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Grails/Groovy
 の開発活用術
(1)NTTソフトウェアのとりくみ
     2012/5/28 JJUG CCC
 NTTソフトウェア Grails推進室 上原潤二




                  2012
自己紹介
上原潤二(@uehaj)
NTTソフトウェア株式会社Grails推進室
JGGUG(日本Grails/Groovyユーザグルー
プ)運営委員
書籍執筆: プログラミングGROOVY(技術
評論社), Grails徹底入門(翔泳社)
ブログ「Grな日々」
GroovyServ, LispBuilder, GVM開発者



                           2012
はじめに
NTTソフトウェアでは、Grails推進室を設置し、組織的
にGroovy/Grailsに関わる技術蓄積とコミュニティ活動
を含むGroovy/Grailsの普及に取り組んでいます。
 対外活動:
  JGGUG(日本Grails/Groovyユーザ会法人会員)、運営委員
  OSS開発・貢献(GroovyServ,GExcelAPI,機能拡張パッチ等)
 社内での利用事例の拡大、ノウハウの蓄積などに加
 え、社外への研修やサポートの提供なども検討してい
 ます
本日は、Groovy/Grailsへの取り組み状況や背景を説明
すると共に、適用のメリットを示します。
     3                    2012
Groovy/Grailsについて
Groovy … Java仮想マシン上で動作する動的言語
 文法はJavaと上位互換だが、冗長部分を省略し、短く書ける
 既存のJavaコードやライブラリをそのまま利用可能
 Rubyと同様に表現力が高く、生産性が高い


Grails …Groovyを使ったオープンソースの高生産性
Webアプリケーションフレームワーク
 WebAP開発に必要なフレームワークやライブラリなどを使いやすくカプセル化し、
AllInOneで提供
 Ruby on Railsの特長を取り込んだ上で、改良を行っている(Java版Ruby on Railsと
も言える)
 簡単なコードでGUIを自動生成(Scaffold)
 周辺ノウハウを含めたコンポーネントの再利用が容易
 Java基盤が持つ安定性、スケーラビリティ、資産をそのまま引き継げる

        4                        2012
なぜGrails・
Groovyか?
     http://www.flickr.com/photos/omcoc/6751047205/
 5                          2012
背景
ソフトウェア開発の現実:
 ビジネスの変化が速い
 仕様確定が遅れがち/確定しない
 開発期間・費用の縮減
 小規模化する開発体制
 クラウドの勃興(IaaS,PaaS)
➡ 従来通りの「人月ビジネス」モデルの限界



  6                   2012
人月ビジネスからの脱却
課題
ビジネスモデル、契約形態
開発プロセス
ツール
フレームワーク・言語




     7         2012
Javaの問題点
 コードが冗長。
                               UserListView(ビュークラス)

 「何をしたいか(what)」                UserListHB(ヘルパーBeanクラス)
                               UserSC(サービスコントローラー)
                               UserSR(サービス呼び出し結果)

 と                             UserListEv(イベント)
                               UserListEL(イベントリスナー)
                               UserListER(イベント結果)
 「実際に動作させるための記述(how)」          UserMO(DTO)
                               UserDAO(DAO実装)
                               UserDAOIF(DAOインターフェース)
 の乖離が大きい                  (http://d.hatena.ne.jp/ryoasai/20101025/1288008546 より引用



 低レベル記述、多クラス主義

➡これらは「変更しにくさ」を導く
➡インクリメンタルな開発=連続的な変更
➡「ビジネスの変化が速い」「開発期間・費用の縮
 減」という課題に応えられない
     8             2012
そこで




9         2012
そこで



 Ruby on
Railsですよ!!
 9         2012
そこで



 Ruby on
Railsですよ!!
     (違
 9         2012
実際問題としては…
インフラとしてのJVM/Java EEの性能・
安定性は捨て難い
移行コストは無視できない
教育コスト
開発や維持管理の要員
既存システムからの継続・連携
APサーバやライブラリなどの資産


➡SIerにとっては、上記は顧客側が負担するコ
ストでもある
  10               2012
なので


 Ruby on
Railsですよ!!

