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ギターの出力信号を増幅し、音響出力に変換す る役割を果たすギター・アンプは、音楽的要素や 演奏形態など使用条件の多様さから、さまざまな 形態のアンプが作られている。それらの内で、最 も標準的と思われるアンプとして、フェンダー・ ツイン・リバーブ・モデルを、大型アンプの例とし てマーシャル・ユニット3を取り上げ、その構成 について述べる。 |
●ツイン・リバーブの構成
●マーシャル・モデル1959アンプ
アンプ部は、モデル1959、100Wリード・ユニット
で、増幅素子は全て真空管で構成されている。74×
×29×21cmとかなり大型の木製キャビネットは
納められており、重量も23kgとかなり重い。1959は、スピーカー
ボックス2段の上に積み重ねて使用するため、
コントロール・パネルは全面下部に設けられ、2系
統4個の入力端子、2系統のボリユーム、トレブ
ル、ミドル、ベースのトーン・ボリューム、プレ
ゼンス・コントロール、パワー・スイッチ、スタ
ンバイ・スイッチ、パイロット・ランプが横一列
に並んでいる。
アンプ部のブロックダイヤグラムを図III-66に
示す。1959は大音量演奏を主体に設計されている
ため、トーン回路は1系統に省略され、トレモロ、
リバーブなとのエフェクト機能も付属されていな
い。入カ端子はノーマル・チャンネルとブライト
チャンネルの2系統に分けられておリ、ノーマル・
チャンネルは通常の増幅作用を行ない、ブライト・
チャンネルでは高域の増強が行なわれる。各チャ
ンネルともハイゲイン入力とローゲイン入力の2
端子を備えている点はツイン・リバーブ等と同じ
で、標準的な構成である。入力信号は1段増幅さ
れた後、直ちに各チャンネルのボリュームでレベ
ル調整され、2チャンネルがミキシングされて、
2段目の入力となる。2段目の増幅段は力ソード・
フォロワーによるバッファ段を備え、負荷となる
トーン回路や、ワイヤリングの影響を防いでいる。
トーン回路を通った信号はパワーアンプで電力増
幅される。パワーアンプではNFB回路を利用し
て高域を増強するプレゼンス・コントロールが付
属している。出力回路には負荷インピーダンス切
換スイッチが装備され、広範囲のスピー力ーに対
応できるようになっている。以上のように1959は
全体的に簡略化された構成で、必要な機能をシン
プルにまとめている。また、全体的に増幅度が大
きく設計され、がなり高感度なため、オーバード
ライブも容易である。
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