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ちょっとしたメモ

Microformatの先へ

"Web 2.0"やmicroformatに関心がある人は、昨日xml.comで公開されたUche Ogbujiの記事 Microformats in Context をぜひ読んでおこう。ここでは、microformatの可能性と限界、そしてその次のステップが、XMLの本質に照らして鮮明に描かれている。microformatは「インフォーマルな文脈における小さな島(コミュニティ)をうまくまとめる方向に目を向けている」が、それらの小さな島をつなぎ、集約するためには、もう少し先に進む必要がある。

Ucheの論点を大まかに列挙すると、次のようになる:

  • microformatは新しい語彙を作るのではなくて、既存のよく普及したフォーマット(XHTML)を利用して情報を表現しようとするものだが、多くの場合、XHTMLの語彙の意味を拡大解釈し過ぎて、混乱を生む。
  • 複数のmicroformatの間で語彙が衝突したり矛盾したりする可能性が高く、それをきちんと整理する方法がない。
  • 無理にXHTMLを利用しようとするため、とても醜い構文になりがち。
  • microformatの意味を解釈するためには、人間が(Wikiページなどの)情報を探して読むしかなく、自動的な処理ができない(もっとも、これはmicroformatの場合は正しい選択だとも言える)。

これらの問題点を解決するためのステップとしてまず取り上げられているのがGRDDLだ。これは、XHTMLのプロファイルとlink要素経由で、microformat的なタグ付けからXSLTによってRDFを抽出し、意味の明確化と自動処理の手だてを提供する。microformatを定義するときに、少し丁寧に語彙を設計して変換XSLTを提供すれば、上記の問題のかなりの部分は解決するだろう。

GRDDLは現在のXHTMLでそのまま(文法的にも問題なく)使えるが、さらに進んだアプローチとして、XHTMLに直接RDFを埋め込むために新しい属性を導入するRDF/A新しい内部草案ではRDFa)もとりあげられている(もともとXHTML2のモジュールとして考えられていたため、使い物にならないと思っていたのだが、最近ではXHTML1でも使えるようにする方向なので、多少ましになるかも知れない。いずれにしても現時点では絵に描いた餅)。

既存フォーマットを活用するというmicroformatの考え自体は悪くないが、下手をすると関係者間でしか意味が通じない語彙が量産されて、逆ネットワーク効果を生み、ウェブが分断されかねないというのは、ぜひ念頭に置いておきたいポイントだ。David Petersonは、Ucheの記事を読んで「マイクロフォーマットに対する見方が全く変わって、マイクロフォーマットのサポートを計画している開発中プロジェクトの進め方を変更した」と述べている(Uche Ogbuji On Microformats : Stop, Click, Read, Understand)。GRDDL(そしてもしかしたらRDF/A)は、microformatの小島に橋を架け、その先に進むための手段としても注目しておきたい。

関連メモ:
map - genre: rdf. at