 11         2012
なので




11         2012
なので




移行の痛みを最小化しつつ、果実を得る



  11         2012
なので


Groovy&
Grailで!!
移行の痛みを最小化しつつ、果実を得る



  11         2012
Groovy

12   2012
Groovyを10秒で説明する
基本がJavaである
Java VM上で動作する
文法や構造がJava上位互換で簡潔にも書ける




  13            2012
Groovyを10秒で説明する
          基本がJavaである
            Java VM上で動作する
            文法や構造がJava上位互換で簡潔にも書ける

       public class HelloWorld {
Java




           public static void main(String[] args) {
               System.out.println("Hello world");
           }
       }




                13                            2012
Groovyを10秒で説明する
             基本がJavaである
               Java VM上で動作する
               文法や構造がJava上位互換で簡潔にも書ける

          public class HelloWorld {
Java




              public static void main(String[] args) {
                  System.out.println("Hello world");
              }
          }
Groovy1




          public class HelloWorld {
              public static void main(String[] args) {
                  System.out.println("Hello world");
              }
          }
                   13                            2012
Groovyを10秒で説明する
             基本がJavaである
               Java VM上で動作する
               文法や構造がJava上位互換で簡潔にも書ける

          public class HelloWorld {
Java




              public static void main(String[] args) {
                  System.out.println("Hello world");
              }
          }




                                               Groovy2
Groovy1




          public class HelloWorld {                  println "Hello world"
              public static void main(String[] args) {
                  System.out.println("Hello world");
              }
          }
                   13                               2012
Groovyの良いところ(2)
GroovyのライブラリはJavaのライブラリ
(ArrayList,HashMap,..)の拡張
 JRubyの場合はRubyライブラリを使用。

演算子オーバーローディング
人間の思考に近いレベルで表現できる(次項)




    14             2012
JavaとGroovyの比較
(制約解決エンジンchoco solverで魔方陣を解くための記述を題材にして)




                        ※http://www.emn.fr/z-info/choco-solver/
     15                        2012
JavaとGroovyの比較
          (制約解決エンジンchoco solverで魔方陣を解くための記述を題材にして)
       //横の列の合計がM                                      model.addConstraints(cols);
       Constraint[] rows = new Constraint[n];          // 斜め合計がM
       for (int i = 0; i < n; i++) {                   IntegerVariable[][] diags=new IntegerVariable[2][n];
         rows[i] = Choco.eq(Choco.sum(cells[i]), M);   for (int i = 0; i < n; i++) {
       }                                                 diags[0][i] = cells[i][i];
       model.addConstraints(rows);                       diags[1][i] = cells[i][(n - 1) - i];
       //縦の列の合計がM                                      }
Java




       IntegerVariable[][] cellsDual = new             model.addConstraint(Choco.eq(Choco.sum(diags[0]),M));
       IntegerVariable[n][n];                          model.addConstraint(Choco.eq(Choco.sum(diags[1]),M));
       for (int i = 0; i < n; i++) {                   // 全ての要素が異る4
         for (int j = 0; j < n; j++) {                 IntegerVariable[] allVars=new IntegerVariable[n*n];
           cellsDual[i][j] = cells[j][i];              for (int i = 0; i < n; i++) {
         }                                               for (int j = 0; j < n; j++) {
       }                                                   allVars[i * n + j] = cells[i][j];
       Constraint[] cols = new Constraint[n];            }
       for (int i = 0; i < n; i++) {                   }
         cols[i]=Choco.eq(Choco.sum(cellsDual[i]),     model.addConstraint(Choco.allDifferent(allVars));
       M);
       }




                                                                 ※http://www.emn.fr/z-info/choco-solver/
                       15                                               2012
JavaとGroovyの比較
            (制約解決エンジンchoco solverで魔方陣を解くための記述を題材にして)
         //横の列の合計がM                                      model.addConstraints(cols);
         Constraint[] rows = new Constraint[n];          // 斜め合計がM
         for (int i = 0; i < n; i++) {                   IntegerVariable[][] diags=new IntegerVariable[2][n];
           rows[i] = Choco.eq(Choco.sum(cells[i]), M);   for (int i = 0; i < n; i++) {
         }                                                 diags[0][i] = cells[i][i];
         model.addConstraints(rows);                       diags[1][i] = cells[i][(n - 1) - i];
         //縦の列の合計がM                                      }
Java




