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能率手帳、ほぼ日、「超」整理手帳の各社に聞く「手帳の始め方」何を書いていいか分からない人向け

能率手帳、ほぼ日手帳、「超」整理手帳――。2009年版の手帳が出そろったが、「手帳に何を書いたらいいか分からない」という人も少なくない。各社に「手帳の始め方」を聞いてみた。

» 2008年10月23日 19時30分 公開
[鷹木創,ITmedia]

 手帳が売れている。日本能率協会マネジメントセンター(JMAM)によると、手帳市場は2008年現在で法人向け個人向けを併せて1億冊。微増傾向にあり、同社の販売冊数も2006年の1300万冊から2007年には1400万冊へと増加した。この増加分は、ほぼ個人向け製品だという。


 個人向け市場で人気のある「ほぼ日手帳」。2006年は23万冊、2007年は25万冊を売り上げた。女性に人気で「6対4の割合で女性が多い」(東京糸井重里事務所)というが、2007年に発売した2008年版は思った以上にビジネス系の人から反響があったとも。特に、これまで静かだった「男性が声を上げている印象がある」(同事務所)という。

 一方、男性ビジネスパーソンに人気があるのは、野口悠紀雄氏が考案した「『超』整理手帳」。売り上げの比率は男性が76.2%、女性が23.8%と圧倒的に男性が支持しているようだ。2009年版の発行数は2008年並(13万冊)だが、関連書籍『図解「超」手帳法』も1万7000部発行する。

 こうしてみると、手帳業界各社ともそれなりに好調のようだ。だが、筆者をはじめ「手帳? Google カレンダーでいいよ」とか「携帯電話のメモ帳で十分」などという人も少なくない。そこで、各社に“手帳の始め方”を聞いてみた。

「何を書けば……」「起こったことを書けば?」

 今年編集部に配属された新卒記者も手帳を使ったことがないという。中学3年生から携帯電話を利用する彼は、メモを取るのも携帯電話を活用しているのだ。そんな彼に「超」整理手帳を買い与えたが、どうにもこうにも予定を書き込めない。「何を書いたらいいのか分からない」「白紙で渡されても、縦書きしたらいいのか、横書きしたらいいのか迷う」「後から追記するにもスペースが決まってて」などといいわけだらけである。

新卒記者に買い与えた「超」整理手帳2009。ぜんぜん使っていない……

 こんな彼に優しく教えてくれたのがJMAM。「何を書いたらいいのか分からない」のであれば、「起こったことを書けばいいんです」――。 確かに新卒の彼はそれほど予定が詰まっているわけではない。それなのに無理やり手帳に書き込め、というのも厳しい話ではある。それならば「今日起こったことを書き込めばいい」というわけだ。

 野口氏も口をそろえる。「手帳は将来の予定を書くだけのものではない。書くべき予定がないのなら、今日の記録を書けばよい」

 「今日は昨日と何が違ったか? 今日起こったことで、今までとは違うことを書いてみる。例えば『朝、駅に行くとき、普段とは違う道を通った』ということでもよい。あるいは『昨日は咲いていなかった花を見つけた』でもよい。こうしたことまで含めれば、『何も書くことがない』ということは、ありえないだろう」(野口氏)

 1日の終わりに日記感覚で書き込む。場合によっては仕事もプライベートも一緒にすれば、書くネタには困らないかもしれない。

 ちなみに「白紙で渡されても、縦書きしたらいいのか、横書きしたらいいのか迷う」人は罫線や付録にこだわってみるといいだろう。先日掲載した「2009手帳マッピング」でも、

 糸井(重里)さんはこう結論づけた。「ヨコ罫線はリーダーであり、タテ罫線はガイドである」

 文章はたいていヨコ書き。自分が文章のリーダーとなって書き進む。一方タテ罫線は矢印を引き、図解やチャートを書く上で重宝する。アイデアはヨコ罫線に沿って走り、タテ罫線が「もっと走れ」「ここで止まれ」を知らせてくれる。ヨコ書きでふくらませてタテで整える。この記入リズムが方眼である。

 と指摘したほどだ。「後から追記するにもスペースが決まってて」という人はのり付き付せんを活用して、スペースの拡充を図るのもいいだろう。

日記の後は“計画”を

 日記を付けられるようになったら次は何をしたらいいのだろうか。野口氏は「今日と違うことを、1つでもよいから、明日やってみる」という計画を書くという。「どんなに小さなことでもよい。毎日何かが違えば、それがどんなに小さなことであっても、そのうちに大きな違いになってくるだろう」。自己改革の1つに手帳を活用する――というわけだ。

 東京糸井重里事務所では「手帳は、自分を投影する一番身近なもの。友達以上に自分のことを分かってくれるはず」という。そういえば、JMAMの野口晴巳会長も同じようなことを言っていた

 「手帳は自分自身の分身」と言い切る野口(晴巳)氏。「仕事やプライベートに関わらず、真っ黒になるまで書いた。知識を得たり、人格形成にも役立った」

〜(中略)〜

 やりたいことをいきなり計画しても達成できない。何回も書いて、修正を重ね、現実化していくのだ。


 1度しかない人生を「無為に過ごすのでは、いかにももったいないではないか」(野口氏)。手帳で人生が開けるならチャレンジしてみるのも悪くない。千里の道も一歩から。「書けない」とお嘆きの人もまずは、日記から始めてみてはいかがだろう。

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