まだまだ紙文化は死せず……。
最近は雑誌も小説も新聞も、すべてスマートフォンやタブレットで読むという人だって、周囲で増えてきましたよね。ということは、このまま電子書籍が流行すれば、もう紙の書籍を購入する人なんていなくなってしまうのでは?
そんな懸念すらささやかれるのを耳にしませんか。でも、実態はかなり異なってもいるようですよ。例えば、MMD研究所が今年3月に実施した「電子書籍および紙書籍に関する調査」によれば、電子書籍の購読者のほうが、紙書籍を購入する頻度がグンとアップしていることが判明しました。
同調査では、日本国内の20代から50代のインターネットユーザーを対象に、電子版、紙版を問わず、その読書実態をリサーチ。紙の書籍は読まないとの回答者が全体の2割未満だったのに対し、電子書籍は無料でも過去にまったく読んだことがないとの回答者が6割に迫る結果となりました。まだまだ日本では、スマホやタブレットで読書をする人のほうがマイナーな存在でもあるようですね。ちなみに、男性よりも女性のほうが、電子書籍への抵抗感は強いことも示されています。
しかしながら、紙の本や雑誌はどれくらいの頻度で購入されているのか? 実際に尋ねてみると、毎日必ず購入しているとの回答率は、電子書籍利用者が非利用者の8倍以上に! 週1回程度の購入者層を合わせると、電子書籍利用者の32.7%が、紙の書籍も毎週のように購入していることが明らかになっていますね。一方、電子書籍を利用しない人のなかでは、毎週紙の書籍を購入するとの回答者が13.2%にとどまりました。電子書籍ユーザーであれば、わざわざ紙の本や雑誌、新聞などは買わないのでは? そう思われがちですが、かえって紙の書籍の購買意欲も旺盛になる傾向が高いとのことですよ~。
なお、日本国内では、このところ若者ほど本屋通いを好むトレンドの復活がみうけられるとまで指摘されてきました。もちろん活字離れを心配する風潮だってあるのは承知です。でも、まだまだ工夫次第では、紙の書籍にも十分に勝機はあるというデータでもあるのかも?
source: MMD研究所
(湯木進悟)