         IntegerVariable[][] cellsDual = new             model.addConstraint(Choco.eq(Choco.sum(diags[0]),M));
         IntegerVariable[n][n];                          model.addConstraint(Choco.eq(Choco.sum(diags[1]),M));
         for (int i = 0; i < n; i++) {                   // 全ての要素が異る4
           for (int j = 0; j < n; j++) {                 IntegerVariable[] allVars=new IntegerVariable[n*n];
             cellsDual[i][j] = cells[j][i];              for (int i = 0; i < n; i++) {
           }                                               for (int j = 0; j < n; j++) {
         }                                                   allVars[i * n + j] = cells[i][j];
         Constraint[] cols = new Constraint[n];            }
         for (int i = 0; i < n; i++) {                   }
           cols[i]=Choco.eq(Choco.sum(cellsDual[i]),     model.addConstraint(Choco.allDifferent(allVars));
         M);
         }



         cells.each{ model << it.sum().eq(M) } //横の列の合計がM
Groovy




         cells.transpose().each{ model << it.sum().eq(M) } //縦の列の合計がM
         model << (0..<n).collect{ cells[it][it] }.sum().eq(M) //斜め合計がM
         model << (0..<n).collect{ cells[it][-(it+1)] }.sum().eq(M) //斜め合計がM
         model << cells.flatten().allDifferent() //全ての要素が異る
                                                                   ※http://www.emn.fr/z-info/choco-solver/
                         15                                               2012
Grails

16   2012
Grails
                    Plug-in
http://www.flickr.com/photos/cicciopizzettaro/5551554162/
      17                             2012
Grailsプラグイン
Grailsで開発するアプリに組み込める機能
拡張モジュール
コマンド1発オンラインインストール
 mavenモジュール互換
更新検出/伝播・リロードの枠組み
豊富なプラグイン(標準リポジトリで790個以上)
再利用単位として秀逸



                2012
プラグインの構造
プラグインはフルスタック
 MyApp   MyPlugin




           2012
プラグインの構造
プラグインはフルスタック
   MyApp       MyPlugin
ビューを含むことができる




                 2012
プラグインの構造
プラグインはフルスタック
   MyApp       MyPlugin
ビューを含むことができる




テストを含むことができる

                 2012
プラグインの構造
  プラグインはフルスタック
     MyApp       MyPlugin
 ビューを含むことができる



サポートスクリプトを含むこと
ができる



  テストを含むことができる

                   2012
プラグインの構造
  プラグインはフルスタック
   カスタムタグを含むことができ
   る MyApp      MyPlugin
 ビューを含むことができる



サポートスクリプトを含むこと
ができる



  テストを含むことができる

                   2012
再利用に関するGrailsプラグインの優位性

  クラスライブラリ(Jar,pom..)の再利用

    アプリケーション      クラスライブラリ




 クラスライブラリは、自分を呼び出すアプリケーションについて情
報を持たず、前提を置くことができない
 例:データはどんなUIで表示される? ロギングはどう行う? 情報保
 持のためにファイル書き込みはできる?→わからない。
  結果としてそれらをアプリ側の責任で書き上げる必要がある

     20              2012
再利用に関するGrailsプラグインの優位性

  Grailsプラグインの再利用

     アプリケーション        Grailsプラグイン




アプリケーションの構造はGrailsの規定に従うので、Grailsプラグイ
ンはアプリケーションの実行に介在し、操作することができる。
Grailsプラグインは、自身のデータを表示・操作するためのビュー・
タグを提供したり、永続化層を用いて保存したりすることもできる
アプリロジックに介入する、相対的に複雑で高度な機能を、再利用
モジュールとして実現することができる
      21                2012
導入事例
http://www.flickr.com/photos/inlinguamanchester/5036313154/
      22                            2012
開発事例
      弊社開発プロジェクト(一部)におけるGrails
      適用効果は以下のとおり
項 プロジェクト                 Grails                           Javaとのコー
                    顧客                      効果                        規模
番      名                 スキル                                ド量比較
    顧客名簿管理                        詳細設計∼結合テスト工程が、Javaの
1                   社内     高                              Javaの約1/10 50KL
    システム                          約1/2∼1/5の期間で開発

  ProgOffice                      詳細設計∼プログラム作成工程が、
2 ネットワーク            社外     中      Javaの約半分の工数で開発(開発全体     未測定        未測定
  電話帳(後述)                         で工数2割減)

                                  詳細設計∼結合テスト工程まで、Java
3 ー                 社外     高                              Javaの約1/10 20KL
                                  の約1/7∼1/10の期間で開発

           ※1、3における期間・開発工数の比較は、当社の見積りシステムによる予測に対しての比較。
           ※工程名称については共通フレーム98(SLCP-JCF98)における用語を使用した。


