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“絶滅種”だった太眉や無修正のネイティヴ眉の流行も昭和への回帰思考
黒木華
「最近では、メイクが濃いギャル系は少なくなり、どちらかと言うとナチュラルめの素肌美人が人気を博しています。数年前まではバブルの象徴として“絶滅種”だった太眉や無修正のネイティヴ眉が、流行っています。昭和から平成を生きてきた世代にとっては、古く感じるものも、“新鮮”であり、逆にチャームポイントとなっているのでしょう。昭和世代が思っている以上に平成世代にとっては、“昭和顔”は“今の時代”に適した顔なのかもしれません」(エンタメ誌編集者)
“昭和顔”女優の和風美人のたたずまいは、視聴者に印象を残す
『べっぴんさん』に出演中の土村芳
有村架純もやはり『あまちゃん』で1980年代の女子高生役を演じ、“聖子ちゃんカット”を披露してブレイクのきっかけとした。また、松岡茉優も同作に出演しており、今ではバラエティ番組のMCなどでも活躍している。朝ドラ出演で言えば先輩格にあたる多部未華子にしても、お茶の間との親和度が高く、女優としての評価を定着させている。こうしてみると、確かに“昭和顔女優”の活躍には目を見張るものがあるようだ。
「昭和顔とされる女優さんは、みなさん黒髪が似合う、眉毛が太めだなどの共通点が指摘されますが、どちらかと言えば“地味”な顔立ち。女優としてはパンチの効いた“華”がないのですが、温かみや素朴さを感じる“和風美人”のたたずまいや演技力の高さから、逆に視聴者の印象に強く残るんです。有村さんなどは、もはや昭和顔というよりは、石川秀美さんあたりを彷彿とさせる“昭和アイドル顔”ですから(笑)。若い世代にとっては、“昭和風”ファッションやメイクが流行っているため、逆に今風で、中高年にとっても懐かしさや親しみやすさが起きやすいんじゃないでしょうか」(前出の編集者)
“昭和顔の登竜門”とも言える朝ドラで、次のブレイク女優は?
『べっぴんさん』に出演中の土村芳
「岩手県出身の土村さんは、3歳で地元の子ども劇団に所属します。京都造形芸術大学映画学科俳優コースへ進むと、在学時代から舞台や自主制作映画で活躍しますが、同大学の教授・林海象監督に見い出されて、林監督の映画『彌勒 MIROKU』で永瀬正敏さんとともに初主演を務めました。とは言え、一般的な知名度はほとんどなかった。でもその分、“新鮮度”はピカイチで、最近の朝ドラで言えば、『まれ』主演の土屋太鳳さんや同級生役の清水富美加さん、『あさが来た』主演の波瑠さんと親友役の吉岡里帆さんなどのように、朝ドラをきっかけに、土村さんがブレイクする可能性は十分にあるでしょう」(前出の編集者)
“昭和顔の登竜門”とも言えるNHK連続テレビ小説自体、大部分の作品は昭和が舞台。昭和顔女優が重宝されるのもごく自然とも言える。『べっぴんさん』での土村の演技に、「すごく好き。夫が帰還したときの演技にうっとりした」などの声もあるように、ルックスや雰囲気だけではなく、確かな演技力があるからこそ、視聴者からの高評価を得ている。時代、時代により、様々な流行や回帰思考が生まれるものだが、しばらくは“昭和顔”の女優たちが主流となってエンタメシーンをけん引していくだろう。