「ImageMagick」の脆弱(ぜいじゃく)性を悪用してYahoo! Mailの添付画像が他人に盗み見される恐れがあることが分かり、Yahoo!はImageMagickを引退させることで対処した。
米Yahoo!のメールサービスに使われていたオープンソースの画像処理ツール「ImageMagick」に脆弱(ぜいじゃく)性が発覚し、添付の画像を他人に盗み見される恐れがあったことが分かった。Yahoo!はこの問題への対応として、ImageMagickを引退させることにしたという。
脆弱性を発見したセキュリティ研究者のクリス・エバンズ氏は、この脆弱性を「Yahoobleed #1 (YB1)」と命名した。脆弱性を悪用された場合、初期化されていないメモリを利用してサーバサイドメモリを流出させることが可能だったとされ、「Yahoo! Mail」に添付された画像を他人がYahoo!のサーバから入手できてしまう恐れがあった。
この種の脆弱性ではサーバがクラッシュしないため、「Heartbleed」のような境界外読み込みの脆弱性に比べて、ステルス性が高いという。
エバンズ氏は18バイトの脆弱性悪用ファイルをYahoo! Mailに添付して自分宛てに送信し、受信したメールの画像をクリックしてプレビューを表示させるデモで攻撃の手口を紹介。「結果として私のブラウザに配信されたJPEG画像は、初期化されていない、あるいは過去に解放されたメモリコンテンツをベースとしている」と解説している。
同氏によると、Yahoo!は報告を受けて、ImageMagickを引退させることでこの問題に対応したという。
エバンズ氏には1万4000ドルの賞金が贈呈されることになったが、同氏が慈善団体への寄付を表明すると、Yahoo!は賞金額を倍の2万8000ドルに増額したと同氏は伝えている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.