• ゲーム定着ユーザ
– 5日連続でプレイしたユーザをカウント
• gloopsさんのDAU=BU+FUから着想
• DAU=定着ユーザ+非定着ユーザ
• インストールによるスパイクノイズを排除
– Install後5日たたないとカウントされない
– コロプラの7日後DAUカウントとほぼ同等
• ホワイトノイズを排除
– ホワイトノイズの原因はユーザの気まぐれ
– 気まぐれでログインしたり、ログインしなかったりするユーザ
を排除
– 毎日ログインしてくれるコアユーザの人数が、サービスの売り
上げに大きく寄与
定着ユーザDAUの検証
定着ユーザDAUの検証
定着ユーザDAUの特性
• スパイクノイズを排除
– 広告による休眠復活にも対応
• 定常的なノイズを排除
– 気まぐれなユーザを排除
• ただし、DAUの8割程度の値になる
– 注)アプリによってこの値は異なる
• ゲームに定着した優良顧客のみを抽出
– ゲームが面白くないと急激に下がる
• イベント運用の指標に出来る
– 売り上げの過半数を占める
• この人数が売り上げにほぼ直結
定着ユーザの利用状況
• 全アプリで定着ユーザを利用
– DAUは参考値
– 定着ユーザをいかに増やすかに注力
• 定着ユーザに至るまでのユーザも出力
– 過去5日間に当該日を含んで何回プレイし
たかでユーザを分類
• DAU=5day+4day+3day+2day+1day
• 1dayは休眠復活とinstallに分解
– チュートリアル改善や広告効果も読める
とあるリリース直後のゲーム
• DAU減、定着ユーザ増加
↓広告出稿量を減らす
広告出稿の効果を見る
まとめ
• DAUは他社と比較するための指標
– 自分たちの改善のための指標が必要
• DAUのノイズを除去しなくては、本当にあがってるのか、
下がっているのか判断できない
• DAUには二種類のノイズ
– 人間の気まぐれから来る定常的なホワイトノイズ
– 広告に伴うスパイクノイズ
• ドリコムで利用している指標
– 5日連続プレイユーザ
• 定常ノイズと、スパイクノイズを除去
• 広告出稿をしている最中でも、本当のユーザ数が分かる
• ゲームがつまらなくなると、急激に下がる
• この指標で、2年以上運用中
目次
• スマホマーケットの概要
• KPIを追いかけた先にある失敗
• 改善可能な自分たちのKPIを作る
• 開発よりも広報よりもテストが大事
• KPIの向こう側
ストアの功罪
• ストアのランキングによりレイトマジョリティにリーチ
– ストアがマスメディア化している
– チャンネルが少ないので、狭い枠をめぐって過当競争が発生し
ている
– 最初からレイトマジョリティに向いている
• キャズム理論はオンラインの世界には適用できない
• Androidは「新着」カテゴリにより機会創出
– ベータ版をリリースして徐々に改善が難しい
• クオリティを十分に引き上げてからリリースしなくてはいけない
– マーケティングの早期化が発生
• ハイリスクハイリターンが加速
• リリース時に成功できないと、回収できない事態に
レベルデザインの重要性
• ランキングを押し上げる広告
– リワード広告、事前登録
• ランキングを維持するにはクオリティが必要
– ユーザのゲーム継続率
– ユーザの課金額
– バイラルによるインストール
– アプリの評価
• ゲームのクオリティは、レベルデザインが支配的
– レベルデザインに関する考え方が広まっていないため、不
幸な事例が増える
– 偉い人と、現場でレベルデザインに対する考え方の齟齬が
存在するため、不幸な事例が発生する
不幸な事例
http://appmarketinglabo.net/towermon-boost/
• 広告出稿しても、ランキングが
すぐに下がる
– やる気の無いスクリーンショット
でインストールしない
– 評価☆1.5を見て、インストール
しない
• なぜこのようなゲームが世に出
てしまうのか?
– 経営者と開発の価値観の相違
– 広告部門と開発がKPIとして独立
偉い人と現場の価値観の相違
• 偉い人は足し算で考える(工数ベース、SIモデル)
クオリティ=
ステージの量
+イラストの量
+エフェクトの量
+レベルデザインの量
• 開発者は掛け算で考える(UXベース)
クオリティ=
(ステージの量
+イラストの量
+エフェクトの量)
× レベルデザインの量
• レベルデザインは重要だが、開発工程の一番最後
– 開発期間の帳尻あわせがレベルデザイン期間に行われる
– ネイティブアプリのレベルデザインのコスト見積もりが難しい
– 外注開発の場合は、偉い人の理論でリリースされる事が多い
工数かけたから売れるはずだ!!
動いてるじゃないか、
さっさと、リリースしろ!!
こんな状態で出しても売れるわけ
ねぇだろ、Fxxk!!!
