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“表現の深み”が違う、ヤマハ「RX-V773」を先代と徹底比較今年はAVアンプの当たり年(1/3 ページ)

» 2012年07月02日 14時35分 公開
[野村ケンジ,ITmedia]
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 今年のAVアンプはまれに見る豊作となった。というのは、アンプとしての根本と的な部分、音質面において昨年モデルから大きくジャンプアップしている製品がいくつも登場しているからだ。そんな状況の中、価格面でも手ごろなヤマハ「RX-V773」を取り上げよう。

6月下旬に発売された「RX-V773」。価格は9万2400円

AirPlayや96kHz/24bitハイレゾ音源にも新対応

 音の進化に目を見張った、というのは、実際に試聴した際に感じたことだが、まずは機能面のディテールやスペックについて紹介していこう。

 「RX-V773」は、昨年夏に登場した「RX-V771」の後継となるミドルクラスのAVアンプ。現在ヤマハには、上位モデルの「AVENTAGE」(アベンタージュ)シリーズと、“RX-Vx73”の型番で統一されたレギュラーシリーズという2系統のラインアップがあり、RX-V773は、レギュラーシリーズの最上位モデルに位置づけられる。そのため外観は、下位モデルの「RX-V373」「RX-V473」「RX-V573」と共通するデザインが与えられているが、RX-V773のみダイヤル式のインプットセレクトが用意されているなど、違いはひと目で分かる。

デザインは下位モデルと共通ながら、大径ボリュームノブに加えてダイヤル式の入力セレクターを配置した点が異なる。ブラックに加えてゴールドも設定されているのもRX-V773のみ

 機能面で最大の注目は、やはりネットワーク関連だろう。近年のAVアンプはテレビやBDビデオの映像コンテンツだけでなく、音楽コンテンツやネット配信されるコンテンツなどへの対応も推し進められ、マルチメディアセンターとしての機能性を高めているが、RX-V773では、先代RX-V771で搭載したネットワーク機能を強化し、新たにアップルの「AirPlay」に対応した。また、専用アプリ「AV CONTROLLER」も用意され、こちらを使えば、AirPlay非対応のAndroid系端末などからも音楽再生ができるようになっている。当然のごとくネットワークオーディオ機能(DLNA1.5準拠)も搭載。MP3やAACはもちろん、FLAC/WAVの96kHz/24bitハイレゾ音源にも対応し、NASやPC内の音楽データを、気軽に再生できるようになっている。

反射音も積極的に利用するデジタルサラウンド機能

 いっぽうで、映像関連についても新たなる進化がいくつも見られる。まずは今話題の4K映像への対応。しかもパススルーだけでなく、従来のHDまたはSD映像を4K相当の解像度まで引き上げる4Kアップスケーリング機能も搭載している。また、3D映像パススルーやARC(オーディオリターンチャンネル)、主要メーカー製テレビ/レコーダーとのリンク機能など、最新フォーマットに幅広く対応。ここ数年は色あせることのない、充実した最新機能が盛り込まれた。

「VPS」(バーチャル・プレゼンス・スピーカー)機能のイメージ。フロントハイトが設置できない環境でもプレゼンススピーカーの効果が楽しめる

 さらに注目なのが、サラウンドに関する機能だ。もともとヤマハは、独自の「シネマDSP」の高性能さが根強い人気を集めているが、「RX-V773」では、左右メインスピーカーの上部に設置したプレゼンススピーカーを使って、高さ方向へも広がりを表現する「シネマDSP<3Dモード>」を搭載。これにより、前後左右だけでなく、高さ方向も含めた立体的なサラウンド空間を実現した。さらに「RX-V773」では、7.1chまたは5.1chスピーカー構成のままプレゼンススピーカーを設置したのに近い効果を実現させる「VPS」(バーチャル・プレゼンス・スピーカー)機能も搭載。手軽に「シネマDSP<3Dモード>」の立体的なサウンドフィールドが楽しめるよう、配慮されている。

 なお、ヤマハ製AVアンプには、マイクによる計測で自動的に最適な音場を作り上げる「YPAO-R.S.C.」機能が用意されているが、「RX-V773」に搭載された最新バージョンでは、部屋固有の初期反射音をより積極的に制御するよう改良R.S.C.(Reflected Sound Control)技術や、最大8箇所の計測結果を総合的に判定して調整精度を高めるマルチポイント計測を採用。メーカーが理想的とする音響セッティングを、より高精度に実現できるようになっている。

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