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研究者やホビーストがフォトリフレクタ愛と応用例を語る ―― SENSACT 第1回

Tech Village編集部

 2012年4月21日,明治大学 生田キャンパス(神奈川県川崎市)にて,センサやアクチュエータといった特定の電子部品をテーマとして語るトーク・イベント「SENSACT」が開催された(写真1).第1回となる今回のテーマは「フォトリフレクタ」である.インタラクション技術の研究者や電子工作を趣味としている人が登壇し,フォトリフレクタの応用例などについて熱く語った.

 

写真1 会場のようす

 

 

 本イベントを主催する工学ナビの橋本 直氏は,インタラクション技術やAR(Augmented Reality;拡張現実)を使ったインターフェースの研究者でもある.インターフェースやインタラクションの研究においては,LEDを光センサとして使ったり,スピーカを触覚提示装置として使ったりするなど,電子部品をちょっと変わったやり方で使用した例を目にすることがある.しかし,発表の場の多くは研究分野や研究の目的を切り口とした集まりであり,電子部品を切り口とした集まりは見かけない.そこで,同じデバイスを異なる目的のために使っている人たちを一堂に集められたら面白いのではないかと考え,本イベントを企画したという(写真2).

 

写真2 本イベントのプログラム概要

 

 

●クッションの押され具合やぬいぐるみの手足の関節角度を検知

 慶應義塾大学大学院 メディアデザイン研究科の杉浦 裕太氏は,フォトリフレクタを使ってクッションなどの柔軟物の変形を計測する方法を紹介した(写真3).フォトリフレクタはLEDと光センサが組になっており,LEDが発した光の反射光を光センサで読み取って物理量を計測する.杉浦氏は,クッションの綿の中にフォトリフレクタを入れて散乱光を計測することにより,綿の密度(すなわち,クッションが押されているかどうか)を計測した(写真4).

 

写真3 フォトリフレクタで綿の密度を計測する
クッションが押されて綿の密度が高くなると,反射光が多くなる.なお,綿はポリエステル綿を使用しているが,木綿の綿や羽毛でも同様に計測が可能だという.

 

 

写真4 クッションの押され具合を検出したところ
フォトリフレクタ6個を組み合わせたセンサ・モジュールを作成し,クッションの四隅に入れてある.

 

 

 この技術を応用すれば,クッションを押すことでテレビのチャンネルを切り替えたり,触れられたところを見る柔らかいロボットが実現できる.

 また,ぬいぐるみの手足の付け根などにフォトリフレクタを取り付けて反射光を計測することにより,曲げられている角度(関節角度)を感知できる.杉浦氏は,フォトリフレクタとサーボ・モータ,無線モジュール(Zigbee)を内蔵したリング型の装置「PINOKY」についても紹介した(写真5).本装置をぬいぐるみに取り付けて,手足の曲げ具合を記録,再生したり,複数のぬいぐるみで手足の動きを同期させたりできる.

 

写真5 「PINOKY」を装着したぬいぐるみ

 

 

 このほか同氏は,爪の血流をフォトリフレクタで計測して指が曲がっているかどうかを検知するという,慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科 舘研究室の研究(プロトタイプ)についても紹介した.

 

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