               23                                  2012
効果分析
概要定義および、総合テスト工程以           共通フレーム
                           98(SLCP-
降は従来と変わらない(変えていない)         JCF98)における工
                           程名称:
結合テストまでの工程における削減
効果は大きい。                    •外部仕様
                            •概要定義
➡全体としては2∼3割削減と評価            •詳細定義
                           •内部仕様
測定対象はGroovy/Grailsに適したプ     •設計
                            •プログラム設計
ロジェクトなので、一般に適用した           •製造
                            •プログラム作成
場合の評価は未。                   •製品のテスト
                            •結合テスト
➡「適したプロジェクトで採用すれ            •総合テスト
 ば効果は大きい」と言える。             •設置
                            •導入

   24               2012
Grails適用事例: ProgOfficeネットワーク電話帳

 当社の製品ProgOfficeの開発にGrailsを適用
 (2008∼現在)
  1年間に2∼3回の機能追加リリース実施
     ネットワーク電話帳はNTTソフトウェアの次世代セキュアオ
     フィスソリューションの1つ。携帯電話やスマートフォンの
     電話帳情報をサーバで一元管理・共有し、端末内部に個人情
     報、発着信履歴などを持たせずに利用できるシステム




     25             2012
Grails適用結果(感想)
習熟が容易: Grails未経験のメンバーでも、
Grailsの内部構造等を意識することなく、基
本的にGroovyでの実装でアプリケーション
開発が完成する。
Javaスキルが活かせた: Javaと言語仕様が共
通しており、Java部分の開発と並行して作業
しても違和感が少ない。
プロトタイプ開発: 画面・ロジック・DBそれ
ぞれ間のIF設計を省略することができ、設計
工数を削減できた。
  26            2012
Grails導入実績(世の中)
http://grails.org/Success+Storiesには、二百数十件
のGrailsで開発されたサイトが掲示されている。
例えば…
 北米ニッサンにおける電気自動車leafの新製品キャンペーン・
 予約サイト
 WalmartのMP 3ストア
 スズキ自動車カナダのサイト
 WEBマガジン「WIRED」(wired.com)
 英国の放送界の巨人「BskyB」のポータルで利用
 ソーシャルネットワーク「LinkedIn」で部分利用
 米国最大のバーゲンセールサイト「 biglots.com」で全面的利
 用(Fortune 500企業)
 テレビ番組「リアリティTV」の投票システム
     13                      2012           13
問題点
http://www.flickr.com/photos/monkeydlueffy/4373070372/
      28                           2012
問題点
日本語情報の不足
英語情報は包括的リファレンスがあり充実
 Grailsリファレンスを@tyamaさんと仲間達に
 よって翻訳中

プラグインの互換性問題
ノウハウ収集中




  29              2012
まとめ
     http://www.flickr.com/photos/limonada/214375219/
30                             2012
まとめ
Javaを中心に開発してきたSIerである弊社
にとって、Groovy/Grails技術は「ほどほど
の痛みで、大きな果実を得るための解」
 「地続きの移行」を可能とする
 今後、プラグイン活用によって更なる効果を期待
NTTソフトウェアは、コミュニティと連携
してGroovy/Grails技術の普及発展を目指し
ます。

    31            2012

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JJUG CCC 2012 Real World Groovy/Grails

Editor's Notes

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  2. Gr&amp;#x306A;&amp;#x65E5;&amp;#x3005;&amp;#x3001;2007&amp;#x5E74;&amp;#x304B;&amp;#x3089;&amp;#x57F7;&amp;#x7B46;&amp;#x3057;&amp;#x3066;&amp;#x3044;&amp;#x307E;&amp;#x3059;&amp;#x3002;\n&amp;#x65E5;&amp;#x672C;&amp;#x521D;&amp;#x306E;&amp;#x30AA;&amp;#x30EA;&amp;#x30B8;&amp;#x30CA;&amp;#x30EB;&amp;#x66F8;&amp;#x7C4D;&amp;#x30D7;&amp;#x30ED;&amp;#x30B0;&amp;#x30E9;&amp;#x30DF;&amp;#x30F3;&amp;#x30B0;Groovy&amp;#x3092;&amp;#x57F7;&amp;#x7B46;&amp;#x3057;&amp;#x307E;&amp;#x3057;&amp;#x305F;&amp;#x3002;\n
  3. \n
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  7. IT&amp;#x30BC;&amp;#x30CD;&amp;#x30B3;&amp;#x30F3;\n&amp;#x30A6;&amp;#x30A9;&amp;#x30FC;&amp;#x30BF;&amp;#x30FC;&amp;#x30D5;&amp;#x30A9;&amp;#x30FC;&amp;#x30EB;\n
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