C#のフリー実装は、ソフトウェア特許係争に発展する危険があるため、フリーのC#実装への依存を意識的に減らしていくのはどうかと、リチャード・ストールマン氏がコミュニティーに呼びかけている。
「MonoやC#に依存するべきではない」――フリーソフトウェアを推進する非営利団体Free Software Foundation(FSF)の設立者、リチャード・ストールマン氏がコミュニティーに呼びかけた。C#のフリー実装は、ソフトウェア特許係争に発展する危険があるという。
米国時間の6月26日、ストールマン氏はFSFのWebサイトに、C#のフリー実装の危険性について説明する文章を掲載した。ストールマン氏はまず、DebianがデフォルトインストールでMonoを搭載したことはコミュニティーを危険な方向性に導くと警告する。
ストールマン氏はその理由として、Microsoftが将来的に、ソフトウェア特許を使うことでMonoなどあらゆるフリーのC#実装に対し脅威になる可能性があると指摘する。「C#の実装は悪いことではない。フリーのC#実装により、ユーザーがC#プログラムを動かせるようになるのはよいことだ」としながら、問題はC#で作成されたアプリケーションにあるとしている。「C#が利用できなくなれば、これらのアプリケーションも利用できなくなる」とストールマン氏。
こういったことから、ストールマン氏は、フリーのC#実装への依存を意識的に減らしていくことを提案している。具体的には、C#でプログラムを作成しないようにコミュニティー間で呼びかけることで、GNU/LinuxディストリビューションのデフォルトインストールでC#実装を含む必要がなくなると提案している。
一方、Debian Mono Groupの開発者はApebox.orgで、Monoが安全な理由を説明している。
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