勝つべくして勝つ
• パズドラ
– 開発期間7ヶ月
– 2ヶ月でプロトタイプ完成
• 10種類以上のパズルのルールを検証
– 5ヶ月かけてチューニング
• 開発とレベルデザインを同時並行で回す
• モンスト
– 開発期間6ヶ月
– 企画コンペの時点でプロトタイプ
• 面白さがコンペの時点で分かる状態になってる
– そこからのチューニング
• ゲームを動かしながら、常に面白さを確認しながらゲーム開
発ができる
http://www.appbank.net/2012/04/11/iphone-news/395927.php
http://octoba.net/archives/20140226-android-feature-monsterstrike-interview.html
広告費を使うことが、広告部門の仕事ではない
• 広告費を回収するには、クオリティ重要
– ランキングを維持できないクオリティのアプリは、広告を打つ
意味が無い
• CPAではなく、回収率ROAS(=LTV/CPA)で考えるべき
• 損切りも仕事のうち
• 開発者であっても、使った工数=クオリティになりがち
– どうしても身内には甘くなる
– 外部テスト会社を利用したチェックが有効
• 広告費に比べると圧倒的に安い
• 十分に遊べる状態にしておかないと、「面白さ」のチェックではな
く、デバッグになってしまう
• 想定するユーザ層、遊び方を伝えないと、テスト会社でさえ、評価
を見誤る
• テスト会社の評価次第では、リリースを延期をすることも有効
まとめ
• スマホアプリ市場はクオリティ重要
– ランキングの維持にクオリティが寄与
– 出来が悪いと、バイラルもしてもらえない
– 評価が悪いとインストールしてもらえない
– レベルデザイン、テストが重要
• 広告を出稿しないのも、広告部門の仕事
– 回収できないのであれば、出さないほうが
いい
目次
• スマホマーケットの概要
• KPIを追いかけた先にある失敗
• 改善可能な自分たちのKPIを作る
• 開発よりも広報よりもテストが大事
• KPIの向こう側
KPIの限界、イノベーションのジレンマ
• なぜKPIを測るのか?
– 過去と比較するため
• KPIが計測できる=先行者がいる
– KPIを追い続けると、先行者がいる市場しか挑戦できなく
なる
• レッドオーシャンの中での戦いになる
• イノベーションのジレンマ
• バイラルマーケティングとKPI
– 「新しいこと」をすると、新規性からバイラルされる
• 二番煎じはRTしてもらえない
– バイラルを狙うなら、KPIは無視する必要がある
• AdGang(http://adgang.jp/ )お勧め
スマホマーケットの概要と、マーケティングの失敗例と改善 (アナリティクス アソシエーション 特別セミナー)
流行らないゲームはやりたくない
http://www.gamecast-blog.com/archives/65795851.html
• コミュニケーションのためのゲー
ム
– 「面白いですか?」ではなく「流
行りそうですか?」
– 「流行りそうにないゲームには怖
くて手を出せないなー」
• 「流行っている」から「流行る」
– ユーザ数が増えてくると、広告費
が安くなり始める(仮説)
– ユーザ数が増えてくると、課金率
が上昇する(仮説)
• LTVとCPAの単純なモデルで説明
しづらくなってきている
AIDMAの法則の復活
• AIDMAの法則
– Attention(注意)
– Interest(関心)
– Desire(欲求)
– Memory(記憶)
– Action(行動)
• Web広告は購買が直接計測できるため、KPIに傾倒
– 結果として、ユーザ認知や、ブランド形成などがおざなりに
• スマホがレイトマジョリティまで貫通
– スマホアプリはレイトマジョリティ向けの施策が必要
– 「みんながやってるから」という状態を作り出さないと、ユーザは動
いてくれない
– バイラルされる広報手段の有効性が増大
• TV CMをするとLTVが上がる(仮説)
– 流行っているから、お金を払ってもいいという認識になる
まとめ
• KPIを追いかけると、イノベーションのジレンマに陥
る
– 先行者の存在
– 既存軸でしか評価できない
– 正しい評価が、イノベーションを殺す
• TV CMなどでAIDMAの法則を再評価中
– うまく計測できないか考え中
• イノベーションを起こすためには、ある程度のKPIを
無視する必要がある
– データが無いからやらない、ではなく、
データが無いから実験してみよう、検討してみよう
になるべき
総括
• スマホマーケットは、ストアが主戦場
– プロモーションの早期化
• KPIを目標管理にすると、トレードオフをいつしか忘れ失敗する
– 開発と広告は手を取り合う必要がある
– ひとつ上の目線で自らの行動を考える必要がある
• 偉い人のためのKPIは改善に使えない
– 改善を回すためのKPIを自分たちで設定する必要がある
• スマホアプリを成功させるにはテストが重要
– 低い評価が付けられると、アプリが即死する
– Androidの「新着」カテゴリのランキング争いが重要
• KPIを追うと、イノベーションのジレンマが発生する
– KPIを追わない選択肢を常に検討し続ける

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